JPH0428439Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は排水構造を備えた低温シヨーケースに
関するものである。

（従来の技術） 従来、ケース本体の上面に先端側が下方に位置
するよう傾斜したガラス扉を設けた低温シヨーケ
ースにおいて、該ガラス扉の先端側下方に該ガラ
ス扉の結露水を受ける露受け板を設けた低温シヨ
ーケースが知られている。

この低温シヨーケースによれば、ガラス扉に付
着した結露水はガラス扉の先端に形成された排水
口から露受け板に滴下され、この露受け板を介し
て外部に排水される。

（考案が解決しようとする問題点） しかしながら、前記従来の低温シヨーケースで
は、この露受け板全体がケース本体の外の外気や
ケース本体の内気に開放されているため、この露
受け板に流下した結露水がケース本体内の冷気や
外気に影響され、この露受け板で氷結し、結露水
の排水不良を起こすという問題点を有していた。
特に、外気温度が著しく低下する冬季においては
このような事態が頻繁に起き、メンテナンスの回
数が非常に多くなるという問題点を有していた。

本考案の目的は前記従来の問題点に鑑み、ガラ
ス扉から流下した結露水が氷結を確実に防止し、
また、その排水構造も簡単な低温シヨーケースを
提供することにある。

（問題点を解決するための手段） 本考案は前記目的を達成するため、ケース本体
内に商品収納箱を配置し、該ケース本体と該商品
収納箱との間に冷却空気が循環する冷風通路を形
成するとともに、該ケース本体の上面に形成され
た商品取出し口の閉鎖時に先端側が下方に位置す
るよう傾斜したガラス扉を設け、該ケース本体の
上端には該ガラス扉の先端側を支持するフロント
キヤツプを設けた低温シヨーケースにおいて、前
記フロントキヤツプにおける前記ガラス扉の支持
面を該ガラス扉の閉鎖時の傾斜に沿つて形成する
とともに、該支持面の下方には該フロントキヤツ
プの下面を覆い露受け空間を構成するよう露受け
板を配置し、該露受け板の下方近傍には前記ケー
ス本体内を照明する照明ランプを配設し、該支持
面の下端側には該露受け板に臨む第１の排水口を
設け、該露受け板には前記冷風通路に臨む第２の
排水口を設けたことを特徴とする。

（作用） 本考案によれば、ガラス扉から流下した結露水
はフロントキヤツプの支持面を流れて速やかに第
１の排水口に至り、この排水口を介して露受け空
間に流下する。

このとき、この露受け空間がフロントキヤツプ
及び露受け板により閉鎖されているため、外気温
度及びケース本体内の温度に大きく影響されるこ
とがないし、また、この露受け板が照明ランプの
熱線により加温されいるため、露受け空間内の結
露水が氷結することがない。

このように露受け空間に貯溜された結露水は第
２の排水口を通じて冷風通路内に滴下され排水さ
れる。

（実施例） 第１図及び第２図は本考案に係る低温シヨーケ
ースの第１の実施例を示すもので、１は上面の中
央側から前面上部に亘つて開口したケース本体、
２は該ケース本体１の該開口部に取付けられたハ
ツチ式ガラス扉（以下扉という）で、複層ガラス
にて形成されるとともに、その先端側が下方に位
置するよう傾斜して設けている。３はフロントキ
ヤツプで、該ケース本体１の前面側上部に設けら
れている。４は上部を開口した商品収納箱で、該
ケース本体１内に所定間隙をおいて設置してお
り、この間隙に冷風空間４ａを形成している。

前記ケース本体１内の前記商品収納箱４と該ケ
ース本体１の底壁１ａとの間の冷風空間には蒸発
器用送風機５を、該商品収納箱４と該ケース本体
１の後壁１ｂとの間の冷風空間４ａには蒸発器６
をそれぞれ設け、該商品収納箱４の前面側の上端
（仕切りガラス７の先端）と前記フロントキヤツ
プ３との間（吸入口８）から該商品収納箱４の空
気を吸入し、該蒸発器６を介して該商品収納箱４
内に冷気を強制循環するようになつている。ま
た、前記ケース本体１の下方には圧縮機９、凝縮
器用送風機１０及び凝縮器１１を設置した機械室
１２を設けている。更に、該ケース本体１の底壁
１ａには該機械室１２に突出したドレン排出筒１
３を設け、該ケース本体１内のドレンを該ケース
本体１外に排水するようになつている。

前記扉２は、第２図にも示すように、直方体形
状のマグネツトパツキン２ａと、ガラス板２ｂ
と、該ガラス板２ｂの周囲を囲む扉枠２ｃと、該
扉枠２ｃの先端側上面に取付けた取手２ｄとを有
し、該扉枠２ｂの先端側下面に該マグネツトパツ
キン２ａを取付けている。

前記フロントキヤツプ３は、第２図にも示すよ
うに、磁性体板１４にて形成され、該磁性体板１
４は上下方向に延びる第１の垂直片１４ａと、該
第１の垂直片１４ａの上端から前記扉２に沿つて
斜め下方に向かつて延びる傾斜片１４ｂと、該傾
斜片１４ｂの下端から上方に延びる第２の垂直片
１４ｃと、該第２の垂直片１４ｃの上端から前方
に延びる水平片１４ｄと、該水平片１４ｄの先端
から下方に延びる第３の垂直片１４ｅとからな
り、該傾斜片１４ｂと該第２の垂直片１４ｃとの
連結部分には第１の排水口１７ａを設けている。
また、該傾斜片１４ｂの上面は前記扉２の閉鎖時
における傾斜に沿つて形成され、この扉２の支持
面３ａを構成し、前記マグネツトパツキン２ａの
下面が当接するようになつている。

１５は露受け板で、この露受け板１５は上下方
向に延びる第１の垂直片１５ａと、該第１の垂直
片１５ａの上端から前方に向かつて延びる水平片
１５ｂと、該水平片１５ｂの先端から上方に延び
る第２の垂直片１５ｃとからなり、該第１の垂直
片１５ａは前記磁性体１４の第１の垂直片１４ａ
に、第２の垂直片１５ｃは水平片１４ｄにそれぞ
れ固着されている。

このようにフロントキヤツプ３の下方を露受け
板１５で覆うことにより、このフロントキヤツプ
３と露受け板１５との間に露受け空間１５ｄを形
成している。

また、該水平片１５ｂの後端寄りで前記吸入口
８の内側（冷風空間４ａ）に臨む部分には第２の
排水口１７ｂを設け、また、該第２の垂直片１５
ｃと前記磁性体板１４の各片１４ｄ，１４ｅとの
間には断熱材１６を介在している。

１８は前記ケース本体１の前面側上端と前記フ
ロントキヤツプ３の前記断熱材１６との間に介装
した前面ガラス、１９はケース本体１内を照明す
る蛍光灯で、露受け板１５の下方近傍に配設さ
れ、この蛍光灯１９の光線が該露受け板１５に照
射されるようになつている。

本実施例によれば、傾斜した前記扉２に沿つて
前記フロントキヤツプ３の傾斜片１４ｂを形成し
たから、該傾斜片１４ｂの支持面３ａは該扉２の
前記マグネツトパツキン２ａの下面と平行とな
り、該扉２を閉じたときは、前記マグネツトパツ
キン２ａの下面全体が該支持面３ａに吸着する。
これにより、該扉２の閉鎖時において該マグネツ
トパツキン２ａと該支持面３ａとの間から外気が
前記商品収納箱４内に侵入したり、或いは、該ケ
ース本体１内の冷気が外部に洩れたりすることが
ないし、また、該扉２の確実な閉鎖が確保され
る。

また、前記扉２の上面に生じた結露水Ａは前記
フロントキヤツプ３の前記傾斜片１４ｂ上に流下
し、更に、前記第１の排水口１７ａから前記露受
け空間１５ｄ内に滴下する。この滴下した結露水
Ａは前記第２の排水口１７ｂを介して前記仕切り
ガラス７と前記前面ガラス１８との間の冷風空間
４ａに滴下する。該滴下した結露水Ａは前記ケー
ス本体１の底壁１ａ上に落下し、前記ドレン排水
筒１３に流入し、図示しない排水タンクに排水さ
れる。

このような結露水Ａの排水行程において、前記
ケース本体１内の冷気や冬季等の如き低温の外気
に起因する結露水Ａの氷結を防止するためには、
フロントキヤツプ３上に流下した結露水Ａが速や
かに前記露受け板１５に排水されること、及び、
露受け板１５内に排水された結露水Ａの冷却を最
小限とすることを要する。

ここで、本実施例においては、前記フロントキ
ヤツプ３の支持面３ａが扉２の傾斜に沿つて形成
され、前記第１の排水口１７ａがその下端側に形
成されているため、フロントキヤツプ３上に流下
した結露水Ａが速やかに露受け板１５に排水され
ることとなる。

また、前記ケース本体１内を照明する蛍光灯１
９が前記露受け板１５の下方近傍に位置すること
から、この露受け板１５が蛍光灯１９から照明さ
れる熱線により加温されるし、また、露受け空間
１５ｄがケース本体１の外気及びケース本体１内
の冷気とフロントキヤツプ３及び露受け板１５に
より遮断されているため、内部冷気及び外気の影
響を極力避けている。これにより、露受け空間１
５ａに滴下した結露水Ａに対するケース本体１内
の冷気や低温の外気による冷却作用を小さくする
ことができる。このように、本実施例によれば、
結露水の氷結を防止するという効果を有する。

更に、本実施例では第２の排水口１７ｂは冷風
空間４ａ内に臨んでおり、結露水Ａは冷風空間４
ａのドレン排水系で排水され、特別に結露水Ａ用
の排水系を用意することを必要とせず、その排水
構造も簡単なものとなつている。

第３図は本考案に係る低温シヨーケースの第２
の実施例を示すもので、前記フロントキヤツプ３
の傾斜片１４ｂと第２の垂直片１４ｃとの間に溝
２０の設け、該溝２０に前記第１の排水口１７ａ
を設けたものである。かかる実施例によつても、
前記第１の実施例と同様の作用効果を得ることが
できる。

（考案の効果） 以上説明したように、本考案によれば、ガラス
扉の閉鎖時におけるフロントキヤツプとガラス扉
との接触面積が大きくなり、冷気洩れ或いは外気
の該ケース本体内への流入を防止することができ
るという利点を有する。

また、ガラス扉から流下した結露水はフロント
キヤツプの支持面を流れて速やかに露受け空間に
排水されるし、また、この露受け空間は照明ラン
プの熱線により加温され、かつ、ケース本体内の
冷気及びケース本体外の外気との間で遮断されて
いるため、結露水がケース本体内の冷気や低温の
外気により氷結することがなく、結露水の円滑な
排水が実現される。

更に、露受け空間はフロントキヤツプと露受け
板により覆われているため、この露受け空間に貯
溜した結露水が外部から視認されることがなく、
シヨーケースの見栄えを更に向上させる。

更にまた、露受け空間から排出される結露水は
冷風空間を介して排水されるため、この結露水の
ために別個の排水構造を構成することを必要とせ
ず、構造簡単なものとなつている。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は本考案の第１の実施例を示
すもので、第１図は低温シヨーケースの断面図、
第２図は要部を示す断面図、第３図は第２の実施
例の要部を示す断面図である。 図中、１……ケース本体、２……ガラス扉、３
……フロントキヤツプ、３ａ……支持面、１５…
…露受け板、１７ａ……第１の排水口、１９……
蛍光灯。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 ケース本体内に商品収納箱を配置し、該ケース
   本体と該商品収納箱との間に冷却空気が循環する
   冷風通路を形成するとともに、該ケース本体の上
   面に形成された商品取出し口の閉鎖時に先端側が
   下方に位置するよう傾斜したガラス扉を設け、該
   ケース本体の上端には該ガラス扉の先端側を支持
   するフロントキヤツプを設けた低温シヨーケース
   において、 前記フロントキヤツプにおける前記ガラス扉の
   支持面を該ガラス扉の閉鎖時の傾斜に沿つて形成
   するとともに、該支持面の下方には該フロントキ
   ヤツプの下面を覆い露受け空間を構成するよう露
   受け板を配置し、該露受け板の下方近傍には前記
   ケース本体内を照明する照明ランプを配設し、該
   支持面の下端側には該露受け板に臨む第１の排水
   口を設け、該露受け板には前記冷風通路に臨む第
   ２の排水口を設けた ことを特徴とする低温シヨーケース。