JPH04285125A - 深絞り用高張力冷延鋼板の製造方法 - Google Patents

深絞り用高張力冷延鋼板の製造方法

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JPH04285125A
JPH04285125A JP7212891A JP7212891A JPH04285125A JP H04285125 A JPH04285125 A JP H04285125A JP 7212891 A JP7212891 A JP 7212891A JP 7212891 A JP7212891 A JP 7212891A JP H04285125 A JPH04285125 A JP H04285125A
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cold
reduction
steel sheet
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才二 松岡
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進 佐藤
Toshiyuki Kato
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、自動車用鋼板等に用
いて好適な高張力冷延鋼板に関し、該鋼板の深絞り性、
耐食性の効果的な改善を図ろうするものである。
【0002】
【従来の技術】自動車のパネル等に使用される冷延鋼板
は、その特性として優れた深絞り性が要求される。この
深絞り性の向上のためには、鋼板の機械的特性として、
高いランクフォード値( 以下単にr値と記す) と高
い延性 (El) が必要である。さて従来、自動車車
体の組立ては、多数のプレス部品をそれぞれスポット溶
接を施して接合していたが、最近ではこれらの部品のい
くつかを大型化、一体化することにより部品点数、溶接
数を減らす要請が高まってきた。例えば、自動車のオイ
ルパンは、その複雑な形状ゆえに溶接が不可欠であるが
、自動車メーカーにおいては一体成形化への要求は強い
。一方、多様化するニーズに応えるために自動車のデザ
インはより複雑化し、そのため従来の鋼板では成形の困
難な部品が増加している。したがって、これらの要求に
応じるためには、従来よりも格段に優れた深絞り性を有
する冷延鋼板が要求されるようになってきた。
【0003】また近年、自動車の車体軽量化および安全
性向上を目的として、引張強さ (TS) が35〜5
0kgf/mm2 でかつ優れた深絞り性を有する冷延
鋼板も要求されるようになってきた。これら高張力冷延
鋼板のプレス成形においては、r値とともにElが重要
な因子になり、TS×El≧1700の優れた強度−延
性バランスが要求される。一方、これら高張力冷延鋼板
の採用により、自動車用鋼板のゲージダウンが可能とな
るが、板厚減少に伴う耐食性、とくに孔食の問題が重要
であって、そのため深絞り性とともに耐食性についても
優れたものである必要があった。
【0004】上記のような冷延鋼板における深絞り性の
改善に関しては今までに各種の方法が提案されている。 たとえば特公昭44−17268号公報、特公昭44−
17269号公報あるいは特公昭44−17270号公
報等には、低炭素リムド鋼に2回冷延−焼鈍を施すこと
により、r値を2.18まで高めた冷延鋼板の製造方法
が開示されている。しかしながら、この程度のr値では
、もはや充分な深絞り性を有志ているとは言えない。
【0005】また、「鉄と鋼、(1971), S28
0 」においては、C:0.008 wt%、Mn:0
.31wt%、P:0.012 wt%、S:0.01
5 wt%、N:0.0057wt%、Al:0.03
6 wt%、Ti:0.20wt%の組成になる鋼を、
1次冷延率:50%、中間焼鈍:800 ℃×10時間
、2次冷延率:80%、最終焼鈍800 ℃×10時間
の条件のもとに処理することによってr値が3.1 程
度になる深絞り用鋼板の製造が可能であることが示され
ている。しかしながら、上記の方法は、トータルの冷延
圧下率が90%と高いため、通常使用されている冷延鋼
板の板厚(0.6mm以上) を確保することができな
い不利があり、また、鋼板の強度−延性バランスや耐食
性に関しては何も触れられていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】鋼の成分組成および製
造条件に工夫を加えることにより、従来方式を適用する
場合よりも格段に優れた深絞り性、耐食性を有する高張
力冷延鋼板を製造できる新規な方法を提案することがこ
の発明の目的である。
【0007】
【課題を解決するための手段】発明者らの鋭意研究の結
果として、以下のように鋼成分、製造条件を規制するこ
とより、極めて優れた深絞り性および耐食性を有する冷
延鋼板が得られることの知見を得た。すなわち、この発
明は、下記a)〜c)に示す何れかの組成、a)  C
:0.005 超〜0.03 wt %、Si:1.5
wt%以下、Mn:2.0 wt%以下、P:0.03
〜0.15wt%、S:0.05wt%以下、Al:0
.01〜0.15wt%、N:0.01wt%以下を含
み、かつ、Ti:0.01〜0.2 wt%、Nb:0
.001 〜0.2 wt%およびB:0.0001〜
0.003 wt%のうちから選ばれる1種又は2種以
上を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなる組
成、 b)  C:0.005 wt%以下、Si:0.1 
超〜0.5wt%、Mn:2.0 wt%以下、P:0
.03〜0.15wt%、S:0.05wt%以下、A
l:0.01〜0.15wt%、N:0.01wt%以
下を含み、かつTi:0.01〜0.2 wt%、Nb
:0.001 〜0.2 wt%およびB:0.000
1〜0.003 wt%のうちから選ばれる1種又は2
種以上を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からな
る組成、 c)  C:0.03 wt %以下、Si:1.5 
wt%以下、Mn:2.0 wt%以下、P:0.03
〜0.15wt%、S:0.05wt%以下、Al:0
.01〜0.15wt%、Cu:0.10〜1.5 w
t%、N:0.01wt%以下を含み、かつ、Ti:0
.01〜0.2 wt%およびNb:0.001 〜0
.2 wt%およびB:0.0001〜0.003wt
 %のうちから選ばれる1種又は2種以上を含有し、残
部Feおよび不可避的不純物からなる組成、よりなる鋼
を、熱間圧延後、30%以上の圧下率で1次冷間圧延を
施した後700℃〜Ac3 変態点の温度範囲にて中間
焼鈍を施し、引き続き30%以上の圧下率でかつ全圧下
率が78%以上になる2次冷間圧延を施し、しかる後7
00 ℃〜Ac3変態点の温度範囲にて最終焼鈍を施す
ことを特徴とする、深絞り用高張力冷延鋼板の製造方法
である。この発明では、上記各構成になる鋼成分中にN
i:0.01〜1.5 wt%、Cr:0.05〜1.
5 wt%、Mo:0.001 〜0.5 wt%を含
有させることもできる。
【0008】以下にこの発明の基礎となった研究結果に
ついて述べる。C:0.002 〜0.012 wt%
( 以下単に%で記す) 、Si:0.1 〜0.5 
%、Mn:0.1〜0.8 %、P:0.03〜0.0
9%、S:0.010 %、Al:0.05%、N:0
.002 %、Ti:0.03〜0.80%、Nb:0
.003 〜0.08%の組成になるシートバーを12
50℃に加熱、均熱したのち、880 ℃の仕上げ温度
で熱間圧延を施し、1回冷延−焼鈍材については、75
%の圧下率で冷間圧延を施した後850 ℃,20 秒
の再結晶焼鈍を施し、一方、2回冷延−焼鈍材について
は、まず67%の圧下率で1次冷延を施した後780 
℃,20 秒の中間焼鈍を施し、引き続き65%の圧下
率で2次冷延を施して850 ℃,20秒の最終焼鈍を
施し、得られた各鋼板の強度−延性バランスについて比
較調査した。その結果を図1に示す。同図より明らかな
ように、この実験によって1回冷延−焼鈍材に比べて2
回冷延−焼鈍材は、TS×El≧1700であり、優れ
た強度−延性バランスを示した。
【0009】また、C:0.002 %、Si:0.0
2%、Mn:0.1 %、P:0.01〜0.07%、
S:0.010 %、Al:0.05%、N:0.00
2 %、Cu:0.01〜0.3 %の組成になるシー
トバーを1250℃に加熱−均熱し880 ℃の仕上げ
温度で熱間圧延を施した。そして1回冷延−焼鈍材につ
いては、75%の圧下率で冷間圧延を施したのち、85
0 ℃,20 秒の再結晶焼鈍を施し、2回冷延−焼鈍
材については、67%の圧下率で1次冷延を施して78
0 ℃20秒の中間焼鈍を、引き続き65%の圧下率で
2次冷延を行い、850 ℃,20秒の最終焼鈍を施し
、得られた各鋼板の耐食性について調査した。この実験
における耐食性の評価法としては、0.5 %NaCl
,0.5%CaCl2,0.125 %Na2S2O5
 腐食液に8時間浸漬後、16時間乾燥させる腐食サイ
クルとして、腐食試験後の最大孔食深さを測定すること
によりおこなった。その結果を図2に示すが、この実験
において鋼の耐食性は成分組成に強く依存し、P−Cu
複合添加によって著しく向上した。とくに2回冷延−焼
鈍材では、通常の1回冷延−焼鈍材に比べ改善度合いが
大きかった。
【0010】この発明は、上記のような実験をもとに鋼
の成分組成や圧下率等を種々変化させて、多数の実験、
検討を重ねた結果に基づき、以下のようにこの発明の範
囲を限定した。鋼の成分組成についてはこの発明におい
て重要であり、C:0.005 超〜0.03%、Si
:1.5 %以下、Mn:2.0 %以下、P:0.0
3〜0.15%、S:0.05%以下、Al:0.01
〜0.15%、N:0.01%以下を含み、かつ、Ti
:0.01〜0.2 %、Nb:0.001 〜0.2
 %およびB:0.0001〜0.2 %のうちから選
ばれる1種又は2種以上を含むものとするか、またはC
:0.005 %以下、Si:0.1 超〜1.5 %
、Mn:2.0 %以下、P:0.03〜0.15%、
S:0.05%以下、Al:0.01〜0.15%、N
:0.01%以下を含み、かつ Ti :0.01〜0
.2 %、Nb:0.001 〜0.2 %およびB:
0.0001〜0.003 %のうちから選ばれる1種
又は2種以上を含むものとすとるか、またはC:0.0
3%以下、Si:1.5 %以下、Mn:2.0 %以
下、P:0.03〜0.15%、S:0.05%以下、
Al:0.01〜0.15%、Cu:0.10〜1.5
 %、N:0.01%以下を含み、かつ、Ti:0.0
1〜0.2 %、Nb:0.001 〜0.2 %およ
びB:0.0001〜0.003%のうちから選ばれる
1種又は2種以上を含を含むものとする必要がある。ま
た、この発明では、必要に応じて Ni :0.01〜
1.5 %、Cr:0.05〜1.5 %、Mo:0.
001 〜0.5 %のうちから選ばれる少なくとも一
種を含ませることもできる。
【0011】以下、各成分の限定理由について説明する
。 C:0.03%以下 Cは、Cは少なければ少ないほど深絞り性が向上するの
で好ましいが、a) において、0.005 %超〜0
.03%としたのは、炭化物の析出強化による高強度化
のためである。また、b) において0.005 %以
下としたのは、深絞り性の向上を図るためである。また
、c) において0.03%以下としたのは、その含有
量が0.03%以下ではさほど悪影響を及ぼさないので
0.03%以下に限定した。
【0012】Si:1.5 %以下 Siは、鋼を強化する作用があり、所望の強度に応じて
必要量添加されるが、その添加量がa) 、c) の場
合において1.5 %を超えると深絞り性および耐食性
が劣化するので1.5 %とした。またb) において
0.1 超〜1.5 %としたのは、Siの固溶強化が
0.1 %未満では効果がないためである。
【0013】Mn:2.0 %以下 Mnは鋼を強化する作用があり、所望の強度に応じて必
要量添加されるが、その添加量が2.0 %を超えると
深絞り性が劣化する。よってMnは2.0 %以下に限
定した。
【0014】P:0.03〜0.15%Pは、この発明
において重要な元素であり、鋼を強化するとともに耐食
性を向上させる効果があるので必要量添加される。その
添加量が0.03%未満では耐食性の改善に効果がなく
、一方、0.15%を超えると深絞り性に悪影響を及ぼ
す。よってPは0.03〜0.15%の範囲に限定した
【0015】S:0.05%以下 Sは少なければ少ないほど深絞り性が向上するので好ま
しいが、その含有量が0.05%以下ではさほど悪影響
を及ぼさないので0.05%以下に限定した。
【0016】Al:0.01〜0.15%Alは、脱酸
を行い炭窒化物形成元素の歩留り向上のために必要に応
じて添加さるが、その含有量が0.01未満では添加効
果がない。一方、0.15%を超えて添加してもより一
層の脱酸効果はない。よってAlは0.01〜0.15
%の範囲に限定した。
【0017】N:0.01%以下 Nは、少なければ少ないほど深絞り性が向上するので好
ましいが、その含有量が0.01%以下ではさほど悪影
響を及ぼさないので0.01%以下に限定した。
【0018】Ti:0.01〜0.2 %Tiは炭窒化
形成元素であり、鋼中の固溶 (C, N) を (T
iC, TiN) として析出固定させ、深絞り性の向
上に有利な{111}方位を形成させるために添加され
る。 その添加量が0.01%未満では添加効果がなく、一方
、0.2 %を超えて添加してもそれ以上の効果は得ら
れず、逆に表面性状の劣化つながる。よってTiは0.
01〜0.2 %の範囲に限定した。
【0019】Nb:0.001 〜0.2 %Nbは炭
化物形成元素であり、鋼中の固溶CをNbCとして析出
固定させ、深絞り性に有利な{111}方位を優先的に
形成させるために添加される。その添加量が0.001
 %未満では添加効果がなく、一方、0.2 %を超え
て添加すると延性が劣化する。よってNbは0.001
 〜0.2 %の範囲に限定した。
【0020】B:0.0001〜0.0030%Bは窒
化物形成元素であり、鋼中の固溶NをBNとして析出固
定させ、深絞り性の改善に有利な{111}方位を優先
的に形成させるために添加される。さらにBは鋼の耐二
次加工脆性の改善のために添加される。しかしながら、
その添加量が0.0001%未満では添加効果がなく、
一方、0.0030%を超えて添加すると深絞り性に悪
影響を与える。よってBは0.0001〜0.0030
%の範囲に限定した。
【0021】Cu:0.10〜1.5 %Cuはこの発
明においては重要であり、耐食性を向上させるために添
加される。その添加量が0.10%未満では耐食性の向
上に効果がなく、一方、1.5 %を超えて添加すると
深絞り性に悪影響を及ぼす。よってCuは0.10〜1
.5 %の範囲に限定した。
【0022】Ni:0.01〜1.5 %NiはCuを
添加する際における鋼の表面性状を改善するとともに、
耐食性の向上を図るために添加されるが、その添加量が
0.01%未満では添加効果がなく、一方、1.5 %
を超えて添加すると深絞り性に悪影響を与える。よって
Niを添加する場合には0.01〜1.5 %の範囲に
限定することとした。
【0023】Cr:0.05〜1.5 %Crは耐食性
の向上を図るために添加されるが、その添加量が0.0
5%未満では添加効果がなく、一方、1.5 %を超え
て添加すると深絞り性に悪影響を与える。よってCrに
ついては0.05〜1.5 %の範囲に限定した。
【0024】Mo:0.001 〜0.5 %Moは耐
食性の向上を図るために添加されるが、その添加量が0
.001未満では添加効果がなく、一方、1.5 %を
超えて添加すると深絞り性に悪影響を与える。よってM
oについては0.001 〜0.5 %の範囲に限定し
た。
【0025】上記の成分組成になる鋼を圧延する場合の
条件として、この発明においてはまず熱間圧延条件が重
要となる。熱間圧延においては、省エネルギーの観点か
ら連続鋳造スラブを再加熱又は連続鋳造後Ar3 変態
点以下に降温させることなくただちに、もしくは保温処
理を施したのち粗圧延を行うことができる。熱間圧延で
の仕上げ温度はAr3 変態点以上が深絞り性の改善に
好ましいが、Ar3 変態点未満の低温熱延も可能であ
る。この発明では省エネルギーの観点から巻取り温度は
300 〜800 ℃の範囲で行えばよく、析出の促進
および結晶粒の粗大化による深絞りの改善には、500
 ℃以上の巻取り温度が好適である。
【0026】上記の熱間圧延に引き続く冷間圧延−焼鈍
工程も重要であって、この発明では30%以上の圧下率
で1次冷延を施したのち、700 ℃〜Ac3 変態点
の温度範囲で中間焼鈍を施す。そして引き続き30%以
上の圧下率でかつ全圧下率が78%以上となる2次冷延
を施し、しかる後700 ℃〜Ac3 変態点の温度範
囲にて最終焼鈍を施す必要がある。
【0027】その理由は、上記の1次および2次冷間圧
延における圧下率が30%未満では、冷間圧延時に適切
な圧延集合組織を形成させることができないため中間焼
鈍および最終焼鈍後に深絞り性に有利な{111}方位
が形成されにくくなり、その結果深絞り性が劣化するか
らである。また2回冷延における全圧下率を78%以上
としないと、最終焼鈍後に強い{111}方位が形成さ
れないため充分な深絞り性を確保することができない。
【0028】中間焼鈍及び最終焼鈍における処理温度は
700 ℃より低い温度域で行うと、深絞り性に好まし
い{111}方位が形成されにくくなるため、深絞り性
が劣化し、一方Ac3 変態点より高い温度域で焼鈍を
行うとα→γ変態により集合組織がランダム化するため
深絞り性が劣化する。このためこの発明では、中間焼鈍
及び最終焼鈍を700 ℃〜Ac3 変態点の温度範囲
に限定した。
【0029】なお、2回冷延−焼鈍による強度−延性バ
ランスの向上は、中間焼鈍及び最終焼鈍時の結晶粒の粒
成長によるものと考えられる。また2回冷延−焼鈍によ
る耐食性の向上に関しては、2回の焼鈍時に鋼板表面の
濃化状態が変化したために耐食性が改善されたものと考
えられるが、詳細は明らかでない。
【0030】この発明では、上記最終焼鈍ののちに、5
%以下の調質圧延を施すことも可能であり、また焼鈍工
程としては連続焼鈍ラインの他、連続溶融亜鉛めっきラ
インを適用することもできる。連続溶融めっき法として
は、非合金化溶融亜鉛めっき処理及び合金化溶融亜鉛め
っき処理が有利に適合する。焼鈍あるいは亜鉛めっき処
理後において、特殊な処理としてNiめっき等の如き処
理を施して、化成処理性、溶接性、プレス成形性、耐食
性等の改善を図ることもできる。
【0031】
【実施例】表1に示す成分組成になる鋼スラブを125
0℃で加熱・均熱したのち、または連続鋳造後再加熱す
ることなく、FDT:880 ℃, CT:550℃の
条件にて粗圧延、仕上げ圧延を行い、引き続き酸洗処理
を経て表2に示す如き種々の条件にて1次冷延−中間焼
鈍−2次冷延−最終焼鈍を施し、得られた製品板の材料
特性について調査した。その結果を表2に合わせて示す
。なお、引張特性はJIS5号引張試験片を使用して測
定し、r値は15%引張予ひずみを与えた後、3点法に
て測定し、L方向(圧延方向)、D(圧延方向に45度
方向)及びC方向(圧延方向に90度方向)の平均値を
下記式数1
【数1】 として求めた。耐食性については、前述した実験におけ
る耐食試験方法と同様の方法にて評価した。
【0032】
【表1】
【0033】
【表2】
【0034】表2より明らかな如くこの発明に従って得
られた鋼板は深絞り性、耐食性の何れにおいても優れて
いることが確かめられた。
【0035】
【発明の効果】かくしてこの発明によれば、従来よりも
格段に優れた深絞り性と耐食性をもった冷延鋼板を製造
することができ、部品の大型化、一体成形化を図ること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は引張強さと伸びの関係を示したグラフで
ある。
【図2】図2はサイクル数と最大孔食深さの関係を示し
たグラフである。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  C:0.005 超〜0.03 wt
     %、Si:1.5 wt%以下、Mn:2.0 wt
    %以下、P:0.03〜0.15wt%、S:0.05
    wt%以下、Al:0.01〜0.15wt%、N:0
    .01wt%以下を含み、かつ、Ti:0.01〜0.
    2 wt%、Nb:0.001 〜0.2 wt%およ
    びB:0.0001〜0.003 wt%のうちから選
    ばれる1種又は2種以上を含有し、残部Feおよび不可
    避的不純物よりなる鋼を、熱間圧延後、30%以上の圧
    下率で1次冷間圧延を施した後700 ℃〜Ac3 変
    態点の温度範囲にて中間焼鈍を施し、引き続き30%以
    上の圧下率でかつ全圧下率が78%以上になる2次冷間
    圧延を施し、しかる後700 ℃〜Ac3 変態点の温
    度範囲にて最終焼鈍を施すことを特徴とする、深絞り用
    高張力冷延鋼板の製造方法。
  2. 【請求項2】  C:0.005 wt%以下、Si:
    0.1 超〜1.5 wt%、Mn:2.0 wt%以
    下、P:0.03〜0.15wt%、S:0.05wt
    %以下、Al:0.01〜0.15wt%、N:0.0
    1wt%以下を含み、かつ Ti :0.01〜0.2
     wt%、Nb:0.001 〜0.2 wt%および
    B:0.0001〜0.003 wt%のうちから選ば
    れる1種又は2種以上を含有し、残部Feおよび不可避
    的不純物よりなる鋼を、熱間圧延後30%以上の圧下率
    で1次冷間圧延を施した後700 ℃〜Ac3 変態点
    の温度範囲にて中間焼鈍を施し、引き続き30%以上の
    圧下率でかつ全圧下率が78%以上になる2次冷間圧延
    を施し、しかる後700℃〜Ac3 変態点の温度範囲
    にて最終焼鈍を施すことを特徴とする、深絞り用高張力
    冷延鋼板の製造方法。
  3. 【請求項3】  C:0.03 wt %以下、Si:
    1.5 wt%以下、Mn:2.0 wt%以下、P:
    0.03〜0.15wt%、S:0.05wt%以下、
    Al:0.01〜0.15wt%、Cu:0.10〜1
    .5 wt%、N:0.01wt%以下を含み、かつ、
    Ti:0.01〜0.2 wt%、Nb:0.001 
    〜0.2 wt%およびB:0.0001〜0.003
     wt%  のうちから選ばれる1種又は2種以上を含
    有し、残部Feおよび不可避的不純物よりなる鋼を、熱
    間圧延後30%以上の圧下率で1次冷間圧延を施した後
    700 ℃〜Ac3 変態点の温度範囲にて中間焼鈍を
    施し、引き続き30%以上の圧下率でかつ全圧下率が7
    8%以上になる2次冷間圧延を施し、しかる後700 
    ℃〜Ac3 変態点の温度範囲にて最終焼鈍を施すこと
    を特徴とする、深絞り用高張力冷延鋼板の製造方法。
  4. 【請求項4】    請求項1、2、又は3の鋼成分中
    に、Ni:0.01〜1.5 wt%、Cr:0.05
    〜1.5 wt%およびMo:0.001 〜0.5 
    wt%のうちから選ばれる1種又は2種以上を含むこと
    を特徴とする、超深絞り用高張力冷延鋼板の製造方法。
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