JPH0429800Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、垂直循環経路にそつて循環移動可能
に支持された多数のトレーを有する回転棚、特に
そのトレーの構造に関するものである。

（従来の技術及びその問題点） 前記のような垂直循環回転棚に於いては、前記
トレーの垂直循環経路を内蔵するケーシングの大
きさが一定であつても、各トレーの駆動チエンへ
の取り付けピツチは任意に変えることが出来るの
で、各トレーの高さは収納物の形態や大きさに応
じて任意に変えることが出来る状況にある。然し
てこの種の回転棚に於けるトレーは、底板、左右
両側板、及び背板から構成されているが、従来の
トレーでは、底板からＬ形に背板部を一体に折曲
連設していたため、高さの異なるトレーを製造す
る場合、高さの異なる背板部を一体に有する底板
が必要となり、巾や奥行きが一定の底板を兼用す
ることが出来ない。従つてコスト高になる欠点が
あつた。

このような欠点を解消するためには、底板と背
板とを格別に構成し、両者をボルト等により結合
することが考えられるが、底板の強度が低下する
だけでなく、トレー上のケースが後側へ滑り落ち
るのを防止するのに必要な最小高さの背板からバ
ラ積み時に必要な最大高さの背板まで数多くの高
さの異なる背板が必要となり、大きな経済的効果
は期待出来ない。

（問題点を解決するための手段） 本考案は上記のような従来の問題点を解消し得
るトレー構造を提案するものであつて、その特徴
は、各トレーを、互いに着脱自在に連結された底
板、左右両側板、及び背板から構成し、前記底板
の後側には前記側板の半分程度又はそれ以下の高
さの低い立ち上がり板部を一体に折曲連設し、こ
の立ち上がり板部の上び前記背板を着脱自在に連
結した点にある。

（実施例） 以下に本考案の一実施例を添付の例示図に基づ
いて説明する。

第１図及び第２図に示すように垂直循環回転棚
１は、縦長のケーシング内に於いて垂直循環経路
にそつて回動する多数のトレー２と、開閉自在な
シヤツター３を備えた物品出し入れ口４とを有す
る。前記各トレー２は、上部遊転歯輪５と共通の
駆動軸６に取り付けられた下部駆動歯輪７との間
に掛張される左右一対の無端チエン８に夫々吊り
下げリンク９を介して一定間隔置きに連結されて
おり、各トレー２の左右両端には、一定角度に固
定された固定アーム１０を介してガイドローラー
１１が軸支され、このガイドローラー１１が遊嵌
する無端状のガイドレール１２が、前記トレー２
の垂直循環経路の左右両側に架設されている。１
３は各トレー２を回動させるための駆動手段であ
つて、モーター１４に連動連結された減速機１５
と、この減速機１５の出力軸を前記駆動軸６とを
連動連結する歯輪１６，１７及びチエン１８から
構成されている。１９は物品出し入れ口４に隣接
してケーシング外に突設した作業台である。

前記各トレー２は、第３図に示すように互いに
着脱自在に結合された底板２０、左右両側板２
１、及び背板２２から構成されている。第４図〜
第６図に示すように前記底板２０の後側縁には、
前記側板２１の高さの半分より低い立ち上がり板
部２３がＬ形に一体に折曲連設されている。更に
当該底板２０の前眼縁には極低い立ち上がり板部
２４が一体に折曲連設され、底板２０の左右両側
縁には前記前後の立ち上がり板部２３，２４の両
端よりも若干内側の位置で下方へ側板取り付け座
２５が一体に折曲連設されている。又、前記立ち
上がり板部２３の上側縁には後方へ背板取り付け
座２６が一体に折曲連設されている。

前記背板２２の下側縁には後方へ取り付け座２
７が一体に折曲連設され、上側縁には後方へ補強
用折曲縁部２８が形成されている。前記左右両側
板２１の前後両側縁には外方へ取り付け座２９，
３０が一体に折曲連設され、中央部には外側へ突
出する補強用突出部３１が上下両縁間にわたつて
形成されている。この補強用突出部３１の外側に
第３図に示すようにピン３２を固着突設した板材
３３が固着され、当該ピン３２に前記吊りリンク
９が枢着されると共に、固定アーム１０が当該ピ
ン３２の先端に固着されている。３４は前記板材
３３の上縁を受ける受け部材であり、前記補強用
突出部３１の外側に固着されている。

前記背板２２は底板２０の立ち上がり板部２３
に、互いに重なる両者の取り付け座２７，２６を
ボルトナツト３５（第６図参照）で結合すること
により着脱自在に取り付けられている。又、左右
両側板２１は、その下側辺部とこの内側に当接す
る底板２０の側板取り付け座２５とがボルトナツ
トで結合されると共に、後側縁の取り付け座３０
とこの外側に当接する底板立ち上がり板部２３の
側辺及び背板２２の側辺とがボルトナツトで結合
され、更に前側縁の取り付け座２９の下端部とこ
の外側に当接する底板前側縁の立ち上がり板部２
４の端部とボルトナツトで結合れることにより、
底板２０及び背板２２に着脱自在に取り付けられ
ている。

尚、底板２０の底面には長さ方向（巾方向）と
奥行き方向とに補強材３６，３７を固着しておく
ことが出来る。又、側板２１の補強用突出部３１
の内側には底板２０との間に隙間が生じるので、
第５図に示すように前記補強用突出部３１内に嵌
合して前記隙間を埋める板材３８を底板２０の側
板取り付け座２５に固着しておくことも出来る。

上記の回転棚に於いては、前記モーター１４を
稼働させて駆動軸６を回転させ、両無端チエン８
を回動させることにより、各トレー２は常に正立
姿勢に保持されながら垂直循環経路にそつて回動
することになる。従つて入出庫作業に際しては、
前記のように各トレー２を循環回動させて入出庫
作業対象の特定トレー２を物品出し入れ口４の前
に呼び出すことが出来る。

又、図示のように背板２２を取り付けたトレー
２が作用されている場合には、左右両側板２１と
背板２２とで底板２０上の収納空間を囲むことが
出来るので、各トレー２の高さ一杯に収納物をバ
ラ積みすることが出来るが、ケースに収納されて
いる物品を保管するような場合は、第７図に示す
ように背板２２を取り付けていないトレー２Ａを
構成して使用しても、高さの低い立ち上がり板部
２３の存在により収納されたケースがトレー２Ａ
から後側へ滑り落ちるのを確実に防止し得る。更
に、無端チエン８に対するトレーの取り付けピツ
チを変えるときは、第８図に示すように前記側板
２１とは高さの異なる側板２１Ｂとこれに対応す
る高さの背板２２Ｂとを前記底板２０に組みつけ
ることにより、高さが異なるトレー２Ｂを構成す
ることも出来る。

（考案の作用及び効果） 以上のように本考案の垂直循回転棚のトレー構
造によれば、背板が底板と一体に構成されていな
いので、背板のみを高さの異なるものに交換して
組み立てることにより、底板や左右両側板はその
まま活用して高さだけが異なる種々のトレーを構
成することが出来る。しかも底板には背板の下辺
部を構成する立ち上がり板部が一体に折曲連設さ
れているので、底板の後側部が断面Ｌ形となつて
曲げ強度が大きくなり、トレーの強度アツプに役
立つばかりでなく、背板を使用しなくとも前記立
ち上がり板部がトレー上から後側へ収納物が落下
するのを防止するストツパーとなるので、ケース
等を保管する場合のように極低い背板部があれば
良い状況では、背板を省くことは出来る。換言す
れば、最小高さの背板を準備しておく必要がなく
なり、大幅はコストダウンを図ることが出来るの
である。

【図面の簡単な説明】

第１図は回転棚全体の構成を説明する縦断側面
図、第２図は同横断平面図、第３図はトレーの斜
視図、第４図はトレーの平面図、第５図はトレー
端部の分解斜視図、第６図はトレーの縦断側面
図、第７図及び第８図はトレーの変形例を示す概
略縦断側面図である。 ２，２Ａ，２Ｂ……トレー、２０……底板、２
１……左右両側板、２２……背板、２３，２４…
…立ち上がり板部、２５〜２７，２９，３０……
取り付け座。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 垂直循環経路にそつて循環移動可能に支持され
   た多数のトレーを有する回転棚に於いて、前記各
   トレーは、互いに着脱自在に連結された底板、左
   右両側板、及び背板から構成し、前記底板の後側
   には前記側板の半分程度又はそれ以下の高さの低
   い立ち上がり板部を一体に折曲連設し、この立ち
   上がり板部の上に前記背板を着脱自在に連結して
   成る回転棚のトレー構造。