JPH04300059A - トーチ下鋳片支持装置及び鋳片切断方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、連続鋳造後、鋳片を
搬送しながらトーチカーにより直角に切断する設備にお
けるトーチ下鋳片支持装置及びこの装置を使用した鋳片
切断方法に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、トーチカーの切断移動中、トーチ
下に位置した搬送ロールはトーチ火炎により溶損される
から、これを防止するために、次のような方法Ａ、Ｂ、
Ｃで搬送ロールをトーチ火炎から退避させ、トーチ火炎
の通過後に逆の動作で元の位置に復帰させていた。

【０００３】方法Ａ：トーチ火炎が接近してきた時、ロ
ール昇降機構により搬送ロールを真下に下降させる方法
方法Ｂ：トーチ火炎が接近してきた時、ロールスイング
機構により搬送ロールを、トーチ火炎の下を高速度で通
過して反鋳片搬送方向側の下方位置まで退避スイングさ
せた後、復帰スイングさせるか、或いはトーチ火炎の前
方を鋳片搬送方向側の下方位置まで退避スイングさせた
後、トーチ火炎の下を高速度で通過して復帰スイングさ
せる方法（特公昭５３−４６１８４号公報参照）方法Ｃ
：搬送ロールに片持ちロールを使用し、トーチ火炎が接
近してきた時、片持ちロールを鋳片移動方向の側方に後
退させる方法（特開昭５１−４３３１９号公報参照）

【
０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
方法には次のような不都合を免れなかった。

【０００５】方法Ａでは、トーチ移動範囲内の搬送ロー
ルは他所の搬送ロールと同様、軸受に両端側軸部を支持
された長尺ロールであるから、トーチカーの火炎軌跡と
交差し、トーチ火炎が搬送ロール位置を通過し終えるま
でに長時間を要する。その間、下方に退避した搬送ロー
ルは鋳片の支持に関与しないから、トーチ移動範囲内で
の鋳片の支持が不充分となる。また、退避中の搬送ロー
ルには切断時に発生した切粉がまともにかかるから、搬
送ロールを元の位置に復帰させて再使用するには切粉を
除去する必要があるが、通常２４時間フル稼働で鋳片の
輻射熱により搬送ロールが加熱されて高温になっており
、ロール表面に切粉が固着し易いから、搬送ロールを冷
却しながら搬送ロール上から切粉を速やかに除去するこ
とが必要となる。このために冷却水が使用されるが、除
去効率が悪くて鋳片搬送に支障が生じる程度となると操
業を一旦停止して切断切粉を除去するか、又はロール交
換を行うことが必要となるし、搬送ロールに錆が発生す
る恐れもある。更に、ロール昇降機構には冷却水や切粉
がかかるから故障し易く、装置として十分に機能しなく
なる。そこで、ロール昇降機構のメンテナンスが必要と
なるが、通常、連続鋳造設備は複数ストランドを有して
おり、ロール昇降機構は隣接ストランド間の狭い場所に
設置されているから、メンテナンス自体も困難である。

【０００６】方法Ｂでは、下方に退避した搬送ロールが
鋳片の支持に関与しない時間は短くなるという利点はあ
る反面、重量物の搬送ロールを高速度でスイングさせる
ために相当な強度があるロールスイング機構と大容量の
駆動装置が必要となり、設備が嵩張って隣接ストランド
間の狭い場所に設置し難く、かつ設備費が高騰する。

【０００７】また、方法Ａと同様に搬送ロールの冷却及
び切粉の除去が必要であり、また冷却水や切粉でロール
スイング機構が故障し易い。

【０００８】方法Ｃでは、片持ちロールの移動方向は鋳
片移動方向と交叉しているから、鋳片表面及びロール表
面に擦り疵が発生する。また、ロール設備（片持ちロー
ル、軸受装置、減速機構及びモータ）の全体を移動させ
るための移動装置は大容量でかつ嵩張るものとなるから
、隣接ストランド間の狭い場所に設置し難く、かつ設備
費が高騰する。

【０００９】この発明は前記課題を解決するためになし
たもので、搬送ロールによる鋳片の支持を継続しながら
トーチ火炎の軌跡から短いストロークで搬送ロールを退
避させることができると共に、鋳片表面及びロール表面
の擦り疵発生を確実に防止できるようにすることを目的
とする。

【００１０】

【課題を解決するための手段】この発明に係るトーチ下
鋳片支持装置は、可動軸受に軸部を支持された片持ちロ
ールと、前記可動軸受をスライド可能に支持するスライ
ド軸受と、このスライド軸受内で前記可動軸受を移動さ
せる移動装置とからなるものである。

【００１１】

【作用】移動装置によりスライド軸受内で可動軸受を前
後進させると、可動軸受に軸部を支持された片持ちロー
ルはロール周方向を鋳片移動方向に合致させながら鋳片
移動方向又は反鋳片移動方向に移動可能となる。

【００１２】また、この発明に係る鋳片切断方法は、ロ
ーラテーブルにより鋳片を搬送すると共に、鋳片と同一
速度で鋳片搬送方向に移動されるトーチカーにより前記
鋳片を直角に切断する方法において、トーチカー移動範
囲内の搬送ロールに片持ちロールを使用し、トーチ火炎
の軌跡が片持ちロールの近傍まで到達した時、移動装置
によりスライド軸受内で可動軸受を移動させて前記片持
ちロールをトーチ火炎の軌跡から外すように鋳片移動方
向又は反鋳片移動方向に退避させ、鋳片の支持を継続し
ながら切断を行うものである。

【００１３】

【作用】ローラテーブルの搬送ロールに片持ちロールを
使用し、かつその退避方向を鋳片移動方向又は反鋳片移
動方向とすると共に、トーチ火炎の軌跡が片持ちローラ
の近傍まで到達した時、片持ちロールを退避させるから
、トーチ火炎の軌跡から外すための退避ストロークは短
くて済む。このため、トーチ火炎を避けた元の位置近く
で片持ちロールにより鋳片は継続して支持される。

【００１４】

【実施例】まず、図１及び図２を参照してこの発明に係
るトーチ下鋳片支持装置を説明する。

【００１５】図中１は鋳片Ｍを支持する片持ちロール、
２は片持ちロール１の軸部を支持する可動軸受、３は可
動軸受２をスライド可能に支持するスライド軸受、４は
スライド軸受３内で可動軸受２を移動させる移動装置（
実施例では流体圧シリンダ）である。

【００１６】片持ちロール１を駆動する場合、片持ちロ
ール１の移動動作に対応できるように、伸縮機能を備え
たユニバーサルスピンドルを使用して片持ちロール１に
駆動装置を接続し、片持ちロール１の移動動作時、片持
ちロール１の周速度を鋳片移動速度と同調させるために
片持ちロール１への駆動力の伝達を遮断するクラッチ機
構を駆動装置に設ける。

【００１７】以上の構成において、移動装置４によりス
ライド軸受３内で可動軸受２を前後進させると、可動軸
受２に軸部を支持された片持ちロール１はその接線方向
を鋳片移動方向に合致させながら鋳片移動方向又は反鋳
片移動方向に移動可能であるから、片持ちロール１の退
避動作中でも鋳片Ｍは片持ちロール１により継続して支
持される。

【００１８】次に、図３及び図４を参照して前記トーチ
下鋳片支持装置を使用したこの発明に係る鋳片切断方法
を説明する。

【００１９】この方法は、鋳片Ｍをローラテーブル５に
より搬送しながらトーチカー６により直角に切断するも
のである。

【００２０】図３に示すように、トーチカー６はローラ
テーブル５上の所定位置から鋳片Ｍと同一速度で鋳片移
動方向に移動され、トーチカー６に設けたトーチ７は鋳
片Ｍに向かって火炎を噴出させながらローラテーブル５
の一側から他側まで一定速度で鋳片幅方向に移動される
ように構成されているから、鋳片移動速度が遅い場合に
は、トーチカー６は距離Ｌ１　だけ鋳片移動方向に移動
し、その時、トーチ火炎は軌跡Ｓ１　を描く。また、鋳
片移動速度が速い場合には、トーチカー６は距離Ｌ２　
だけ鋳片移動方向に移動し、その時、トーチ火炎は軌跡
Ｓ２　を描く。

【００２１】そこで、この方法では、前記したトーチカ
ー６の最大移動範囲（図示Ｌ２　）内の搬送ロールに前
記トーチ下鋳片支持装置の片持ちロール１を使用し、該
範囲の上流側及び下流側の搬送ロールに、固定軸受８に
両端側軸部を支持された搬送ロール９を使用すると共に
、該範囲内においては各片持ちロール１を前記トーチ火
炎の軌跡Ｓ１　、Ｓ２　間の外側に位置するように配置
する。

【００２２】片持ちロール１と下流側搬送ロール９との
間が大きく開く場合、必要に応じてその間に固定軸受１
０に軸部を支持された片持ちロール１１を配置する。

【００２３】このような状態において、トーチ火炎の軌
跡Ｓ１　（又はＳ２　）が片持ちロール１の近傍まで到
達した時、移動装置４によりスライド軸受３内で可動軸
受２を移動させて前記片持ちロール１をトーチ火炎の軌
跡Ｓ１　（又はＳ２　）から外すように鋳片移動方向又
は反鋳片移動方向に退避させ、鋳片Ｍの支持を継続しな
がら切断を行う。

【００２４】以上の構成において、搬送ロールに片持ち
ロール１を使用し、かつその退避方向を鋳片移動方向又
は反鋳片移動方向とすると共に、トーチ火炎の軌跡Ｓ１
　（又はＳ２　）が片持ちローラ１の近傍まで到達した
時、トーチ火炎の軌跡Ｓ１　（又はＳ２　）から外すよ
うに片持ちロール１を退避させるため、その退避ストロ
ークは短くて済むから、トーチ火炎を避けた元の位置近
くで片持ちロール１により鋳片Ｍは継続して支持される
。

【００２５】

【発明の効果】以上の通り、この発明に係るトーチ下鋳
片支持装置は、ロール周方向を鋳片移動方向に合致させ
ながら片持ちロールを鋳片移動方向又は反鋳片移動方向
に移動可能であるから、片持ちロールの移動動作中でも
片持ちロールにより鋳片を継続して支持できると共に、
その移動動作で鋳片表面及びロール表面に擦り疵が発生
するのを防止できる。また、環境条件の悪い下部ではな
く上部、しかも軸受の横方向に移動装置を配置できるか
ら、隣接ストランド間の狭い場所にも設置可能でかつメ
ンテナンスも容易である。

【００２６】また、この発明に係る鋳片切断方法は、搬
送ロールに片持ちロールを使用し、かつその退避方向を
鋳片移動方向又は反鋳片移動方向とすると共に、トーチ
火炎の軌跡が片持ちローラの近傍まで到達した時、トー
チ火炎の軌跡から外すように片持ちロールを退避させる
ため、その退避ストロークを短くでき、トーチ火炎を避
けた元の位置近くで片持ちロールにより鋳片の支持を継
続しながら鋳片を切断できるから、鋳片の切断を良好に
行える。また、片持ちロールの溶損や鋳片表面及びロー
ル表面の擦り疵発生を確実に防止できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明に係るトーチ下鋳片支持装置の正断面
図である。

【図２】図１に示されたトーチ下鋳片支持装置の側面図
である。

【図３】この発明に係る鋳片切断方法を説明するための
装置を示す概略的な平面図である。

【図４】図３に示された装置の側面図である。

【符号の説明】

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】　　　　可動軸受に軸部を支持された片持
   ちロールと、前記可動軸受をスライド可能に支持するス
   ライド軸受と、このスライド軸受内で前記可動軸受を移
   動させる移動装置とからなることを特徴とするトーチ下
   鋳片支持装置。
2. 【請求項２】　　　　ローラテーブルにより鋳片を搬送
   すると共に、鋳片と同一速度で鋳片移動方向に移動され
   るトーチカーにより前記鋳片を直角に切断する方法にお
   いて、トーチカー移動範囲内の搬送ロールに片持ちロー
   ルを使用し、トーチ火炎の軌跡が片持ちロールの近傍ま
   で到達した時、移動装置によりスライド軸受内で可動軸
   受を移動させて前記片持ちロールをトーチ火炎の軌跡か
   ら外すように鋳片移動方向又は反鋳片移動方向に退避さ
   せ、鋳片の支持を継続しながら切断を行うことを特徴と
   する鋳片切断方法。