JPH04289256A - 防虫性繊維構造物 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は防虫剤や、殺虫剤などの
薬剤を使用せず、人体への安全性が高く、耐久性に優れ
た防虫効果を有する繊維構造物に関し、主にクッション
や布団などの詰め綿、等に有用な繊維構造物に関する。

【０００２】

【従来の技術】近年、日本においては住宅環境の西欧化
に伴い居室の密閉化の度合を高めている。その結果居室
の常時多温多湿化を引き起こし種々の寄生虫類の異常繁
殖を助長する傾向が現れている。特に畳やカーペット、
布団などに繁殖しやすい、ヒョウヒダニ、コナダニ、サ
メダニなどのダニ類は人間の皮膚を刺してかゆみを起こ
させるだけでなく、小児喘息の原因であるなどの社会問
題になっている。従来から防虫効果を有する繊維製品に
ついては様々な開発がなされ市場にも多く出回っている
。ところがこれらの多くは単に防虫剤をスプレーしただ
けのもの、或は防虫剤や熱可塑性重合体との併用によっ
て表面に塗布しただけのもの、或は高密度織物の使用に
よって虫の通過を妨げて防虫効果を発生させるものがあ
った。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】従来技術の防虫剤を使
用する方法は防虫剤が水と接触すると防虫効果が低下し
てしまい、一回の洗濯で完全に防虫剤が脱落してしまう
ものもあり、安全性にも不安な点があった。また、高密
度織物を使用した場合は風合いがかたいものとなってし
まい使用用途が限定されたり、布同志が擦れ合う時に出
るカサカサ音が気になる等の問題があった。本発明は、
この様な事情に鑑みなされたもので使用用途が限定され
ず、人体への安全性が高く、耐久性に優れた防虫効果を
有する繊維シートの提供をその目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明は繊維集合体の外周部に下記の式における平
均繊維間隙が７５μｍ以下の極細繊維層を配してなるこ
とを特徴とする防虫性繊維構造物を提供するものである
。 ｙ＝｛（πｘ２　）／（４α）｝１／２　−ｘｘ：平均
繊維径、ｙ：平均繊維間隙、α：繊維充填率。

【０００５】本発明の防虫作用は防虫効果を防虫剤など
の薬剤による忌避によるのではなく、例えば布団やクッ
ションなど虫が多数生息できる箇所への虫の移動を物理
的に抑制するものである。ここで本発明における極細繊
維層は不織布により構成されておれば良く、その層の平
均繊維間隙が７５μｍ以下である事が望ましく、さらに
は５０μｍ以下である事が望ましい。これは虫（こごで
はダニ類を例にとる）の幼虫の体及び卵の幅が平均７５
μｍ以上あり、平均繊維間隙が７５μｍ以上になると極
細繊維層によって虫の通過を阻止できなくなるからであ
る。極細繊維層の素材はポリエチレンテレフタレート、
ポリプロピレン、ポリアミド、ポリエチレン、ポリ塩化
ビニリデン、ポリ塩化ビニルなど限定されるものではな
いが疎水性繊維の方が極細繊維層の湿度が低く抑えられ
虫の生育に不向きなため好ましい。また、極細繊維層は
繊維集合体の外層部に配されているが、その内層部の繊
維集合体は特に限定されないが、詰綿が適当である。そ
して、内層部への極細繊維層の包み込み一体化法は融着
や樹脂による接着などで行われ、一体化することによっ
て７５μｍを超える繊維間隙が開かない方法であればよ
い。

【０００６】又、シート状物の表面露出部分（最外層）
にエンボス加工、等を施しても良く、更に各層の一部も
しくは全部に薬剤処理を施しても良い。ここでエンボス
加工の圧着面積率は３〜３５％、好ましくは１０〜１５
％、そのピッチは１〜２０ｍｍ、好ましくは５ｍｍ前後
が良い。又、薬剤処理は、難燃、防ダニ、芳香、等の処
理剤が選ばれる。

【０００７】尚、本発明で言う繊維充填率とは、繊維構
造体の全体の体質に対する繊維の占める体積割合を言い
、（目付）×（厚み）／（繊維密度）で表わされる。 ここで、厚みとは、１００ｇ／ｃｍ２　荷重時の繊維構
造体の厚さである。

【０００８】

【実施例】実験例１、２ 平均繊維径が４．０μｍのポリエチレンテレフタレート
からなるメルトブロー不織布（３０ｇ／ｍ２　，）を圧
着面積率５％、ピッチ５ｍｍのエンボスロールにて部分
熱圧着加工を施し繊維充填率が０．１０の不織布を得た
（実験例１）。又平均繊維径が２５．０μｍのポリエチ
レンテレフタレートからなる短繊維不織布（３０ｇ／ｍ
２　，）を圧着面積率５％、ピッチ５ｍｍのエンボスロ
ールにて部分熱圧着加工を施し繊維充填率が０．０３の
不織布を得た。（実験例２）。以上のようにして得られ
たシート状物の防虫効果（ダニ遮へい効果）は次の方法
によって調べた。環境条件２５℃×７５％ＲＨ下で図１
に示す実験装置を用い、シート状物とフイルムの間にヒ
ョウヒダニ、コナダニ、ツメダニなどのダニを倍地ごと
０．５ｇを投入し、２４時間後にどれだけのダニがシー
ト状物を通り抜けてシート状物の表面に達したかを判定
した。 ○：ダニの通過が認められなかったもの。 ×：ダニの通過が認められたもの。 これらの結果を表１に示す。

【０００９】

【表１】 表１より、極細繊維層の平均繊維間隙の大小によって防
虫効果の優劣が決定されることがわかる。

【００１０】実験例３〜５ 実験例１をＪｉｓ　　Ｌ０２１７　　１０３法に準じて
１０回繰り返し洗濯したものを実験例３とした。実験例
２の繊維シート状物にジエチルトルアミドを内包した尿
素系マイクロカプセルを繊維重量当たり３％ｏｗｆとシ
リコン系バインダーを繊維重量当たり５％ｏｗｆ付与し
たものを実験例４とし、これをＪｉｓ　　Ｌ０２１７　
　１０３法に準じて１０回繰り返し洗濯したものを実験
例５とした。以上のようにして得られたシート状物の防
虫効果（ダニ遮へい効果）を環境条件２５℃×７５％Ｒ
Ｈ下で図１に示す実験装置を用い、シート状物とフイル
ムの間にヒョウヒダニ、コナダニ、ツメダニなどのダニ
を倍地ごと０．５ｇを投入し、２４時間後にどれだけの
ダニがシート状物を通り抜けてシート状物の表面に達し
たかを判定した。 ○：ダニの通過が認められなかったもの。 ×：ダニの通過が認められたもの。 この結果を表２に示す。

【００１１】

【表２】 表２の結果より、実験例３の防虫性シート状物は耐洗濯
性にも優れていることがわかる。

【００１２】実験例６、７ 実験例１のシート状物を利用して縦３０ｃｍ×横５０ｃ
ｍの袋を作り、その中に短繊維ポリエステル綿（６ｄ×
６４ｍｍカット）とウール綿を５０％ずつ混綿したもの
を５００ｇ詰め込んだ後、封をし図２の様なものを得た
（これをＡとする）。これと同様に実験例２シート状物
を用いて（Ｂ）を得た。これらをそれぞれ糸番手４０×
４０、織り密度１２０本／ｉｎｃｈ×６０本／ｉｎｃｈ
からなる平織物で包み込み、Ａに対して実験例６を、Ｂ
に対して実験例７を得た。これらを２０才台の３人の独
身男性に配布し、Ｈ２．４からＨ２．１０の６カ月間に
わたって就寝用のマクラとして一日毎に取り替えて使用
してもらった。この防虫効果の評価方法としては、中綿
５ｇを性格に定量しそれをワイルドマンフラスコーガソ
リン分離法によって中綿に付着した虫を分離、定量化す
る方法をとった。この結果を表３に示す。

【００１３】

【表３】 表３から本発明の実験例６は実際の使用におけるモニタ
ー試験においても防虫効果を示すことがわかった。

【００１４】

【発明の効果】本発明は人体への安全性が高く、耐久性
に優れた防虫効果を有する繊維構造物を提供するもので
ある。

【００１５】

【図面の簡単な説明】

【図１】　　本発明において使用する測定装置の正面図
。

【図２】　　本発明において使用するモデルテスト用サ
ンプルの模式図。

【符号の説明】

１…容器、　　２…密封蓋、　　３…ろ紙、　　４…試
料（構造物）、　　５…フイルム、　　６…詰綿。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】　　繊維集合体の外周部に下記の式におけ
   る平均繊維間隙が７５μｍ以下の極細繊維層を配してな
   ることを特徴する防虫性繊維構造物。 ｙ＝｛（πｘ２　）／（４α）｝１／２　−ｘ但し、ｘ
   ：平均繊維径、ｙ：平均繊維間隙、α：繊維充填率