JPH04303901A - 絶縁コイル - Google Patents

絶縁コイル

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Publication number
JPH04303901A
JPH04303901A JP6747491A JP6747491A JPH04303901A JP H04303901 A JPH04303901 A JP H04303901A JP 6747491 A JP6747491 A JP 6747491A JP 6747491 A JP6747491 A JP 6747491A JP H04303901 A JPH04303901 A JP H04303901A
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JP
Japan
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ceramic
insulating
insulated
insulating layer
wire
Prior art date
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Withdrawn
Application number
JP6747491A
Other languages
English (en)
Inventor
Koichi Yamada
浩一 山田
Kazuo Sawada
澤田 和夫
Shinji Inasawa
信二 稲澤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
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Publication date
Application filed by Sumitomo Electric Industries Ltd filed Critical Sumitomo Electric Industries Ltd
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  • Coils Of Transformers For General Uses (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、真空中や高温環境下
において使用することのできる、モータ、およびマニピ
ュレータ等の駆動装置ならびに励磁用ソレノイドコイル
などに用いられるコイルに関するものである。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】従来
、コイル用巻線にはエナメル線が用いられ、巻線加工し
た後、振動等によってずれるのを防止するために有機材
料による含浸を行ない固定している。特に耐熱性を要求
するような用途では、被覆材料にポリイミドのような耐
熱性樹脂を使用している。
【0003】しかしながら、ポリイミドのような耐熱性
樹脂であっても、その許容温度は高々300℃であり、
それ以上の温度で使用することはできない。また真空中
で使用するような場合には、被覆材料の熱分解によるガ
ス放出が問題となるため使用できなかった。
【0004】一方、有機材料を使用しない耐熱電線とし
ては、ステンレス合金等からなる耐熱合金製管に導体を
通し、その間に酸化マグネシウムなどの金属酸化物微粒
子を充填して絶縁した形のMIケーブルや、ガラス繊維
を紡織したガラス編組を絶縁部材として用いた電線があ
る。前者は導体の占積率が小さいという問題があった。 また耐熱合金製管の可撓性が悪いので、巻線加工の作業
性に問題があった。後者は編組の目が不均一になったり
、端末部が解けたりするので作業性が悪いという問題が
あった。またガラス編組に有機樹脂を含浸させ、信頼性
と作業性を改善したものがあるが、この場合は前述のよ
うに樹脂を使用しているため耐熱性の問題があった。
【0005】また、加熱によりセラミックス化する塗料
が知られており、このような塗料またはこの塗料にセラ
ミックス粒子を分散させた塗料を、金属導体の外周面に
塗布して耐熱電線をつくる方法が知られている。しかし
ながら、この塗料を塗布し、加熱して完全にセラミック
ス化した後は、表面のセラミックス層の靭性限界を越え
て巻線加工すると、セラミックスの被膜に多くのクラッ
クを生じるという問題があった。被膜にクラックを生じ
させない方法として、有機材料としての可撓性を残した
まま、すなわち塗布した塗料を完全にセラミックス化し
ないよう加熱処理し、これを巻線加工してコイルを作製
し、コイル作製後にコイル全体を加熱処理して完全にセ
ラミックス化させる方法がある。
【0006】しかしながら、この場合セラミックス化す
る前の被膜の耐摩耗性に問題があり、巻線加工した際に
被膜に傷が入ってしまい、セラミックス化後の被膜にも
この傷が残り絶縁性に劣るという問題があった。
【0007】コイルの充填材についても有機材料を用い
た場合、その耐熱性が問題となり、高温で使用すれば熱
分解して固定力の低下や絶縁性の低下が問題となる。
【0008】この発明の目的は、上記のような従来の問
題点を解消し、真空中で使用しても分解ガス等の放出が
なく、かつ高い温度で絶縁性を発揮する無機絶縁コイル
を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明のコイルでは、
電気導体の外方に、加熱によりセラミックス化するセラ
ミックス絶縁層を設け、さらに外方に絶縁性セラミック
ス繊維層を設けた絶縁電線をコイル形状に加工した巻線
部と、巻線部を固定するため含浸させた、加熱によりセ
ラミックス化する絶縁性セラミックス充填部とを備えて
いる。
【0010】この発明において、巻線部に用いられる絶
縁電線の電気導体は、特に限定されるものではないが、
導電率等の面からは、銅または銅合金が好ましい。
【0011】また、耐酸化性を向上させるためには、銅
または銅合金のまわりにニッケルを被覆したものが好ま
しい。さらに、銅とニッケルとを直接に接触させると、
高温において相互拡散し、導電率等の低下を招く場合が
あるので、このような高温における拡散を防止するため
、銅とニッケルの間に拡散防止層を設けてもよい。
【0012】図7は、このような電気導体を示しており
、銅線11とニッケル層13との間に拡散防止層12が
設けられている。このような拡散防止層としては、ニオ
ブ、ステンレス、クロム、白金、ロジウムおよびパラジ
ウムなどを用いることができる。また、導電性のセラミ
ックスを拡散防止層として用いてもよい。導電性セラミ
ックス層としては、炭化タングステン、窒化ジルコニウ
ム、硼化チタン、珪化モリブデンなどの遷移金属の炭化
物、窒化物、硼化物および珪化物などが挙げられる。 このほかにも、たとえば炭素や二硫化モリブデンなどを
挙げることができる。
【0013】この発明において、巻線部の絶縁電線にお
いて設けられるセラミックス絶縁層は、加熱によりセラ
ミックス化する材料から形成される。このような加熱に
よりセラミックス化する材料としては、たとえば、セラ
ミックスの前駆体を含む溶液がある。たとえば、金属ア
ルコキシド等の加水分解可能な有機基を有する化合物の
加水分解反応および脱水縮合反応により生成した、アル
コキシド基、ヒドロキシ基およびメタロキサン結合を有
する金属有機化合物の高分子からなる溶液である。また
、この溶液には、溶媒であるアルコール等の有機溶剤や
、原料の金属アルコキシド、および加水分解反応に必要
な少量の水と触媒が含まれている。
【0014】また、セラミックス前駆体を含む溶液には
、金属有機化合物を適当な有機溶媒に混合し、溶解した
溶液も含まれる。
【0015】このような溶液から形成されるものとして
は、たとえば、SiO2 、Al2 O3 、ZrO2
 、TiO2 およびMgO等がある。有機酸塩として
は、ナフテン酸、カプリル酸、ステアリン酸、およびオ
クチル酸等の金属塩が好ましい。また金属アルコキシド
としては、エトキシド、プロポキシドおよびブトキシド
等が用いられる。
【0016】また、セラミックス絶縁層を形成するもの
としては、有機酸塩熱分解法によって形成される酸化物
絶縁層であってもよい。このような酸化物は、金属酸化
物の前駆体溶液の加熱処理によって酸素気流中の雰囲気
下で加熱することによって形成される。また、シリコー
ン樹脂を加熱することによって形成される酸化珪素であ
ってもよい。
【0017】さらに、セラミックス絶縁層は、窒化物お
よび炭化物であってもよい。たとえば、炭化珪素、窒化
珪素、および窒化アルミニウムなどであってもよい。ポ
リカルボシランの加熱により、炭化珪素を生成すること
ができる。またポリボロシロキサンからは、硼炭化珪素
を形成させることができる。ポリシラザンからは窒化珪
素を形成されることができ、ポリチタノカルボシランか
らはチタンを含む炭化珪素を形成させることができる。 いずれの場合も、加熱の条件によって一部酸化物を含ん
でいてもよい。
【0018】また、この発明において、セラミックス絶
縁層は、絶縁性セラミックス粒子を添加により含んでい
てもよい。このような絶縁セラミックス粒子としては、
たとえば、アルミナ、シリカ、ジルコニア、炭化珪素、
窒化珪素およびこれらの複合体ならびにマイカなどの粒
子を挙げることがきる。
【0019】また、セラミックス絶縁層は、複数の層か
ら構成されていてもよい。たとえば、異なるセラミック
スからなる層を積層させてもよい。また、絶縁性セラミ
ックス粒子を含む粒子と含まない粒子とを積層させても
よい。また、加熱によるセラミックス化の度合が異なる
層を積層させてもよい。
【0020】この発明において、加熱によりセラミック
ス化する、セラミックス絶縁層、絶縁性セラミックス充
填部は、ともに必ずしも完全にセラミックス化させる必
要はなく、セラミックス化の途中の段階で止めた状態で
あってもよい。
【0021】この発明において、絶縁電線のセラミック
ス絶縁層の外方に設けられる絶縁性セラミックス繊維層
は、セラミックス繊維から構成される。このようなセラ
ミックス繊維の材質としては、たとえば、アルミナセラ
ミックス繊維、シリカセラミックス繊維、ジルコニアセ
ラミックス繊維、アルミナ,シリカ,ジルコニアからな
る複合セラミックス繊維、炭化珪素セラミックス繊維お
よびこれらのほか、一般にガラス繊維といわれているも
のも含めることができる。
【0022】これらのセラミックス繊維は、紡織して編
組体としてセラミックス絶縁層のまわりに、絶縁性セラ
ミック繊維層として設けてもよい。
【0023】またセラミックス繊維テープを作製し、こ
のテープをセラミックス絶縁層のまわりに巻付けてセラ
ミックス繊維層を形成させてもよい。
【0024】また、この発明においては、このような絶
縁性セラミックス繊維層に、加熱によりセラミックス化
する絶縁物が含まれていてもよい。このような加熱によ
りセラミックス化する絶縁物の前駆体は、たとえば、セ
ラミックス繊維層を形成した後の絶縁電線を、絶縁物の
前駆体の溶液中に浸漬して含浸させることができる。こ
のような絶縁物の前駆体としては、上述のセラミックス
絶縁層を構成するものと同様なセラミックス前駆体材料
を用いることができる。また、これ以外に、たとえば、
水ガラスやシリカゾルなどもこのような前駆体として用
いることができる。絶縁性セラミックス繊維層に含浸さ
れた前駆体は、加熱によってセラミックス化するが、こ
の段階では完全にセラミックス化させる必要はなく、そ
の途中の段階でもよい。また、高真空中等で使用する用
途等によっては、完全にセラミックス化させたほうが好
ましい場合もある。また、この絶縁物には、セラミック
ス絶縁層と同様に、絶縁性セラミックス粒子が添加によ
り混合されていてもよい。
【0025】この発明においては、以上のようにして作
製された絶縁電線をコイル形状に加工して巻線部とする
。この巻線部を固定するため、絶縁性セラミックス充填
部が形成される。この発明において、絶縁性セラミック
ス充填部もまた、加熱によりセラミックス化する材料か
ら形成される。このような加熱によりセラミックス化す
る材料としては、上述の絶縁電線のセラミックス絶縁層
の材料を用いることができ、さらに水ガラス、シリカゾ
ルまたは無機膠着質などを用いることができる。
【0026】また、充填部には、セラミックス絶縁層と
同様に、絶縁性セラミックス粒子を添加し混合すること
ができる。セラミックス絶縁性充填部においては、この
ような絶縁性セラミックス粒子の添加は好ましいもので
ある。なぜならば、このようなセラミックス粒子の添加
により、セラミックス化した際の収縮を少なくすること
ができ、絶縁性を高めることができるからである。
【0027】図1は、この発明の巻線部の絶縁電線の一
例を示す断面図である。図1を参照して、電気導体1の
まわりにはセラミックス絶縁層2が設けられている。セ
ラミックス絶縁層2のまわりには絶縁性セラミックス繊
維層3が設けられて、絶縁電線4が構成されている。
【0028】図1に示すような絶縁電線を用いて、これ
をコイル形状に加工して巻線部にする。図2は、コア6
のまわりに絶縁電線を巻付け、巻線部を形成した後、こ
の巻線部を絶縁性セラミックス充填部により固定し形成
された絶縁コイル5を示している。
【0029】図3は、図2に示す絶縁コイル5の断面図
である。コア6のまわりには巻線部7が設けられており
、巻線部7は図4の拡大図に示すように、絶縁性セラミ
ックス充填部8より固定されている。絶縁性セラミック
ス充填部8は、巻線部7に含浸させた後加熱によりセラ
ミックス化して形成したものである。図4を参照して、
電気導体1のまわりにセラミックス絶縁層2および絶縁
性セラミックス層3を設けた絶縁電線の間に、絶縁性セ
ラミックス充填部8が設けられている。
【0030】図5は、この発明に従う他の実施例の絶縁
コイル15を示している。図6は、図5の絶縁コイルの
使用状態の断面図であり、この実施例の絶縁コイル15
では、巻線部17のまわりに被覆固定部18が形成され
ている。この被覆固定部18は、加熱によりセラミック
ス化する材料によって形成することができ、この被覆固
定部18により、絶縁コイル15を覆い固定している。 巻線部17は、図4に示したものと同様に、絶縁性セラ
ミックス充填部により絶縁電線間が充填され固定されて
いる。図6は、絶縁コイル15をコア16の上に載せて
使用する状態を示している。
【0031】
【発明の作用効果】この発明のコイルでは、従来のよう
に有機樹脂を用いることなく電線を絶縁するとともに、
コイル状に形成した電線を固定している。このため、従
来よりも優れた耐熱性を得ることができる。また、この
発明では、絶縁電線のセラミックス絶縁層のまわりにさ
らにセラミックス繊維から構成される絶縁性セラミック
ス繊維層を設けている。このため、絶縁電線としても絶
縁破壊電圧が高く、コイル全体としての絶縁性が著しく
優れたものとなる。
【0032】したがって、この発明のコイルは、真空中
や高温環境下などにおいて使用されるモータ、マニュピ
レータ等の駆動装置や、励磁用のソレノイドコイル等に
有効に用いることのできるものである。
【0033】
【実施例】実施例1 無酸素銅線に厚さ15μmのニッケルめっきを施した、
線径1.0mmのニッケルめっき導線を電気導体として
用いた。この電気導体のまわりに、以下のように2層構
造のセラミックス絶縁層を形成した。
【0034】まず、ポリシラザンを以下のようにして作
製した。窒素気流下で、1,1,1,3,3,3−ヘキ
サメチレンジシラザン40gと、トリクロロシラン15
gを混合し、70℃で5時間撹拌した。さらに、160
℃で蒸留を行ない、副生成物を蒸留し除去した。次に1
20℃、5mmHgで真空蒸留することにより、完全に
副生成物を除去し、5gのポリシラザンを得た。ここで
いう副生成物は、トリメチルクロロシランとオリゴシラ
ザンが主である。この得られたポリシラザンをトルエン
で5倍に希釈し、この溶液を電気導体の上に塗布し、塗
布後窒素中で600℃23分間加熱処理し窒化珪素の第
1の絶縁層を形成した。この第1の絶縁層の厚みは8μ
mであった。
【0035】次に、ポリボロジフェニルシロキサン(S
iPh2 −O−P2 )n をトルエンに溶解し、4
0重量%の溶液とした。さらに、この溶液に炭化珪素粉
末(公称粒径0.50μm)を3重量%混合した。この
塗布溶液を、第1の絶縁層の上に塗布し、塗布後大気中
で350℃10分間加熱処理して、第2の絶縁層とした
。この第2の絶縁層の厚みは、12μmであった。
【0036】以上のようにして形成したセラミックス絶
縁層の上に、線径5μmの炭化珪素ファイバを紡織して
編組し、絶縁性セラミックス繊維層を形成した。このよ
うにして得られた絶縁電線を、内径200mm、外径2
70mm、高さ200mmの円筒状ボビンに巻付けて巻
線部とした。
【0037】次に、ポリカルボシランにチタンテトラブ
トキシドを加えて得られるポリチタノカルボシランをト
ルエンに溶解し、40重量%の溶液とした。この溶液に
シリカ粉末(公称粒径1μm)を5重量%混合した。円
筒状コイルに、この溶液を減圧含浸法で含浸し充填させ
た。これを大気中600℃で60分間加熱処理すること
により、セラミックス化して含浸させた前駆体を絶縁性
セラミックス充填部とした。
【0038】得られたコイルの導体−ボビン間の絶縁抵
抗を測定したところ、室温下では1×1012Ωであり
、400℃の高温雰囲気下では5×1011Ωと優れた
特性を示した。
【0039】比較例 実施例1と同様の電気導体を用い、その外方に実施例1
と同様のセラミックス絶縁層を形成し、絶縁電線を得た
。この比較例ではセラミックス絶縁層のまわりに絶縁性
セラミックス繊維層を設けずに、コイル形状に加工し、
これに加熱によりセラミックス化する材料を含浸させて
絶縁性セラミックス充填部を形成した。
【0040】このようにして得られたコイルについて、
実施例1と同様に導体−ボビン間の絶縁抵抗を測定した
ところ、室温下では2×109 Ωで、400℃では8
×108 Ωであり、実施例1に比べ100分の1以下
の値であった。
【0041】実施例2 無酸素導線にニオブおよびニッケルの順で、それぞれ8
0μmおよび20μmの厚みで被覆し、線径1.8mm
のニッケルクラッド銅線とした。このニッケルクラッド
銅線を電気導体として用いた。
【0042】テトラブチルオルトシリケート:水:イソ
ブチルアルコール=8:32:60(モル比)を混合し
た溶液に、硝酸をテトラブチルオルトシリケートに対し
、100分の3モルの割合で添加し、その後温度80℃
で2時間加熱し溶液を調製した。この溶液1リッタに、
公称粒径0.3μmのアルミナ粉末を30g添加した。 この溶液を金属導体のまわりに塗布し、塗布後大気中で
600℃15分間加熱処理してセラミックス化させた。 このようにして得られたセラミックス絶縁層の厚みは2
4μmであった。
【0043】このセラミックス絶縁層のまわりに、線径
5μmのアルミナ・シリカ複合ファイバを紡織して、編
組し、絶縁性セラミックス繊維層を形成した。このよう
にして得られた絶縁電線を60×40×20mmの空芯
コイル(空芯部30×20×20mm)の形状に加工し
た。
【0044】シリカゾル(触媒化成工業(株):S−3
0L)に、公称粒径1μmのアルミナ粒子を1リッタに
対し25gの割合で添加し混合したものを、この空芯コ
イルに減圧含浸法により含浸し充填させた。その後70
℃で60分加熱し、さらに150℃で15分加熱した後
、600℃で60分加熱して、セラミックス化し、絶縁
性セラミックス充填部とした。
【0045】次に、コイル全体をシリカ・アルミナ・マ
グネシアを主成分とする無機膠着質で覆い固め、図5お
よび6に示すようなコイルとした。
【0046】このコイルの導体−ボビン間の絶縁抵抗は
、室温で5×1012Ω、400℃で1×1012Ωで
あった。
【0047】実施例3 無酸素銅線に厚さ15μmのニッケルめっきを施した線
径0.5mmのニッケルめっき銅線を電気導体として用
い、以下のようにしてセラミックス絶縁層をそのまわり
に形成した。
【0048】まず、テトラブチルオルトシリケート:水
:イソブチルアルコール=8:32:60(モル比)を
混合した溶液に、硝酸をテトラブチルオルトシリケート
に対し、100分の3モルの割合で添加し、その後温度
80℃で2時間加熱した溶液を調製した。この溶液を電
気導体の上に塗布した後、大気中600℃で15分間加
熱処理して第1の絶縁層を形成した。第1の絶縁層の厚
みは3μmであった。
【0049】次に、第1の絶縁層と同じ溶液1リッタに
対し、公称粒径15μm、アスペクト比10の天然マイ
カを20g添加した溶液を調製し、この溶液を塗布した
。塗布後大気中で600℃15分間加熱処理し、第2の
絶縁層とした。第2の絶縁層の厚みは12μmであった
【0050】次に、シリコーン樹脂H−19−2(東レ
・ダウコーニング社製)に公称粒径15μm、アスペク
ト比10の天然マイカを体積比で10:1の割合で混合
し、この溶液を塗布した。塗布後大気中で400℃10
分間加熱処理し、第3の絶縁層とした。第3の絶縁層の
厚みは30μmであった。
【0051】以上のようにして第1、第2および第3の
絶縁層からセラミックス絶縁層を構成させ、このセラミ
ックス絶縁層のまわりに線径5μmのアルミナ・シリカ
複合ファイバを紡織して編組し、絶縁性セラミックス繊
維層を形成させた。このようにし得られた絶縁層を、実
施例1と同様にして円筒状ボビンに巻付け、減圧含浸法
により、加熱によりセラミックス化する材料を含浸させ
た。この材料としては、セラミックス絶縁層の第3の絶
縁層と同じく、シリコーン樹脂H−19−2に天然マイ
カを混合させたものを用いた。
【0052】含浸させた後、大気中600℃で60分間
加熱処理し、セラミックス化させ、絶縁性セラミックス
充填部とした。
【0053】このようにして得られたコイルの導体−ボ
ビン間の絶縁抵抗は、室温で2×1012Ω、400℃
で5×1011Ωであった。
【0054】実施例4 無酸素導線にステンレス(SUS304)およびニッケ
ルの順で、それぞれ150μmおよび100μm被覆し
、線径1.8mmのクラッド線を作製し、これを電気導
体とした。
【0055】トリス(n−メチルアミノ)メチルシラン
を、オートクレーブ中500℃で3時間加熱してポリシ
ラザンを調製した。この得られたポリシラザン10gを
、テトラヒドロフラン100mlで希釈し、これを室温
まで放冷した後に、公称粒径1.5μmのアルミニウム
ナイトライド粒子を3g混合し、コーティング溶液とし
た。
【0056】このコーティング溶液を、電気導体の上に
塗布し、塗布後窒素中で250℃15分間加熱処理した
。この結果、厚さ30μmのセラミックス絶縁層が得ら
れた。
【0057】このセラミックス絶縁層のまわりに、線径
5μmのアルミナ・シリカ複合ファイバを紡織して編組
し、絶縁性セラミックス繊維層を形成した。
【0058】このようにして得られた絶縁電線を実施例
1と同様にして円筒状ボビンに巻付けた後、セラミック
ス絶縁層を形成したのと同じコーティング溶液を用い、
このコーティング溶液を減圧含浸法により含浸し充填さ
せた。充填後、大気中で600℃60分間加熱処理し、
セラミックス化して絶縁性セラミックス充填部とした。
【0059】このようにして得られた絶縁コイルの導体
−ボビン間の絶縁抵抗は、室温で3×1012Ω、40
0℃で8×1011Ωであった。
【0060】実施例5 無酸素導線に、クロムおよびニッケルの順で、それぞれ
の厚みが5μmおよび10μmとなるように被覆し、線
径1.8mmのメッキ銅線を得た。これを電気導体とし
て用い、以下のように、2層構造のセラミックス絶縁層
を形成した。
【0061】まずテトラブチルオルトシリケート:水:
イソブチルアルコール=8:32:60(モル比)を混
合した溶液に、硝酸をテトラブチルオルトシリケートに
対し、100分の3モルの割合で添加し、その後温度8
0℃で2時間加熱した溶液を調製した。この溶液を電気
導体に塗布し、塗布後大気中で600℃15分加熱処理
してセラミックス化して第1の絶縁層とした。第1の絶
縁層の厚みは6μmであった。
【0062】次に、第1の絶縁層と同様の溶液1lに対
し、公称粒径1μmのジルコン(ZrSiO4 )粉末
を50g添加し、この溶液を第1の絶縁層の上に塗布し
た。塗布した後大気中で600℃15分間加熱処理した
。得られた第2の絶縁層の厚みは20μmであった。
【0063】このようにして形成されたセラミックス絶
縁層のまわりに、線径5μmのアルミナ繊維ファイバを
紡織して編組し、絶縁性セラミックス繊維層を形成した
【0064】実施例2で用いたシリカゾルと同じものを
用い、これに1リッタに対し35gのジルコン粒子を添
加してコーティング液を調製した。このコーティング液
中に、絶縁電線を浸漬させて、絶縁性セラミックス繊維
層中にこのコーティング液を含浸させた。含浸後、70
℃60分で加熱処理し、さらに120℃で15分加熱処
理した。
【0065】加熱処理後この絶縁電線を実施例1と同様
にして円筒状ボビンに巻付けた。次に、同じジルコン粉
末を添加したシリカゾルのコーティング液を用いて、減
圧含浸法によりコイル状に巻付けた絶縁電線にコーティ
ング液を含浸し充填させた。充填後、70℃で60分加
熱処理し、次いで150℃で15分加熱処理し、さらに
600℃で60分加熱処理してセラミックス化し、絶縁
性セラミックス充填部とした。
【0066】以上のようにして得られたコイルの導体−
ボビン間の絶縁抵抗は、室温で5×1012Ω、400
℃で2×1012Ωであった。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例に用いられる絶縁電線を示
す断面図である。
【図2】この発明の一実施例を示す斜視図である。
【図3】図2の絶縁コイルを示す断面図である。
【図4】図3の巻線部を示す拡大断面図である。
【図5】この発明の他の実施例の絶縁コイルを示す斜視
図である。
【図6】図5の絶縁コイルを示す断面図である。
【図7】この発明において用いることができる、拡散防
止層を有する電気導体を示す断面図である。
【符号の説明】
1  電気導体 2  セラミックス絶縁層 3  絶縁性セラミックス繊維層 4  絶縁電線 5  絶縁コイル 6  コア 7  巻線部 8  絶縁性セラミックス充填部

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  電気導体の外方に、加熱によりセラミ
    ックス化するセラミックス絶縁層を設け、さらに外方に
    絶縁性セラミックス繊維層を設けた絶縁電線をコイル形
    状に加工した巻線部と、前記巻線部を固定するため含浸
    させた、加熱によりセラミックス化する絶縁性セラミッ
    クス充填部とを備える、絶縁コイル。
  2. 【請求項2】  前記絶縁性セラミックス充填部が、添
    加により混合された絶縁性セラミックス粒子を含む、請
    求項1に記載の絶縁コイル。
  3. 【請求項3】  前記絶縁性セラミックス充填部が、金
    属アルコキシド、金属有機酸塩、シリコーン樹脂、ポリ
    カルボシラン、ポリボロシロキサン、ポリシラザン、ポ
    リチタノカルボシラン、水ガラス、シリカゾル、および
    無機膠着質からなるグループより選ばれる少なくとも1
    種の化合物から形成される、請求項1に記載の絶縁コイ
    ル。
  4. 【請求項4】  前記絶縁電線の絶縁性セラミックス繊
    維層が、加熱によりセラミックス化する絶縁物を含んで
    いる、請求項1に記載の絶縁コイル。
  5. 【請求項5】  前記絶縁電線のセラミックス絶縁層が
    、添加により混合された絶縁性セラミックス粒子を含む
    、請求項1に記載の絶縁コイル。
  6. 【請求項6】  前記絶縁電線のセラミックス絶縁層が
    、複数の層から構成されている、請求項1に記載の絶縁
    コイル。
  7. 【請求項7】  前記絶縁電線の絶縁層が、金属アルコ
    キシド、金属有機酸塩、シリコーン樹脂、ポリカルボシ
    ラン、ポリボロシロキサン、ポリシラザン、ポリチタノ
    カルボシランからなるグループより選ばれる少なくとも
    1種の化合物から形成される、請求項1に記載の絶縁コ
    イル。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018073903A (ja) * 2016-10-26 2018-05-10 株式会社村田製作所 電子部品及びその製造方法

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