JPH0428867A - バイアススパッタリング方法および装置 - Google Patents

バイアススパッタリング方法および装置

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JPH0428867A
JPH0428867A JP13411390A JP13411390A JPH0428867A JP H0428867 A JPH0428867 A JP H0428867A JP 13411390 A JP13411390 A JP 13411390A JP 13411390 A JP13411390 A JP 13411390A JP H0428867 A JPH0428867 A JP H0428867A
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JP
Japan
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substrate
magnetic
magnetic field
target
bias
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JP13411390A
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English (en)
Inventor
Yoshito Kamatani
鎌谷 吉人
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Ube Corp
Original Assignee
Ube Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野コ 本発明は基板にバイアスを印加して各種薄膜の組織構造
や内部応力等が用途に適合するよう任意に制御可能なバ
イアススパッタリング成膜技術に係わり、特に電気絶縁
性基板、又は、成膜物質が絶縁体で基板表面、又は、基
板に堆積中の薄膜表面にイオン加速エネルギを与える基
板バイアスを外部から印加しにくい両面同時成膜や基板
が通過しながら薄膜形成を行う通過成膜に適したバイア
ススパッタリング方法および装置に関するものである。
[従来の技術] 第1の従来技術として、導電性基板に導電性薄膜を成膜
する場合に、基板表面、又は、堆積中の薄膜表面に直流
電位(基板バイアス)を印加する時は、真空容器内でス
パッタリング用の高密度プラズマと接触する部分と絶縁
して基板電極(基板を載置し基板に直流電位を与える)
を設け、外部の直流電源の出力電圧を、上記、基板電極
を介し基板表面に供給して行っていた。また、両面同時
成膜や基板が通過しながら薄膜形成を行う通過成膜に対
しては、基板表面の端にバイアス電位を供給するコンタ
クトを取りながら成膜するか、もしくは、基板を載置移
動する基板載置移動手段にバイアス電位を供給するコン
タクトを取りながら成膜していた。
第2の従来技術として、電気絶縁性基板に膜形成する場
合や電気絶縁性薄膜を成膜する場合に、基板表面、又は
、堆積中の薄膜表面に直流電位(基板バイアス)を印加
する時は、基板裏面(成膜面の反対側)の静電結合型放
電電極を介して、高周波電源の出力電力(進行波電力)
を供給して行っていた。また、基板が通過しながら薄膜
形成を行う通過成膜に対しては、基板裏面(成膜面の反
対側)に若干の隙間を維持し対向する静電結合型放電電
極を介して、高周波電源の出力電力(進行波電力)を供
給しながら成膜していた。
[発明が解決しようとする課題] 上記、第1の従来技術の問題点は、両面同時成膜や基板
が通過しながら薄膜形成を行う通過成膜に対しては、基
板表面の端にバイアス電位を供給するコンタクトを取り
ながら成膜するか、もしくは、基板を載置移動する基板
載置移動手段にバイアス電位を供給するコンタクトを取
りながら成膜するため、成膜中に発展を生じ易く、また
、コンタクト及び給電レール等の接触部に付着した堆積
膜の電気抵抗により電圧降下を生じるため、外部の基板
バイアス電源出力電位と基板表面の電位とに差を生じ、
その値のバラツキも大となってしまう。また、本技術で
は、導電性基板に導電性薄膜を成膜する場合のみ基板バ
イアスを印加する事が可能で、その他の導電性基板に電
気絶縁性薄膜を成膜する場合、電気絶縁性基板に導電性
薄膜を成膜する場合、電気絶縁性基板に電気絶縁性薄膜
を成膜する場合等では、基板表面、及び、又は、基板に
堆積中の薄膜表面にバイアスを印加できない欠点がある
上記、第2の従来技術の問題点は、基板電極側に高周波
電力を印加する方式で、試験の結果、基板電極上の基板
表面に発生する直流電位(セルフバイアス)は、グロー
放電を辛うじて維持できる高周波最小出力電力2W前後
まで出力を下げても、−70V程度もあり、これより正
側への制御(イオン加速エネルギの低い領@)は不可能
であったため、イオン加速エネルギの低い領@(約20
〜60eV)で成膜するのに適した機能性薄膜等の成膜
には対応できない。また、基板が通過しながら薄膜形成
を行う通過成膜に対しては、基板裏面(成膜面の反対側
)に若干の隙間を維持し対向する静電結合型放電電極を
介して、高周波電源の出力電力(進行波電力)を供給す
る必要が有り、基板裏面と放電電極との隙間を常に一定
に保たないと基板表面及び基板に堆積中の薄膜表面のバ
イアス値が変化してしまう。さらに、基板裏面(成膜面
の反対側)に静電結合型放電電極を配して、高周波電源
の出力電力を供給する必要が有るため、基板の表裏に対
向して設けた成膜物質からなるターゲットから飛来する
粒子を基板表裏同時に堆積し成膜を行う両面同時スパッ
タリング技術への適用ができない欠点がある。
[発明の目的] 本発明は前述の如き、基板にバイアスを印加して各種薄
膜の組織構造や内部応力等が用途に適合するよう任意に
制御可能なバイアススパッタリング成膜技術に係わり、
特に電気絶縁性基板、又は、成膜物質が絶縁体で基板表
面、又は、基板に堆積中の薄膜表面にイオン加速エネル
ギを与える基板バイアスを外部から印加しにくい両面同
時成膜や基板が通過しながら薄膜形成を行う通過成膜に
適すると共に、イオン衝突のダメージを嫌い、イオン加
速エネルギの低い領域で成膜する必要がある機能性薄膜
等の作製に適したバイアススパッタリング方法および装
置を提供することにある。
[課題を解決するための手段] 上記の目的は、従来技術の様に基板を載置移動する基板
載置移動手段を介してバイアス電位を印加したり、基板
裏面(成膜面の反対側)に静電結合型放電電極を配して
基板バイアス電位を印加するのでは無く、カソード部近
傍に磁気装置を配し、この磁気装置を制御し、ターゲッ
トと基板との間の領域の磁界分布を変化させつる手段を
具備し、スパッタリングに寄与するターゲット直上近傍
の高密度プラズマの外縁部より基板に対し略垂直に向か
う磁力線を増減調整し、基板表面又は堆積膜表面に発生
するセルフバイアスを制御すると共に、単数又は複数の
基板を保持、又は、カソード部に対し相対的に運動を与
える基板載置手段において、該基板載置手段が真空容器
、及び又は、プラズマ電位(プラズマ・ポテンシャル)
に対し、電気的に絶縁する絶縁手段を具備することによ
って該セルフバイアスを維持しながら成膜する事により
達成される。
なお、カソード部磁気装置の構成及び配置並びに調整手
段として、下記(1)〜(6)に示したような手段を適
用すれば、スパッタリングに必要なプラズマを閉じ込め
る磁力線分布を乱すこと無(、基板へ向かう磁力線の磁
束密度を調整できるため、プラズマ発生位置が一定に保
たれ、基鈑に堆積するターゲット物質の膜厚分布に影響
を与えること無く、基板表面又は、基板に堆積中の薄膜
表面のセルフバイアス値の制御が可能となる。
(1)カソード部近傍に設けた磁気装置において、中央
磁極と外周磁極を永久磁石とし外周磁極の近傍に永久磁
石で構成した磁界発生源を配置し、この磁界発生源と外
周磁極の相対位置を変化させ磁界分布を調整する磁界制
御手段を設け、該磁界制御手段を調整することにより、
基板表面又は堆積膜表面に発生するセルツバ1アスを制
御して成膜する。
(2)そのために、カソード部近傍に設けた磁気装置に
おいて、中央磁極と外周磁極を永久磁石で構成し、外周
磁極の近傍に永久磁石で構成した磁界発生源を配置し、
この磁界発生源と外周磁極の相対位置を変化させ磁界分
布を調整して基板表面又は堆積膜表面に発生するセルフ
バイアスを制御する磁界制御手段を具備させておく。
(3)他の方法として、カソード部近傍に設けた磁気装
置において、中央磁極と外周磁極をその飽和磁束が外周
磁極〉中央磁極となる永久磁石とし、外周磁極の近傍に
永久磁石または高透磁率体で構成した磁界バイパス手段
を配置し、この磁界バイパス手段と外周磁極の相対位置
を変化させ磁界分布を調整する磁界制御手段を設け、該
磁界制御手段を調整することにより、基板表面又は堆積
膜表面に発生するセルフバイアスを制御して成膜する。
(4)そのために、カソード部近傍に設けた磁気装置に
おいて、中央磁極と外周磁極をその飽和磁束が外周磁極
〉中央磁極となる永久磁石で構成し、外周磁極の近傍に
永久磁石または高透磁率体で構成した磁界バイパス手段
を配置し、この磁界バイパス手段と外周磁極の相対位置
を変化させ磁界分布を調整して基板表面又は堆積膜表面
に発生するセルフバイアスを制御する磁界制御手段を具
備させておく。
(5)さらに、その他の方法として、カソード部近傍に
設けた磁気装置において、中央磁極と外周磁極の双方を
永久磁石、又は、いずれか一方を高透磁率体で構成し、
外周磁極の近傍に電磁石で構成した磁界発生源を配置し
、この磁界発生源の磁界発生強度及び、又は、磁界発生
方向を調整する電磁石励磁手段を設け、該電磁石励磁手
段を調整することにより、基板表面又は堆積膜表面に発
生するセルフバイアスを制御して成膜する。
(6)そのために、カソード部近傍に設けた磁気装置に
おいて、中央磁極と外周磁極の双方を永久磁石、又は、
いずれか一方を高透磁率体で構成し、外周磁極の近傍に
電磁石で構成した磁界発生源を配置し、この磁界発生源
の磁界発生強度及び、又は、磁界発生方向を調整して基
板表面又は堆積膜表面に発生するセルフバイアスを制御
する電磁石励磁手段を具備させておく。
[作用] スパッタリング用のカソード部(成膜物質から成るター
ゲットを載置し冷却が可能でプラズマ生成のための放電
電圧を印加できる構造体)と対向配置した基板との間の
領域の磁界分布をカソード部近傍に設けた磁気装置によ
り変化させ、スパッタリングに寄与するターゲット直上
近傍の高密度プラズマの外縁部より、磁力線を基板に対
し略垂直に向かう成分を増減調整すると、基板近傍へ導
かれた、上記、磁力線の周囲を螺旋運動する電子の密度
が変化し、これに伴い基板表面、又は、基板に堆積中の
薄膜表面に到達する電子の数も変化するので基板表面、
又は、基板に堆積中の薄膜表面のセルフバイアス値を制
御できる。また、単数又は複数の基板を保持、又は、カ
ソード部に対し相対的に運動を与える基板載置手段にお
いて、該基板載置手段が真空容器、及び又は、プラズマ
電位(プラズマ・ポテンシャル)に対し、電気的に絶縁
する絶縁手段を具備しているので、すなわち、電気的に
フロートの状態になっているので、上記、基板表面、又
は、基板に堆積中の薄膜表面のセルフバイアス値を維持
する事が可能である。
すなわち、基板近傍へ導かれる磁力線の磁束密度が増加
すれば、上記、セルフバイアス値は、負側の絶対値の大
きさが増し、逆に磁力線の磁束密度が減少すれば、セル
フバイアス値は、負側の絶対値の大きさが減じて正側に
移動する。
[実施例] 本発明のそれぞれ異なる実施例を第1図〜第5図により
、以下説明する。
第1図〜第5図において、1は永久磁石から成る中央磁
極、2は永久磁石から成る外周磁極、4は中央磁極1と
外周磁極2を磁気的に結合する軟磁性体から成るヨーク
、7は基板8近傍へ向かう磁力線を調整するために外周
磁極の近傍に配置し永久磁石で構成した磁界発生源、3
は基板近傍へ向かう磁力線の磁束密度を調整するために
外周磁極2と磁界発生源7との相対位置を変化させる位
置調整機構、6は成膜物質より成るターゲット、8は基
板、11は中央磁極1と外周磁極2の間の磁気回路によ
り形成されるトンネル状の磁力線の模式図、12は磁界
発生源7のN極から基板8に対して略垂直に向かう磁力
線の模式図、13は磁界発生源7のN極からS極へ向か
う磁力線の模式図、14はトンネル状の磁力線11によ
り閉じ込められた環状のプラズマの断面模式図、第4図
に示した57は基板8近傍へ向かう磁力線を調整するた
めに外周磁極の近傍に配置し高透磁率体または外周磁極
2と逆極性の永久磁石で構成した磁界バイパス手段、5
0は基板近傍へ向かう磁力線の磁束密度を調整するため
に外周磁極2と磁界バイパス手段S7との相対位置を変
化させる位置調整機構、53は磁界バイパス手段57へ
導かれる磁力線の模式図、第5図に示した67は基板8
近傍へ向かう磁力線を調整するために外周磁極の近傍に
配置し電磁石(ソレノイドコイル)で構成した磁界発生
源、60は基板近傍へ向かう磁力線の磁束密度の調整お
よび又は磁界発生方向を切り換える電磁石励磁手段、6
1はカソード部外壁21を介して電磁石励磁手段60か
ら電磁石で構成された磁界発生源67へ励磁電流を給電
するためのシール機能を有する電流導入端子、63は電
磁石(ソレノイドコイル)で構成された磁界発生源67
の励磁方向(磁界分布)を示す模式図、20は真空容器
、21はカソード部外壁、22はターゲット6およびカ
ソード内部を冷却する水配管、23はカソード部を真空
容器に連結するための真空シール機能および電気絶縁機
能を有する絶縁体、24は必要に応じてプラズマポテン
シャルを調整するために設けられたアノードリング、2
5は真空容器外の電源からアノードリングへ給電するた
めの電流導入端子、26は真空容器に対してアノードリ
ングを電気的に絶縁し固定するための絶縁体、27は基
板8を載置し冷却または加熱され所定の温度を維持し真
空容器20と電気的に絶縁された基板載置手段、28は
基板用アースシール阻29は基板載置手段27と基板用
アースシールド28を連結するための真空シール機能お
よび電気絶縁機能を有する絶縁体、3oはスパッタガス
を導入する質量流量制御弁、31は真空容器20の内部
を排気する排気装置、40はターゲット6およびカソー
ド部にスパッタリング用のプラズマを生成するために高
電圧を給電するスパッタ用高圧電源、41は必要に応じ
てアノードリングに給電する電源、70は成膜プロセス
用の真空容器20と前後プロセス用の真空容器を必要に
応じて連結又は遮断するゲートバルブ、71は基板8を
載置し通過成膜又は両面同時成膜時に必要に応じて基板
8をターゲット6に対し相対移動および又は自公転運動
させ真空容器20と電気的に絶縁された基板搬送手段を
示す。なお、スパッタ用高圧電源40はターゲットの材
質により、直流電源、又は、高周波電源と高周波整合装
置を用いる。
以上の構成要素からなる第1図に示す本発明の第1の実
施例の装置全体は以下のように動作する。
基板8を基板載1手段27に載置した後、排気装置31
により、真空容器20の内部を所定のバックグラウンド
(高真空)まで排気すると同時に、基板載置手段27を
温度制御して基板8を所定の温度に保つ。その後、スパ
ッタ用のアルゴンガス(これに限定するものではない)
を質量流量制御弁30より導入し、所定のガス圧力に調
整する。基板表面、又は、基板に堆積中の薄膜表面のセ
ルフバイアスが所望の値に成るよう、位置調整機構3に
より磁界発生源7の位置決めを行う。
ターゲット6に電気的に接続されたカソード部外壁21
ヘスバッタ用高圧電源40から電力を供給すると、磁力
線11に閉じ込められたスパッタリング用の高密度プラ
ズマ14が発生する。外周磁極2近傍の永久磁石で構成
した磁界発生源7の磁力線12が、スパッタリングに寄
与するターゲット6直上近傍の高密度プラズマ14の外
縁部より、基板8に対し略垂直に向かい基板近傍へ導か
れ、上記、磁力線12の周囲を螺旋運動する電子の密度
が磁力線12の磁束密度に略比例関係にあるため、これ
に伴い基板8表面、又は、図示していないが、基板8に
堆積中の薄膜表面に到達する電子の数も磁力線12の磁
束密度で定まり、基板8表面、又は、基板8に堆積中の
薄膜表面に所望する負のセルフバイアス値が得られる。
この時、ターゲット6上の高密度プラズマ14中のアル
ゴンガスイオンは陰極降下(カソードフォール)により
加速されターゲット6に衝突し、ターゲット原子をたた
き出す。たたき出されたターゲット原子が基板8表面に
堆積すると同時に、図示していないが、基板8表面近傍
の低密度プラズマ中のアルゴンガスイオンが、基板8表
面、又は、図示していないが、基板に堆積中の薄膜表面
に誘起された負のセルフバイアスにより加速され、堆積
中のターゲット原子に衝突し、バイアススパッタリング
成膜機能を果たす。上記の構成および動作により、薄膜
の組織構造ならびに内部応力ならびに段差被覆性等の制
御が可能になり、特に機能性薄膜に適した成膜な実現す
ることが可能である。
また、必要に応じては、セルフバイアス値を検出するセ
ンサを基板8近傍に設置し、センサの信号を基に位置調
整機構3を駆動し、磁界発生源7の位置を自動制御し、
スパッタガス圧やスパッタ用高圧電源の出力等が変化し
た場合でも、常にセルフバイアス値を所望の値に保つ自
動制御システムを付加しても良い。
なお、第1図には、基板搬送手段、基板昇降手段、基板
回転手段、リアクティブスパッタ用ガス導入手段、シャ
ッタ、ビューボート、真空計等は図示していないが、必
要に応じて使用が可能で、第1図に示す構成に限定する
ものではない。
第2図(a)と第2図(b)は、本発明の第1の実施例
で第1図に示したものに関し、負のセルフバイアス制御
用の磁界発生源7を位置調整機構3により、外周磁極2
との相対位置を変化させた時の基板8およびターゲット
6近傍の磁力線分布を説明するカソード部の断面概略図
であり、基板8表面、又は、基板8に堆積中の薄膜表面
の負のセルフバイアス値が、これにより制御できること
を以下説明する。
第2図(a)は、セルフバイアス値に相関のあるターゲ
ット6と対向配置した基板8との間の領域の磁界分布を
カソード部近傍に設けた磁気装置により調整するため、
磁気装置の構成要素である磁界発生源7を位置調整機構
3により外周磁極2に最接近させた状態における基板8
およびターゲット6近傍の磁力線分布を示し、中央磁極
1は外周磁極2からの磁力fallにて磁気的に飽和し
、ターゲット6上にトンネル状の漏洩磁界を形成してス
パッタリング用の高密度プラズマ14を閉じ込める。こ
の時、磁界発生源7から磁力線12が基板8に対し略垂
直方向に向かい、第2図(a)では、この磁束密度が最
大となるので、磁力線12の周囲を螺旋運動する電子の
密度が最大となり、これに伴い基板8表面、又は、基板
8に堆積中の薄膜表面に到達する電子の数も最大で基板
8表面、又は、基板8に堆積中の薄膜表面の負のセルフ
バイアス値も、その絶対値が最大となる。
一方、第2図(b)は磁界発生#i7を位置調整機構3
により外周磁極2から最も遠ざけた状態における磁力線
分布を示し、中央磁極1は外周磁極2からの磁力線11
にて高密度プラズマ14を閉じ込める。この時、磁界発
生源7の漏洩磁界の部は、それ自身のN極から外周磁極
2のS極へ向かい、残りはそれ自身のN極からS極へ向
かう磁力線13となるため、磁力線12はほとんど発生
しない。このため、基板8表面、又は、基板8に堆積中
の薄膜表面の負のセルフバイアス値も、その絶対値が最
小となる。
従って、セルフバイアス値に相関のあるタゲット6と対
向配置した基板8との間の領域の磁界分布をカソード部
近傍に設けた磁気装置により調整するため、磁気装置の
構成要素である磁界発生源7と外周磁極2の相対位置を
位置調整機構3により変化すると、スパッタリングに寄
与するターゲット6直上近傍の高密度プラズマ14の外
縁部より、磁力線を基板8に対し略垂直に向かう成分が
増減調整され、基板8近傍へ導かれた磁力綿12の周囲
を螺旋運動する電子の密度が変化し、これに伴い基板8
表面、又は、基板8に堆積中の薄膜表面に到達する電子
の数も変化するので基板8表面、又は、基板8に堆積中
の薄膜表面のセルフバイアス値を制御できる。すなわち
、基板近傍へ導かれる磁力線12の磁束密度が増加すれ
ば、上記、セルフバイアス値は、負側の絶対値の大きさ
が増し、逆に磁力線12の磁束密度が減少すれば、セル
フバイアス値は、負側の絶対値の大きさが減じて正側に
移動する。
なお、第2図(a)、(b)は、磁界発生源7を位置調
整機構3により外周磁極2から最も遠ざけた状態で、外
周側の磁界強度と中央側の磁界強度が、はぼ等しく成る
様な永久磁石の性能を選定配置した時のものであるが、
所望する負のセルフバイアス値の制御範囲によっては、
磁界発生源7を位置調整機構3により外周磁極2から最
も遠ざけた状態で、外周側の磁界強度〉中央側の磁界強
度となる永久磁石を選定配置しても良い。また、ターゲ
ット6と基板8は、完全に平行で対向配置する必要は無
く、多少の角度を持たせて配置しても良い。さらに、中
央磁極1の永久磁石は中空であっても良く、また、各永
久磁石は一体成形品、小片の集合体、形状を問わない。
第3図は、本発明の第2の実施例で、第1の実施例の第
1図に示したカソード部の磁気装置を適用し、基板8が
成膜物質からなるターゲット6に対し、通過しながら薄
膜形成を行う通過成膜で、かつ、基板8の表裏に対向し
て設けたターゲット6から飛来する粒子を基板8の表裏
同時に堆積し成膜を行う両面同時成膜に本発明のバイア
ススパッタリング技術を適用した実施例を説明する成膜
プロセス部分を示した断面概略図であり、本発明が通過
成膜、両面同時成膜に適する事を以下説明する。
基板8は、図示していないが、大気圧下で基板を装填す
る仕込プロセス、真空引きプロセス、真空下で赤外線又
はハロゲンランプ等を用い輻射加熱やガス冷却を行う基
板脱ガス及び基板温度制御プロセス等を経て、ゲートバ
ルブ70を駆動し、基板搬送手段71により成膜プロセ
ス用の真空容器20へ搬送される。成膜プロセス用の真
空容器20内は常に所望するスパッタガス圧に成る様、
質量流量制御弁30及び、又は、図示してないが、排気
装置31と真空容器20を連結する管に設けられたバル
アブルコンダクタンスバルブにより自動制御される。ス
パッタリング用の高密度プラズマ14中のガスイオンに
より、成膜物質であるターゲット粒子が対向する1対の
ターゲット6から飛散し、また、対向する1対のカソー
ド部磁気装置からの磁力線12により螺旋運動する電子
が1対のターゲット間を往復運動を繰り返す中、基板8
が搬送手段71により接近すると、上記、飛散している
ターゲット粒子が基鈑8に堆積すると共に、ターゲット
間を運動している電子により基板8表面、又は、図示し
ていないが、基板に堆積中の薄膜表面に到達する電子の
数も磁力線12の磁束芭度で定まり、基板8表面、又は
、基板に堆積中の薄膜表面に所望する負のセルフバイア
ス値が得られる。これにより、図示していないが、基板
8表面近傍の低密度プラズマ中のガスイオンが、基板8
表面、又は、図示していないが、基板8に堆積中の薄膜
表面に誘起された負のセルフバイアスにより加速され、
堆積中のターゲット原子に衝突しバイアススパッタリン
グ成膜機能を果たす。
バイアススパッタリング成膜を終えた基板は、後面のゲ
ートバルブ7oを経て、後面プロセスへ搬送される。
以上の如(、基板8に、外部から強制的に基板バイアス
を印加しなくても、1対の対向するターゲット6間の領
域、又は、対向するターゲット6と基板8間の領域の磁
界分布をカソード部近傍に設けた磁気装置により調整す
る事で、基板8表面、又は、基板に堆積中の薄膜表面に
所望する負のセルフバイアス値が得られる。従って、従
来技術では不可能、又は、困難であった電気絶縁性基板
、及び、又は、電気絶縁性成膜物質の両面同時成膜や基
板が通過しながら薄膜形成を行う通過成膜に適用できる
他、基板バイアス電源を必要としない事から、基板電極
、基板バイアス給電手段等が不要となり、コストの低減
はもとより基板の搬送機構や自公転機構等の自由度が増
し、搬送による発塵を低減できる。
なお、両面同時成膜の場合、ターゲット6を載置するカ
ソード部を対向配置するが、厳密に平行である必要はな
く、基板8に堆積する薄膜の膜厚分布を補正する目的で
、基板8の移動方向や自公転方向により、多少の角度を
有して配置しても良い。また、通過成膜(両面同時成膜
を含む)技術において、多層コーティングや成膜スピー
ド向上等の目的で、各層毎に対応するターゲット(成膜
スピード向上の場合は同一のターゲット)を載置した複
数のカソードを基板8の移動方向に対し、配置するが、
本発明はこの様な場合にも適用できる。ただし、両面同
時成膜の場合、対向するカソード部近傍の磁気装置の磁
極の極性に関して、望ましくは、第3図に示す様に、磁
力線12が対向するカソード部の一方から他方へスムー
ズに連結される方向に配置する。
本発明の実施例では、ターゲット6中心に対して基板8
中心が相対的に移動するものについて説明したが、移動
しないものでも良く、また、カソード部の形状は円形に
限らず楕円形や矩形でも適用可能で、ロール等による搬
送手段で移送されるフィルム状の基板、カル−セルと呼
ばれる回転するドラムに載置された基板、ターゲツト面
に対し平行移送される搬送手段に載置された単数または
複数の基板等へ片面又は、両面同時成膜する場合にも適
用が可能で、第3図に限定されるものではない。
第4図は、本発明の第3の実施例で、磁界バイパス手段
57を位置調整機構50により、外周磁極2との相対位
置を変化させ、基板8表面、又は、基板8に堆積中の薄
膜表面に発生する負のセルフバイアス値を制御するカソ
ード部の磁気装置及び、基板8とターゲット6近傍の磁
力線分布を説明するカソード部の断面概略図であり、第
1の実施例と異なる点を重点に以下説明する。
セルフバイアス値に相関のあるターゲット6と対向配置
した基板8との間の領域の磁界分布をカソード部近傍に
設けた磁気装置により調整するため、磁気装置の構成要
素である磁界バイパス手段57を位置調整機構50によ
り外周磁極2に最も遠ざけた場合の磁力線分布は、中央
磁極lが外周磁極2からの磁力線11にて磁気的に飽和
し、ターゲット6上にトンネル状の漏洩磁界を形成して
スパッタリング用の高密度プラズマ14を閉じ込める。
中央磁極1と外周磁極2の磁束密度を外周磁極〉中央磁
極としているため、外周磁極2のN極から出る磁力線は
全て中央磁極1のS極へ入ることができず、一部は磁界
バイパス手段57ヘバイパスされる磁力線53となり、
残りは基板8近傍へ向かう磁力線52となるが、この時
、磁界バイパス手段57と外周磁極2が最も離れている
ため、−磁界バイパス手段57によりバイパスされる磁
力線53は極めて少なく、大部分の磁力線は外周磁極2
のN極から基板8に対して略垂直方向に向かう磁力線5
2となり、この磁束密度が最大となるので、磁力線52
の周囲を螺旋運動する電子の密度が最大となり、これに
伴い基板8表面、又は、基板8に堆積中の薄膜表面に到
達する電子の数も最大で基板8表面、又は、基板8に堆
積中の薄膜表面の負のセルフバイアス値も、その絶対値
が最大となる。
一方、磁界バイパス手段57を位置調整機構3により外
周磁極2に最接近させた場合の基板8およびターゲット
6近傍の磁力線分布は、中央磁極1が外周磁極2からの
磁力線11にて高密度プラズマ14を閉じ込める。中央
磁極1と外周磁極2の磁束密度を外周磁極〉中央磁極と
しているため、外周磁極2のN極から出る磁力線は全て
中央磁極1のS極へ入ることができず、一部は磁界バイ
パス手段57ヘバイパスされる磁力線53となり、残り
は基板8近傍へ向かう磁力線52となるが、この時、磁
界バイパス手段57と外周磁極2が接近しているため、
磁界バイパス手段57によりバイパスされる磁力線53
が極めて多(、外周磁極2のN極から基板8に対して略
垂直方向に向かう磁力線52がほとんど発生しないため
、この磁束密度が最小で、磁力線52の周囲を螺旋運動
する電子の密度が最小となり、これに伴い基板8表面、
又は、基板8に堆積中の薄膜表面に到達する電子の数も
最小で基板8表面、又は、基板8に堆積中の薄膜表面の
負のセルフバイアス値も、その絶対値が最小となる。
上記は両極端な例を示しているが、磁界バイパス手段5
7と外周磁極2の相対位置を位置調整機構3により、例
えば、再接近した状態から離れる方向へ連続的に変化す
ると、磁界バイパス手段57ヘバイパスされる磁力線5
3が連続的に減少するのに対し、外周磁極2ON極から
基鈑8に対して略垂直方向に向かう磁力線52は連続的
に増加する。すなわち、位置調整機構50の調整により
、スパッタリングに寄与するターゲット6直上近傍の高
密度プラズマ14の外縁部より、基板8に対し略垂直に
向かう磁力線の成分が増減調整され、基板8近傍へ導か
れた磁力lI!A52の周囲を螺旋運動する電子の密度
が変化し、これに伴い基板8表面、又は、基板8に堆積
中の薄膜表面に到達する電子の数も変化するので基板8
表面、又は、基板8に堆積中の薄膜表面のセルフバイア
ス値を制御できる。すなわち、基板近傍へ導かれるmカ
1’J952の磁束密度が増加すれば、上記、セルフバ
イアス値は、負側の絶対値の大きさが増し、逆に磁力線
52の磁束密度が減少すれば、セルフバイアス値は、負
側の絶対値の大きさが減じて正側に移動する。
なお、第4図は、磁界バイパス手段57を位置調整機構
50により外周磁極2に最接近させた状態で、外周側の
磁界強度と中央側の磁界強度が、はぼ等しく成る様に、
磁界バイパス手段57である高透磁率体の透磁率を選定
し、がっ、中央および外周磁極の永久磁石の性能を選定
配置した時のものであるが、所望する負のセルフバイア
ス値の制御範囲によっては、磁界バイパス手段57を位
置調整機構50により外周磁極2に最接近させた状態で
、外周側の磁界強度〉中央側の磁界強度となる磁界バイ
パス手段57の透磁率、または、中央および外周磁極の
永久磁石を選定配置しても良い。また、ターゲット6と
基板8ば、完全に平行で対向配置する必要は無く、多少
の角度を持たせて配置しても良く、さらに、中央磁極1
の永久磁石は中空であっても良く、加えて、磁界バイパ
ス手段57および外周磁極2は一体成形品、小片の集合
体、形状を問わない。
一方、磁界バイパス手段57を永久磁石とし、これを最
接近させた状態で、外周磁極2のN極から出る磁力線が
強制的に磁界バイパス手段の永久磁石のS極に吸入され
る向きに配置すると、第4図に示した高透磁率体の磁界
バイパス手段57に比べ、同等以上のバイパス効果があ
るため、中央磁極1と外周磁極2の磁束密度を外周磁極
)中央磁極とできるので、所望する負のセルフバイアス
値の制御範囲がさらに拡大する。
また、必要に応じては、セルフバイアス値を検出するセ
ンサを基板8近傍に設置し、センサの信号を基に位置調
整機構3を駆動し、磁界バイパス手段57の位置を自動
制御し、スパッタガス圧やスパッタ用高圧電源の出力等
が変化した場合でも、常にセルフバイアス値を所望の値
に保つ自動制御システムを付加しても良い。
第5図は、本発明の第4の実施例で、ターゲットを載置
するカソード部の磁気装置において、中央磁極lと外周
磁極2を永久磁石とし、外周磁極2の近傍に電磁石で構
成した磁界発生源67を配置し、この磁界発生源67の
磁界発生強度及び、又は、磁界発生方向を調整する電磁
石励磁手段60を具備し、これの調整で、基板8表面、
又は、基板8に堆積中の薄膜表面に発生する負のセルフ
バイアス値を制御するカソード部の磁気装置及び、基板
8とターゲット6近傍の磁力線分布を説明するカソード
部の断面概略図であり、第1及び第3の実施例と異なる
点を重点に以下説明する。
セルフバイアス値に相関のあるターゲット6と対向配置
した基板8との間の領域の磁界分布をカソード部近傍に
設けた磁気装置により調整するため、磁気装置の構成要
素である外周磁極2近傍の電磁石で構成した磁界発生源
67を電磁石励磁手段60により、磁界発生源67の磁
界発生強度及び、又は、磁界発生方向を調整する事によ
り以下の動作をする。
永久磁石で構成された中央磁極1と外周磁極2の磁束密
度を外周磁極〉中央磁極と成る様にした場合、中央磁極
1は外周磁極2からの磁力線11にて磁気的に連結され
、ターゲット6上にトンネル状の漏洩磁界を形成してス
パッタリング用の高密度プラズマ14を閉じ込める。中
央磁極1と外周磁極2の磁束密度を外周磁極〉中央磁極
としているため、外周磁極2のN極から出る磁力線は全
て中央磁極1のS極へ入ることができず、外周磁極2の
N極から基板8に対して略垂直方向に向かう磁力線62
が生成するが、この時、1ii磁石で構成した磁界発生
源67を電磁石励磁手段60により、第5図に示す矢印
63の方向へ励磁すると磁力線62の磁束密度が増大し
、矢印63と逆方向へ励磁すると磁力線62の磁束密度
が減少する。
従って、電磁石励磁手段60により、磁界発生源67の
磁界発生強度及び、又は、磁界発生方向を調整する事で
、磁力線62の周囲を甥旋運動しながら、基板8表面、
又は、基板8に堆積中の薄膜表面に到達する電子の数が
変化するので、これに応じて基板8表面、又は、基板8
に堆積中の薄膜表面の負のセルフバイアス値を制御でき
る。
なお、第5図は、永久磁石で構成された中央磁極1と外
周磁極2の磁束密度を外周磁極〉中央磁極と成る様にし
た場合を説明したが、所望する負のセルフバイアス値の
制御範囲によっては、中央磁極1と外周磁極2の磁束密
度あるいは磁界強度を外周磁極)中央磁極、又は、外周
磁極岬中央磁極としても良い。また、ターゲット6と基
板8は完全に平行で対向配置する必要は無く、多少の角
度を持たせて配置しても良い。さらに、中央磁極1の永
久磁石は中空・中実を問わず、外周磁極2は一体成形品
、小片の集合体、形状を問わない。
加えて、外周磁極2の近傍に配置する磁界発生源67は
、ターゲット及びカソード部内を冷却する冷媒の中に設
置しなくとも、磁界発生源67を冷却する手段を設けて
カソード部外で外周磁極2の近傍に設置しても良い。
また、必要に応じては、セルフバイアス値を検出するセ
ンサを基板8近傍に設置し、センサの信号を基に、電磁
石で構成した磁界発生源67を電磁石励磁手段60によ
り、磁界発生源67の磁界発生強度及び、又は、磁界発
生方向を自動制御し、スパッタガス圧やスパッタ用高圧
電源の出力等が変化した場合でも、常にセルフバイアス
値を所望の値に保つ自動制御システムを付加しても良い
なお、第1図〜第5図に示す本発明の第1〜第4の実施
例で示した各永久磁石の極性及びi!電磁石励磁方向を
全く逆にしても、同様の効果が得られる。
第6図は第5図に示すものについて電磁石で構成された
磁界発生源67励磁電流を変化させた時の基板8表面の
セルフバイアス値を調べた結果を示す線図である。主要
条件は、スパッタ用高圧電源として、13.560MH
zの高周波電源及び高周波整合装置を用いた場合で、タ
ーゲット6として外径φ153mmで厚さ5mmのアル
ミ合金な用い、基板8とターゲット6間の距離を60m
m、基板8の径をφ120闘、スパッタガス圧力を5m
 Torr (アルゴン)、放電電力を500W、電磁
石励磁手段60の出力電流を一5〜+〇Aまで変化した
場合を示す。なお、中央磁極1は中実の希土類永久磁石
(外径φ22mmX長さ40mm)を1個配置し、外周
磁極2は43個の中実の希土類永久磁石(外径φ10m
mX長さ40mm)を円形(PCD140)に密に配置
し、磁界発生源67は素線径0.8mmのポリイミド被
覆エナメル線を820回ソレノイドコイル状に巻いたも
のを使用している。
第7図は第5図に示すものについて電磁石で構成された
磁界発生源67励磁電流を変化させた時の基板8表面の
セルフバイアス値を調べた結果を示す線図である。主要
条件は、スパッタ用高圧電源として、直流高圧電源を用
いた場合で、ターゲット6として外径φ153mmで厚
さ5mmのアルミ合金を用い、基板8とターゲット6間
の距離を60mm、基板8の径をφ120mm、スパッ
タガス圧力を2 m Torr (アルゴン)、放電電
流を2A、電磁石励磁手段60の出力電流を一6〜+6
Aまで変化した場合を示す。なお、カソード部の磁気装
置は上記、第6図の説明中に記載した通りである。
第6図及び第7図から明らかな様に、基板8に外部から
強制的に基板バイアスを印加しなくてもターゲット6と
基板8間の領域の磁界分布を磁気装置により調整する事
で、基板8表面、又は、基板に堆積中の薄膜表面に、高
周波放電の場合+12〜−62V、直流放電の場合−1
8〜−70V程度のセルフバイアス値が制御できる。
従って、電気絶縁性基板、及び、又は、電気絶縁性成膜
物質の両面同時成膜や基板が通過しながら薄膜形成を行
う通過成膜に適用できると共に、イオン衝突のダメージ
を嫌い、イオン加速エネルギの低い領域で成膜する必要
がある機能性薄膜等の作製に適したバイアススパッタリ
ングが可能である。
なお、第8図[aL (b)、 fc)は、第5図に示
すものについて電磁石で構成された磁界発生源67励m
W流を変化し、基板8表面のセルフバイアス値を制御し
てガラス基鈑上にアルミ合金を成膜し、この薄膜の特性
を調べた結果を示す線区である。
主要条件は、スパッタ用高圧電源として、直流高圧電源
を用いた場合で、ターゲット6として外径φ153闘で
厚さ5mmのアルミ合金を用い、基板8とターゲット6
間の距離を60mm、基板8の径をφ120mm、スパ
ッタガス圧力を2mTorr(アルゴン)、放電電流を
2A、電磁石励磁手段6oの出力電流を一6〜+6Aま
で変化し、セルフバイアスを約−20〜−65V制御し
て成膜した場合を示す。なお、カソード部の磁気装置は
上記、第6図の説明中に記載した通りである。
第8区(a)〜(c)より明らかな様に、磁界分布を調
整しセルフバイアス値を制御すると薄膜の特性が変化す
ることが解る。
[発明の効果] 本発明によれば、基板にバイアスを印加して各種薄膜の
組織構造や内部応力等が用途に適合するよう任意に制御
可能なバイアススパッタリング成膜技術において、基板
に外部から強制的に基板バイアスを印加しなくても、ス
パッタリング用のカソード部(成膜物質からなるターゲ
ットを載置し冷却が可能でプラズマ生成のための放電電
圧をED加できる構造体)と対向配置した基板との間の
領域の磁界分布をカソード部近傍に設けた磁気装置によ
り変化させ、スパッタリングに寄与するターゲット直上
近傍の高密度プラズマの外縁部より、磁力線を基板に対
し略垂直に向かう成分を増減調整する事により、基板表
面、又は、基板に堆積中の薄膜表面のセルフバイアス値
を制御できるので、特に、従来技術では不可能、又は、
困難であった電気絶縁性基板、及び、又は、電気絶縁性
成膜物質の両面同時成膜や基板が通過しながら薄膜形成
を行う通過成膜に適用できると共に、イオン衝突のダメ
ージを嫌い、イオン加速エネルギの低い領域で成膜する
必要がある機能性薄膜等の作製に適したバイアススパッ
タリング方法及び装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の第1の実施例の構成を示す装置全体の
断面概略図、第2図(a)は本発明の第1の実施例でセ
ルフバイアス制御用の磁界発生源を位置調整手段により
外周磁極に最接近させた状態における基板およびターゲ
ット近傍の磁力線分布を説明するカソード部の断面概略
図、第2図(b)は本発明の第1の実施例でセルフバイ
アス制御用の磁界発生源を位置調整手段により外周磁極
から最も遠ざけた状態における基板およびターゲット近
傍の磁力線分布を説明するカソード部の断面概略図、第
3図は本発明の第2実施例で両面同時通過成膜に適用し
た一例を説明する成膜プロセス部分を示した断面概略図
、第4図は本発明の第3の実施例の構成及び基板とター
ゲット近傍の磁力線分布を説明するカソード部の断面概
略図、第5図は本発明の第4の実施例の構成及び基板と
ターゲット近傍の磁力線分布を説明するカソード部の断
面概略図、第6図は第5図に示すものにおいてスパッタ
用高圧電源として13.560[MH2]の高周波電源
を使用し本発明の技術により基板のセルフバイアスを制
御した場合の結果を示す線区、第7図は第5図に示すも
のにおいてスパッタ用高圧電源として直流高圧電源を使
用し本発明の技術により基板のセルフバイアスを制御し
た場合の結果を示す線図、第8図(al〜(C)は第5
図に示すものにおいてスパッタ用高圧電源として直流高
圧電源を使用し本発明の技術により基板のセルフバイア
スを調整し成膜した場合の薄膜の特性を調べた結果を示
す線区である。 1・・・中央磁極、     2・・・外周磁極、3.
50・・・位置調整機構、4・・・軟磁性体ヨーク、6
・・・ターゲット、7.67・・・磁界発生源、60・
・・電磁石励磁手段、57・・・磁界バイパス手段、8
・・・基板、 11 12.13,53.63・・・磁力線の模式図、
14・・プラズマの断面模式図、 20・・・真空容器、    21・・・カソード部外
壁、2・・水配管、 3.26.29・・・絶縁体、 4・・・アノードリング、 5.61・・・電流導入端子、 7・・・基板載置手段、 8・・・基板用アースシールド、 O・・・質量流量制御弁、31・・・排気装置、○・・
・スパッタ用高圧電源、 l・・・電源、      70・・・ゲートバルブ、
1・・・基板搬送手段。 特許出願人  宇部興産株式会社 第3図 第4図 第5図 第6図 第7図 一電磁石の励磁電流[AI 第8図 (a) 第8図 (b) 第8図 (C) (セルフバイアス)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)ターゲットを載置し冷却が可能でスパッタリング
    用プラズマ生成のための放電電圧を印加できる構造体で
    あるカソード部において、該カソード部近傍に設けた磁
    気装置を具備し、該磁気装置の調整により、ターゲット
    と基板との間の領域の磁界分布を変化させ、スパッタリ
    ングに寄与するターゲット直上近傍の高密度プラズマの
    外縁部より、磁力線を基板に対し略垂直に向かう成分を
    増減調整することにより、基板表面又は堆積膜表面に発
    生するセルフバイアスを制御し、かつ、単数又は複数の
    基板を保持又は、カソード部に対し相対的に運動(垂直
    、又は、平行移動、及び又は、自公転、及び又は、回転
    運動)を与える基板載置手段において、該基板載置手段
    が真空容器、及び又は、プラズマ電位(プラズマ・ポテ
    ンシャル)に対し、電気的に絶縁する絶縁手段を具備す
    ることによって該セルフバイアスを維持しながら成膜す
    るようにしたことを特徴とするバイアススパッタリング
    方法。
  2. (2)真空容器、及び又は、プラズマ電位(プラズマ・
    ポテンシャル)に対し、電気的に絶縁する絶縁手段を具
    備し、単数又は複数の基板を保持、又は、カソード部に
    対し相対的に運動を与える基板載置手段と、該基板の堆
    積面と所定の間隔を隔てて対向する成膜物質から成るタ
    ーゲットと、該ターゲットを載置し電圧を印加しうる構
    造で、かつ、冷却機能を有するカソード部の近傍に磁気
    装置を配置し、該磁気装置が、ターゲットと対向配置し
    た基板との間の領域の磁界分布を変化させて基板表面又
    は堆積膜表面に発生するセルフバイアスを制御し得る手
    段を具備していることを特徴とするバイアススパッタリ
    ング装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09143713A (ja) * 1995-11-28 1997-06-03 Applied Materials Inc スパッタリング装置のマグネトロンユニット
JP2007258447A (ja) * 2006-03-23 2007-10-04 Aisin Seiki Co Ltd 超電導磁場発生装置及びスパッタリング成膜装置
KR101305114B1 (ko) * 2008-08-01 2013-09-05 샤프 가부시키가이샤 스퍼터링 장치

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