JPH0429212Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の目的〕 （産業上の利用分野） 本考案は、燃料圧送気化式の石油フアンヒータ
などに用いる石油燃焼器の気化器に関する。

（従来の技術） 従来、燃料圧送気化式の石油フアンヒータなど
に用いられている気化器は、気化器本体に外筒を
設けるとともにこの外筒の長手方向に沿つて隣接
状態にヒータを設け、かつ、外筒内に気化フイル
タを有した燃料経路となる内筒を設け、そして、
気化フイルタ内に燃料を通してヒータの熱で気化
し、ノズルを介してバーナに気化ガスを供給して
いる。

また、外筒の内面と内筒の外面との間には隙間
を設け、気化フイルタの交換のために内筒を外筒
に対して挿脱できるようになつている。このよう
な気化フイルタ交換方式の気化器においては、外
筒の内面と内筒の外面との間からの気化ガスの漏
れを防止するため、シール部材が必要であるが、
このシール部材の耐熱温度が低いため、外筒およ
び内筒の端部を気化器本体から突出させ、気化器
本体の熱影響を受けないようにしている。

（考案が解決しようとする問題点） 上記のような気化器において、内筒の挿脱する
外筒の端部は気化器本体から突出して外気に接触
するため、外筒の温度は低く、この外筒と内筒と
の間の隙間に気化フイルタで気化された気化ガス
が入ると冷却されて液化する。そして、この液化
した燃料が隙間を通つて気化器本体側に流れ込む
と、外筒の温度が高くなるので再び気化し、内筒
の気化フイルタで発生する通常量の気化ガスにそ
の再び気化した気化ガスが加わつて短時間に気化
ガスの量が多くなる。一方、その通常の気化ガス
および再び気化した気化ガスが排出されると、そ
の分の体積減少により気化フイルタで発生した通
常の気化ガスが再び隙間に入り込み、そうする
と、短時間に通常の気化ガスの量が少なくなる。
この気化ガスの量が多くなつたり少なくなつたり
する繰返しにより、バーナの燃焼炎が大きくなつ
たり小さくなつたりするゆらぎ現象が生じるとと
もに、このゆらぎ現象に伴つて燃焼音にも変化が
生じる。このゆらぎ現象は、発熱量が低くなるほ
ど発生しやすい。

本考案は、上述のような問題点に鑑みてなされ
たもので、気化ガスの発生量を一定に保つことに
より、燃焼炎が大きくなつたり小さくなつたりす
るゆらぎ現象の発生を防止するとともに、このゆ
らぎ現象に伴う燃焼音の変化を防止した石油燃焼
器の気化器を提供することを目的とするものであ
る。

〔考案の構成〕

（問題点を解決するための手段） 本考案は、気化器本体に外筒を設けるとともに
この外筒の長手方向に沿つて隣接状態に発熱体を
設け、かつ、外筒内に気化フイルタを有する内筒
を設けた石油燃焼器の気化器において、上記気化
器本体から突出する外筒および内筒部分に、外筒
の内面と内筒の外面との間の隙間を閉鎖するシー
ル部を設けたものである。

（作用） 本考案では、気化器本体から突出する外筒と内
筒との間の隙間をシール部が閉鎖し、その隙間に
入り込む気化ガスが気化器本体から突出して温度
の低い外筒部分に流入しないようにしている。

（実施例） 以下、本考案の一実施例の構成を図面を参照し
て説明する。

まず、第２図に石油燃焼器の構成を示し、燃料
が溜められる油受皿１に、油面に浮いて油量を検
出するフロート２、燃料に混入する水を検知する
ための一対の水検知電極３、燃料を汲み上げる電
磁ポンプ４がそれぞれ取付けられ、そして、この
電磁ポンプ４で汲み上げられる燃料が送油パイプ
５を介して気化器６に圧送される。

この気化器６は、例えばアルミダイキヤスト等
により一体に形成された気化器本体７に、電気ヒ
ータからなる排熱体８が埋設されているととも
に、直管状の外筒９が貫通状態に設けられてい
る。

この発熱体８の取付位置は、本件出願人が先に
提案した実開昭59−191031号公報に示されるよう
に、外筒９の側部に長手方向に沿つて隣接状態に
配設されるとともに、後述するノズル取付部７ａ
内に接続パイプ１９およびノズルホルダ２１に沿
つて隣接状態に配設されている。

上記外筒９は、一端の入口側が下がつた傾斜姿
勢とされ、その一端の入口側には、上記送油パイ
プ５が連通されて燃料が供給される燃料導入ノズ
ル１０が取付けられ、また、外筒９の他端は、気
化器本体７から突出し、その先端外周にフランジ
部１１が形成されている。

上記外筒９内に直管状の内筒１２が嵌入され、
この内筒１２は、内部に金網、発泡金属などから
なる気化フイルタ１３が取付けられており、一端
が燃料導入ノズル１０の外周に嵌合し、また、他
端内周にキヤツプ１４が溶接等により固着されて
いる。そして、外筒９内に他端側から内筒１２が
挿脱自在に嵌入され、かつ、キヤツプ１４に溶接
等により固着されたフランジ枠１５が外筒９のフ
ランジ部１１に嵌合するとともに、キヤツプ１４
およびフランジ枠１５に取付けた耐熱性を有する
例えばゴムパツキン等からなるシール体１６が外
筒９およびフランジ部１１に密着している。な
お、フランジ枠１５には内筒１２の挿脱操作のた
めの把手１７が取付けられている。

上記外筒９および内筒１２の他端側近傍の上部
には、気化器６内で発生した気化ガスが流出する
気化ガス流出孔９ａ，１２ａが開口形成され、こ
の気化ガス流出孔９ａに接続パイプ１９が接続さ
れている。この接続パイプ１９は、上記気化器本
体７から一体に突設されたノズル取付部７ａ内に
上記発熱体８と近接状態に埋設され、側部に気化
器６の温度を検出するサーミスタ２０が取付けら
れ、先端部にノズルホルダ２１が取付けられてい
る。

上記ノズルホルダ２１は、一端にノズル２２を
備え、このノズル２２をニードルシヤフト２３の
一端側先端のニードル弁２４により開閉するよう
になつており、また、他端にニードルシヤフト２
３が挿通されたシヤフトパイプ２５を備え、この
シヤフトパイプ２５の外側にニードルシヤフト２
３を進退させる電磁弁２６が取付けられている。
この電磁弁２６の内側には、ニードルシヤフト２
３の他端側の大径のスライド部２７がスライド自
在に嵌合されているとともに、ニードルシヤフト
２３の他端側先端のガス抜き弁２８により開閉さ
れるガス抜き孔２９を備えた弁座３０が設けら
れ、このガス抜き孔２９の開口端に臨む縁部にガ
ス抜き弁２８が当接して閉鎖する環状の弁座体３
１が取付けられている。そして、ニードルシヤフ
ト２３のニードル弁２４がノズル２２を閉鎖して
いるときには、ガス抜き弁２８がガス抜き孔２９
を開放し、ノズルホルダ２１の内部と、シヤフト
パイプ２５の内側、スライド部２７のスリツト２
７ａを通じてガス抜き孔２９が連通し、一方、ニ
ードル弁２４がノズル２２を開放しているときに
は、ガス抜き弁２８によつてガス抜き孔２９を閉
鎖している。また、上記ガス抜き孔２９はガス抜
きパイプ３２によつて上記油受皿１に接続されて
いる。

また、上記ノズル２２に対向してバーナ３３が
配設されている。

そして、第１図に示すように、外筒９の内面と
内筒１２の外面との間には、気化フイルタ１３を
備えた内筒１２を外筒９内に挿脱するための隙間
４１があり、気化器本体７から突出する外筒９の
内部位置の内筒１２には、外筒９の内面に接触し
て上記隙間４１を閉鎖するシール部４２が内筒１
２より径大状に一体形成されている。

以上の構成において、燃焼使用にあたつては、
発熱体８に通電して気化器本体７とともに外筒９
および内筒１２の気化フイルタ１３を加熱する。
このとき、電磁ポンプ４の作動は停止しており、
接続パイプ１９内には気化ガスがまだ流入してい
ず、気化器６の温度が所定値に達したことをサー
ミスタ２０が検出するまでの間は、ニードル弁２
４でノズル２２を閉鎖しているとともにガス抜き
弁２８がガス抜き孔２９を開放しており、気化器
６内に残存した燃料が気化されて気化ガス流出孔
９ａ，１２ａ、接続パイプ１９を通じてノズルホ
ルダ２１内に気化ガスが流入したとしても、その
気化ガスは、ガス抜き孔２９、ガス抜きパイプ３
２を通じて油受皿１内に戻されるとともに、温度
低下により液化して油受皿１内に戻される。

上記発熱体８の熱により外筒９および内筒１２
の気化フイルタ１３の温度が高まり、この温度が
燃料を気化するに十分な温度に達したことがサー
ミスタ２０によつて検出されると、電磁ポンプ４
の作動が開始され、燃料を気化器６に圧送する。
そして、気化器６内の気化フイルタ１３により燃
料が加熱されて気化し、この気化した気化ガス
は、気化ガス流出孔９ａ，１２ａから接続パイプ
１９に流出する。

また、気化器６の温度が所定値に達したことが
サーミスタ２０によつて検出されると、電磁弁２
６が作動され、ニードル弁２４を後退させてノズ
ル２２を開き、このノズル２２からバーナ３３の
入口に向けて気化ガスを噴出し、バーナ３３で気
化ガスに着火して燃焼させる。また、同時にこの
ノズル２２が開放されることにより、ガス抜き孔
２９がガス抜き弁２８によつて閉鎖される。

また、内筒１２の気化フイルタ１３で気化され
た気化ガスの一部は、内筒１２の一端側の燃料導
入ノズル１０との間および気化ガス流出孔１２ａ
等を通じて外筒９と内筒１２との間の隙間４１に
入り込むが、隙間４１を閉鎖するシール部４２に
よつて気化器本体７から突出して温度が低い外筒
９域には流入しない。そのため、気化ガスが冷却
されて液化しかつ再び気化して気化ガス量が増減
するようなことはなく、常に一定量の気化ガスを
バーナ３３に対して安定供給でき、バーナ３３の
燃焼炎が大きくなつたり小さくなつたりするゆら
ぎ現象の発生を防止できるとともに、このゆらぎ
現象に伴う燃焼音の変化を防止できる。

また、シール部４２によつて気化ガスが外筒９
の他端側に流入するのを防止することにより、シ
ール体１６を高温の気化ガスから隔離することが
でき、シール体１６の耐久性を向上させることが
できる。

また、上記実施例では、内筒１２に隙間４１を
閉鎖するシール部４２を形成したが、外筒９に内
筒１２の外面に接触して隙間４１を閉鎖するシー
ル部４２を外筒９より径小状に一体形成してもよ
く、また、外筒９と内筒１２の両方にシール部４
２をそれぞれ一体形成してもよく、さらに、外筒
９および内筒１２とは別部材で形成した耐熱性を
有するシール部材を外筒９と内筒１２との間に介
在させ、そのシール部材により隙間４１を閉鎖す
るシール部４２を形成してもよい。

〔考案の効果〕

本考案によれば、気化器本体から突出する外筒
と内筒との間の隙間を閉鎖するシール部を設け、
その隙間に入り込む気化ガスが気化器本体から突
出して温度の低い外筒部分に流入するのを防止す
るので、気化ガスが冷却されて液化しかつ再び気
化して気化ガス量が増減するようなことはなく、
常に一定量の気化ガスを安定供給でき、燃焼炎が
大きくなつたり小さくなつたりするゆらぎ現象の
発生を防止できるとともに、ゆらぎ現象に伴う燃
焼音の変化を防止できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の石油燃焼器の気化器の一実施
例を示す一部を切り欠いた側面図、第２図は石油
燃焼器の構成図である。 ７……気化器本体、８……発熱体、９……外
筒、１２…内筒、１３……気化フイルタ、４１…
…隙間、４２……シール部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 気化器本体に外筒を設けるとともにこの外筒の
   長手方向に沿つて隣接状態に発熱体を設け、か
   つ、外筒内に気化フイルタを有する内筒を設けた
   石油燃焼器の気化器において、 上記気化器本体から突出する外筒および内筒部
   分に、外筒の内面と内筒の外面との間の隙間を閉
   鎖するシール部を設けたことを特徴とする石油燃
   焼器の気化器。