JPH04302756A - デファレンシャルの潤滑装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明はデファレンシャルの潤
滑装置に係り、特にドライブ軸のドライブピニオンに噛
合するリングギヤが取付けられているとともに、アクス
ル軸が取付けられたデフハウジングがベアリング部を介
して軸支されるデフキャリア内の潤滑を行うデファレン
シャルの潤滑装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】自動車等の車両、例えば、前置き内燃機
関後車輪駆動方式の車両に搭載された内燃機関の駆動力
は、変速機により所望のトルク・回転数に変換して取り
出され、推進軸を介してデファレンシャル装置により夫
々左右車輪に伝達され、左右車輪を駆動する。

【０００３】前記デファレンシャル装置は、ドライブ軸
の一端が推進軸に連結されており、デフキャリア内にお
いて前側円錐ころ軸受と後側円錐ころ軸受とにより軸支
され、車両の前後方向に指向している。前記前側円錐こ
ろ軸受と後側円錐ころ軸受間には、スペーサが配設され
ている。

【０００４】また、前記ドライブ軸の他端側には、ドラ
イブピニオンが固設され、このドライブピニオンは、リ
ングギヤに噛合している。

【０００５】このリングギヤは、回転体であるデフハウ
ジングにリング固定用第１、第２ボルトによって固定さ
れている。また、このデフハウジングの基部側には、デ
フピニオン軸に支持された第１、第２デフピニオンが取
付けられている。

【０００６】この第１、第２デフピニオンには、第１、
第２デフサイドギヤが噛合している。この第１、第２デ
フサイドギヤは、車両の左右方向に指向する第１、第２
アクスル軸に夫々固定されている。

【０００７】前記デフハウジングは、第１、第２デフサ
イド円錐ころ軸受を介してデフキャリアにより支持され
ている。この第１、第２デフサイド円錐ころ軸受の外側
には、第１、第２アクスル軸とデフキャリア間のオイル
シールを行う第１、第２デフサイドオイルシールが夫々
配設されていた。

【０００８】更に、デフキャリア機構の潤滑装置として
は、特公平２−６２４１３号公報に開示される如く、車
軸に連絡された差動大ギヤと差動大ギヤに噛合する差動
小ギヤとを収納し且つ潤滑油供給窓を形成したギヤボッ
クスの上方に配され、ギヤボックスの潤滑油供給窓およ
びサイドベアリングの対応箇所に夫々潤滑油供給口を形
成した樋を持つオイルガータと、オイルガータの樋にト
ランスミッションの圧油供給部から圧油を供給する潤滑
油噴出部材とを設けたものがあった。

【０００９】

【発明が解決しようとする課題】ところで、従来のデフ
ァレンシャルの潤滑装置においては、ドライブピニオン
を所定方向に回転させ、リングギヤに動力を伝達してこ
のリングギヤを回転させ、前記ドライブピニオンとリン
グギヤとによってデフキャリア内の潤滑油をはね上げ、
第１、第２デフサイドオイルシール部位へ潤滑油を供給
していた。

【００１０】しかし、前記ドライブピニオンとリングギ
ヤと、第１、第２デフサイドオイルシールとの間には、
ベアリング部である第１、第２デフサイド円錐ころ軸受
が配設されており、前記ドライブピニオンとリングギヤ
との回転のみでは、前記第１、第２デフサイドオイルシ
ール部位への潤滑油の供給が困難であり、実用上不利で
あるという不都合があった。

【００１１】

【課題を解決するための手段】そこで、この発明は、上
述不都合を除去するために、ドライブ軸のドライブピニ
オンに噛合するリングギヤが取付けられているとともに
アクスル軸が取付けられたデフハウジングがベアリング
部を介して軸支されるデフキャリア内の潤滑を行うデフ
ァレンシャルの潤滑装置において、前記ベアリング部の
外側のアクスル軸とデフキャリア間にデフサイドオイル
シールを設け、前記デフキャリアにベアリング部を支持
する支持部を設け、前記デフサイドオイルシール部位に
前記リングギヤによって掻き上げられる潤滑油を案内す
べくデフキャリア内面から支持部まで到達するスパイラ
ル状の潤滑油案内部を設けたことを特徴とする。

【００１２】

【作用】上述の如く発明したことにより、デファレンシ
ャルを駆動させた際には、ドライブピニオンが回転し、
ドライブピニオンに噛合するリングギヤに動力を伝え、
デフハウジングを回転させ、アクスル軸に動力を伝達し
ているとともに、リングギヤがデフキャリア内の潤滑油
をはね上げている。このとき、潤滑油は、デフキャリア
内面から支持部まで到達する潤滑油案内部によって支持
部部位に案内され、第１支持部に設けられた切欠部に流
入し、デフサイドオイルシール部位に供給されている。

【００１３】

【実施例】以下図面に基づいてこの発明の実施例を詳細
に説明する。

【００１４】図１〜図３はこの発明の第１実施例を示す
ものである。図３において、２は車両に備えられるデフ
ァレンシャル装置である差動機（終減速装置）、４はデ
フキャリア、６はドライブ軸である。このドライブ軸６
は、一端側が推進軸（図示せず）に連結されるものであ
り、デフキャリア４内において前側円錐ころ軸受８と後
側円錐ころ軸受１０とにより軸支され、車両（図示せず
）の前後方向に指向している。前側円錐ころ軸受８と後
側円錐ころ軸受１０間には、スペーサ１２が配設されて
いる。

【００１５】また、前記ドライブ軸６の他端側には、ド
ライブピニオン１４が固設され、このドライブピニオン
１４はリングギヤ１６に噛合している。

【００１６】このリングギヤ１６は、デフハウジング１
８にリング固定用第１、第２ボルト２０−１、２０−２
によって固定されている。また、このデフハウジング１
８の基部側には、デフピニオン軸２２に支持された第１
、第２デフピニオン２４−１、２４−２が取付けられて
いる。

【００１７】この第１、第２デフピニオン２４−１、２
４−２には、第１、第２デフサイドギヤ２６−１、２６
−２が夫々噛合している。この第１、第２デフサイドギ
ヤ２６−１、２６−２は、車両（図示せず）の左右方向
に指向する第１、第２アクスル軸２８−１、２８−２に
夫々固定されている。

【００１８】前記デフハウジング１８は、ベアリング部
である第１、第２デフサイド円錐ころ軸受３０−１、３
０−２を介してデフキャリア４により支持されている。 この第１デフサイド円錐ころ軸受３０−１は、デフハウ
ジング１８の第１嵌合部３２−１に嵌合し、支持される
第１内輪３４−１と前記デフキャリア４の第１支持部３
６−１に支持される第１外輪３８−１と、第１内輪３４
−１と第１外輪３８−１間に設けられる転動体である第
１円錐ころ４０−１とによって構成されている。

【００１９】前記第２デフサイド円錐ころ軸受３０−２
も、上述した第１デフサイド円錐ころ軸受３０−１と同
様に、デフハウジング１８の第２嵌合部３２−２に嵌合
し、支持される第２内輪３４−２と前記デフキャリア４
の第２支持部３６−２に支持される第２外輪３８−２と
、第２内輪３４−２と第２外輪３８−２間に設けられる
転動体である第２円錐ころ４０−２とによって構成され
ている。

【００２０】この第１、第２デフサイド円錐ころ軸受３
０−１、３０−２の外側には、前記第１、第２アクスル
軸２８−１、２８−２と前記デフキャリア４間のオイル
シールを行う第１、第２デフサイドオイルシール４２−
１、４２−２が夫々配設されている。

【００２１】また、前記デフキャリア４に第１デフサイ
ド円錐ころ軸受３０−１を支持する第１支持部３６−１
を設け、前記第１デフサイドオイルシール４２−１部位
にリングギヤ１６によって掻き上げられる潤滑油を案内
すべく、前記デフキャリア４内面から前記第１支持部３
６−１まで到達するスパイラル状の潤滑油案内部、例え
ば段差部４４を設けている。

【００２２】詳述すれば、第１支持部３６−１にデフハ
ウジング１８側と第１デフサイドオイルシール４２−１
側とを連絡する第１切欠部４６−１を設けるとともに、
第２支持部３６−２に前記デフハウジング１８側と第２
デフサイドオイルシール４２−２側とを連絡する第２切
欠部４６−２を設ける。そして、図１に示す如く、リン
グギヤ１６によって掻き上げられた潤滑油を前記第１切
欠部４６−１を介して第１デフサイドオイルシール４２
−１部位に案内すべく、デフキャリア４内面の第１支持
部３６−１側（図１の右側部位）に段差部４４をスパイ
ラル状に設けている。この段差部４４によって前記デフ
キャリア４の内側球面部４ａと外側球面部４ｂとが同一
面に配設されなくなっている。

【００２３】次に作用について説明する。

【００２４】内燃機関（図示せず）を駆動させた際には
、ドライブピニオン１４が回転し、このドライブピニオ
ン１４に噛合するリングギヤ１６に動力を伝え、デフハ
ウジング１８を回転させ、第１、第２アクスル軸２８−
１、２８−２に動力を伝達しているとともに、前記リン
グギヤ１６がデフキャリア４内の潤滑油を掻き上げてい
る。

【００２５】このとき、潤滑油は、段差部４４によって
収集された後にデフキャリア４内面からこのデフキャリ
ア４の第１支持部３６−１部位に設けられた第１切欠部
４６−１に流入し、第１デフサイドオイルシール４２−
１部位に供給されている。

【００２６】これにより、第１デフサイドオイルシール
４２−１部位への潤滑性能を向上でき、この第１デフサ
イドオイルシール４２−１部位の使用寿命を延長し得て
、経済的に有利である。

【００２７】また、前記段差部４４をデフキャリア４内
面に一体成形できることにより、構成が複雑化せず、製
作が容易で、コストを低廉とし得て、経済的に有利であ
る。

【００２８】図４及び図５はこの発明の第２実施例を示
すものである。この第２実施例において上述第１実施例
と同一機能を果たす箇所には同一符号を付して説明する
。

【００２９】この第２実施例の特徴とするところは、潤
滑油案内部を凹部５２によって形成した点にある。

【００３０】すなわち、図４及び図５に示す如く、デフ
キャリア４にデフキャリア４内面から第１支持部３６−
１の第１切欠部４６−１に到達する凹部５２をスパイラ
ル状に形成するとともに、デフキャリア４の内側球面部
４ａと外側球面部４ｂとを同一平面上に配置させずに形
成している。

【００３１】さすれば、上述第１実施例と同様に、第１
デフサイドオイルシール４２−１部位への潤滑性能を向
上でき、この第１デフサイドオイルシール４２−１部位
の使用寿命を延長し得て、経済的に有利である。

【００３２】また、前記段差部５２をデフキャリア４内
面に一体成形できることにより、構成が複雑化せず、製
作が容易で、コストを低廉とし得て、経済的に有利であ
る。

【００３３】なお、この発明は上述第１、第２実施例に
限定されるものではなく、種々の応用改変が可能である
。

【００３４】例えば、上述第１、第２実施例においては
、潤滑油案内部を段差部４４あるいは、凹部５２によっ
て形成したが、図６、図７に示す如く、デフキャリア４
内面から内側方向（図７の下側）に突出する突出部６２
をスパイラル状に形成し、潤滑油を第１支持部３６−１
の第１切欠部４６−１に案内させることも可能である。

【００３５】

【発明の効果】以上詳細に説明した如くこの発明によれ
ば、ベアリング部の外側のアクスル軸とデフキャリア間
にデフサイドオイルシールを設け、デフキャリアにベア
リング部を支持する支持部を設け、デフサイドオイルシ
ール部位にリングギヤによって掻き上げられる潤滑油を
案内すべくデフキャリア内面から支持部まで到達するス
パイラル状の潤滑油案内部を設けたので、デフサイドオ
イルシール部位への潤滑性能を向上でき、デフサイドオ
イルシール部位の使用寿命を延長し得て、経済的に有利
である。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の第１実施例のデファレンシャルの潤
滑装置の概略説明図である。

【図２】段差部の図１の〓−〓線による要部拡大端面図
である。

【図３】デファレンシャルの概略断面図である。

【図４】この発明の第２実施例のデファレンシャルの潤
滑装置の概略説明図である。

【図５】段差部の図４の〓−〓線による要部拡大端面図
である。

【図６】この発明のその他の実施例のデファレンシャル
の潤滑装置の概略説明図である。

【図７】段差部の図６の〓−〓線による要部拡大端面図
である。

【符号の説明】

２　　差動機（終減速装置） ４　　デフキャリア ６　　ドライブ軸 ８　　前側円錐ころ軸受 １０　　後側円錐ころ軸受 １４　　ドライブピニオン １６　　リングギヤ １８　　デフハウジング ２２　　デフピニオン軸 ２４　　デフピニオン ２６　　デフサイドギヤ ２８　　アクスル軸 ３０　　デフサイド円錐ころ軸受 ３６　　支持部 ４２　　デフサイドオイルシール ４４　　段差部 ４６　　切欠部

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】　　ドライブ軸のドライブピニオンに噛合
   するリングギヤが取付けられているとともにアクスル軸
   が取付けられたデフハウジングがベアリング部を介して
   軸支されるデフキャリア内の潤滑を行うデファレンシャ
   ルの潤滑装置において、前記ベアリング部の外側のアク
   スル軸とデフキャリア間にデフサイドオイルシールを設
   け、前記デフキャリアにベアリング部を支持する支持部
   を設け、前記デフサイドオイルシール部位に前記リング
   ギヤによって掻き上げられる潤滑油を案内すべくデフキ
   ャリア内面から支持部まで到達するスパイラル状の潤滑
   油案内部を設けたことを特徴とするデファレンシャルの
   潤滑装置。