JP2002135920A - 計器用変圧器 - Google Patents

計器用変圧器

Info

Publication number
JP2002135920A
JP2002135920A JP2000320543A JP2000320543A JP2002135920A JP 2002135920 A JP2002135920 A JP 2002135920A JP 2000320543 A JP2000320543 A JP 2000320543A JP 2000320543 A JP2000320543 A JP 2000320543A JP 2002135920 A JP2002135920 A JP 2002135920A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
coil
transformer
instrument transformer
surge
instrument
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000320543A
Other languages
English (en)
Inventor
Shigekazu Mori
繁 和 森
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP2000320543A priority Critical patent/JP2002135920A/ja
Publication of JP2002135920A publication Critical patent/JP2002135920A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Transformers For Measuring Instruments (AREA)
  • Emergency Protection Circuit Devices (AREA)
  • Gas-Insulated Switchgears (AREA)
  • Installation Of Bus-Bars (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 計器用変圧器の巻線端側に断路器サージが侵
入しても、計器用変圧器の巻線に電気的絶縁破壊を生じ
ることのない、コンパクトで信頼性の高い計器用変圧器
を提供する。 【解決手段】 本発明は、インピーダンス素子を介して
開閉装置の高圧母線(12)に接続される計器用変圧器
(15)に関する。インピーダンス素子は、抵抗体(2
2)からなる素線を巻き上げたコイル(23)、または
中心導体(31)の周囲を磁性体(32)で被覆したコ
イル素線(30)で作られたコイル、またはコイル素線
(46)の内部に棒状の磁性体(45)を挿入して磁心
としたコイル(44)から構成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、開閉装置の母線に
インピーダンス素子を介して接続される計器用変圧器に
関する。
【0002】
【従来の技術】ガス絶縁開閉装置は、母線や、遮断器、
断路器等の開閉機器を接地金属容器内に収納し、この接
地容器内に、SFガス等の、不活性、不燃性、無毒性
であって、空気に比べて2〜3倍の絶縁耐力を有する絶
縁性ガスを封入して容器内の電気機器の絶縁を保持する
高電圧回路用の計器用変圧器であり、現在では500k
Vクラスまで実用化されている。このようなガス絶縁計
器用変圧器の金属容器と高圧母線は一般に同軸構造とさ
れ、その内部では開閉サージはほとんど減衰することな
く伝播する。例えば、断路器の開閉動作に伴って発生す
るサージは、断路器極間での再点弧やサージインピーダ
ンスの不連続点での反射・透過によって、最大で定常時
電圧の2倍以上の波高値となり、さらに数MHzの高周
波成分を有する断路器サージを形成する。
【0003】このような断路器サージが、開閉装置に接
続される計器用変圧器に侵入した場合、高圧巻線の入口
部の数ターンには、直接急峻な電圧が加わると共に、1
ターン毎のキャパシタンスの違いによって、それぞれの
立ち上がり峻度がわずかに異なり、この峻度の違いによ
って、高圧巻線の電路入口部に存在するターン間に電位
差相当の大きな電圧が加わることになり、巻線が電気的
絶縁破壊に至ることがある。
【0004】従来、このような急峻波サージから変圧器
を保護する方法としては、避雷器やコンデンサ等の保護
装置を設けて変圧器に侵入するサージの波高値を低減す
る方法や、特開昭57-104093号公報に示されるように、
変圧器の高圧巻線側に低インピーダンス素子を直列に挿
入して、変圧器高圧巻線に侵入する急峻波サージの波頭
峻度を低減し、巻線の電気的絶縁破壊を防ぐように構成
していた。
【0005】図8に上記公開公報に示されている変圧器
の一例を示す。図8には、鉄心1および巻線2が絶縁油
を充填したタンク3内に収納された変圧器が示されてい
る。この変圧器には、タンク3内の絶縁油を冷却する冷
却器4が側面側に、また油劣化防止のためのコンサベー
タ5が上部にそれぞれ設けられている。巻線2から高圧
リード線6が引出され、油ダクト7を通して油/ガスブ
ッシング8の油側端子に接続されている。油/ガスブッ
シング8のガス側はSFガスを満たした母線ダクト9
内を高圧導体10として、図示していないSFガス絶
縁開閉装置へ導かれる。油/ガスブッシング8と変圧器
巻線2から引出された高圧リード線6との間に低抵抗線
で製作された直列インダクタンス装置11が挿入されて
いる。直列インダクタンス装置11は、SFガス絶縁
開閉装置側から高圧導体10を介して変圧器巻線2に侵
入しようとする急峻波サージの波高値と波頭峻度を、変
圧器巻線2に侵入する前に低減し、それにより変圧器巻
線2の電気的絶縁破壊を防止するようにしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
急峻波サージからの保護方式として、避雷器やコンデン
サ等の保護装置を設けて変圧器に侵入するサージを抑制
する方式については、サージの波高値を下げることはで
きるが、波頭峻度は何ら変わらないため、高圧巻線の電
位分布の不均衡を改善することに関しては不十分であっ
た。
【0007】また、前記公報に記載されている変圧器
は、主として開閉装置等に接続される電力用変圧器を対
象にしたものである。サージの抑制に関しては、高圧巻
線に直列に挿入されるインピーダンスは高い値のものほ
ど効果がある。しかし通常運転時の損失を低減させるた
め、高圧巻線に直列に挿入できるのは低抵抗素子に限ら
れる。そのため、上記変圧器ではインピーダンス素子の
主としてインダクタンス要素によって急峻波サージの波
頭峻度を低減していた。
【0008】このような変圧器をガス絶縁開閉装置に接
続される計器用変圧器に適用しようとすると、以下に述
べるような不都合が生じる。すなわち、計器用変圧器は
高圧母線の電圧を検出するための機器であって、電力用
変圧器に比べて容量は非常に小さく、高圧巻線に流れる
電流値は通常運転時でも数mA程度である。高圧側から
見た計器用変圧器の入力インピーダンスは通常数十MΩ
以上であるため、高圧巻線に直列に挿入できるインピー
ダンス素子の抵抗要素は敢えて低抵抗値のものとする必
要はなく、むしろ低抵抗素子を用いたのでは保護機器と
しての信頼性を十分発揮することができなくなる恐れさ
えある。
【0009】さらに、計器用変圧器において高圧巻線に
直列にインピーダンス素子を挿入してサージを抑制する
場合、素子のインダクタンス値が大きいほどサージの抑
制効果は高いが、空心コイルで大きなインダクタンス値
を得ようとすると素子構造が大型化してしまう。
【0010】したがって、本発明の目的は、計器用変圧
器の巻線端側に断路器サージが侵入しても、計器用変圧
器の巻線に電気的絶縁破壊を生じることのない、コンパ
クトで信頼性の高い計器用変圧器を提供することにあ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
インピーダンス素子を介して開閉装置の母線に接続され
る計器用変圧器において、インピーダンス素子は、抵抗
体からなる素線を巻き上げたコイルによって構成されて
いることを特徴とするものである。このインピーダンス
素子は、インダクタンス素子と抵抗素子を直列接続した
ものと等価であり、この合成インピーダンスによって、
断路器サージ等の急峻波サージは、計器用変圧器の高圧
巻線に侵入する前に、波高値と共に波頭峻度も低減さ
れ、計器用変圧器の巻線の電気的絶縁破壊を防ぐことが
できる。さらに、コイルの抵抗がコイルの素線として導
体を用いた場合に比べて大きいため、抵抗要素として新
たな部材をインピーダンス素子に付加する必要がなく、
簡単かつコンパクトな素子構成とすることができる。
【0012】請求項2に係る発明は、請求項1に記載の
計器用変圧器において、コイルを構成する抵抗体の電気
抵抗値は、数kΩから数百kΩまでの範囲内にあること
を特徴とするものである。
【0013】請求項3に係る発明は、インピーダンス素
子を介して開閉装置の母線に接続される計器用変圧器に
おいて、インピーダンス素子はコイルによって構成さ
れ、そのコイルの素線は中心導体の周囲を磁性体で被覆
されたものであることを特徴とするものである。サージ
の高周波成分は磁性体とコイルのインダクタンス要素に
より抑制されるので、計器用変圧器に急峻な過電圧サー
ジが侵入することを防ぐことができ、計器用変圧器の巻
線の電気的絶縁破壊を防ぐことができる。
【0014】請求項4に係る発明は、請求項1ないし3
のいずれか1項に記載の計器用変圧器において、コイル
はバネ状をしていて軸心方向に伸縮可能であることを特
徴とするものである。コイルを計器用変圧器の母線に接
続する際、コイルが軸心方向に圧縮するようにコイル長
を選択することによって、コイルと母線の電気的接触が
良好となり、電気機器としての信頼性を一層向上させる
ことができる。
【0015】請求項5に係る発明は、インピーダンス素
子を介して開閉装置の母線に接続される計器用変圧器に
おいて、インピーダンス素子は、内部に棒状の磁性体を
挿入して磁心としたコイル素子からなっていることを特
徴とするものである。コイルは磁性体を磁心としており
鎖交磁束が大きいため、コイルのインダクタンスを同サ
イズの空心コイルを用いた場合に比べて大きくすること
ができるため、コンパクトな素子構成のもとで大きなサ
ージ抑制効果を奏することができる。
【0016】請求項6に係る発明は、請求項5に記載の
計器用変圧器において、コイル素子はその両端で磁性体
の対応する端部に接続されることにより、コイルと磁性
体は電気的に並列回路をなしていることを特徴とするも
のである。コイル内に磁性体を挿入することによって、
コイルの鎖交磁束が増加しコイルのインダクタンスを大
きくすることができるとともに、磁性体はコイルと電気
的に並列接続されているため抵抗体としても作用し、こ
の合成インピーダンスによって、急峻波サージは計器用
変圧器の高圧巻線に侵入する前に、波高値および波頭峻
度が低減され、計器用変圧器の巻線の電気的絶縁破壊を
防ぐことができる。さらに、磁性体はサージの高周波成
分の電流のみを分担するため磁性体の電流容量は大きく
する必要はなく、簡単かつコンパクトな素子構成とする
ことができる。
【0017】請求項7に係る発明は、請求項5または6
に記載の計器用変圧器において、インピーダンス素子を
構成するコイル素子と磁性体がユニット化して一体に構
成されていることを特徴とするものである。コイル素子
と磁性体をユニット化することによって、コイルの取付
けや交換作業を非常に簡略化できるとともに、コンパク
トに構成することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図
面を参照して説明する。
【0019】(第1の実施の形態) (請求項1、2対
応) 図1は本発明による計器用変圧器の第1の実施形態を示
す構造図である。図1には、ガス絶縁開閉装置における
高圧母線12を貫挿させたSFガス絶縁の接地金属容
器13の一部にその膨出部として構成された容器14を
備え、その容器14内に計器用変圧器15の巻線を含む
本体部16を配設したガス絶縁型の開閉装置が例示され
ている。
【0020】容器14は接地金属容器13から絶縁スペ
ーサ17によって電気的に分離・絶縁される。絶縁スペ
ーサ17の中央部に計器用変圧器15の高圧巻線を接続
するための接続導体18が装着されている。接続導体1
8に対向して高圧母線12に接続導体19が取付けられ
ている。接続導体18および19にはそれぞれ金具20
ないし21が取付けられ、この金具20,21の間に、
所定の電気抵抗を有するニクロム線からなる抵抗体22
によって構成されたコイル23がインピーダンス素子と
して配設されている。本体部16に含まれる高圧巻線は
接続導体24を介して接続導体18に接続され、結果的
に高圧母線12に接続される。
【0021】図2はこの第1の実施の形態を示す計器用
変圧器の電気的等価回路図を示すものである。図2にお
いて、計器用変圧器15は高圧巻線25および低圧巻線
26を有する。図1のコイル23は、ここでは電気抵抗
27およびインダクタンス28の直列回路として表現さ
れ、高圧巻線25に直列に接続されている。コイル23
の端子29は高圧母線12に接続される。
【0022】次に図1,2のコイル23の作用について
説明する。ガス絶縁開閉装置内で発生した断路器サージ
は高圧母線12を通って進行し、接続導体19、コイル
23、接続導体18,24を通って計器用変圧器15の
本体部16に入る。コイル23は抵抗体22によって構
成されているため、図2の等価回路で示されるように電
気的にはインダクタンス28と電気抵抗27を直列接続
したものと等価であり、その合成インピーダンスが、計
器用変圧器15の本体部16に侵入する断路器サージの
波高値ならびにその波頭峻度を低減し、計器用変圧器1
5の本体部16における巻線の電気的絶縁破壊を防止す
るのに役立つ。
【0023】コイル23の電気抵抗27は、その値が大
きいほど断路器サージの抑制効果は大きいが、従来の電
力用変圧器では通常運転時の損失を減らすため、コイル
23を導線または低抵抗線で構成していた。しかしなが
ら、計器用変圧器は、電力用変圧器に比べて容量が非常
に小さく、高圧巻線25に流れる電流値は通常運転時で
は数mA程度であり、高圧側から見た計器用変圧器15
の入力インピーダンスは数十MΩ以上である。したがっ
て、計器用変圧器15の高圧側に直列に挿入するコイル
23の電気抵抗27は、計器用変圧器15における規格
上の指示電圧の許容誤差が±1%であることから考慮し
て、数百kΩを上限値とすれば通常運転時における計器
用変圧器15の検出電圧の指示に対する影響は小さく、
また抵抗損失による発熱も小さく問題となることはな
い。コイル23の電気抵抗27の下限値については、断
路器サージの立ち上がり時間は急峻なもので10ns
(1ナノ秒=10−9秒)以下であるが、これを100
ns以上にすれば高圧巻線端への過電圧発生を抑えるこ
とができる。計器用変圧器15の端子29側から見た対
地キャパシタンスは数十pF以上であるため、コイル2
3の電気抵抗27の値を数kΩ以上にすれば、コイル2
3の電気抵抗27(R)と対地キャパシタンス(C)と
の積に相当するCR時定数が100ns以上になり、高
圧巻線端への過電圧の侵入を抑えることができる。
【0024】また、本実施の形態のようにコイル23を
高抵抗金属であるニクロム線の抵抗体22によって構成
することにより、ニクロム線の固有抵抗は一般的に導線
として用いられる銅に比べて約70倍ほど大きいため、
導線または低抵抗線を用いる場合に比べて、小さな素子
構成のもとで大きなサージ抑制効果を奏することができ
る。
【0025】以上により、コイル23の電気抵抗27を
数kΩ以上かつ数百kΩ以下に設定すれば、計器用変圧器
15の検出電圧の指示に対する影響を小さくしつつ、同
時に十分な断路器サージの抑制効果を得ることができ、
計器用変圧器15の絶縁信頼性を向上させることができ
る。さらに、金属の高抵抗体であるニクロム線抵抗体2
2でコイル23を構成することにより、断路器サージの
抑制に対して抵抗要素としてはコイル23の電気抵抗2
7で十分であるため、新たな抵抗部材を付加する必要が
なくなり、素子構成が簡単でコンパクトなものとするこ
とができる。
【0026】本実施の形態では、コイル23を金属の高
抵抗体であるニクロム線の抵抗体22で構成したが、炭
素系抵抗体、フェライト等の磁性体を用いても同様の効
果を奏することができる。
【0027】(第2の実施の形態) (請求項3対応) 図3は本発明の第2の実施形態を示すコイルの素線の断
面図である。この素線は、例えば第1の実施形態の抵抗
体22を構成するために使用される。図3において、こ
のコイル素線30は、中心導体31と、中心導体31の
周囲を被覆するフェライト磁性体32の層とによって構
成されている。
【0028】高圧母線12から侵入してきた断路器サー
ジの高周波成分は、コイル23を構成するコイル素線3
0の磁性体32の表皮効果によって吸収されるため、第
1の実施の形態で述べたと同様の作用・効果を奏するこ
とができる。さらに、コイル素線30は通常の運転周波
数領域では導体あるいは低インピーダンス素子として作
用するため、計器用変圧器15の指示に影響を及ぼすこ
とがなく、断路器サージのような高周波サージの波高値
と波頭峻度を低減し、計器用変圧器15の巻線の電気的
絶縁破壊を防止することができる。
【0029】(第3の実施の形態) (請求項4対応) 図4は本発明の第3の実施形態を示す構造図である。こ
の実施形態の特徴は、高圧母線12と計器用変圧器15
との間に接続されるコイル33にある。コイル33は、
バネ状にして伸縮可能とした抵抗体34により空心状コ
イルとして構成され、金具35,36により接続導体1
8,19の間に接続される。その他の構成部分は図1に
示した第1の実施形態と同様である。
【0030】計器用変圧器15を高圧母線12に接続す
る際、コイル33が多少圧縮するようにコイル長を選択
することにより、コイル33の圧縮による反発力によっ
て、コイル33の金具36と高圧母線12に取付けられ
ている接続導体19との密着性が良好になるため、コイ
ル33と高圧母線12との電気的接触が良好となる効果
がある。特に、本実施形態のように高圧母線12の上部
から計器用変圧器15を取付ける場合、コイル33の圧
縮による反発力を計器用変圧器15の自重によってガス
絶縁開閉装置にかかる荷重以下となるように、コイル3
3のバネ定数と圧縮長を選択することにより、計器用変
圧器15をガス絶縁開閉装置に容易に取付けることがで
きる。さらに、コイル33は抵抗体34で構成されてい
るため、第1の実施形態と同様に断路器サージ等の急峻
波サージの抑制効果があり、計器用変圧器15の本体部
16の電気的絶縁破壊を防止することができる。
【0031】(第4の実施の形態) (請求項5、6対
応) 図5は本発明の第4の実施形態を示す構造図である。こ
の実施形態は、計器用変圧器37を、ガス絶縁開閉装置
の接地金属容器38の末端部に配置する構造に適用した
実施形態を示すものである。接地金属容器38およびそ
の中心部に配置された高圧母線39の末端部に、絶縁ス
ペーサ40を介して容器41を付設し、容器41の中に
計器用変圧器37を収納している。計器用変圧器37は
巻線部を含む本体部42を備えている。絶縁スペーサ4
0の中心部には高圧母線39に導電接続された導体43
が装着されている。導体43と本体部42に含まれる高
圧巻線との間にコイル44が設けられている。コイル4
4は、棒状のフェライト磁性体45とその周りに巻装さ
れたコイル素線46とからなっている。フェライト磁性
体45はその両端面でコイル素線46と電気的に並列接
続された上で、高圧巻線と高圧母線39との間に介挿接
続されている。
【0032】図6は図5に示した計器用変圧器の電気的
等価回路図を示すものである。計器用変圧器37は高圧
巻線47および低圧巻線48を有する。図5のコイル素
線46は、ここでは電気抵抗49およびインダクタンス
50の直列回路として表現され、フェライト磁性体45
は電気抵抗51として表現されている。コイル44の端
子52は高圧母線39に接続される。
【0033】ガス絶縁開閉装置内で発生した断路器サー
ジが高圧母線39を進行し、接続導体43およびコイル
44を通って計器用変圧器37の本体部42に入る。こ
のコイル44は、磁性体45を磁心としており、断路器
サージの高周波成分に対して大きなインダクタンス素子
として作用するとともに、磁性体45はコイル素線46
と電気的に並列接続されているため抵抗体としても作用
し、図6の等価回路で示されるように、コイル素線46
の電気抵抗49およびインダクタンス50と磁性体45
の電気抵抗51とを並列接続させたものと等価となり、
その合成インピーダンスによって、計器用変圧器37の
本体部42に侵入する断路器サージの波高値ならびにそ
の波頭峻度を低減し、本体部42の巻線の電気的絶縁破
壊を防止することができる。
【0034】さらに、通常運転時には低インピーダンス
素子としてコイル素線46側に電流を流し、断路器サー
ジ等の高周波サージ成分に対しては磁性体45にサージ
電流を分担させるように磁性体45の電気抵抗51を設
定すれば、磁性体45はサージの高周波成分の電流のみ
分担するため磁性体45の電流容量を大きくする必要は
なく、素子全体を小型化することができる。
【0035】また、磁性体45の電気抵抗51は大きい
ほど急峻波サージの抑制効果は大きくなるが、電気抵抗
51の上限値はコイル素線46のインダクタンス50に
よって決定される。すなわち、サージの高周波成分に対
するコイル素線46のインダクタンス50によるインピ
ーダンスの大きさよりも、磁性体45の電気抵抗51を
小さくすれば、サージの高周波電流は磁性体45側を流
れて抑制され、さらに通常運転時には低インピーダンス
素子としてコイル素線46側に電流を流してインピーダ
ンス素子における電圧降下を低く抑えることができる。
このようにして、コイル素線46は磁性体45を磁心と
しているため同サイズの空心コイルに比べてインダクタ
ンスが大きく、磁性体45の電気抵抗51を大きく設定
することができるため、コンパクトな素子構成で大きな
サージ抑制効果を奏することができ、計器用変圧器37
の絶縁信頼性を向上させることができる。
【0036】例えばコイル素線46のインダクタンス5
0を数mHと仮定するならば、数MHzの高周波サージ
に対するコイル素線46のインピーダンスは数十kΩと
なり、これが磁性体45の電気抵抗51の上限値とな
る。フェライト磁性体の固有抵抗は、一般に10Ωc
m程度のものが多いが、数十Ωcmから数十kΩcmの
範囲の比較的低い固有抵抗を持つものもあり、これらの
材料を使用すれば両端子間に数百Ωないし数十kΩの電
気抵抗を持つコイル44の磁心を得ることは可能であ
る。
【0037】本実施形態においては、コイル素線46と
磁性体45を電気的に並列接続しているが、磁性体45
とコイル素線46を、電気的に接続することなく、磁性
体45を磁心のみとして用いてもよい。コイル素線46
は磁性体45を磁心としているため同サイズの空心コイ
ルを用いた場合に比べて、インダクタンスを大きくする
ことができるため、このインダクタンスによってサージ
の波高値ならびにその波頭峻度を低減し、コンパクトな
素子構成のもとで大きなサージ抑制効果を奏することが
でき、計器用変圧器37の巻線の電気的絶縁破壊を効果
的に防止することができる。
【0038】(第5の実施の形態) (請求項7対応) 図7は第5の実施形態によるコイルユニットを示すもの
である。このコイルユニット53は、第4の実施形態
(図5,6)におけるコイル素線46と磁性体45をユ
ニット化し一体としたものである。このコイルユニット
53では、導電性押え板54,55の間に、フェライト
磁性体56、それを同心的に取り巻くように配置された
絶縁性の中空円筒状のコイル巻枠57、およびコイル巻
枠57上に巻装されたコイル素線58からなっており、
コイル素線58の一端は導電性押え板54に接続され、
コイル素線58の他端は導電性押え板55に接続されて
いる。磁性体56は押え板54,55間に圧接する形で
接しており、機械的に保持されると共に、その圧接部は
電気的にも良好に接続された結果となっている。したが
って、電気回路的には図6のコイル44と等価なもので
ある。押え板54,55からそれぞれ外部接続用のリー
ド線59,60が導出される。
【0039】このようにコイルをユニット化することに
よって、コイルの取付けや交換作業が非常に簡略化でき
るとともに、コンパクトに構成することができる。さら
に、第4の実施形態と同等のサージ抑制効果をも得るこ
とができ、計器用変圧器の巻線の電気的絶縁破壊を防止
することができる。
【0040】
【発明の効果】この発明の計器用変圧器は以上に説明し
たように構成されているので、計器用変圧器の高圧巻線
端側に侵入した急峻波サージを、コイルの抵抗要素とイ
ンダクタンス要素により抑制し、急峻波サージに対して
高い絶縁性能を有する計器用変圧器を提供することがで
きる。また、コイルの素子構成が簡単でコンパクトであ
り、効果的で経済的な急峻波サージ抑制効果を有する計
器用変圧器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による計器用変圧器の第1の実施形態を
示す断面構成図。
【図2】図1の計器用変圧器の電気的等価回路図。
【図3】本発明の第2の実施形態によるコイル素線の横
断面図。
【図4】本発明による計器用変圧器の第3の実施形態を
示す断面構成図。
【図5】本発明による計器用変圧器の第4の実施形態を
示す断面構成図。
【図6】図5の計器用変圧器の電気的等価回路図。
【図7】本発明の第5の実施形態によるコイルユニット
の縦断面図。
【図8】公知の変圧器の一例を示す概略断面図。
【符号の説明】
12,39 高圧母線 13,38 接地金属容器 14,41 容器 15,37 計器用変圧器 22,34 抵抗体 23,33,44 コイル 30 コイル素線 31 中心導体 32,45,56 フェライト磁性体 46,58 コイル素線 53 コイルユニット 54,55 導電性押え板 57 コイル巻枠

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】開閉装置の母線にインピーダンス素子を介
    して接続される計器用変圧器において、前記インピーダ
    ンス素子は、抵抗体からなる素線を巻き上げたコイルに
    よって構成されていることを特徴とする計器用変圧器。
  2. 【請求項2】前記コイルを構成する前記抵抗体の電気抵
    抗値は、数kΩから数百kΩまでの範囲内にあることを
    特徴とする請求項1記載の計器用変圧器。
  3. 【請求項3】開閉装置の母線にインピーダンス素子を介
    して接続される計器用変圧器において、前記インピーダ
    ンス素子はコイルによって構成され、そのコイルの素線
    は中心導体の周囲を磁性体で被覆したものであることを
    特徴とする計器用変圧器。
  4. 【請求項4】前記コイルはバネ状をしていて軸心方向に
    伸縮可能であることを特徴とする請求項1ないし3のい
    ずれか1項に記載の計器用変圧器。
  5. 【請求項5】開閉装置の母線にインピーダンス素子を介
    して接続される計器用変圧器において、前記インピーダ
    ンス素子は、内部に棒状の磁性体を挿入して磁心とした
    コイル素子からなっていることを特徴とする計器用変圧
    器。
  6. 【請求項6】前記コイル素子はその両端で前記磁性体の
    対応する端部に接続されることにより、前記コイルと前
    記磁性体は電気的に並列回路をなしていることを特徴と
    する請求項5記載の計器用変圧器。
  7. 【請求項7】前記インピーダンス素子を構成する前記コ
    イル素子と前記磁性体はユニット化して一体に構成され
    ていることを特徴とする請求項5または6記載の計器用
    変圧器。
JP2000320543A 2000-10-20 2000-10-20 計器用変圧器 Pending JP2002135920A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000320543A JP2002135920A (ja) 2000-10-20 2000-10-20 計器用変圧器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000320543A JP2002135920A (ja) 2000-10-20 2000-10-20 計器用変圧器

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002135920A true JP2002135920A (ja) 2002-05-10

Family

ID=18798813

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000320543A Pending JP2002135920A (ja) 2000-10-20 2000-10-20 計器用変圧器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002135920A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010246206A (ja) * 2009-04-02 2010-10-28 Japan Ae Power Systems Corp ガス絶縁開閉装置
CN108717897A (zh) * 2018-08-04 2018-10-30 安徽华能集团电器有限公司 一种自保护型互感器

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010246206A (ja) * 2009-04-02 2010-10-28 Japan Ae Power Systems Corp ガス絶縁開閉装置
CN108717897A (zh) * 2018-08-04 2018-10-30 安徽华能集团电器有限公司 一种自保护型互感器
CN108717897B (zh) * 2018-08-04 2023-11-17 安徽华能集团电器有限公司 一种自保护型互感器

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7529073B2 (en) Protecting medium voltage inductive coupled device from electrical transients
JP2013504297A5 (ja)
KR20130010876A (ko) 매우 빠른 과도의 충격을 줄이기 위한 컨덕터 구성물
US1923727A (en) Protection of distribution transformers against lightning
JP2002135920A (ja) 計器用変圧器
JP2918060B2 (ja) ガス絶縁電気機器
CN110165646A (zh) 一种电缆屏蔽层电流泄放装置
EP2194540A1 (en) High voltage bushing
JP4385104B2 (ja) 急峻波抑制装置
US20090323245A1 (en) Device for Reduction of Voltage Derivative
JPH01309303A (ja) タンク形避雷器とこれを利用したガス絶縁開閉装置
MXPA04008884A (es) Producto de acero y metodo de manufactura.
EP1060487A1 (en) High frequency snubber for transformers
JPH01308114A (ja) ガス絶縁電気機器
JPH01159921A (ja) 真空開閉装置
JPH0970115A (ja) 変圧器用ブッシング
JPS6158415A (ja) 管路母線
JPH0819135A (ja) ガス絶縁開閉器
JPS61227323A (ja) ガス絶縁開閉装置
JPH0265019A (ja) ガス絶縁開閉装置
JPH1186658A (ja) コンデンサブッシング
JPH07245218A (ja) 静止誘導電気機器
JPH0520969B2 (ja)
JPS59209011A (ja) ガス絶縁開閉装置の接地装置
JPH0642437B2 (ja) 変圧器