JPH042849B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は家庭用のガス小型瞬間湯沸器の操作機
構に関するものである。

従来の技術 小型瞬間湯沸器を扱う時はガス栓を開いてパイ
ロツトバーナに点火し次に止水栓を開いて通水す
ることによつて出湯するが、台所では頻繁に出湯
と停止を繰り返すので扱いを容易にするための工
夫が行われている。第５図は止水栓の操作を回転
から押圧操作にした例である。（例えば実開昭59
−37941号公報）ここで、水栓１はダイヤフラム
２を有し、そのダイヤフラム２は入口水路３に面
した小孔４と出口水路５に面した制御孔６が形成
されており、制御孔６を開閉する弁軸７が操作杆
８で動かされる。又、９はケースの下部前面に位
置した水栓ボタンである。図のような位置では、
水圧が小孔４を通じてダイヤフラム２の左側の室
へ作用するからダイヤフラム２が通路を閉じてい
る。そして、水栓ボタン９を押圧して弁軸７が左
方へ移動し制御孔６が開かれるとダイヤフラム２
の左側の室の圧力が出口水路５の方へ抜けて低下
するからダイヤフラム２は左方へ移動して通水さ
れるようになる。すなわち、制御孔６の開閉のみ
によつて主通水路の開閉を行うパイロツト弁方式
を採用したもので、水栓を回すために必要な操作
部をにぎる動作を不用とすることによつて操作の
容易化を図つている。尚、ガス栓１０は点火つま
み１１で回動するもであり、ガス弁１２は水圧応
動部１３で駆動される従来公知のものである。
又、１４は主バーナ、１５は熱交換器である。

この従来例では、水栓操作が押圧操作となつて
容易になつているが、ガス栓の方の操作は従来通
りの回動操作を必要とするものであつた。この他
に、ガス栓と水栓を同時に開栓と停止が可能にな
るように、各種の連動機構を駆使した従来例もあ
るが、操作のための力が大きくなつて必ずしも容
易な操作と言えるものではない。又、複雑な機構
は単に製作上のわずらわしさを招くのみでなく故
障の原因になるものであつた。

発明が解決しようとする問題点 本発明ではひとつの操作でガス栓と水栓の開閉
が同時に行えると共に、そのための機構を複雑化
することなく達成しようとするもので、特に止水
性能の経年変化を容易に補正できる構成を得るこ
とを主目的としている。

問題点を解決するための手段 前記問題点を解決するために本発明では、通水
入口部に位置しモータの正逆回転で開閉駆動する
水栓と、点火動作を行う点火操作部と連動したモ
ータの正逆始動スイツチと、この正逆始動スイツ
チと直列接続されてモータを停止させる停止スイ
ツチと、水栓の開及び閉位置に於て停止スイツチ
を働かせるとカムと、水栓の動作軸とカムの相対
位置を変えられる位置変更機構とをガス瞬間湯沸
器のガス及び水の制御機構として適用した。

作 用 前記の構成手段であるから、点火操作部を手動
操作で始動させると、ガス弁を開いて点火器が始
動し燃焼を始めると同時に、正逆始動スイツチが
開方向にオンされてモータが水栓を開ける方向に
回転し通水が始まる。そして、水栓と連動したカ
ムがある位置まで来ると停止スイツチをオフして
モータはその位置で止まり通水は継続し出湯して
いる。次に、点火操作部で停止操作を行うとガス
弁が閉じると同時に正逆始動スイツチが閉方向に
オンされてモータは水栓を閉じる方向に回転す
る。そして閉栓位置まで来るとカムが停止スイツ
チを働かせてモータは停止し湯沸器は完全に停止
する。この動作を繰り返すもので操作は点火操作
部に対してのみ行えば良い。又、水栓とカムの相
対位置が変えられるので、特に止水位置で正しく
モータを停止させるよう微調整が可能である。

実施例 次に本発明を第１図から第３図に示した実施例
に基いて詳しく説明する。第１図において給水口
１６の下流に水栓１７が位置しその動作軸１８は
リンク機構１９によつてモータ２０の出力軸２１
と連結されている。水栓１７の下流は水圧応動部
２２と熱交換器２３が接続されて出湯口２４へ至
る。一方、ガス回路はガス入口２５からパイロツ
ト安全弁２６と主弁２７と前記水圧応動部２２で
駆動される水圧応動弁２８を通過してバーナヘツ
ド２９につながる。３０はメインバーナで、３１
は主弁２７の下流から分岐したパイロツトバーナ
である。次に点火操作部３２では、始動ボタン３
３の押圧によつてパイロツト安全弁２６と主弁２
７を開くと共に点火スイツチ３４をオンして図示
していない点火器を始動させてパイロツトバーナ
３１に点火する。この時、同時に正逆始動スイツ
チ３５が水栓１７を開く方向にモータ２０への通
電極性を切換えている。そして始動ボタン３３を
離すとスライドカム３６によつて主弁２７のみが
開位置に保持される。パイロツト安全弁２６はパ
イロツトバーナ３１が点火しておれば自己開弁保
持しており、前記正逆始動スイツチ３５も開方向
通電極性を自己保持している。次に、停止ボタン
３７を押圧するとスライドカム３６を移動させて
始動ボタン３３を解除し主弁２７を閉じると共に
正逆始動スイツチ３５をも操作してモータ２０へ
の通電極性を閉栓方向に切換えることになる。こ
れら始動ボタン３３、点火スイツチ３４、停止ボ
タン３７、スライドカム３６などで点火操作部が
形成されている。

さて、水栓１７の動作軸１８に固定された腕木
３８とモータ２０の出力軸２１に固定された腕木
３９は第３図のように一対の連結杆４０で結合さ
れてリンク機構１９を形成している。前記腕木３
８の端面は細かな歯車状の凹凸面が形成されてお
り、この凹凸面にかみ合う同じ凹凸面を端面に持
つカム４１が同軸上に配置され、これら凹凸面と
凹凸面どうしを押圧するスプリングによつて位置
変更機構４２が構成されている。カム４１は凹凸
面を通じて動作軸１８と一体で回転する。カム４
１にはモータ２０の停止スイツチ４３が臨むカム
穴４４が形成され、その穴の端面４５ａ及び４５
ｂが前記停止スイツチ４３を働かせている。停止
スイツチ４３は開栓動作した時に全開位置でモー
タ２０を停止させる開栓スイツチ４６と閉栓動作
した時に完全閉止位置でモータ２０を停止させる
閉栓スイツチ４７とで構成されている。カム４１
はその外径の一部を湯沸器の器体ケース４８に設
けた切欠部４９から臨ましており、カム４１を手
で回すことが可能となつている。

正逆始動スイツチ３５と停止スイツチ４３とモ
ータ２０は電池５０に対して第２図のように結線
される。第２図は第３図Ａ，Ｂと対応しており水
栓１７が全開して停止した状態である。正逆始動
スイツチ３５には２ケのスイツチ５１と５２を内
蔵し始動ボタン３３を押圧すると端子５３と５４
側となり、停止ボタン３７を押圧すると端子５５
と５６側に切換わる。図は、モータ２０が開栓動
作して第３図において反時計方向へ回り、カム穴
４４の端面４５ａが開栓スイツチ４６をオフした
状態である。この時、閉栓スイツチ４７はオン状
態にある。従つて、停止ボタン３７を押して正逆
始動スイツチ３５が端子５５及び５６と接続する
とモータ２０は逆極性に通電されて閉栓方向つま
り第３図の時計方向へ回転する。そして完全に閉
じた位置まで来るとカム穴４４の端面４５ｂが閉
栓スイツチ４７をオフしてモータ２０は停止す
る。この時すでに開栓スイツチ４６はオン状態に
戻つていて次の開栓に備えている。これが第３図
Ｃ，Ｄの位置である。

ところで、水栓１７の止水パツキンは回を重ね
て使用すると永久歪が生じてくるため初期の動作
軸位置のままでは完全に止水できない場合があ
る。この時は、第３図Ｄの状態からカム４１を器
体ケース４８の外から手で反時計方向へ回す力を
加えてやると、腕木３８とカム４１の凹凸かみ合
い位置がひと山ぶんだけずれて閉栓スイツチ４７
が再びオンする。従つて、モータ２０は再度閉栓
方向に回転し完全に止水すると共に再び閉栓スイ
ツチ４７をオフして停止する。これが第３図Ｅ，
Ｆに示されている。このように、水栓１７の動作
軸１８とカム４１の相対位置を可変とすることに
よつてパツキンの歪による止水不完全を容易に解
消できる構造になつている。第１図のように、リ
ンク機構１９で動作軸１８と出力軸２１を結合す
る方法は、両軸を平行して設けられるので水栓１
７とモータ２０を直列に積重ねた寸法を確保する
必要がなく機器の寸法短縮に有利であるばかりで
なく、位置変更機構４２の構成を容易にしてい
る。

次に、位置変更機構４２の他の実施例を第４図
に示した。これは動作軸１８と直結した腕木３８
の端面とカム４１の端面の向かい合う位置にクラ
ツチ材料のような摩擦板５７を設けたものであ
る。通常の動作は第１図の実施例と全く同様であ
るが、第１図のような凹凸面でのかみ合いではな
いから微小な位置調節が必要な比較的硬いパツキ
ンゴムを用いる水栓１７に適した構造と言える。

これらの実施例ではカム４１の外形を円形とし
てその一部を器体ケース４８の外部へ臨ませるの
で特別なツマミ類を設けることなく水栓１７とカ
ムの相対位置調節が可能となる構成の簡易さがあ
る。

発明の効果 以上述べたように本発明ではモータの正逆回転
で開閉する水栓を有し、その正逆始動スイツチを
ガスの点火操作部と連動させ、モータを止める停
止スイツチを動作させるカムとこのカムを連動す
る水栓の動作軸の相対位置を可変とした構成であ
るから、始動又は停止操作のみでガスと水の両方
を始動・停止させられる簡便さはもちろん、止水
パツキンの使用に伴う変形を容易に修正して止水
性能の劣化を回復させることが出来る。又、位置
変更機構は単にパツキン劣化の補正のみでなく、
製造時に各部品の寸法バラツキを吸収して正しく
開栓閉栓ができる状態に調節する場合にも利用で
きるものがある。特に、カムには停止スイツチを
オンオフする程度の力しか加わらないので位置変
更機構の凹凸面や摩擦面が小さなもので十分なト
ルクが得られる。

このようなモータで水栓を開閉する瞬間湯沸器
は消化してから完全止水まで少し時間遅れがある
が、後沸きが少くなる効果とウオータハンマを低
減する効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例のガス瞬間湯沸器を
示す部分断面図、第２図は同モータ駆動部の回路
図、第３図Ａ，Ｂ，Ｃ，Ｄ，Ｅ，Ｆは同リンク機
構とカムの動作状態を示した外観図、第４図は本
発明の他の実施例における位置変更機構の断面
図、第５図は従来例の部分断面図である。 １７……水栓、１８……動作軸、２０……モー
タ、３２……点火操作部、３５……正逆始動スイ
ツチ、４１……カム、４２……位置変更機構、４
３……停止スイツチ、４８……器体ケース、５７
……摩擦板（摩擦摺動部）。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 通水入口部に位置しモータの正逆回転によつ
   て開閉駆動される水栓と、ガス弁を開閉し点火器
   と連動する点火操作部と、前記点火操作部と連動
   するモータの正逆始動スイツチと、前記正逆始動
   スイツチと接続されモータを停止させる停止スイ
   ツチと、前記水栓の動作軸と連動し、かつ水栓の
   開及び閉位置で前記停止スイツチを作動させるカ
   ムと、前記動作軸と前記カムの相対位置を変更で
   きる位置変更機構とを有するガス瞬間湯沸器。 ２ 位置変更機構が、水栓の動作軸とカムの間に
   設けられた摩擦摺動部によつて構成されている特
   許請求の範囲第１項記載のガス瞬間湯沸器。 ３ カムが器体ケース外部から操作できる特許請
   求の範囲第１項記載のガス瞬間湯沸器。