JPH0430282Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は建築物を構築する際の床型枠等に設
ける仮設用手摺に関するものである。

〔従来技術〕

従来の仮設用手摺は、第１図に示すような固定
式であり、長いものでも横方向に連続した一体構
造で形成されていた。従つて、長さがある場合は
特に解体・取付けに手間がかかる上、取付場所に
よつては確実に固定することが困難であつた。ま
た床型枠の側面に取付ける場合には床の盛替えを
行う際に先に手摺を解体しなければならず、無手
摺状態となり危険であつた。

〔考案の目的〕

この考案は以上の問題点に鑑み案出されたもの
で、解体・取付けを容易かつ確実に行うことがで
き、床型枠に取付けた場合にも盛替え作業に支障
を生ずることがなく、しかも安全性の高い仮設用
手摺を提供することを目的とする。

〔考案の構成〕

この考案にかかる仮設用手摺は、上下の横枠材
と左右の縦枠材と該縦枠材の長手方向に沿つて縦
枠材に固定した支柱部材および防護部材とから形
成され、前記支柱部材は、型枠の側面に取付けた
取付金具に案内され上下に摺動自在であり、かつ
取付金具により所定位置に保持されるように取付
けられていることを特徴とする。前記縦枠材と支
柱部材とは一定間隔離して取付けるが、一体構造
としてもよい。また前記防護部材は、桟材等で格
子状に形成するほか、ネツトを用いることもでき
る。

〔実施例〕

以下、この考案を図面に示す実施例に基いて説
明する。

第２図はこの考案による仮設用手摺の一実施例
を示すものであり、符号１は上下の横枠材、２は
左右の縦枠材、３は支柱部材である。枠材１，２
および支柱部材３は中空管で形成されており、材
料には一般構造用鋼管またはアルミ合金等を用い
る。枠材１，２で囲まれた部分には防護部材４が
張られており、この実施例においてはナイロン製
または金属製のネツトを用いている。また枠材
１，２間には必要により中桟５またはブレース等
を設ける。

以上の構成において、両支柱部材３，３は床型
枠６の側面に設けた取付金具７，７に案内され上
下に摺動自在で、かつ取付金具７により支柱部材
３は所定位置に保持されるよう取付けられてい
る。

すなわち、第３図に示すように両縦枠材２，２
の外側に、より大径の中空鋼管からなる支柱部材
３が上下両端部をブラケツト９，９を介して取付
けられており、支柱部材３の長手方向には所定間
隔をおいて軸直角方向に貫通孔８が穿設されてい
る。そして支柱部材３の外周部を覆うように取付
金具７が取付けられており、ピン１０を支柱部材
３の貫通孔８に嵌入することにより、手摺の自重
がピンを介して取付金具７に伝達される。

第４図はブラケツト９の平面図であり、第５図
はその正面図である。ブラケツト９の平面には縦
枠材２、支柱部材３に嵌入するジヨイント部材１
２，１３が溶接にて固定されており、支柱部材３
を取付金具７に通した後、このジヨイント部材１
２，１３を縦枠材２および支柱部材３の端部より
嵌入し、ボルト・ナツト１１で固定してブラケツ
ト９を取付ける。

ところで、取付金具７は図示していないが軸方
向に沿つて二分割されるよう２つの部材で構成
し、両部材を左右双方からボルト・ナツト等で取
付けるか、片側をヒンジで係止するような構造に
すれば、縦枠材２、支柱部材３とブラケツト９と
を溶接固定しても手摺のみを容易に取外すことが
できる。

第６図、第７図は取付金具の他の実施例を示す
平面図および正面図である。

取付金具１５は４ケ所をボルト１７、ナツト１
８により床型枠６の側面に固定されており、支柱
部材３が嵌入されている。この取付部材１５の前
面にはめねじ孔（図においてはナツト１６が取付
けられている。）が穿設されており、Ｌ型の締付
金具１４が螺入されている。従つて支柱部材３は
締付金具１４により所定位置で固定される。なお
締付金具には図示したように通常のボルト１９を
用いてもよい。

第８図はこの考案の仮設用手摺Ａの使用状態を
示す正面図である。

既設の床２０の上にはジヤツキ２２を有する支
持部材２１がブレース材２３を介して相対向して
配置されており、その上部には床型枠６および幅
木板２４が載置されている。そして床側である側
面に仮設用手摺Ａが取付けられている。この仮設
用手摺Ａは前述したように上下動可能であるの
で、床を構築した後盛替え作業を行う直前に下方
に移動させ（図においては波線）既設の床２０側
から取外すことができ、床構築作業時において無
手摺状態になることがないので、安全に作業を行
うことができる。

また図においては仮設用手摺Ａを２つ用いてお
り、それぞれ独立に取付けられているので、強風
時であつても使用することができ、万が一ガタが
生じても他の手摺に影響しないので安全である。

〔考案の効果〕

この考案の構成は以上のとおりであり、この考
案によれば手摺の上下移動が可能であるので解
体・取付けを迅速かつ容易に行うことができる。
また手摺の両端部は専用の取付金具により支持さ
れるので、容易かつ確実に型枠等に固定すること
ができる。また以上の理由により床型枠に取付け
た場合には盛替え作業に支障を生じることがな
く、効率よく安全に床の構築作業を行うことがで
きる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の仮設用手摺の取付状態を示す正
面図、第２図、第３図はこの考案の仮設用手摺の
一実施例を示す正面図、第４図はブラケツトの実
施例を示す平面図、第５図はその正面図、第６図
は取付金具の実施例を示す平面図、第７図はその
正面図、第８図は仮設用手摺を床型枠に取付けた
状態を示す正面図である。 １……横枠材、２……縦枠材、３……支柱部
材、４……防護部材、５……中桟、６……床型
枠、７……取付金具、８……貫通孔、９……ブラ
ケツト、１０……ピン、１１……ボルト・ナツ
ト、１２，１３……ジヨイント部材、１４……締
付金具、１５……取付金具、１６……ナツト、１
７……ボルト、１８……ナツト、１９……締付ボ
ルト、２０……床、２１……支持部材、２２……
ジヤツキ、２３……ブレース材、１４……幅木
板、Ａ……仮設用手摺。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 上下の横枠材と左右の縦枠材と該縦枠材の長手
   方向に沿つて縦枠材に固定した支柱部材および防
   護部材とから形成され、 前記支柱部材は、型枠の側面に取付けた取付金
   具に案内され上下に摺動自在であり、かつ取付金
   具により所定位置に保持されるように取付けられ
   ていることを特徴とする仮設用手摺。