JPH04308421A - 電気機器のサージ減衰装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

［発明の目的］

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、高電圧充電路を有する
電気機器に発生するサージの減衰装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】ガス絶縁母線のように高電圧充電路を有
する電気機器において、開閉器などで発生するサージは
非常に高電圧を発生するため、絶縁破壊の原因となるこ
とがある。この絶縁破壊を防止するために、開閉器でサ
ージを発生させない方法と、開閉器で発生したサージを
その伝搬途中で減衰させる方法とが、従来から知られて
いる。

【０００３】このうち、サージをその伝搬途中で減衰さ
せる方法は、開閉器でサージの発生を防止する方法に比
較して、構成も簡単で効果も優れていることから注目さ
れている。そのようなサージを減衰させる方法として、
従来では、高電圧充電路の回りに磁性体を取り付け、高
電圧充電路に流れるサージの電流により発生する磁束を
、磁性体のヒステリシス損で減衰させるものが提案され
ていた。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかし、このサージの
電流により発生する磁束を、磁性体のヒステリシス損で
減衰させる方法は、高電圧充電路を伝搬するサージだけ
でなく、商用周波数の電流による磁束をも減衰させてし
まう欠点がある。しかも、商用周波数の電流による磁束
で磁性体が磁気飽和されてしまうと、商用周波数の電力
だけを消費するだけでサージはほとんど減衰させること
ができなくなる。

【０００５】本発明の目的は、上記のような従来技術の
問題点を解決し、商用周波数の電流を減衰させることな
く、サージ電圧のみを減衰させることのできるサージ減
衰装置を提供することにある。 ［発明の構成］

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの手段として、本発明のサージ減衰器は、高電圧充電
路と接地導体との間に中間導体を配置し、前記高電圧充
電路と中間導体を抵抗及びインダクタンスコイルで電気
的に接続したものである。

【０００７】特に、本発明は、前記抵抗の値Ｒを、高電
圧充電路に発生するサージの周波数ｆに対して、中間導
体と接地導体との間の静電容量をＣとしたとき、Ｒ＞＝
１／２πｆＣで決まる値とし、前記インダクタンスコイ
ルの値Ｌを、商用周波数ｆ２、前記抵抗の値Ｒ、前記サ
ージの周波数ｆに対して、Ｒ／２πｆ＜＜Ｌ＜＜Ｒ／π
ｆ２としたことを特徴とする。

【０００８】

【作用】上記のような構成を有する本発明のサージ減衰
器においては、商用周波のように低い周波数の電流はイ
ンピーダンスが低いインダクタンスコイルを流れるが、
インダクタンスコイルの抵抗が低いためほとんどエネル
ギー損失がない。一方、周波数の高いサージでは、イン
ダクタンスコイルのインピーダンスが高いため、サージ
による電流は抵抗に流れ、サージのエネルギーが減衰さ
れる。

【０００９】

【実施例】以下、本発明の一実施例を図１により具体的
に説明する。この実施例は、高電圧充電路として、変電
所のガス絶縁母線の高電圧導体が適用されている。

【００１０】図１において、ガス絶縁母線の高電圧導体
１の周囲には、高電圧導体１と同心円筒状の接地導体２
が設けられている。また、高電圧導体１と接地導体２と
の間には、同じく高電圧導体１に対して同心円筒状とな
った中間導体３が取り付けられている。高電圧導体１と
この中間導体３は、炭素とセラミックスを焼き固めた円
筒状の抵抗体４と、アルミ箔などの非磁性体の金属箔と
ポリエチルペンタンなどの絶縁フィルムを巻いて構成し
たインダクタンスコイル５とを、高電圧導体１に巻き付
ける構成で電気的に接続されている。

【００１１】例えば、高電圧導体１の外径を３００ｍｍ
、接地導体２の内径を１０００ｍｍ、中間導体の長さを
５００ｍｍ、外径を５００ｍｍとし、減衰するサージの
周波数を１０ＭＨｚとすると、中間導体３と接地導体２
との静電容量Ｃは４０ｐＦとなる。この場合、前記請求
の範囲の式を満足する高電圧導体１と中間導体３の間の
抵抗Ｒは、約４００Ω以下となる。そこで、本実施例の
抵抗体４の抵抗値を５０Ωとし、商用周波数ｆ２を５０
Ｈｚとすれば、インダクタンスコイル５の値Ｌは、８×
１０−７＜＜Ｌ＜＜０．１６ となるため、本実施例ではＬ＝１ｍＨ程度とする。

【００１２】このような構成を有する本実施例では、開
閉器で発生したサージが到達した時、中間導体３は高電
圧導体１と接地導体２との間の静電容量Ｃで分担された
電位になろうとする。しかし、中間導体３と高電圧導体
１に電位差が生じると、抵抗体４またはインダクタンス
コイル５を通して、電流が中間導体３に流れて中間導体
３と高電圧導体１が同電位になろうとする。

【００１３】この場合、商用周波数のように周波数が低
いときは、電流はインピーダンスが低いインダクタンス
コイル５を流れるが、インダクタンスコイル５の抵抗が
低いためほとんどエネルギー損失はない。しかし、周波
数の高いサージでは、インダクタンスコイル５のインピ
ーダンスが高いため、サージによる電流は抵抗体４を流
れ、サージのエネルギーが吸収される。しかも、抵抗体
４の値Ｒを、高電圧導体１のサージインピーダンスとす
ることにより、サージの減衰能力を最大限に生かすこと
ができる。

【００１４】本発明は、上記の実施例に示すような構成
を有するものであるが、これに限定されるものではなく
、図２に示すように、インダクタンスコイル５を抵抗体
４によってモールドして一体化することもできる。また
、前記実施例のガス絶縁母線のように、接地導体２が高
電圧導体１の周囲に同心円筒状に配置されているもの以
外に、図３に示すように、収納容器７が接地電位になっ
ている高圧送電線８などの高電圧充電路にも適用でき、
開閉サージ以外の雷サージを減衰させることもできる。 更に、中間導体３としても、円筒状導体以外に、平板状
その他の形状のものを使用できる。

【００１５】

【発明の効果】以上の通り、本発明によれば、商用周波
数の電力損失を発生することなく、開閉サージや雷サー
ジのような高周波のサージを効果的に減衰できるサージ
減衰装置を提供できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のサージ減衰装置の一実施例を示す断面
図。

【図２】本発明のサージ減衰装置の第二の実施例を示す
断面図。

【図３】本発明のサージ減衰装置の第三の実施例を示す
断面図。

【符号の説明】

１…高電圧導体 ２…接地導体 ３…中間導体 ４…抵抗体 ５…インダクタンスコイル

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】接地導体とこれに絶縁状態で対向して配置
   された高電圧充電路とを有する電気機器のサージ減衰器
   において、高電圧充電路と接地導体との間に中間導体を
   配置し、前記高電圧充電路と中間導体を抵抗及びインダ
   クタンスコイルで電気的に接続し、前記抵抗の値Ｒを、
   高電圧充電路に発生するサージの周波数ｆに対して、中
   間導体と接地導体との間の静電容量をＣとしたとき、Ｒ
   ＞＝１／２πｆＣで決まる値とし、前記インダクタンス
   コイルの値Ｌを、商用周波数ｆ２、前記抵抗の値Ｒ、前
   記サージの周波数ｆに対して、Ｒ／２πｆ＜＜Ｌ＜＜Ｒ
   ／πｆ２としたことを特徴とする電気機器のサージ減衰
   装置。