JPH0431241B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［発明の背景］ 靴は、活動の種類によつて、要求される摩擦、
滑り、機動性が異なる。すなわち、ダンス用シユ
ーズや、フツトボールその他の芝生の上で行うス
ポーツのためのシユーズに要求される性能は、バ
スケツトボールその他の床の上で行うスポーツの
ためのシユーズや、たとえばレストランの厨房な
どのように湿つていて滑りやすい床の上で働くた
めの靴に要求される性能とは異なつている。本発
明の靴底組立体は、たとえばレストランの厨房な
どのように耐滑り性が重要となるような場合、特
に床が湿つているかもしれない場合、の活動に関
して開発されたものである。本出願人は、接着さ
れた踏み面が試験中に実際に靴底から離れてしま
うほどの顕著な耐滑り性を示す靴底踏み面につい
て実験した。そして、本発明者はここに、高い耐
滑り性を有する踏み面が靴底から離れてしまうこ
とのないような新規な靴底組立体を開発した。こ
の発明は、特に、非常に高い耐滑り性を有するレ
ストラン用作業靴にとつて有用であり、あるい
は、高い耐滑り性が利点となる場合の運動競技用
シユーズにとつて有用である。

［発明の概略］ 本発明は、応力によつて踏み面が靴底から剥が
れやすいような場合に、たとえばレストランなど
で使用される作業靴用として、あるいは運動競技
用シユーズ用として、特に高い耐滑り性を有する
踏み面を使うのを可能にする独特の靴底組立体を
提供するものである。本発明の重要な目的は、踏
み面が靴底から剥がれようとする傾向に耐えるこ
とができるような靴底組立体を提供することにあ
る。踏み面の層は靴底の下面の空所内に特別に嵌
め込まれて、空所の周囲と上面とが踏み面の層に
接着される。踏み面の層は靴底の内部に嵌め込ま
れるが、少量だけ靴底から下方に突き出し、かか
ととつま先の領域の終端を除いて床面に接触でき
る。かかととつま先の領域では剥がし応力が最大
になり、踏み面の終端の表面が靴底の周囲の壁と
平らに接することによつてこれら領域が特別に保
護されている。

本発明は上述のおよびその他の特徴、目的、利
点は、図面を参照して以下の説明を読めば明らか
になる。

［実施例］ まず第１図と第２図において、ここに示されて
いる作業靴１０は、靴底組立体１２と靴の甲１４
を含む。甲には任意の形式のものを選択でき、し
たがつて詳細には図示説明しない。ここに示され
ている靴底組立体１２は、靴底１６と踏み面挿入
物の層１８を含む。

靴底１６はポリウレタンなどの高分子材料で形
成され、その上面１６′は消費者の足に一致する
ような形状にするのが好ましい。さらにその上に
は、接着剤などで甲を靴底１６に固定した後に中
底（図示せず）を取り付けることができる。靴底
に甲を固定することや、いろいろな形式の中底を
使用することなどは、通常の技術であつて、ここ
ではその詳細な説明はしない。

靴底１６の下面には下方に突き出している周囲
の壁１６ａがあつて、靴底１６の全周に亘つて延
びている。これにより、靴底１６の下面にほぼ全
体に亘つて広がる下向きに開口した空所１６ｂが
形成される。この下向きの空所１６ｂの深さは靴
の形式に応じて変えることができるが、第一の深
さは代表的な作業靴では空所１６ｂ全体に亘つて
約2.5ミリメートルの深さである。ただし、第二
の深さ即ち、つま先とかかとの領域の終端では、
空所の深さは約５ミリメートル、すなわち空所の
その他の部分での深さに対して約２倍、にまで増
加されている。

第１図と第２図に示されている実施例では、踏
み面挿入物の層１８は全体に亘つて一様な厚さで
あり、その周囲の寸法と形状は空所１６ｂの内壁
の面１６a′のそれに合致している。そして、踏み
面挿入物の層１８の全厚さは、空所１６ｂの大部
分のところでの深さ2.5ミリメートルの約２倍で
あるが、空所１６ｂのつま先とかかとの領域
16b′での増大された深さにほぼ等しい。したがつ
て、踏み面挿入物の層１８が空所１６ｂに嵌め込
まれたときは、この層１８の終端部分は第１図に
示すように実質的に壁１６ａの外縁と平らに接す
る。この踏み面挿入物の層１８は、特有のゴム接
着剤などを利用して、その上面が空所１６ｂの上
面に接着固定され、同様に、その周縁が空所１６
ｂの内壁の面１６a′に接着固定される。このよう
に上面の接着と周囲の接着とを組み合わせること
に加えて、さらに、つま先やかかとがねじり応力
によつて剥がれ易くなるのを防ぐためにつま先と
かかとの領域で踏み面の端部を深く埋め込むこと
は、踏み面の下面が非常に高い耐滑り性を有する
場合であつても、踏み面が靴底から剥がれるのを
防止するのに非常に効果的であることが確かめら
れた。かかととつま先の端部以外では、踏み面の
表面はわずかに、すなわち約2.5ミリメートルだ
け、靴底の大部分の下面から突き出している。

なお、つま先とかかとの領域で平らに嵌め込む
には、これらの領域で空所１６ｂの深さを大きく
するか、あるいはこれに加えて、踏み面挿入物の
層１８にテーパを付けてこれらの領域で層１８の
厚さを薄くすることで達成できる。

第３図と第４図には別の実施例として運動競技
用シユーズ１１０が示されている。この運動競技
用シユーズは、甲１１４と、表底組立体１１２
と、ミツドソール１１３を含む。表底はミツドソ
ールの一体に成型されている。表底はメインソー
ル部材を含み、その下側の周壁１１６ａはその内
部に空所１１６ｂを形成していて踏み面挿入物１
１８を収容するようになつている。第１の実施例
と同様に、踏み面挿入物の層１１８の垂直厚さ
は、靴底下面の大部分に亘つて空所の深さよりも
大きく、これにより、わずかにたとえば約2.5〜
３ミリメートルだけ靴底下面から突き出してい
る。つま先とかかとの領域の終端では空所はより
深くなつていて、踏み面の下面は周端１１６ａの
下端面と平らに接触し、あるいは周壁１１６ａの
下端面からわずかに突き出すすなわち実質的に平
らに接触している。本実施例でもまた、挿入物１
１８の上面が空所の上面に接着固定されているの
に加えて、挿入物１１８の周縁は、ゴム接着剤な
どを利用して、空所１１６ｂの周囲の内側周壁１
１６a′に接着固定されている。

なお、本発明の思想を逸脱することなく、上述
の構造をある程度変更することは可能である。し
たがつて、本発明の限界は上述の特許請求の範囲
によつてのみ定められるものであり、合理的に均
等な構造は本発明の範囲内にあるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は新規な靴底組立体を具体化した作業靴
の側面図、第２図は第１図の−面で切断した
分解断面図、第３図は新規な靴底組立体を具体化
した運動競技用シユーズの側面図、第４図は第１
図の−面で切断した分解断面図、第５図は内
部の踏み面挿入物を除いた状態の第１図と第２図
の靴底の底面部分図である。 １０……作業靴、１２……靴底組立体、１４…
…甲、１６……表底、１８……踏み面挿入物の
層、１６ａ……壁、１６ｂ……空所。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 滑りにくい靴底組立体において、 靴底は下方に突き出している周囲の壁があり、
   その壁には下端があり前記壁には下方に向つて開
   かれた空所があり、前記空所には上表面と周囲の
   内壁の面とがあり、踏み面挿入物の層は前記周囲
   の壁の端と適合する構造寸法の周囲の端をもち、
   上の接着面があり、下にはすべりにくい踏み面が
   あり、さらに前記踏み面挿入物の層はシート状の
   構造をもち終始均一な厚さであり、そして前記周
   囲の端はその上下の表面と直角に形成され、前記
   空所の内に前記踏み面挿入物の層の上表面が空所
   の下表面に接着され、前記踏み面挿入物の層の周
   囲の端は前記周囲の内壁の面に接着され、前記靴
   底組立体は、つま先とかかと部分をもち、前記空
   所において、第一の深さは踏み面挿入物の層の厚
   さより小さく、第二のより大きな深さは前記つま
   先とかかとの領域の終端のところにあり、前記第
   二の深さは前記踏み面挿入物の層の厚さと等しく
   ここにおいて前記つま先とかかとの領域の終端に
   おける前記踏み面挿入物の層は前記つま先とかか
   との領域において、前記周囲の壁の下端と同じ高
   さであり、そのため前記踏み面挿入物の層のつま
   先とかかとの領域を破壊しかつ靴底から剥れよう
   とする前記踏み面挿入物の層にかかるねじり応力
   を避けることが出来、前記踏み面挿入物の層の残
   りの部分は前記空所の深さより大きい厚さを有
   し、前記空所をこえて床面と接触するため下方に
   伸びていることを特徴とする靴底組立体。 ２ 特許請求の範囲１に記載の靴底組立体におい
   て、前記踏み面挿入物の層は靴底の底の上に伸
   び、前記低い踏み面挿入物の層をもつて床面と接
   触する表面を形成していることを特徴とする靴底
   組立体。