JPH0430284Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案はユニツトバスルームに関し、さらに詳
しくは高齢者向けのユニツトルームに関する。

（考案の背景） 現在、高齢者向けのマンシヨン等が急増してい
る。しかし、これらに設置されるユニツトバスル
ームは一般向けに設計されたものが多く、高齢者
にとつては浴槽への出入りが困難であつたり、シ
ヤワーヘツドの掛け場所が高すぎたり、床が、滑
り易い等の不具合を生じ、使用勝手の悪いもので
あつた。

（技術的課題） 本考案の技術的課題はユニツトバスルームに対
して、浴槽への出入りを補助する機能、シヤワー
ヘツドの高さを調整する機能、滑り事故を防止す
る機能等を具備せしめ、高齢者に取つて使用勝手
の良いユニツトバスルームを提供することであ
る。

（技術的課題を解決する為の手段） 本考案が上記した技術的課題を解決する為に講
ずる手段は、シヤワー設備が設置される洗場付の
ユニツトバスルームにおいて、浴槽への出入り部
となる浴槽上縁面に尻載せ面を形成すると共に、
それと隣接する個所に握り部を突設し、且つ、ル
ーム内における周壁に握りバーを垂直状に取付
け、該握りバーにシヤワーヘツドを保持するハン
ガー体をスライド自在に嵌装し、且又、洗場の床
面に粗面を有する仕上材を敷設し、該洗場と接す
る一周壁面の低位置に複数の棚部を集中させて設
置したものである。

（作用） 以上の手段によれば、使用者は浴槽への出入り
部となる浴槽上縁面に形成した尻載せ面に腰掛
け、且つ、同尻載せ面に隣接する握り部を握つた
体勢で浴槽に出入りする。

シヤワーヘツドを保持したハンガー体はルーム
内における周壁に取付けた握りバーに沿つて上下
にスライドする。

洗場の床面上に敷設した粗面を有する仕上材は
歩行時の滑り止めになると共に室内装飾となる。
また、洗場と接する一周壁面低位置には複数の棚
部が集中して設置される。

（効果） 本考案は以上の如きものであるから、以下に列
記する効果を奏する。

浴槽の出入り口となる浴槽上縁部に尻載せ面
と握り部とを設けたので浴槽への出入りが楽で
ある。

シヤワーヘツドを保持するハンガー体が握り
バーに沿つて上下にスライドさせることにより
シヤワーヘツドの掛け場所の高さを使用者の要
望に応じて自由に調節することができる。ま
た、握りバーは周壁の握り部として利用するこ
とができる。

さらに、洗場と接する一周壁面の低位置には
複数の棚部を集中させて設置したので、体や髪
を洗う時に棚部に置かれた物を取る際における
体に移動を最小限に抑えることができ、従つ
て、使い勝手が良くなると共に滑る事故の可能
性も低減される。

洗場の床面には粗面を有する仕上材が敷設し
てあるので滑らず歩き易い。

さらに、上記した〜によつてバスルーム
内における滑り事故を低減することができる。

（実施例） 以下、本考案の一実施例を図面に基づいて説明
する。

第１図乃至第３図にて示すＡはシヤワー設備Ｃ
を備える洗場ｂ付のユニツトバスルームであり、
浴槽ａと洗場ｂとを合成樹脂若しくはFRP等を
用いて一体に成形すると共に、これらの外周縁に
壁載せ面７を周設し、該壁載せ面７に壁パネル８
を立設してルームＡの周壁９を形成し、且つ、天
井面に天井パネル１０を載置して構成してある。
浴槽ａは第１図に示す様に、ルームＡ内における
一半部に設け、その出入り部となるエプロン面１
１上部の浴槽上縁面a₁上における一側部に幅の広
い尻載せ面１を形成すると共に、この尻載せ面１
と隣接する浴槽上縁面a₂に握り部２を一体に突設
する。これにより、使用者は浴槽ａに出入りする
際に、上記尻載せ面１に腰掛け、握り部２を握つ
た体勢を取ることができるので、浴槽ａへの出入
りが非常に楽であり、且つ安全でもある。

尚、浴槽ａの底面は細かな凹凸模様を施すこと
により、滑り止めが成されると共に、浴槽ａ長辺
に沿う周壁９には浴槽ａへの出入り動作を助ける
握りバー１２が取付けてある。

ルームＡ内における他半部に形成される洗場ｂ
の一側には、浴槽ａの上縁面a₃と連続する様に棚
部１３が設けられ、この棚部１３上面における浴
槽ａ側に湯水混合栓１４が設置してある。

湯水混合栓１４は浴槽ａ側と洗場ｂ側とに回動
自在な吐水口１４ａを備えると共に、シヤワーホ
ース１５が接続され、同ホース１５先端に取付け
られるシヤワーヘツド５にて湯水を供給する。

シヤワーヘツド５はハンガー体４によつて着脱
自在に保持され、ハンガー体４は周壁９に対して
垂直状に取付けた握りバー３に嵌装され、上下方
向へスライド自在に支持されている。

従つて、ハンガー体４を上下にスライドさせる
ことにより、シヤワーヘツド５の掛け場所の高さ
を使用者の要望に応じて自由に調節することがで
き、且又、握りバー３はシヤワー設備Ｃを使用す
る際などに手摺として利用することができる。

また、前記した棚部１３の立上り面には棚２０
及び２１が設けられ、棚部１３上面と共にシヤン
プーや石けん、髭剃り等の入浴用品を用途別に整
理して置くように構成してある。

さらに、上記した棚部１３、棚２０，２１の
夫々は浴室内一周壁９面の低位置に集中する形で
設置され、これにより体や髪を洗いながら各棚に
置かれた物を取る際における体の移動を最小限に
抑えることができる。従つて、洗髪時等における
棚部１３、棚２０，２１周りの使い勝手が向上さ
れ、無理な体重移動から生じる滑り事故の可能性
も低減される。

洗場ｂの床面上には平板状に砕いた御影石や大
理石などの粗面な天然石６ａを仕上材６として敷
設する。天然石６ａは床面の滑り止めになると共
に、石畳調の室内装飾となり、入浴時の満足感を
高める。

また、仕上材６としては上記天然石模様をプリ
ントした化学繊維等からなる粗面を有する不織布
をFRPで裏打ちし、樹脂含浸させたものを使用
しても良い。

さらに、上記したユニツトバスルームＡは第２
図によつて示す様に、一段低く形成した設置面ｄ
に設置して、出入口１６の下縁１６ａと、建築床
面d′間の段差を低くすることにより、ルームＡ内
への出入りを楽にしている。

上記した如く構成したユニツトバスルームＡ
は、尻載せ面１と握り部２、一周壁に集中して設
置されるシヤワーヘツド５と棚部１３、物置き棚
２０，２１、粗面を有する仕上材６を敷設した洗
場ｂ等によつて高齢者に取つての使用勝手を向上
せしめると共に、上記した各構成と、段差の少な
い出入口１６、滑り止めを施した浴槽ａ底面、握
りバー１２等によつて、ルームＡ内で生じる滑り
事故を減少させることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案を実施したユニツトバスルーム
を示す横断平面図、第２図は第１図における−
断面図、第３図は第１図における−線断面
図である。 図中、Ａ……ユニツトバスルーム、ａ……浴
槽、ｂ……洗場、Ｃ……シヤワー設備、１……尻
載せ面、２……握り部、３……握りバー、４……
ハンガー体、５……シヤワーヘツド、６……仕上
材、１３……棚部、２０，２１……棚。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. シヤワー設備が設置される洗場付のユニツトバ
   スルームにおいて、浴槽への出入り部となる浴槽
   上縁面に尻載せ面を形成すると共に、それと隣接
   する個所に握り部を突設し、且つ、ルーム内にお
   ける周壁に握りバーを垂直状に取付け、該握りバ
   ーにシヤワーヘツドを保持するハンガー体をスラ
   イド自在に嵌装し、且又、洗場の床面に粗面を有
   する仕上材を敷設し、該洗場と接する一周壁面の
   低位置に複数の棚部を集中させて設置したユニツ
   トバスルーム。