JPH04298603A - 複合サイクル発電プラントの蒸気送路ウォーミング制御装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

［発明の目的］

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、蒸気バイパス系を有
する複合サイクル発電プラントの蒸気送路系であって、
起動時、蒸気送路を迅速にして好ましく暖機せしめる複
合サイクル発電プラントの蒸気送路ウォーミング制御装
置に関する。

【０００２】

【従来の技術】一般に、この種プラントは、ガスタービ
ンからの高温排ガスを排熱回収ボイラに導き、ここで給
水と熱交換させて蒸気を発生せしめ、この発生蒸気によ
って蒸気タービンを駆動するもので、熱の有効利用の点
、熱効率がガスタービン単機または蒸気タービン単機に
くらべて高い点で最近広く採用されている。

【０００３】この種プラントには、通常、一軸タイプと
二軸以上の多軸タイプとがある。一軸タイプは、発電機
を真ん中に配して左右にガスタービン、蒸気タービンを
軸で結ぶものであり、また多軸タイプはガスタービン・
発電機を軸で結んだ発電系と蒸気タービン・発電機を軸
で結んだ他の発電系とを配置するものである。両タイプ
は優劣つけがたいものであるが、多軸タイプはガスター
ビン・排熱回収ボイラをペアにした複数基組合せて蒸気
タービン・発電機のペアを駆動させるため、一軸タイプ
にくらべて大容量蒸気タービンを選定でき、このため定
格運転では効率が高くなる利点がある。図３は、その代
表例の一つを示した概略系統図である。

【０００４】全体を符号Ａで示す多軸タイプの発電プラ
ントは、第１ガスタービン１、第１発電機２、第１排熱
回収ボイラ３を１ペアとする第１動力部Ｂと、第２ガス
タービン６、第２発電機７、第２排熱回収ボイラ８を１
ペアとする第２動力部Ｃからなる。第１動力部Ｂのうち
、第１排熱回収ボイラ３は第１蒸気送路１７ａを有し、
この第１蒸気送路１７ａに圧力計１８、開閉弁４、温度
計２０、制御弁１２を、第１排熱回収ボイラ側から次順
に介装して蒸気タービン１３に結ばれている。また、第
２動力部Ｃのうち、第２排熱回収ボイラ８も圧力計１９
、開閉弁９を介装して第２蒸気送路１７ｂを有し、この
第２蒸気送路１７ｂは第１蒸気送路１７ｂに結ばれてい
る。

【０００５】一方、第１，第２蒸気送路１７ａ，１７ｂ
には第１バイパス弁５を備える第１バイパス路１７ｃ、
第２バイパス弁１０を備える第２バイパス路１７ｄを有
しており、これら第１，第２バイパス路１７ｃ，１７ｄ
は復水器１５に結ばれている。蒸気タービン１３は第３
発電機１４と軸直結し、復水器１５、給水ポンプ１６を
介装して閉路１７ｅを備えている。

【０００６】上記構成の多軸タイプの発電プラントＡに
おいて、第１排熱回収ボイラ３または第２排熱回収ボイ
ラ８のいずれかまたは両方は、第１ガスタービン１また
は第２ガスタービン６のいずれかまたは両方からの排熱
を受け、ここで発生した蒸気を第１蒸気送路１７ａまた
は第２蒸気送路１７ｂのいずれかまたは両方を経て送り
出し、途中、制御弁１２で流量コントロールして蒸気タ
ービン１３に流す。蒸気タービン１３は、受けた蒸気の
熱エネルギを膨張仕事に代え、第３発電機１４を回転駆
動する。

【０００７】蒸気タービン１３を出た蒸気は、復水器１
５で凝縮され、給水として給水ポンプ１６から閉路１７
ｅを経て第１排熱回収ボイラ３または第２排熱回収ボイ
ラ８のいずれかまたは両方に戻される。

【０００８】ところで、この種プラントでは、超大形化
していることもあって、その起動ステップは蒸気タービ
ンの単機なみの起動ステップが採られている。すなわち
、起動前においては、第１，第２蒸気送路１７ａ，１７
ｂの残水を取り除くためドレン弁１１を開口させ、残水
を取り除いた後、第１ガスタービン１または第２ガスタ
ービン６を起動させている。ここでは、説明の便宜上、
第１ガスタービン１の起動から説明する。

【０００９】第１ガスタービン１が起動すると、第１排
熱回収ボイラ３は、その排熱を受けて蒸気を発生させる
。この場合の蒸気は、温度・圧力が低く、飽和域内にと
どまっている。このため第１排熱回収ボイラ３からの蒸
気は、第１蒸気送路１７ａの暖機も兼ねて開閉弁４を通
過する一方、第１バイパス弁５、第１バイパス路１７ｃ
を経て復水器１５に流れる。そして、圧力計１８、温度
計２０の監視の下、第１排熱回収ボイラ３からの蒸気の
圧力・温度が所定値になると、制御弁１２が開口し、蒸
気タービン１３が起動する。こうして蒸気タービン１３
が起動し、定格速度に達すると、第１発電機１４は電力
系統に併入する。蒸気タービン１３の負荷発生中、所定
負荷になると、第１バイパス路１７ｃの第１バイパス弁
５は閉口し、以後、蒸気タービン１３は定格負荷に至る
。第１バイパス弁５が閉口すると、第２ガスタービン６
は起動し、以後の起動ステップは上述と同様のステップ
を採る。

【００１０】このように第１動力部Ｂ、第２動力部Ｃの
起動ステップが全て終ると、定格運転に入った多軸タイ
プの発電プラントＡは、ガスタービンからの排熱をあま
すところなく利用し、高い熱効率の下、高出力を得てい
る。

【００１１】

【発明が解決しようとする課題】ところで、第１ガスタ
ービン１の起動中、第１蒸気送路１７ａは上述暖機が行
われるが、このステップ中、第１バイパス路１７ｃにも
第１排熱回収ボイラ３から蒸気が流れている。

【００１２】ところが、第１蒸気送路１７ａは、蒸気タ
ービン１３に至るまでの距離が極めて長く、しかも第１
排熱回収ボイラ３はレイアウトの関係上、屋外にあるこ
とから複雑な蛇行がつづいている。このため第１排熱回
収ボイラ３からの蒸気は、大部分が第１バイパス路１７
ｃに流れてしまい、第１蒸気送路１７ａへの暖機が予定
していた以上の長時間を要する不具合がある。第２蒸気
送路１７ｂも同様である。

【００１３】この発明は、このような事情に鑑み、起動
中、第１，第２排熱回収ボイラから出る蒸気は第１，第
２蒸気送路にも多く流れるようにし、暖機時間を従来よ
りも短縮せんとする複合サイクル発電プラントの蒸気送
路ウォーミング装置を公表することを目的とする。 ［発明の構成］

【００１４】

【課題を解決するための手段】この発明は、ガスタービ
ンと排熱回収ボイラとをペアとする複数基の動力部を設
け、これら動力部は蒸気送路を経て蒸気タービンに結ぶ
とともに、蒸気送路から分岐したバイパス路は復水器に
結び、上記動力部の起動時、排熱回収ボイラからの蒸気
をバイパス路を経て復水器に送る一方、蒸気送路にも送
って蒸気送路をウォーミングするものにおいて、ウォー
ミング中、蒸気送路からのウォーミング蒸気温度信号、
蒸気送路を分岐するドレン路を通過するウォーミング後
のドレン温度信号、排熱回収ボイラからの蒸気圧信号を
受けて演算するウォーミング制御回路を設けてなり、こ
のウォーミング制御回路は、上記ウォーミング蒸気温度
信号、ドレン温度信号のうち、いずれか低値信号を選択
し、この選択信号に予め定められた設定信号を加えて偏
差信号を作り出す比較演算部と、比較演算部からの偏差
信号に上記蒸気圧信号を加えてバイパス路のバイパス弁
に開閉信号を与える弁開度演算部を備えたものである。

【００１５】

【作用】ウォーミング中、排熱回収ボイラからの蒸気が
バイパス路に流れ過ぎると蒸気送路へのウォーミング蒸
気は不足し、その温度もウォーミングに必要な蒸気温度
以下に下がる。この場合、蒸気送路を通過する蒸気の実
蒸気温度、蒸気送路を分岐するドレン路を通過するドレ
ンの実温度が検出される。検出されたそれぞれの信号の
うち、低値信号が選択され、その選択信号は比較演算部
で予め定められているウォーミングに必要な設定信号と
突合わされて偏差信号を得る。こうして作り出された偏
差信号は弁開度演算部で、排熱回収ボイラからの蒸気圧
信号と突合わされ、ここでバイパス路に設けたバイパス
弁に閉動作を与える弁開度信号を作る。こうすることに
よって、バイパス弁の開度は閉方向に移行し、閉方向の
移行に伴って蒸気送路には多くの蒸気が流れる。したが
って、この発明では、効果的に蒸気送路にウォーミング
蒸気を流すことができ、ウォーミング時間を従来よりも
格段と短縮できる。

【００１６】

【実施例】以下、この発明にかかる複合サイクル発電プ
ラントの蒸気送路ウォーミング制御装置の一実施例を図
面を参照して説明する。

【００１７】図１は、複合サイクル発電プラントの蒸気
送路ウォーミング制御装置の概略制御系統図で、第１ガ
スタービン１、第１発電機２、第１排熱回収ボイラ３を
ペアとする第１動力部Ｂおよびまたは第２ガスタービン
６、第２発電機７、第２排熱回収ボイラ８をペアとする
第２動力部Ｃから第１，第２蒸気送路１７ａ，１７ｂに
送られるウォーミング蒸気をコントロールするウォーミ
ング制御回路２２が設けられている。このウォーミング
制御回路２２は第１排熱回収ボイラ３またはおよび第２
排熱回収ボイラ８の出口側の圧力検出器１８，１９から
の信号のほかに、制御弁１２入口側の温度検出器２０か
らの信号を受けている。さらに、第１蒸気送路１７ａか
ら分岐したドレン路１１ａに介装するドレン弁１１ｂの
出口側に設けた温度検出器２１からの信号も受けている
。こうして受けた信号をもとにウォーミング制御回路２
２は、演算処理し、第１，第２バイパス路１７ｃ，１７
ｄに設けた第１，第２バイパス弁５，１０に開閉信号を
送り出している。すなわち、図２は第１，第２バイパス
弁５，１０に開閉信号を与えるウォーミング制御回路２
２の概略ブロック図で、低値優先回路２３を備える。 この低値優先回路２３は、図１のドレン弁１１ｂの出口
側の温度検出器２１および制御弁１２の入口側の温度検
出器２０からの各温度信号を受け、いずれか低値信号を
選び出している。低値優先回路２３を出た選択信号は、
加減算部２４でウォーミングに必要な蒸気温度設定器２
５からの信号と突合わされる。ここで偏差が出ると、こ
の偏差信号は、比較器２６からの信号と再度比較される
。比較後、偏差が出ると、この偏差信号はＰＩＤ部２７
で演算処理され、切換部３２，３３を経て弁開度演算部
３０に送り出される。

【００１８】弁開度演算部３０は、上述の信号のほかに
、図１の第１排熱回収ボイラ３出口側の圧力検出器１８
、第２排熱回収ボイラ８出口側の圧力検出器１９からの
各圧力信号を受けている。そして受けた信号は、加減部
３４，３５で突合わされ、偏差が出ると、この偏差信号
を変化率制限部３６，３７、ＰＩＤ部３８，３９を経て
演算処理される。こうして作り出された弁開度信号は図
１のバイパス弁５，１０に送り出され、第１排熱回収ボ
イラ３またはおよび第２排熱回収ボイラ８からの蒸気が
第１バイパス路１７ｃまたはおよび第２バイパス路１７
ｄに過量に流れているときには第１，第２バイパス弁５
，１０に絞り開度が与えられる。第１，第２バイパス弁
５，１０に絞り開度が与えられて蒸気が第１，第２蒸気
送路１７ａ，１７ｂに多く流れると、第１，第２蒸気送
路１７ａ，１７ｂは従来よりも一段と早い時間でウォー
ミングが終了する。ウォーミングが終了すると、指令部
２９から切換部３２，３３にＯＦＦ信号かせ出され、上
述加減算部２４からの演算処理信号はカットされ、以後
、圧力検出器１８，１９からの圧力信号をもとに第１，
第２バイパス弁５，１０は再度開口し、第１排熱回収ボ
イラ３またはおよび第２排熱回収ボイラ８から出る蒸気
の圧力が調整される。

【００１９】このように、第１排熱回収ボイラ３または
および第２排熱回収ボイラ８から第１，第２蒸気送路１
７ａ，１７ｂ、第１，第２バイパス路１７ｃ，１７ｄに
送り出される蒸気を巧みにコントロールすることによっ
て第１，第２蒸気送路１７ａ，１７ｂのウォーミングは
従来よりも一段と早く短縮することができる。

【００２０】

【発明の効果】以上の説明のとおり、この発明にかかる
複合サイクル発電プラントの蒸気送路ウォーミング制御
装置は、ウォーミング制御回路を受けたことで、ウォー
ミング時間の短縮はもとより、ウォーミングの自動運転
が容易になり、次のステップへの移行が的確にして容易
に行うことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明にかかる複合サイクル発電プラントの
蒸気送路ウォーミング制御装置の一実施例を示す概略図
。

【図２】ウォーミング制御回路の概略ブロック図。

【図３】従来の複合サイクル発電プラントの一例を示す
概略系統図。

【符号の説明】

１…第１ガスタービン　　　　　　　　　　　　　　　
　３…第１排熱回収ボイラ ５…第１バイパス弁　　　　　　　　　　　　　　　　
　　６…第２ガスタービン ８…第２排熱回収ボイラ　　　　　　　　　　　　　　
１０…第２バイパス弁 １７ａ…第１蒸気送路　　　　　　　　　　　　　　　
　１７ｂ…第２蒸気送路 １７ｃ…第１バイパス路　　　　　　　　　　　　　　
１７ｄ…第２バイパス路 ２２…ウォーミング制御回路　　　　　　　　　　３０
…弁開度演算部

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】　　ガスタービンと排熱回収ボイラとをペ
   アとする複数基の動力部を設け、これら動力部は蒸気送
   路を経て蒸気タービンに結ぶとともに、蒸気送路から分
   岐したバイパス路は復水器に結び、上記動力部の起動時
   、排熱回収ボイラからの蒸気をバイパス路を経て復水器
   に送る一方、蒸気送路にも送って蒸気送路をウォーミン
   グするものにおいて、ウォーミング中、蒸気送路からの
   ウォーミング蒸気温度信号、蒸気送路を分岐するドレン
   路を通過するウォーミング後のドレン温度信号、排熱回
   収ボイラの蒸気圧信号を受けて演算するウォーミング制
   御回路を設けてなり、このウォーミング制御回路は上記
   ウォーミング蒸気温度信号、ドレン温度信号のうち、い
   ずれか低値信号を選択し、この選択信号に予め定められ
   た設定信号を加えて偏差信号を作り出す比較演算部と、
   比較演算部からの偏差信号に上記蒸気圧信号を加えてバ
   イパス路のバイパス弁に開閉信号を与える弁開度演算部
   とを備えることを特徴とする複合サイクル発電プラント
   の蒸気送路ウォーミング制御装置。