JPH0431019B2 - - Google Patents
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- JPH0431019B2 JPH0431019B2 JP62133490A JP13349087A JPH0431019B2 JP H0431019 B2 JPH0431019 B2 JP H0431019B2 JP 62133490 A JP62133490 A JP 62133490A JP 13349087 A JP13349087 A JP 13349087A JP H0431019 B2 JPH0431019 B2 JP H0431019B2
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Classifications
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F01—MACHINES OR ENGINES IN GENERAL; ENGINE PLANTS IN GENERAL; STEAM ENGINES
- F01C—ROTARY-PISTON OR OSCILLATING-PISTON MACHINES OR ENGINES
- F01C21/00—Component parts, details or accessories not provided for in groups F01C1/00 - F01C20/00
- F01C21/08—Rotary pistons
- F01C21/0809—Construction of vanes or vane holders
Landscapes
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- General Engineering & Computer Science (AREA)
- Rotary Pumps (AREA)
Description
[産業上の利用分野]
本発明は耐摩耗性と耐スカツフイング性の高い
鋳鉄材を用いたコンプレツサ用のベーンに関す
る。 [従来の技術] 現在、家庭用電気製品で使用するロータリーコ
ンプレツサは軽量、小型化するとともに、低コス
ト化高性能化の要求から各部品を形成する材料に
おいても改良が求められている。すなわち、ロー
タリーコンプレツサは第1図に示すように、ケー
ス10、ハウジング11、ハウジング11の溝に
収容されるベーン12、ローラ13等から構成さ
れるが、これらの中でも特に近年インバータ方式
の採用により高負荷となるため耐摩耗性が要求さ
れているのがベーン12である。 ベーン材は現在、ハードナブル鋳鉄、SKH51
などのスチール材、鉄系固相焼結合金、カーボン
などが多く用いられている。 [発明が解決しようとする問題点] しかるにベーン材をハードナブル鋳鉄やスチー
ル材で形成した場合は高負荷時にスカツフイング
や摩耗が起き、また加工工数が多くコスト高とな
つていた。 また鉄系固相焼結合金で形成したベーンは連続
空孔が多いため、油焼入れによる汚れや研削液、
砥粒の残存等による弊害や摺動時に空孔から潤滑
油が逃げて油膜が形成されにくい等の弊害がある
ために封孔処理を施すことが必要であつた。また
材料強度が小さく、耐摩耗性にも劣つていた。 あるいはまた、現在耐摩耗性が最も高いとして
用いられているカーボンベーンも含水や加工上の
問題が残り高コストなものとなつている。 そこで本発明の目的は、優れた性能を発揮する
ベーン、特に高負荷時に優れた耐摩耗性と耐スカ
ツフイング性及び高強度を有し、製造コストの低
いベーンを提供することにある。 [問題点を解決するための手段] 本発明は、成分組成が重量%で、C:2.5〜3.7
%、Si:1.0〜2.0%、Mn:0.5〜1.0%、Cr:10〜
20%、Ni:0.3〜0.7%、P:0.3%以下、S:0.1
%以下、および必要に応じてW、Mo、V、Nb、
Ta:1種又は2種以上で1〜10%、残部Feと不
可避的不純物からなり、パーライト及び/又はマ
ルテンサイト基地中にCrを主体とする炭化物が
均一に析出した鋳鉄材からなるベーンを提供し前
記問題点を解決するものである。 本発明のコンプレツサ用のベーンは製造コスト
を低くするためにシエル型やロストワツクス型を
使つた鋳造により一体形成されるのが望ましい。 また鋳鉄材は鋳放しでパーライト基地の状態で
十分に優れた耐摩耗性を有するが、焼入れマルテ
ンサイト基地やパーライトとマルテンサイトの混
合基地あるいは焼入後、窒化によつて表面に高硬
度の窒化化合物層を形成すればさらに高い耐摩耗
性が得られる。 以下に成分組成を上記の通りに限定した理由を
説明する。 C成分は基地に固溶してこれを強化し、かつ
(Cr・Fe)7C3などCrを主体とする硬質の炭化物や
その他の炭化物を形成し、耐摩耗性を向上させる
作用がある。2.5%未満では炭化物の析出量が不
足して耐摩耗性が得られず、3.7%を超えると炭
化物の析出量が過多となるため相手材に対する攻
撃性が過剰となり、また加工性も悪くなる。 Si成分は接種材として添加するが、1.0%未満
では溶湯の融点が高くなり鋳込みの際に湯回りが
悪くなる。また2.0%を超えると炭化物の形成を
阻害し粒状黒鉛が析出するので耐摩耗性が低下す
る。 Mn成分は一部が炭化物を形成し、一部は基地
に固溶して基地組織のパーライト化を促進すると
共に焼入性を向上させる作用がある。0.5%未満
ではこれらの効果が得られず、1.0%を超えると
炭化物の析出量が過多となるかあるいは基地がマ
ルテンサイトのとき炭化物周辺の基地の焼戻し脆
性を生じさせ、材料を脆化させる。 Cr成分は基地に固溶してこれを強化すると共
に耐熱耐食性を向上させる。また本発明の鋳鉄材
は高Crであることが特徴であり、(Cr・Fe)7C3な
どのCrを主体とする炭化物を形成してこれが高
硬度であるために優れた耐摩耗性を発揮する。10
%未満では炭化物の析出量が少なく耐摩耗性に劣
る。また20%を超えると基地がフエライト化し易
くなりやはり耐摩耗性が低下する。 Ni成分は基地を緻密にして強化し、また焼入
性を向上させる作用がある。0.3%未満ではこれ
らの効果が得られず、0.7%を超えると効果が飽
和し、かえつて経済的に不利となる。 P成分は0.3%以下、S成分は0.1%以下とする
が、ともにこれらの範囲を超えると材料を脆化さ
せる。 本発明の鋳鉄材は以上の成分と残部Fe及び鋳
鉄として通常含まれる不可避的成分からベーンと
して製造すれば鋳放しの状態でパーライト基地と
なり、さらに焼入れによるマルテンサイト基地あ
るいは窒化処理による表面硬化によつてローラと
の良好な摺動性が得られる。しかし、これら相手
材との摺動環境によつてさらに高い耐摩耗性が必
要となれば、W、Mo、V、Nb、Taなどの炭化
物形成元素を任意に1種又は2種以上で1〜10%
含有させる。1%以下では耐摩耗性向上の効果が
なく、10%を超えると経済的に不利となる。 [実施例] 以下、本発明を実施例により説明する。 (試験方法) 配合組成を変化させた1400〜1500℃の溶湯をロ
ストワツクス型に鋳込んで本発明鋳鉄材からなる
ベーンを製作し、第1表に示すように、鋳放しの
もの(No.1、4)、全面に900℃×60分で油焼入れ
したもの(No.3、5)、焼入れ後に580℃×90分で
塩浴軟窒化したもの(No.2、6)を用意し、また
比較材として従来用いられているSUP9、
SCM435、SKH51、SUS440C(以上、スチール
材)、ハードナブル鋳鉄、固相焼結材からなるベ
ーンを製作した。 これらの供試材について基地組織観察、硬度の
測定、基礎摩耗試験を行なつた。摩耗試験はアム
スラー式摩耗試験であり、上記の各々のベーンを
平面接触滑り摩耗試験機における固定片として平
板状に加工し、これら固定片を相手ローラ材すな
わちNi−Cr−Mo鋳鉄(C:3.31、Si:2.24、
Mn:0.63、P:0.06、S:0.04、Ni:0.21、Cr:
0.85、Mo:0.32、Fe:残り、以上重量%で製作
したロール状試料に圧接し、その圧接面に対し常
時潤滑油を供給しつつロール状試料を回転させ
た。 試験条件は以下の通りである。 荷重……100Kg、周速……1m/S、潤滑油……
スニソ4GD1D、油温……25℃、試験時間……20
時間。 以上の方法により固定片と回転片の摩耗量を測
定し、第1表に示す測定値が得られた。 また同じくアムスラー式摩耗試験により耐スカ
ツフイング試験を行なつた。試料は上記摩耗試験
と同一であり、ロール状試料を周速1.13m/Sで
回転させながら固定片の圧接荷重をスタート時10
Kgとして2分毎に20Kgずつ加重し、50Kg以上から
は10Kgずつ加重し、これによつてスカツフイング
が発生した荷重をスカツフイング限界荷重として
第1表に示す測定値が得られた。 (試験結果) 第1表に示す測定結果からわかるように、本発
明ベーンを用いた場合、ベーン材、ローラ材とも
に比較材を用いた場合に比べて摩耗量が少なく、
鋳鉄材を用いたコンプレツサ用のベーンに関す
る。 [従来の技術] 現在、家庭用電気製品で使用するロータリーコ
ンプレツサは軽量、小型化するとともに、低コス
ト化高性能化の要求から各部品を形成する材料に
おいても改良が求められている。すなわち、ロー
タリーコンプレツサは第1図に示すように、ケー
ス10、ハウジング11、ハウジング11の溝に
収容されるベーン12、ローラ13等から構成さ
れるが、これらの中でも特に近年インバータ方式
の採用により高負荷となるため耐摩耗性が要求さ
れているのがベーン12である。 ベーン材は現在、ハードナブル鋳鉄、SKH51
などのスチール材、鉄系固相焼結合金、カーボン
などが多く用いられている。 [発明が解決しようとする問題点] しかるにベーン材をハードナブル鋳鉄やスチー
ル材で形成した場合は高負荷時にスカツフイング
や摩耗が起き、また加工工数が多くコスト高とな
つていた。 また鉄系固相焼結合金で形成したベーンは連続
空孔が多いため、油焼入れによる汚れや研削液、
砥粒の残存等による弊害や摺動時に空孔から潤滑
油が逃げて油膜が形成されにくい等の弊害がある
ために封孔処理を施すことが必要であつた。また
材料強度が小さく、耐摩耗性にも劣つていた。 あるいはまた、現在耐摩耗性が最も高いとして
用いられているカーボンベーンも含水や加工上の
問題が残り高コストなものとなつている。 そこで本発明の目的は、優れた性能を発揮する
ベーン、特に高負荷時に優れた耐摩耗性と耐スカ
ツフイング性及び高強度を有し、製造コストの低
いベーンを提供することにある。 [問題点を解決するための手段] 本発明は、成分組成が重量%で、C:2.5〜3.7
%、Si:1.0〜2.0%、Mn:0.5〜1.0%、Cr:10〜
20%、Ni:0.3〜0.7%、P:0.3%以下、S:0.1
%以下、および必要に応じてW、Mo、V、Nb、
Ta:1種又は2種以上で1〜10%、残部Feと不
可避的不純物からなり、パーライト及び/又はマ
ルテンサイト基地中にCrを主体とする炭化物が
均一に析出した鋳鉄材からなるベーンを提供し前
記問題点を解決するものである。 本発明のコンプレツサ用のベーンは製造コスト
を低くするためにシエル型やロストワツクス型を
使つた鋳造により一体形成されるのが望ましい。 また鋳鉄材は鋳放しでパーライト基地の状態で
十分に優れた耐摩耗性を有するが、焼入れマルテ
ンサイト基地やパーライトとマルテンサイトの混
合基地あるいは焼入後、窒化によつて表面に高硬
度の窒化化合物層を形成すればさらに高い耐摩耗
性が得られる。 以下に成分組成を上記の通りに限定した理由を
説明する。 C成分は基地に固溶してこれを強化し、かつ
(Cr・Fe)7C3などCrを主体とする硬質の炭化物や
その他の炭化物を形成し、耐摩耗性を向上させる
作用がある。2.5%未満では炭化物の析出量が不
足して耐摩耗性が得られず、3.7%を超えると炭
化物の析出量が過多となるため相手材に対する攻
撃性が過剰となり、また加工性も悪くなる。 Si成分は接種材として添加するが、1.0%未満
では溶湯の融点が高くなり鋳込みの際に湯回りが
悪くなる。また2.0%を超えると炭化物の形成を
阻害し粒状黒鉛が析出するので耐摩耗性が低下す
る。 Mn成分は一部が炭化物を形成し、一部は基地
に固溶して基地組織のパーライト化を促進すると
共に焼入性を向上させる作用がある。0.5%未満
ではこれらの効果が得られず、1.0%を超えると
炭化物の析出量が過多となるかあるいは基地がマ
ルテンサイトのとき炭化物周辺の基地の焼戻し脆
性を生じさせ、材料を脆化させる。 Cr成分は基地に固溶してこれを強化すると共
に耐熱耐食性を向上させる。また本発明の鋳鉄材
は高Crであることが特徴であり、(Cr・Fe)7C3な
どのCrを主体とする炭化物を形成してこれが高
硬度であるために優れた耐摩耗性を発揮する。10
%未満では炭化物の析出量が少なく耐摩耗性に劣
る。また20%を超えると基地がフエライト化し易
くなりやはり耐摩耗性が低下する。 Ni成分は基地を緻密にして強化し、また焼入
性を向上させる作用がある。0.3%未満ではこれ
らの効果が得られず、0.7%を超えると効果が飽
和し、かえつて経済的に不利となる。 P成分は0.3%以下、S成分は0.1%以下とする
が、ともにこれらの範囲を超えると材料を脆化さ
せる。 本発明の鋳鉄材は以上の成分と残部Fe及び鋳
鉄として通常含まれる不可避的成分からベーンと
して製造すれば鋳放しの状態でパーライト基地と
なり、さらに焼入れによるマルテンサイト基地あ
るいは窒化処理による表面硬化によつてローラと
の良好な摺動性が得られる。しかし、これら相手
材との摺動環境によつてさらに高い耐摩耗性が必
要となれば、W、Mo、V、Nb、Taなどの炭化
物形成元素を任意に1種又は2種以上で1〜10%
含有させる。1%以下では耐摩耗性向上の効果が
なく、10%を超えると経済的に不利となる。 [実施例] 以下、本発明を実施例により説明する。 (試験方法) 配合組成を変化させた1400〜1500℃の溶湯をロ
ストワツクス型に鋳込んで本発明鋳鉄材からなる
ベーンを製作し、第1表に示すように、鋳放しの
もの(No.1、4)、全面に900℃×60分で油焼入れ
したもの(No.3、5)、焼入れ後に580℃×90分で
塩浴軟窒化したもの(No.2、6)を用意し、また
比較材として従来用いられているSUP9、
SCM435、SKH51、SUS440C(以上、スチール
材)、ハードナブル鋳鉄、固相焼結材からなるベ
ーンを製作した。 これらの供試材について基地組織観察、硬度の
測定、基礎摩耗試験を行なつた。摩耗試験はアム
スラー式摩耗試験であり、上記の各々のベーンを
平面接触滑り摩耗試験機における固定片として平
板状に加工し、これら固定片を相手ローラ材すな
わちNi−Cr−Mo鋳鉄(C:3.31、Si:2.24、
Mn:0.63、P:0.06、S:0.04、Ni:0.21、Cr:
0.85、Mo:0.32、Fe:残り、以上重量%で製作
したロール状試料に圧接し、その圧接面に対し常
時潤滑油を供給しつつロール状試料を回転させ
た。 試験条件は以下の通りである。 荷重……100Kg、周速……1m/S、潤滑油……
スニソ4GD1D、油温……25℃、試験時間……20
時間。 以上の方法により固定片と回転片の摩耗量を測
定し、第1表に示す測定値が得られた。 また同じくアムスラー式摩耗試験により耐スカ
ツフイング試験を行なつた。試料は上記摩耗試験
と同一であり、ロール状試料を周速1.13m/Sで
回転させながら固定片の圧接荷重をスタート時10
Kgとして2分毎に20Kgずつ加重し、50Kg以上から
は10Kgずつ加重し、これによつてスカツフイング
が発生した荷重をスカツフイング限界荷重として
第1表に示す測定値が得られた。 (試験結果) 第1表に示す測定結果からわかるように、本発
明ベーンを用いた場合、ベーン材、ローラ材とも
に比較材を用いた場合に比べて摩耗量が少なく、
【表】
スカツフイング限界荷重が大きい。また概し
て、窒化処理材、焼入材、鋳放し材の順に良好な
結果が得られた。窒化処理材の場合、焼戻しされ
て基地は軟化するが表面が著しく硬くなることに
よる。 なお第1表の基地組織についてはパーライトは
P、マルテンサイトはMで表わした。 (組織写真) 第1表におけるNo.1の供試材の顕微鏡組織写真
(ナイタール液腐食、400倍、以下同様)を第2図
に示す。パーライト基地(黒色部)中に炭化物
(白色部)が分布している。 第3図はNo.2の組織写真である。表面に窒化化
合物層(厚さ約13μm)とその下に窒化拡散層
(厚さ約90μm)が形成され、拡散層上部には網
目状の窒化物が見られる。拡散層の下部とその下
の母材部分で焼戻しマルテンサイト基地(黒色
部)中に炭化物(白色部)が認められる。 第4図はNo.3の組織写真である。マルテンサイ
ト基地(黒色部)中に炭化物(白色部)が分布し
ている。No.2に比べてW、Moの影響によつて炭
化物が微細粒状になつている。 [発明の効果] 上述のように本発明のベーンは優れた耐摩耗
性、耐スカツフイング性を有し、特に高負荷のか
かるコンプレツサに使用した場合に優れた性能を
発揮する。
て、窒化処理材、焼入材、鋳放し材の順に良好な
結果が得られた。窒化処理材の場合、焼戻しされ
て基地は軟化するが表面が著しく硬くなることに
よる。 なお第1表の基地組織についてはパーライトは
P、マルテンサイトはMで表わした。 (組織写真) 第1表におけるNo.1の供試材の顕微鏡組織写真
(ナイタール液腐食、400倍、以下同様)を第2図
に示す。パーライト基地(黒色部)中に炭化物
(白色部)が分布している。 第3図はNo.2の組織写真である。表面に窒化化
合物層(厚さ約13μm)とその下に窒化拡散層
(厚さ約90μm)が形成され、拡散層上部には網
目状の窒化物が見られる。拡散層の下部とその下
の母材部分で焼戻しマルテンサイト基地(黒色
部)中に炭化物(白色部)が認められる。 第4図はNo.3の組織写真である。マルテンサイ
ト基地(黒色部)中に炭化物(白色部)が分布し
ている。No.2に比べてW、Moの影響によつて炭
化物が微細粒状になつている。 [発明の効果] 上述のように本発明のベーンは優れた耐摩耗
性、耐スカツフイング性を有し、特に高負荷のか
かるコンプレツサに使用した場合に優れた性能を
発揮する。
第1図は本発明のベーンを用いるコンプレツサ
の構造を示す縦断面図である。第2図、第3図、
第4図は本発明ベーンに用いる鋳鉄材の顕微鏡金
属組織写真である。
の構造を示す縦断面図である。第2図、第3図、
第4図は本発明ベーンに用いる鋳鉄材の顕微鏡金
属組織写真である。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 成分組成が重量%で、C:2.5〜3.7%、Si:
1.0〜2.0%、Mn:0.5〜1.0%、Cr:10〜20%、
Ni:0.3〜0.7%、P:0.3%以下、S:0.1%以下、
残部Feと不可避的不純物からなり、パーライト
及び/又はマルテンサイト基地中にCrを主体と
する炭化物が均一に析出した鋳鉄材からなるコン
プレツサ用ベーン。 2 成分組成が重量%で、C:2.5〜3.7%、Si:
1.0〜2.0%、Mn:0.5〜1.0%、Cr:10〜20%、
Ni:0.3〜0.7%、及びW、Mo、V、Nb、Ta:
1種又は2種以上で1〜10%、P:0.3%以下、
S:0.1%以下、残部Feと不可避的不純物からな
り、パーライト及び/又はマルテンサイト基地中
にCrを主体とする炭化物が均一に析出した鋳鉄
材からなるコンプレツサ用ベーン。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13349087A JPS63303031A (ja) | 1987-05-30 | 1987-05-30 | コンプレッサ用ベ−ン |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13349087A JPS63303031A (ja) | 1987-05-30 | 1987-05-30 | コンプレッサ用ベ−ン |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS63303031A JPS63303031A (ja) | 1988-12-09 |
JPH0431019B2 true JPH0431019B2 (ja) | 1992-05-25 |
Family
ID=15105986
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP13349087A Granted JPS63303031A (ja) | 1987-05-30 | 1987-05-30 | コンプレッサ用ベ−ン |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS63303031A (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
TWI243687B (en) | 1998-04-21 | 2005-11-21 | Teijin Ltd | Pharmaceutical composition for application to mucosa |
CN106119678B (zh) * | 2016-07-27 | 2019-08-30 | 徐州鑫华耐磨材料有限公司 | 一种节能钢球的配方及其制备工艺 |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS589828A (ja) * | 1981-07-07 | 1983-01-20 | Asahi Glass Co Ltd | ガラス「鎔」融炉の熱回収方法 |
JPS6126753A (ja) * | 1984-07-13 | 1986-02-06 | Kubota Ltd | 複層シリンダ・ライナ |
-
1987
- 1987-05-30 JP JP13349087A patent/JPS63303031A/ja active Granted
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS589828A (ja) * | 1981-07-07 | 1983-01-20 | Asahi Glass Co Ltd | ガラス「鎔」融炉の熱回収方法 |
JPS6126753A (ja) * | 1984-07-13 | 1986-02-06 | Kubota Ltd | 複層シリンダ・ライナ |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS63303031A (ja) | 1988-12-09 |
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