JPH04296320A - 樹脂粒子およびその製法 - Google Patents

樹脂粒子およびその製法

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JPH04296320A
JPH04296320A JP8791191A JP8791191A JPH04296320A JP H04296320 A JPH04296320 A JP H04296320A JP 8791191 A JP8791191 A JP 8791191A JP 8791191 A JP8791191 A JP 8791191A JP H04296320 A JPH04296320 A JP H04296320A
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Japan
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resin
group
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acid
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JP8791191A
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English (en)
Inventor
Satoshi Maeda
郷司 前田
Yasunari Hotsuta
泰業 堀田
Yozo Yamada
陽三 山田
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Toyobo Co Ltd
Original Assignee
Toyobo Co Ltd
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Publication date
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  • Polyesters Or Polycarbonates (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、艶消し剤、ブロッキン
グ防止材、クロマトグラフィ−用坦体、薬剤用坦体、粉
体塗料、ギャップ調整材、電子写真用トナ−、化粧品等
として盛んに利用されてきている樹脂粒子に関するもの
であり、特にシャ−プな粒子径分布を有する樹脂粒子お
よびその工業的製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この様な用途に用いられる樹脂粒
子として、「重合造粒法」により作製される樹脂粒子を
例示することができる。重合造粒法は、エマルジョン重
合法、懸濁重合法、シ−ド重合法、分散重合法に大別で
きる。
【0003】エマルジョン重合法は、水中において、界
面活性剤にて安定化された重合性単量体のミセル中で重
合を行い樹脂粒子を得るものである。エマルジョン重合
法においては、シャ−プな粒子径分布を有する粒子を得
ることができる。しかしながら、安定に存在しうるミセ
ルの大きさにより粒径が決定されるためその粒径は約0
.01〜0.5μm程度の範囲に限られ、およそ1μm
以上の粒径を持つ粒子を得るすることは不可能である。 またミセルの安定化のために必須となる界面活性剤が作
製された粒子表面に残存するため、得られた樹脂粒子の
使用範囲が限定されてしまう。
【0004】懸濁重合法は、水と重合性単量体とを機械
的に撹拌することにより得られる懸濁系において重合性
単量体を重合し粒子を得る方法である。懸濁重合法では
、機械的な撹拌に粒子の大きさが依存するため、シャ−
プな粒子径分布を持つ微細な重合体粒子を得ることは難
しい。懸濁重合法により得られる粒子の粒径範囲はおよ
そ10μm以上である。
【0005】シ−ド重合法は、他の方法により得られた
粒子をシ−ド粒子とし、シ−ド粒子を溶剤および重合性
モノマ−にて膨潤させ、膨潤したシ−ド粒子内にて重合
することによりシ−ド粒子を大きく成長させる方法であ
る。シ−ド重合法においては、原理的には、適当なるシ
−ド粒子を選択することにより、シャ−プな粒子径分布
を持った粒子を得ることができ、また粒子の粒径は、シ
−ド粒子と重合性単量体との膨潤率にて制御可能である
。シ−ド重合法はエマルジョン重合法により得られた粒
子、すなわちビニル系のポリマ−粒子をシ−ドに用いる
。ビニル系ポリマ−粒子を重合性モノマ−により膨潤さ
せることは難しい。膨潤率は、シ−ド粒子を構成するポ
リマ−と膨潤に用いるモノマ−との相互作用、および、
膨潤した粒子の界面張力等とのバランスにより決定され
、実際にはせいぜい2〜10倍程度が限度となる。 すなわち、膨潤率を極端に大きくすることはできず、一
度に成長させることができる粒径範囲にはおのずと限界
がある。粒子径を10倍にすることは体積を1000倍
にすることに相当するため、シ−ド重合でこれを実現す
るためにはシ−ド重合を繰り返す必要がある。2段階膨
潤シ−ド重合法は、シ−ド粒子の膨潤率を大とするため
に考案された方法である。2段階膨潤シ−ド重合法にお
いては、まずシ−ド粒子をオリゴマ−ないし水難溶性の
低分子量物質(:膨潤剤)等により膨潤させた後に重合
性モノマ−にて膨潤させる。この方法によりシ−ド粒子
の膨潤率を数千倍にまで上げることができる。しかしな
がら2段階膨潤シ−ド重合法により得られた粒子には膨
潤剤が残存するため、これらを除去する工程が必須とな
る。シ−ド重合法、2段階膨潤シ−ド重合法はシャ−プ
な粒子径分布を有するミクロンオ−ダ−の樹脂粒子作製
するという意味において優れた方法ではあるが、以上の
問題点がシ−ド重合法を工業的に成立させることを困難
とさせている。
【0006】分散重合法は、重合性モノマ−、開始剤、
安定剤を有機溶媒に溶解し、重合を開始することにより
、その初期段階において発生したオリゴマ−の凝集物を
粒子核として有機溶媒に不溶なポリマ−の粒子を成長さ
せる方法である。分散重合法はシャ−プな粒子径分布を
有するミクロンオ−ダ−の樹脂粒子作製するという目的
において優れた方法ではあるが、有機溶媒を媒体に用い
るためにマスプロダクト化が難しく、樹脂粒子の工業的
な生産方法としては成立し得ない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】以上述べてきたように
、エマルジョン重合法および懸濁重合法により得られる
樹脂粒子は、粒子径範囲が限定され、かつ粒子径分布は
ブロ−ドなものとなる。シ−ド重合法および分散重合法
により得られる樹脂粒子は、シャ−プな粒子径分布を有
するものの、非常に高価なものとなる。さらに、以上述
べてきた「重合造粒法」すなわち、エマルジョン重合、
懸濁重合、シ−ド重合、分散重合により作製される樹脂
粒子はその製造方法からも自明であるようにビニル系ポ
リマ−の樹脂粒子に限定される。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らはかかる状況
に鑑み、シャ−プな粒子径分布を有し、かつ任意の粒子
径をもつ樹脂粒子および、それを工業的に製造する方法
を得るべく鋭意研究を重ねた結果、次なる発明に到達し
た。すなわち本発明は、平均粒子径Dが0.1 〜10
0 μmの範囲であり、粒子径0.5 D−2.0Dの
範囲に全体の70重量%の粒子が入る粒度分布を有し、
カルボキシル基およびまたはその塩の基を含有するポリ
エステル樹脂(A) を主構成分とし、カチオン性基含
有ビニル系ポリマ−(B) を、樹脂(A) とビニル
系ポリマ−(B) の合計に対し10重量%以下の範囲
で含有することを特徴とする樹脂粒子であり、水系媒体
中にカルボキシル基およびまたはその塩の基(a)を含
有するポリエステル樹脂をミクロ分散せしめ、該水系媒
体中にカチオン性基(b) を有するビニル系モノマ−
を、カルボキシル基およびまたはその塩の基に対するカ
チオン性基の当量比(a/b) が2.0 以上となる
ように添加し、カチオン性基含有ビニル系モノマ−を重
合させることによってカルボキシル基およびまたはその
塩の基を含有するポリエステル樹脂のミクロ分散粒子を
合体・粒子成長せしめることを特徴とする樹脂粒子の製
造方法である。本発明の樹脂粒子中のBのBとAの和に
対する含有量は10重量%以下であり、下限としては、
0.05重量%である。
【0009】本発明におけるカルボキシル基およびまた
はその塩の基(a)とは、カルボキシル基およびまたは
その、金属塩、アンモニウム塩の基等のアニオン性基を
意味する。これらの極性基は樹脂に共重合された形態に
て含有されることが好ましい。これらカルボキシル基お
よびまたはその塩の基の含有量は樹脂に対し、好ましく
は0.005〜0.5当量/1000g、さらに好まし
くは0.01〜0.3当量/1000g、なお好ましく
は0.02〜0.2当量/1000g、である。極性基
含有量がかかる下限に満たない場合には樹脂を水系媒体
にミクロ分散することが困難になる場合がある。またか
かる上限を越えた場合には樹脂が水溶解性化する場合が
ある。
【0010】本発明において用いられるポリエステル系
樹脂は主として多価カルボン酸と多価アルコ−ルの縮重
合により得られるものである。発明における多価カルボ
ン酸は、主としてジカルボン酸類からなる。ジカルボン
酸類としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、
オルソフタル酸、1,5−ナフタル酸などの芳香族ジカ
ルボン酸、p−オキシ安息香酸、p−(ヒドロキシエト
キシ)安息香酸などの芳香族オキシカルボン酸、等を用
いることができる。芳香族ジカルボン酸は多価カルボン
酸成分の60mol %以上が必須であり、80mol
 %以上が好ましく、95mol %以上がさらに好ま
しい。芳香族ジカルボン酸の含有率がこの範囲に満たな
い場合には樹脂のガラス転移温度が低下し、保存安定性
に支障をきたす場合がある。本発明において好ましく用
いられるジカルボン酸類としてはテレフタル酸、イソフ
タル酸である。これらは芳香族ジカルボン酸の内80m
ol %以上使用されることが好ましい。本発明におい
ては他のジカルボン酸類としてコハク酸、アジピン酸、
アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸等の
脂肪族ジカルボン酸、フマ−ル酸、マレイン酸、イタコ
ン酸、ヘキサヒドロフタル酸、テトラヒドロフタル酸、
等の不飽和脂肪族、および、脂環族ジカルボン酸等を使
用することができる。本発明においては必要によりトリ
メリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸等のトリお
よびテトラカルボン酸を少量含んでも良い。多価アルコ
−ル成分としては、例えば、エチレングリコ−ル、プロ
ピレングリコ−ル、1,3−プロパンジオ−ル、1,4
−ブタンジオ−ル、1,5−ペンタンジオ−ル、1,6
−ヘキサンジオ−ル、ネオペンチルグリコ−ル、ジエチ
レングリコ−ル、ジプロピレングリコ−ル、2,2,4
−トリメチル−1,3−ペンタンジオ−ル、1,4−シ
クロヘキサンジメタノ−ル、スピログリコ−ル、1,4
−フェニレングリコ−ル、1,4−フェニレングリコ−
ルのエチレンオキサイド付加物、ポリエチレングリコ−
ル、ポリプロピレングリコ−ル、ポリテトラメチレング
リコ−ル等のジオ−ル、ビスフェノ−ルAのエチレンオ
キサイド付加物およびプロピレンオキサイド付加物、水
素化ビスフェノ−ルAのエチレンオキサイド付加物およ
びプロピレンオキサイド付加物、トリシクロデカンジメ
チロ−ル等のジオ−ル類、さらに必要により、トリメチ
ロ−ルエタン、トリメチロ−ルプロパン、グリセリン等
のトリオ−ル、ペンタエルスリト−ル等のテトラオ−ル
等、他に、ε−カプロラクトン等のラクトン類を開環重
合して得られる、ラクトン系ポリエステルポリオ−ル類
を用いることができる。本発明においてポリエステル樹
脂は、単独あるいは必要により2種以上併用することが
できる。また、溶融状態、溶液状態で、アミノ樹脂、エ
ポキシ樹脂、イソシアネ−ト化合物等と混合することも
でき、またさらに、これらの化合物と一部反応させるこ
ともできる。
【0011】ポリエステル樹脂にカルボキシル基および
またはその塩の基を導入する方法としては特にこれを限
定するものではないが、常法にて合成されたポリエステ
ル樹脂の末端に残存した水酸基に無水トリメリット酸等
の多価カルボン酸の無水物を付加する方法、あるいは、
その後に水素イオンを金属イオンないしはアンモニウム
イオン等と交換する方法等があげられる。
【0012】本発明のカルボキシル基およびまたはその
塩の基を含有するポリエステル樹脂を主成分とする水系
ミクロ分散体は公知の任意の方法によって製造すること
ができる。すなわち、樹脂と水溶性有機化合物とを50
〜200℃であらかじめ混合し、これに水を加えるか、
あるいは樹脂と水溶性有機化合物との混合物を水に加え
、40〜120℃で撹拌することにより製造される。 あるいは水と水溶性有機化合物との混合溶液中に樹脂を
添加し、40〜100℃で撹拌して分散させる方法によ
っても製造される。
【0013】本発明におけるカチオン性基含有ビニルモ
ノマ−としては、例えば、2−アミノエチル(メタ)ア
クリレ−ト、2−N,N−ジメチルアミノエチル(メタ
)アクリレ−ト、2−N,N−ジエチルアミノエチル(
メタ)アクリレ−ト、2−N,N−ジプロピルアミノ(
メタ)アクリレ−ト、2−N,t−ブチルアミノエチル
(メタ)アクリレ−ト、2−(4−モルホリノ)−エチ
ル(メタ)アクリレ−ト、2−ビニルピリジン、4−ビ
ニルピリジン、アミノスチレン等があげられる。
【0014】カチオン性基含有ビニルモノマ−はカルボ
キシル基およびまたはその塩の基を含有するポリエステ
ル樹脂の水系ミクロ分散体に対し、樹脂に含まれるカル
ボキシル基(a)に対するビニルモノマ−に含まれるカ
チオン性基の当量(b)との比(b/a)が2.0以上
となるように添加され、好ましくは2.0以上20.0
以下、さらに好ましくは2.5以上10.0以下の範囲
で添加される。かかる範囲の下限に満たないときは、微
粒子の合体、成長が起こりにくく、また上限を越えた場
合には微粒子の急激な凝集を招く場合があり、また得ら
れた樹脂粒子の耐水性低下等の不都合を惹起することが
ある。また本発明の樹脂粒子は、前記b/aが2.0以
上で仕込んで、製造した場合でも、出来あがった粒子の
精製や、染色、その他の工程で、積極的に、または必然
的にbの成分が、減少することがある。
【0015】ビニルモノマ−を重合させる際に使用する
重合開始剤に特に制限はなく、例えば過酸化ベンゾイル
、過酸化アセチル等の有機過酸化物、2,2’−アゾビ
スイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−
ジメチルバレロニトリル)等のアゾ化合物、ペルオキソ
硫酸塩、過酸化水素、過マンガン酸塩等の無機過酸化物
、前記無機過酸化物と亜硫酸塩、重亜硫酸塩、メタ亜硫
酸塩、ヒドロ亜硫酸塩、チオ硫酸塩、鉄塩、蓚酸等の還
元剤との水溶性レドックス系開始剤等があげられるが、
安全性、工業的観点からは水溶性レドックス系開始剤が
好ましい。重合性開始剤の使用量は、ビニルモノマ−に
対して、概ね0.1〜3重量%の範囲内である。重合温
度については一義的に規定することは困難であるが、水
系媒体中にミクロ分散したカルボキシル基およびまたは
その塩の基を含有するポリエステル樹脂微粒子を、ビニ
ルモノマ−の重合につれて合体させ、粒子成長させる上
で、樹脂のガラス転移点(Tg)以上の温度条件を採用
することが望ましい。なお樹脂の溶剤や可塑剤を併用す
ることにより、樹脂の見かけのガラス転移点(あるいは
最低造膜温度)を低下させ、かかる温度以上の条件で重
合させることもできる。かかる溶剤や可塑剤の種類につ
いては限定はなく、重合を阻害しない限り樹脂の種類に
応じて公知のものの中から適宜選択される。 その他の重合条件については、常法に従って実施される
が、樹脂微粒子の水系ミクロ分散体中へ、ビニルモノマ
−をあらかじめ仕込み、次いで重合開始剤を滴下する手
段が樹脂微粒子の急激な合体、凝集等の問題が無いので
好ましい。
【0016】“水溶性高分子電解質(EW)”また水溶
性高分子電解質を系内に添加することにより得られる樹
脂粒子の粒子径分布がよりシャ−プなものになる場合が
ある。水溶性高分子電解質としてはポリスチレンスルホ
ン酸金属塩、ポリアクリル酸、スチレンスルホン酸塩と
アクリル酸の共重合体、ポリビニルアルコ−ル等を例示
することができる。これらはミクロ分散樹脂粒子の合体
成長過程において樹脂粒子の分散安定性を維持する働き
を持つものと考えられる。
【0017】得られた樹脂粒子は、濾過、凍結乾燥、噴
霧乾燥等の常法に従って乾燥粉体として取り出される。 樹脂粒子の合体成長を行なう際の水系媒体中に、他の分
散体、例えば顔料、カ−ボンブラック、シリカ、タルク
等の無機粒子、あるいはポリマ−粒子等を共存させるこ
とによりこれらを樹脂粒子の合体成長に伴って粒子内に
取り込むことができる。これらは樹脂粒子に着色、ある
いは隠蔽性を付与、さらには他の機能性を付与する目的
で適宜、該分散体の安定性を損なわない範囲で添加する
ことができる。また本発明によって得られる樹脂粒子は
その水系媒体に対する分散安定性が優れるために染料着
色が容易である。本発明における樹脂粒子は、分散染料
、ヴァット染料、酸性染料、塩基性染料等により高濃度
に容易に着色することができる。
【0018】本発明では、得られた樹脂粒子において、
樹脂に含有されるカルボキシル基とポリイオンコンプレ
ックスを形成しているカチオン性基含有ビニルポリマ−
の全樹脂成分に対する含有量は10重量%以下であり、
好ましくは5重量%以下、さらに好ましくは2重量%以
下である。カチオン性基含有ビニルポリマ−は元来水溶
性であるため、その含有量がかかる範囲を越えると得ら
れた樹脂粒子の耐水性が著しく劣化する場合がある。合
体・粒子成長の結果得られた樹脂粒子中のビニルポリマ
−の含有量が前期範囲を越える場合、あるいは高度の耐
水性が要求される場合には、該ビニルポリマ−を樹脂粒
子から除去する必要がある。ビニルポリマ−を除去する
方法としては電解質を溶解した水系媒体中において樹脂
粒子を洗浄処理する方法を例示できる。電解質としては
有機、無機の塩、例えば硫酸ナトリウム、硫酸カリウム
、塩化ナトリウム等を主として用いることができる。 電解質の濃度は概ね樹脂粒子に含まれるイオン濃度と同
じ程度が好ましい。電解質濃度を不必要にあげると樹脂
粒子の急激な凝集を招く場合がある。処理温度は樹脂の
ガラス転移温度以上にすることが好ましい。
【0019】本発明において樹脂粒子の主構成成分とな
る樹脂にあらかじめ導入されるカルボキシル基およびま
たはその塩の基(a)は樹脂を水系媒体にミクロ分散せ
しめる作用を持つ。ミクロ分散とは、樹脂に含有される
イオン性基の解離に起因する電気二重層の働きにより、
樹脂の微粒子が水系媒体中に微分散している状態を意味
し、一般にはエマルジョンないしはコロイダルディスパ
−ジョンと呼ばれるものである。樹脂のミクロ分散状態
は、その分散安定性を支配する電気二重層が樹脂自信の
有するイオン性基に起因するため極めて安定である。さ
てカチオン性基含有ビニル系モノマ−は、モノマ−状態
では水系媒体中に溶解しているのみであるが、重合させ
た場合には、ミクロ分散状態にある樹脂粒子の表面に存
在するカルボキシル基とポリイオンコンプレックスを形
成し、電気二重層を破壊する。電気二重層を破壊された
樹脂微粒子は安定分散状態を維持することができなくな
り序々に凝集する。樹脂が可塑化状態にあれば凝集した
粒子は合体し、ミクロ分散粒子の総表面積が減少、粒子
は再び安定状態へと移行する。ビニルモノマ−の重合に
伴うポリイオンコンプレックスの形成は系内において一
様に生ずるため微粒子の合体・粒子成長は安定的・均一
に生じ、結果として得られる樹脂粒子の粒子径分布は極
めてシャ−プなものとなる。この点が懸濁重合法のよう
に粒子径が機械的な撹拌条件に依存する樹脂粒子の製法
と異なる点である。本発明によれば、樹脂粒子の合体成
長はビニル重合という純粋なケミカルプロセスと微分散
粒子の緩凝集という界面電気現象的なプロセスに依存す
るため制御が容易であり、また製造装置などに固有な要
素が無いためスケ−ルアップも容易であり工業的にも極
めて優れた方法である。
【0020】以下に実施例を示し、本発明をさらに具体
的に説明するが、本発明はこれらになんら限定されるも
のではない。
【実施例1〜4】温度計、撹拌機を備えたオ−トクレ−
ブ中に、 ジメチルテレフタレ−ト          97  
    重量部、ジメチルイソフタレ−ト      
    97      重量部、エチレングリコ−ル
              70      重量部
、ネオペンチルグリコ−ル        107  
    重量部、および テトラブトキシチタネ−ト          0.1
  重量部を仕込み150〜220℃で180分間加熱
してエステル交換反応を行った。次いで、240℃に昇
温した後、系の圧力を徐々に減じて30分後に10mm
Hgとし、60分間反応を続けた。その後オ−トクレ−
ブ中を窒素ガスで置換し、大気圧とした。温度を200
℃に保ち無水トリメリット酸を4重量部を加え、60分
間反応を行い、共重合ポリエステル樹脂(A1)を得た
。得られた共重合ポリエステル樹脂の酸価は160m当
量/1000gであった。得られたポリエステル樹脂(
A1)はNMR分析の結果、酸成分として テレフタル酸            49.1mol
 %イソフタル酸            49.1m
ol %トリメリット酸            1.
8mol %グリコ−ル成分として エチレングリコ−ル      48.9mol %ネ
オペンチルグリコ−ル  51.1mol %であった
。 以下、同様の合成方法により後記表1.に示すA1〜A
4の共重合ポリエステル樹脂を得た。表1において、T
PAはテレフタル酸を、IPAはイソフタル酸を、TM
Aはトリメット酸を、EGはエチレングリコールを、N
PGはネオペンチルグリコールを、BPEはビスフェノ
ールAのエチレンオキサイド付加物を、TCDはトリシ
クロデカンジメチロールを、CHDMはシクロヘキサン
ジメチロールを、各々表わす。得られた共重合ポリエス
テル(A1)34部に、ブタノ−ル10部を加え90℃
で溶解した後、80℃まで冷却した。さらに共重合ポリ
エステルの酸価に当量となるように1Nのアンモニア水
溶液を加え、80℃を保持し30分間撹拌した後80℃
の水56部を添加し共重合ポリエステルの水系分散体を
得た。さらに得られた水分散体1000部を蒸留用フラ
スコに入れ、留分温度100℃に達するまで蒸留した後
冷却し、最終的に脱溶剤された固形分濃度33%の共重
合ポリエステルの水分散体(B1)を得た。同様の方法
にて共重合ポリエステル樹脂(A2)(A3)(A4)
から共重合ポリエステル樹脂の水分散体(B2)(B3
)(B4)を得た。温度計、コンデンサ−、撹拌羽根を
備えた四つ口の1リットルセパラブルフラスコに、共重
合ポリエステル水系分散体(B1)300重量部、およ
び、ジメチルアミノエチルメタクリレ−ト5.0重量部
を入れ、70℃に昇温した。次に過硫酸アンモニウム0
.1重量部を含む水溶液100重量部を60分間にわた
って滴下した後、さらに60分間70℃に保った状態で
反応を続けた。その結果、共重合ポリエステル水系分散
体に存在したサブミクロンオ−ダ−の粒子径の共重合体
は粒子成長し、平均粒径Dが2.5μm、0.5D〜2
Dの範囲の粒子径を有する粒子の占有率(重量)98%
であるポリエステル粒子(C1)を得た。また得られた
樹脂粒子はNMR、FTIR分析の結果、有機成分に対
し、 ポリエステル成分    96.6%(重量)ビニルポ
リマ−成分    3.4%(重量)であった。 以下、同様の方法により、共重合ポリエステル樹脂の水
分散体(B2)(B3)(B4)から後記の表2.に示
すポリエステル粒子(C2)(C3)(C4)を得た。 表2において、DMAはジメチルアミノエチルメタクリ
レ−トを、APSは過硫酸アンモニウムを各々表わす。
【0021】
【比較例】温度計、コンデンサ−、撹拌羽根を備えた四
つ口の1リットルセパラブルフラスコに、共重合ポリエ
ステル水系分散体(B1)300重量部、アクリル酸7
.0重量部を入れ、70℃に昇温した。次に過硫酸アン
モニウム0.1重量部を含む水溶液50重量部を60分
間にわたって滴下した後、さらに180分間70℃に保
った状態で反応を続けた。しかしながら共重合ポリエス
テル水系分散体に存在した微分散粒子の合体粒子成長を
観察することはできなかった。
【0022】
【実施例5】温度計、撹拌機を備えたオ−トクレ−ブ中
に、ビスフェノ−ルAのエチレンオキサイド付加物70
0重量部、無水マレイン酸196重量部、ハイドロキノ
ン1重量部を仕込み、反応系内に窒素ガスを導入し不活
性雰囲気に保ち、0.05重量部のジブチル錫オキサイ
ドを加え200度にて反応させポリエステル樹脂(A5
)を得た。ポリエステル樹脂(A5)は、数平均分子量
8000、酸価は145m当量/1000gであった。 得られた共重合ポリエステル(A5)340部に、ブタ
ノ−ル100部を加え90℃で溶解した後、80℃まで
冷却した。さらに共重合ポリエステルの酸価に当量とな
るように1Nのアンモニア水溶液を加え、80℃を保持
し30分間撹拌した後80℃の水560部を添加し共重
合ポリエステルの水系分散体を得た。さらに得られた水
分散体1000部を蒸留用フラスコに入れ、留分温度1
00℃に達するまで蒸留した後冷却し、最終的に脱溶剤
された固形分濃度33%の共重合ポリエステルの水分散
体(B5)を得た。温度計、コンデンサ−、撹拌羽根を
備えた四つ口の1リットルセパラブルフラスコに、共重
合ポリエステル水系分散体(B5)300重量部、およ
び、ジメチルアミノエチルメタクリレ−ト8.0重量部
を入れ、70℃に昇温した。次に過硫酸アンモニウム0
.1重量部を含む水溶液100重量部を60分間にわた
って滴下した後、さらに60分間70℃に保った状態で
反応を続けた。その結果、共重合ポリエステル水系分散
体に存在したサブミクロンオ−ダ−の粒子径の共重合体
は粒子成長し、平均粒径Dが5.6μm、0.5D〜2
Dの範囲の粒子径を有する粒子の占有率(重量)93%
であるポリエステル粒子(C5)を得た。また得られた
樹脂粒子はNMR、FTIR分析の結果、有機成分に対
し、 ポリエステル成分    93.8%(重量)ビニルポ
リマ−成分    6.2%(重量)であった。
【0023】
【発明の効果】以上述べてきたように本発明は、従来の
重合造粒法では製造不可能であった縮合系ポリマ−であ
るポリエステル系樹脂に対して適用可能な樹脂粒子の工
業的製造方法であり、また得られる樹脂粒子は任意の粒
径でもって極めてシャ−プな粒度分布を有するものであ
る。
【表1】
【表2】

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】平均粒子径Dが0.1 〜100 μmの
    範囲であり、粒子径0.5 D−2.0Dの範囲に全体
    の70重量%の粒子が入る粒度分布を有し、カルボキシ
    ル基およびまたはその塩の基を含有するポリエステル樹
    脂(A) を主構成分とし、カチオン性基含有ビニル系
    ポリマ−(B) を、樹脂(A) とビニル系ポリマ−
    (B) の合計に対し10重量%以下の範囲で含有する
    ことを特徴とする樹脂粒子。
  2. 【請求項2】水系媒体中にカルボキシル基およびまたは
    その塩の基(a)を含有するポリエステル樹脂をミクロ
    分散せしめ、該水系媒体中にカチオン性基(b) を有
    するビニル系モノマ−を、カルボキシル基およびまたは
    その塩の基に対するカチオン性基の当量比(b/a) 
    が2.0 以上となるように添加し、カチオン性基含有
    ビニル系モノマ−を重合させることによってカルボキシ
    ル基およびまたはその塩の基を含有するポリエステル樹
    脂のミクロ分散粒子を合体・粒子成長せしめることを特
    徴とする樹脂粒子の製法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013122050A (ja) * 2011-12-12 2013-06-20 Xerox Corp カルボン酸またはカルボン酸塩で官能化されたポリエステルポリマー

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