JPH04304213A - 塩化ビニル系樹脂の製造方法 - Google Patents

塩化ビニル系樹脂の製造方法

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JPH04304213A
JPH04304213A JP6983291A JP6983291A JPH04304213A JP H04304213 A JPH04304213 A JP H04304213A JP 6983291 A JP6983291 A JP 6983291A JP 6983291 A JP6983291 A JP 6983291A JP H04304213 A JPH04304213 A JP H04304213A
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JP
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vinyl chloride
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allylic
vinyl
alkyl
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JP6983291A
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Masaharu Kato
雅治 加藤
Eiki Nakamura
仲村 栄基
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、塩化ビニル系共重合体
の製造方法に関し、さらに詳しくは、熱安定性に優れた
塩化ビニル系共重合体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体または
塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体は
、溶剤溶解性を有し、無機材料に対する接着性や無機微
粒子(例えば、磁性粉、顔料等)の分散性に優れている
ため、塗料、インク等の分野で広く利用されている。 ところが、これらの共重合体は、熱安定性が塩化ビニル
ホモポリマーよりも著しく劣っている。例えば、塩化ビ
ニル−酢酸ビニル共重合体について、窒素気流中で加熱
時の脱塩化水素量を測定すると、180℃で2800p
pm程度であり、塩化ビニルホモポリマーが1000p
pm程度であるのに対して、極めて多い。塩化ビニル系
樹脂は、脱塩化水素反応が起こると、二重結合が発達し
て共役し黒化(変色)する。
【0003】また、塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルア
ルコール共重合体は、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体
の性能を向上させるために、塩化ビニル−酢酸ビニル共
重合体をアルカリでケン化し、酢酸ビニル残基を水酸基
を持つ残基に変性したものであるが、ポリマー構造上熱
安定性が悪いばかりでなく、ケン化反応の過程でポリマ
ーの分解が進み、しかもポリマー中に残留するアルカリ
不純物のために、生成ポリマーの熱安定性はさらに悪い
ものとなる。一方、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体の
耐水性を改善するためにエチレンを共重合成分とした塩
化ビニル−酢酸ビニル−エチレン三元共重合体は、公知
のものであるが、熱安定性の改善効果は、塩化ビニル−
エチレン共重合体と同様、期待できない。本発明者らの
実験結果によれば、このエチレンを導入した三元共重合
体の180℃における脱塩化水素量は2500ppmで
ある。このように、現状においては、塩化ビニル−酢酸
ビニル共重合体の熱安定性を改善する有効な方法は提案
されていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、熱安
定性に優れた、塩化ビニル−酢酸ビニルを主体とする共
重合体のケン化物の製造方法を提供することにある。本
発明者らは、鋭意研究した結果、塩化ビニルと酢酸ビニ
ルを主体とするモノマー混合物をラジカル重合するに際
し、重合反応中、特定のアリル位水素を有する化合物を
、塩化ビニルモノマーに対して特定量比で共存させるこ
とにより、熱安定性が大幅に改善され、アルカリでケン
化しても熱安定性に優れた共重合体の得られることを見
出し、その知見に基づいて本発明を完成するに至った。
【0005】
【課題を解決するための手段】かくして、本発明によれ
ば、塩化ビニルモノマー50〜98重量%とビニルアル
コールのカルボン酸エステル2〜50重量%を含有する
モノマー混合物をラジカル重合するに際し、重合反応中
、下記一般式〔1〕および〔2〕で表されるアリル位水
素を有する化合物からなる群から選ばれる少なくとも1
種の化合物を塩化ビニルモノマー100分子に対して、
アリル位水素の個数が0.1〜20となる量比を保持す
るように重合反応系に共存させ、ついで得られた共重合
体をケン化することを特徴とする塩化ビニル系樹脂の製
造方法が提供される。
【0006】   一般式〔1〕              CH2
=CR3−CH2  *−R1  一般式〔2〕   
           R2−CH=CR3−CH2 
 *−R4  (ただし、式中、R1、R2およびR4
は、同一またはそれぞれ異なるアルキル基、アリル基、
それらの水素原子がアルキル基、ハロゲン、水酸基、カ
ルボン酸基、アルキルエステル基、アルキルエーテル基
またはフェニル基で置換されているものを示し、R2と
R4は、互いに結合して環状構造を形成していてもよく
、R3は、水素原子、ハロゲンまたはアルキル基を示す
。H2  *は、アリル位水素であり、同一炭素に結合
する2つのアリル位水素は1個として数える。)以下、
本発明について詳述する。
【0007】(モノマー)本発明では、モノマーとして
塩化ビニルモノマー(塩化ビニル;VCM)とビニルア
ルコールのカルボン酸エステルを必須成分とし、所望に
より、塩化ビニルモノマーと共重合可能な他のモノマー
、例えば、エチレン、塩化ビニリデン、アクリル酸エス
テル、メタクリル酸エステル等を使用する。ビニルアル
コールのカルボン酸エステルとしては、例えば、酢酸ビ
ニル、イソプロペニルアセテート等を挙げることができ
る。
【0008】必須成分のモノマーの使用割合は、塩化ビ
ニルモノマー50〜98重量%とビニルアルコールのカ
ルボン酸エステル2〜50重量%である。ビニルアルコ
ールのカルボン酸エステルの使用割合が過小であると接
着性や分散性向上効果が少なく、逆に、過大であると、
塩化ビニル系樹脂としての優れた諸物性(例えば、耐酸
性、耐アルカリ性、難燃性、耐候性、電気的特性)が損
なわれる。ビニルアルコールのカルボン酸エステルの使
用割合は、好ましくは2〜30重量%。さらに好ましく
は3〜15重量%である。
【0009】(アリル位水素を有する化合物)本発明に
おいては、塩化ビニルモノマーのラジカル重合において
、前記一般式〔1〕および〔2〕で表わされる−CH=
CR3−CH2  *−および−CH2  =CR3−
CH2  *−構造(*は、アリル位の活性水素を示す
)を有する化合物を共存させる。R3は、水素原子また
はメチル基、エチル基、その他のアルキル基である。ア
リル位水素は、他の炭素−水素結合と比べて、結合エネ
ルギーが小さく活性である。
【0010】このようなアリル位水素を有する化合物と
しては、例えば、1−ブテン、1−ペンテン、2−メチ
ル−1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセ
ン、1−オクテン、1−イソオクテン、1−デセン、1
−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン
、1−ドデセン等の炭素数30以下のα−オレフィン;
2−ペンテン、2−メチル−2−デセン、2−ヘキセン
、3−ヘキセン等の炭素数30以下の内部オレフィン;
シクロヘキセン、シクロペンテン等の環状オレフィン;
アリルベンゼンなどの芳香族化合物;等が挙げられる。 その他のアリル位水素を有する化合物としては、例えば
、オレイン酸、リノール酸、エレオステアリン酸、アラ
キドン酸、リカニック酸などの不飽和脂肪酸およびその
エステル;アリルアルコールなどの不飽和アルコ−ルお
よびそのエステル(例えば酢酸アリル)やエ−テル等が
挙げられる。これらの化合物は、分子内に二重結合を1
個または複数個有する。
【0011】アリル位水素を有する化合物の使用割合は
、重合反応中、塩化ビニルモノマー100分子に対して
、アリル位水素が0.1〜20個の範囲の量比に保持さ
れる量である。なお、アリル位水素の個数は、同一炭素
原子に結合した2つの水素原子は、1個として数えるこ
とにする。したがって、二重結合を1個有する化合物の
アリル位水素の個数は1個である。
【0012】塩化ビニルモノマーとアリル位水素を有す
る化合物との重合反応性は、ラジカル重合反応条件下で
、塩化ビニルモノマーの方が高いので、重合反応が進行
するにつれてアリル位水素を有する化合物の濃度が上昇
し、両者(それぞれ未反応物)の量比が変動する。そこ
で、重合反応継続中、(未反応)塩化ビニルモノマー1
00分子に対して、アリル位水素の個数が2〜30個と
なる量比を保持するように重合反応系に共存させる方法
としては、(1)重合反応継続中、塩化ビニルモノマー
を分割して重合反応系に添加する方法、(2)塩化ビニ
ルモノマーとアリル位を有する化合物とを分割して重合
反応系に添加する方法、(3)これらを組み合わせた方
法などがあるが、予め所定の量比の塩化ビニルモノマー
とアリル位を有する化合物とを仕込み、重合反応が進む
につれ、塩化ビニルモノマーを追加して、所定の量比を
保持するように調整する(1)の方法が量比の調整を正
確かつ簡便に行なう上で好ましい。
【0013】塩化ビニルモノマーに対するアリル位水素
を有する化合物の量比が、重合反応継続中、塩化ビニル
モノマー100分子当たり0.1個未満では、通常のP
VCに存在する構造が多くなるため、熱安定構造の発現
が少なくなり、熱安定性の改良効果が不十分となる。一
方、20個を越えると、反応速度が著しく低下するため
実用的ではなく、しかも得られる塩化ビニル系重合体の
熱安定性が低下し、かつ、重合度も低くなり、物性が低
下する。このように、本発明の方法によれば、重合反応
過程で、アリル位水素を有する化合物が、常に一定の割
合で重合に関与するため、共重合組成、ポリマ−構造と
もに均一で、熱安定性に優れた共重合体が得られる。
【0014】(ラジカル重合)本発明における重合方法
としては、PVCの合成法として公知のラジカル重合法
が採用できる。重合態様としては、懸濁重合、溶液重合
、乳化重合および塊状重合等のいずれでもよいが、工業
的には懸濁重合法が適している。以下、懸濁重合法を例
にとって、本発明をさらに詳しく説明する。
【0015】耐圧反応器に、イオン交換水または純水を
入れ、部分ケン化ポリビニルアルコール、ポリアクリル
酸塩またはメチルセルロース等の分散剤、酢酸ビニル等
のビニルアルコールのカルボン酸エステルを入れ、脱気
後、窒素ガスを反応器内の空間に導入する。分散剤の添
加量は、モノマーの種類によって異なるが、塩化ビニル
モノマーの場合、通常、0.05〜5重量%である。次
に、塩化ビニルモノマーとアリル位水素を有する化合物
、ラジカル開始剤および所望により塩化ビニルモノマー
と共重合可能なモノマーを圧入する。なお、アリル位を
有する化合物は、塩化ビニルモノマーまたは有機溶剤に
溶解させるか、ビニルアルコールのカルボン酸エステル
とともに仕込むか、あるいは水分散状態で仕込んでもよ
い。
【0016】ラジカル開始剤としては、t−ブチルパー
オキシネオデカネート、α−クミルパーオキシネオデカ
ネート、イソブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキ
サイドなどの有機過酸化物、過酸化水素等の過酸化物;
アゾビスイソブチロニトリルなどのアゾ化合物;クロロ
フォルメイトとNa2O2(またはH2O2)とNaO
Hとの混合物;など公知のラジカル開始剤を用いること
ができる。ラジカル開始剤の添加量は、通常、塩化ビニ
ルモノマーに対して500〜50,000ppm程度用
いる。アリル位水素を含む化合物の割合を多くするにし
たがって、ラジカル開始剤も増量させる。
【0017】その後よく撹拌して、反応器内の分散状態
が安定してから、開始剤が分解して反応が進行し始める
所定の温度まで、反応器に取りつけたジャケットを利用
して加熱する。重合反応の進行にしたがって、反応熱に
より反応器内の温度が上昇しすぎたり、あるいは外気の
冷却効果により所定温度以下に低下する場合には、反応
器に取り付けたジャケットを利用して、冷却または加熱
し、反応温度を調整する。反応は、器内圧が低下し始め
る時間で終了させる。
【0018】重合反応中、アリル位水素の濃度が塩化ビ
ニルモノマー100分子当たり0.1〜20個の範囲に
保持されているか否かは、重合中に適宜反応を止めて反
応系中の塩化ビニルモノマーとアリル位水素を有する化
合物の濃度を測定するか、塩化ビニルモノマーと該化合
物の反応性比と仕込み濃度、重合時間から推定する方法
がとられる。予備実験を行なって、反応中の両者の量比
を上記範囲内にするための塩化ビニルモノマーの分割添
加の条件を決定しておく方法が便利である。通常、塩化
ビニルモノマーをあらかじめ決められた所定の割合で分
割添加する。
【0019】反応終了後、水中に分散した塩化ビニル系
共重合体は、脱水機により水を分離し、水または温水で
充分洗浄する。その際、さらに熱メタノールで洗浄する
か、または、一度溶剤に溶解させた後、メタノール等の
沈殿剤で沈殿させ、溶剤を分離する。その後40〜60
℃の熱風乾燥機で充分乾燥して、粉末状樹脂を得る。
【0020】(ケン化)前記で得られた粉末状樹脂は、
次のようにしてアルカリでケン化する。ガラス製反応器
に、樹脂、0.1N水酸化カリウム水溶液およびメタノ
ールを入れて、40〜60℃に加温し、その温度で2〜
12時間撹拌してケン化反応を進行させる。温度は、4
0℃より低温であると反応が長時間になりすぎ、一方、
60℃より高温であると、樹脂自体の着色が激しく実用
的ではない。ケン化された樹脂は、充分水洗して未反応
アルカリ溶液を抽出除去した後、50〜60℃で乾燥し
て、通常、酢酸ビニルの一部がケン化された塩化ビニル
系共重合体樹脂を得る。ケン化度は、温度と反応時間に
よって変えることができ、例えば、50℃で12時間反
応させるとケン化度は70〜90%に達する。
【0021】(塩化ビニル系重合体)本発明によれば、
熱安定性に優れた塩化ビニル系重合体を得ることができ
る。熱安定性は、塩化ビニル系樹脂を高温に加熱した時
に発生する塩化水素ガス量と、空気中で高温にさらされ
た時の着色度によって評価することができる。塩素ガス
発生量による評価法は、安定剤、改質材等を含まない樹
脂自身の熱安定性の尺度になる。高温空気中にさらされ
た時の着色度は、安定剤や滑剤等を混入し、シート状に
成形加工した樹脂を190℃のギアオーブンに放置する
という実際の使用状態に近い設定で、着色して黒化に至
る黒化時間を測定したものであるが、成形加工したもの
の熱安定性の尺度となる。本発明の製造方法により得ら
れる塩化ビニル系共重合体は、加熱時の脱塩化水素量が
大幅に減少し、熱安定性に優れている。したがって、加
工時の加熱によって、金属類を腐食する塩化水素の発生
も少なく、また、使用時に高温にさらされても周辺の金
属類を腐食する恐れもない。この塩化ビニル系樹脂は、
広範な用途に使用できるが、特に、塗料やインクのバイ
ンダー等として好適である。
【0022】
【実施例】以下、本発明について、実施例および比較例
を挙げて具体的に説明するが、本発明は、これらの実施
例のみに限定されるものではない。なお、塩化ビニル系
樹脂の物性の測定方法は、次のとおりである。
【0023】<平均重合度>JIS  K−6721に
したがって測定した。 <共重合体組成>酸素フラスコ燃焼法による、塩素重量
%分析、およびガスクロマトグラフィーによる重合廃液
の残モノマー組成分析して算出した。 <ケン化度>IRスペクトルの水酸基(3400cmー
1)およびカルボニル基(1776cmー1)の吸光度
比より算出した。
【0024】<黒化時間>樹脂100重量部、メチル錫
系安定剤3重量部(勝田化工製、TM181FSJ)、
およびステアリン酸0.5重量部を配合し、160℃で
4分間、8インチロールで溶融混練しシート状にした。 得られたシート(厚さ1mm、大きさ20mm×30m
m)を、190℃に加熱したギアオーブン中に放置し、
黒化するまでの時間を測定した。 <脱塩化水素量>0.5gの樹脂を、35ml/分の窒
素気流中で、180℃に加熱したオイルバス中に30分
浸漬した後、遊離してくる塩化水素ガスを水に吸収させ
、その水素イオン濃度を測定して脱塩化水素量を算出し
た。
【0025】[実施例1] (塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体の合成)23リット
ルの耐圧撹拌機付き反応器内に、イオン交換水10リッ
トル、部分ケン化ポリビニルアルコール水溶液(濃度3
重量%)480ml、α−クミルパーオキシネオデカエ
ート28.8g、イソブチリルパーオキサイド28.8
g、1−ヘキセン(三菱化学社製、ダイアレン−1)4
00g、および酢酸ビニル300gを添加し、脱気、窒
素ガス置換後、塩化ビニルモノマー360gを注入して
、35℃まで昇温し反応を開始した。30分後、塩化ビ
ニルモノマー40gを別のタンクから注入し、その後、
20分間隔で塩化ビニルモノマー40gづつ、合計53
回(2120g)にわたって分割添加した。トータル仕
込みモノマー比(VCM/1−ヘキセン/酢酸ビニル)
=2480g/160g/300g=84.4/5.4
/10.2(重量比)約18時間反応を行なった後、反
成物を水洗、濾過、乾燥させて白色粉末状樹脂を得た。 得られた共重合体の平均重合度および共重合体組成を測
定し、その結果を表1に示す。
【0026】また、反応系中のアリル位水素の塩化ビニ
ルモノマー100分子当りの個数を割り出すために、上
記の操作方法と同様であるが、反応開始3時間後に、冷
却し排ガスした後、反応溶液中の1−ヘキセンの濃度を
ガスクロマトグラフにて分析した。また、そのとき得ら
れた樹脂を乾燥した後、樹脂中の塩化ビニル成分を調べ
、仕込み塩化ビニルモノマー量から引いた値を反応系中
の塩化ビニルモノマー量として算出した。同様に、6時
間、12時間および18時間経過後についても各モノマ
ー成分量を測定し、塩化ビニルモノマー100分子当り
のアリル位水素の個数を算出した。結果を表1に示す。
【0027】(共重合体のケン化)3リットルのガラス
製反応器に、上記共重合体200g、メタノール150
0mlを投入し、50℃まで昇温して、1時間撹拌した
。次に、0.1N水酸化カリウム水溶液20mlを滴下
ロートから徐々に添加し、約8時間、ケン化反応を行な
った。反応終了後、反応物を取り出し、充分水洗した後
、約50℃の真空乾燥機で乾燥させてケン化物を得た。 得られたケン化物の物性を測定し、その結果を表1に示
す。
【0028】[実施例2]1−ヘキセンを、1−デセン
に変更した以外は、実施例1と同様に操作し、同様に評
価した。
【0029】[実施例3]1−ヘキセンを、1−ヘキサ
デセンに変更した以外は、実施例1と同様に操作し、同
様に評価した。
【0030】[実施例4]実施例2で得られた共重合体
を、ケン化度90%までケン化したものについて熱安定
性を測定した。
【0031】[実施例5]1−ヘキセンをアリルベンセ
ンに変更した以外は、実施例1と同様に操作し、同様に
評価した。
【0032】[比較例1]1−ヘキセンをエチレン(反
応器を密栓後に注入)に変更した以外は、実施例1と同
様に実験を行なった。
【0033】[比較例2]1−ヘキセンを入れずに、塩
化ビニルモノマーと酢酸ビニルを50℃で重合した以外
は、実施例1と同様に実験を行なった。
【0034】[比較例3]塩化ビニルモノマーを合計2
200g、酢酸ビニル300gおよび1−ヘキセンを合
計で500g用いたこと以外は、実施例1と同様に操作
し、同様に評価した。
【0035】
【表1】
【0036】表1から明らかなように、黒化時間は、実
施例1〜5のものは100〜120分であるのに対して
、比較例1〜2のものは、75〜80分であり、耐熱老
化性が大幅に改善されていることが分かる。また、脱塩
化水素量は、実施例1〜5のものは、770〜930p
pmであるのに対し、比較例1〜2のものは、2500
〜2800ppmであり、約1/3程度に減少している
。反応系中の塩化ビニルモノマー100分子当りのアリ
ル位水素の個数が20個を越える場合(比較例3)には
、重合度が低下し、しかも耐熱性が不十分となる。以上
の点から、本発明によるものは従来品を比べて、大幅に
熱安定性が改善されていることが分かる。
【0037】
【発明の効果】本発明の製造方法による塩化ビニル系樹
脂は、熱安定性の尺度である黒化時間は、従来品と比べ
て約1.5倍程度長くなっており、脱塩化水素量は約1
/3程度に減少している。したがって、本発明による製
造方法によって得られた塩化ビニル系樹脂は従来品と比
較して、著しく熱安定性が改善されていることが分かる

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  塩化ビニルモノマー50〜98重量%
    とビニルアルコールのカルボン酸エステル2〜50重量
    %を含有するモノマー混合物をラジカル重合するに際し
    、重合反応中、下記一般式〔1〕および〔2〕で表され
    るアリル位水素を有する化合物からなる群から選ばれる
    少なくとも1種の化合物を塩化ビニルモノマー100分
    子に対して、アリル位水素の個数が0.1〜20となる
    量比を保持するように重合反応系に共存させ、ついで得
    られた共重合体をケン化することを特徴とする塩化ビニ
    ル系樹脂の製造方法。   一般式〔1〕              CH2
    =CR3−CH2  *−R1  一般式〔2〕   
               R2−CH=CR3−CH2 
     *−R4  (ただし、式中、R1、R2およびR4
    は、同一またはそれぞれ異なるアルキル基、アリル基、
    それらの水素原子がアルキル基、ハロゲン、水酸基、カ
    ルボン酸基、アルキルエステル基、アルキルエーテル基
    またはフェニル基で置換されているものを示し、R2と
    R4は、互いに結合して環状構造を形成していてもよく
    、R3は、水素原子、ハロゲンまたはアルキル基を示す
    。H2  *は、アリル位水素であり、同一炭素に結合
    する2つのアリル位水素は1個として数える。)
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2008126716A1 (ja) * 2007-04-05 2008-10-23 Japan Vam & Poval Co., Ltd. ビニル系単量体の懸濁重合用分散安定剤およびビニル系重合体

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