JPH0428425Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案はクツシヨン体、特に車輌等におけるシ
ートの背もたれ部分に用いられるクツシヨン体の
改良に関する。

〔従来の技術〕

従来、この種のクツシヨン体として第３図に示
すものが製造されている。同図において、１は背
当て部である。該背当て部１の下縁を除く縁部に
は、裏面側に向けて略垂直に側部２が立設されて
いる。また、この側部２の先端からは前記背当て
部１の裏面に対して略平行に、内側に向けて鰭部
３が延設されている。従つて、鰭部３は下端部が
開いた馬蹄形になつている。そして、上記のクツ
シヨン体はポリウレタンフオーム等のモールド成
形可能な発泡体を用いて一体成形により製造され
ている。

このクツシヨン体は、第４図に示すように複数
のバネ４が張設されたフレーム５を、バネ４が背
当て部１の裏面に当接するようにして内部に装着
し、更にその上にレザー等の表面材（図示せず）
を張つた状態で車輌用シートの背もたれ部分とし
て用いられる。

上記のクツシヨン体において、上端の鰭部Ａ
は、車輌が急ブレーキをかけた場合等において、
後部座席に座つている人が頭をぶつけたときに怪
我を防止するためのクツシヨンとして作用する。

〔考案が解決しようとする問題点〕

ところで、例えば急ブレーキをかけた場合等に
おいては、後部座席の人は前座席の背もたれ部に
頭だけでなく足を激しく衝突させることになる。
しかし、従来のクツシヨン体は、第４図および第
５図から明らかなように、後部座席の人の足部を
保護できる構造にはなつていない。

そこで、本考案は上記のような場合に、後部座
席に座つている人の頭だけでなく足部も保護され
得るようなクツシヨン体を提供しようとするもの
である。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案では、従来のクツシヨン体において下端
部で開いている鰭部３を、ウレタンフオーム等の
弾性発泡体で連結することとした。即ち、本考案
によるクツシヨン体は、背当て部の下端部に側部
が存在しない点で従来のクツシヨン体と同様であ
るが、その上に連続した鰭部が設けられている点
で従来のクツシヨン体とは相違する。

なお、前記クツシヨン体の下端部において両側
から延設された鰭部を連結する軟質発泡体は、鰭
部と共にクツシヨン体製造の際に一体に発泡成形
してもよく、また別途ポリウレタンフオーム等の
軟質発泡体シートを貼り付けてもよい。

〔作用〕

上記構成からなる本考案のクツシヨン体は、こ
れをフレームに装着して車輌用シートに使用した
際、上端部裏面が鰭部で覆われると共に、下端部
裏面も前記軟質発泡体で覆われることになる。従
つて、急ブレーキ等で後の座席に座つている人が
前のシートの背もたれ部にぶつかつた場合、頭部
が前記鰭部で保護されるだけでなく、足部も前記
軟質発泡体により保護される。

また、クツシヨン体の下端部において鰭部が前
記軟質発泡体で連結されているから、アセンブリ
ーした状態で鰭部の浮上りが防止され、フレーム
を確実に保持することができる。

〔実施例〕

第１図は本考案の一実施例になるクツシヨン体
の斜視図である。同図において、第３図と同じ部
分には同一の参照番号を付してある。即ち、１は
背当て部、２は側部、３は鰭部である。第４図と
比較すれば明らかなように、この実施例では背当
て部の下端部において、その両側の側部から延設
された鰭部が軟質発泡体部分Ｂで連結されてい
る。それ以外は第４図の従来例と同じである。な
お、この実施例のクツシヨン体は、軟質ポリウレ
タンフオームのモールド発泡により全体が一体成
形により製造されている。

上記実施例になるクツシヨン体は、下端部で両
側の鰭部３を連結している軟質発泡体Ｂが後部座
席に座つている人の足を保護する。従つて、もし
急ブレーキ等でぶつかつたとしても、頭が上端の
鰭部Ａで保護されると同時に、足部は軟質発泡体
部分Ｂで保護されるから、怪我を防止する上で極
めて有用である。

第２図は、本考案の他の実施例になるクツシヨ
ン体の斜視図である。この実施例では、クツシヨ
ン体の下端部において両側の鰭部を連結する軟質
発泡体部分Ｂが前方に張出して形成されている。
しかし、その他の構成は全て第１図の実施例と同
じであり、同様の作用効果を奏する。

第３図は、本考案の更に別の実施例を示す斜視
図である。図示のように、この実施例では鰭部３
が斜め上向きに延設されている。従つて、クツシ
ヨン体下端部の開孔部形状は略台形になつている
が、それ以外の構成は第１図の実施例と同じであ
る。この実施例では第１図の実施例と同様の作用
効果が得られる外、下端開孔部が台形であるた
め、アセンブリーの際にフレーム５を装着し易い
利点が得られる。

〔考案の効果〕

以上詳述したように、本考案によるクツシヨン
体は、後部座席に座つている人の頭だけでなく足
部も保護することができ、またアセンブリーした
際に確実にフレームを保持できる等、顕著な効果
が得られるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図、第２図および第３図は、夫々本考案に
よるクツシヨン体の実施例を示す斜視図、第４図
は従来のクツシヨン体を示す図であり、第５図は
これにフレームを装着してアセンブリーした状態
を示す斜視図である。 １……背当て部、２……側部、３……鰭部、４
……バネ、５……フレーム、Ａ……頭保護部、Ｂ
……足保護部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 背当て部の下端を除く縁部に、該背当て部の裏
   面側に向けて側部を立設すると共に、該側部の先
   端から内側に向けて前記背当て部に略平行な鰭部
   を延設した一体成形の軟質発泡体からなるクツシ
   ヨン体において、クツシヨン体の下端部では両側
   の側部から延設された前記鰭部が軟質発泡体で連
   結されていることを特徴とするクツシヨン体。