JPH0428374A - 複合インプラント - Google Patents

複合インプラント

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JPH0428374A
JPH0428374A JP2131191A JP13119190A JPH0428374A JP H0428374 A JPH0428374 A JP H0428374A JP 2131191 A JP2131191 A JP 2131191A JP 13119190 A JP13119190 A JP 13119190A JP H0428374 A JPH0428374 A JP H0428374A
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implant
strength
ceramics
base material
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JP2131191A
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Tooru Nonami
亨 野浪
Hiroyasu Noma
野間 弘康
Shinya Nakajima
信也 中島
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、新規な複合インプラントに関するものである
。さらに詳しくいえば、本発明は、高い強度及び良好な
耐酸性を有し、かつ優れた生体活性を示し、人工骨、人
工歯根、人工関節などの生体硬組織代替材として好適な
非リン酸カルシウム系インプラントに関するものである
従来の技術 これまで、人工骨、人工歯根、人工関節などの生体硬組
織代替材としては、ステンレス鋼、金属チタン、ニッケ
ルーコバル]・合金などの金属類やアルミナ、ジルコニ
アなどのセラミックスが用いられてきた。しかしながら
、これらは生体組織と同化する性質、特に骨と直接癒着
する生体活性を有しないため、生体親和性、治癒の早さ
か十分とは言えなかった。また、役割が終了したのちは
不用異物として体内に残留し、除去するためには摘出の
ための手術を行わなけれはならない場合もあっIこ。
これに対し、骨や歯の組成と類似したリン酸力ルンウム
系材料は、生体内において、経時的に同化し漸次生体組
織と直接結合するので、体内に残留させたままでも、特
に摘出手術を行う必要がないため、最近はアパタイト、
リン酸三カルシウム、バイオガラスなどを主体としたリ
ン酸カルシウム系セラミックスが、生体活性インプラン
ト材料トしてτ主1されるようになってきIこ。しかし
ながら、これらのリン酸カルシウム系セラミックスは、
ステンレス鋼、金属チタンのような金属やアルミナ、ジ
ルコニアのような金属酸化物系セラミックスに比べ、機
械的強度が低いため、適用範囲か著しく制限されるとい
う欠点があった。このような欠点を改善するために、リ
ン酸カルシウム化合物に、アルミナ、ンリカ、その他の
金属酸化物を配合した焼結体(特公昭57−40803
号公報)、β−リン酸三カルシウム結晶(β−TCP)
とアバルタイト結晶どジオブザイド結晶から成る高強度
結晶化ガラス(特開昭61−197446号公報)、リ
ン酸カルシウム生成成分にマグネシャ及びシリカのよう
な強化成分を含有させた結晶化ガラス(特開昭63−3
03830号公報)などが提案されている。また更に、
金属性芯材をヒドロキシアパタイトで溶射被覆するイン
プラントの製造方法(特公昭58−39533号公報)
が報告されている。
しかるに、これらの材料はいずれも生体内で生体組織と
同化させるには、骨や歯と同質のリン酸カルシウム系化
合物を基本とする組成でなければならないとの前提に立
つものであり、その組成の選択範囲が限られるため、必
ずしも十分な物性の改善を行うことができなかった。ま
た、β−リン酸三カルシウムは生体内で溶解性を有する
ために十分な同化が行われないうちに崩壊するおそれが
あり、また、リン酸カルシウム化合物にアルミナ、シリ
カ、ジオブザイドのような強化成分を配合焼成したもの
も、β−リン酸三カルシウムに変質することがあるので
、同様な問題を生じる可能性があった。他方、金属等の
芯材にアパタイト等の被覆層を設けたものの場合も芯材
と被覆層の接合強度が十分に得られず剥離等の問題が生
じやすかった。また、芯材自体の強度は高いものの被覆
層自体の強度は、依然低いためワレ、カケ等の問題も生
じる事があった。更に、アパタイトの被覆層を、溶射等
の高温処理により設ける場合は、前記と同様アパタイト
の一部がリン酸三カルシウム(TCP)に変化してしま
うという別の問題も生じた。
発明が解決しようとする課題 本発明は、このような従来のインプラントがもつ欠点を
克服し、高い機械的強度を示すと共に、優れた生体親和
性を有する新規なインプラントを提供することを目的と
してなされたものである。
課題を解決するだめの手段 本発明者らは、生体活性インプラント材料について種々
研究を重ねた結果、CaO及び5102を必須成分とす
るセラミックスの中には体液と接触するとその接触部分
にリン酸カルシウム系化合物を生成し、非リン酸カルシ
ウム系セラミックスであるにもかかわらず、意外にも良
好な生体親和性、特に生体活性を示すことを見い出し、
この知見に基づいて、先に特願平1.−142058号
及び特願平2551213号を出願した。更に本発明者
らは、更なる高強度化を目的に、この材料を高強度芯材
に被覆し、複合化する研究を種々行った。この結果、木
材料は高い生体活性のみならず、複合した場合高い剥離
強度を有することを見い出し、この知見に基づいて本発
明をなすに至った。
すなわち、本発明は、インプラント基材表面に、CaO
1S102及び所望に応しMgOを必須成分とする非リ
ン酸カルシウム系組成を有し、かつリン含有水溶液との
接触によりリン酸カルシウム系化合物を生成しうるセラ
ミックスから成る被覆層を設けたことを特徴とする複合
インプラントを提供するものである。
本発明の複合インプラントは、インプラント基材とそれ
を被覆する非リン酸カルシウム系セラミックスで構成さ
れる。
このインプラント基材は生体に無害で強度に優れたもの
であれば特に制限されず、例えばTiXW。
N1−CrJe−Cr−Al、Ti−Zr、Fe−Ni
−Cr、Mo、Ti−AI−V。
Go−Cr−Mo、T i−Mo、Co−Cr−Ni、
ステンレス鋼5US30431、0 、316なとの金
属、アルミナ、ジルコニア、炭化ケイ素、炭化タングス
テン、ちつ化ケイ素なとのセラミックス、バイオガラス
なとのガラスやプラスデック等が用いられる。中でも純
T1、チタン合金が強度及び安定性の点で好ましい。
また、インプラント基材は全体緻密なものでも、スポン
ジのような多孔質のものでもよく、その表面は平滑でも
良いが、プラス1−、エツチングなどにより粗面化した
ものが、被覆層との剥離強度を高める上で好ましい。特
に、金属材料の場合には、水洗、超音波洗浄等により表
面を清浄化したり、金属表層に酸化膜層か必要な場合な
ど大気中あるいは雰囲気ガス中で熱処理したり、腐食性
物質例えば塩酸、硫酸、硝酸、シュウ酸などで酸化した
りしてもよい。
次に、非リン酸カルシウム系セラミックスは、CaO及
び5i02を必須成分とし、CaOと5i02の割合は
、重量比でl:4ないし6:1、好ましくはl:3ない
し2:lの範囲内である。この範囲を逸脱すると、強度
や生体親和性が低下する。
また、このセラミックスは、全重量に基づき35重量%
以下の範囲、好ましくは8〜35重量%の範囲で、Mg
Oを含有することができる。このMgOを含有させるこ
とにより、一般に焼成温度を低くしつつ骨との癒着性を
向上させることができる。
前記非リン酸カルシウム系セラミックスは、例えば原料
にCaOと5in2との二成分系やCaOと5IO2と
MgOとの三成分系のものを用いて得ることができる。
この二成分系の場合には各成分の割合は原料全量に対し
重量基準テca020−90%、5iO210−80%
の範囲である。また、三成分系の場合には各成分の割合
は原料全量に対し重量基準でCaO1,0〜88%、8
10210〜80%、MgO2〜35%、好ましくはC
a018−47%、810□37〜68%、MgO10
−25%の範囲である。
本発明で被覆層として用いられる非リン酸カルシウム系
セラミックスは、リン含有水溶液、例えば擬似体液又は
体液と接触した場合、その接触面においてリン酸カルシ
ウム系化合物例えばヒドロキシアパタイト(IIAP)
を生成するという点で特徴づけられる。このような特徴
を有することにより、これを被覆層とする本発明の複合
インプラントを生体内に嵌植した場合、生体骨との接触
面に、生体親和性の良好なアモルファスなリン酸カルシ
ウム系化合物が均一かつ迅速に析出し、新生骨の生成を
促進する。しかも、このようにして形成された生体骨と
の結合部は、組成中の成分が傾斜構造を形成し、結晶的
にもインプラントと生体骨の間で連続したものとなって
いるので、非常に強固な結合を生しる。これに対し、従
来のヒドロキシアパタイトやそれを被覆層とする複合イ
ンプラントは、表面にリン酸カルシウム系化合物を析出
することがないので新生骨の生成は不均一で遅くインプ
ラントと初期に接する新生骨が少ないので、結合部は弱
いものとなる。
本発明で被覆層として用いるセラミックスの組成として
は、例えはジオプサイド、ウオラストナイト、ニーライ
ト、ベライト、アーケルマナイト、モンチセライト、ホ
ルステライト、プロI・エンスタタイト、トリジマイト
などの領域を挙げることができるが、好ましいのはジオ
プサイド、ウオラストナイト、ニーライト、ベライト、
アーケルマナイト、モンチセライトであり、中でも特に
1200〜1350°Cという比較的低温で焼成しうる
ジオプサイド領域のもの、ウオラストナイト領域のもの
を主体とするセラミックスは曲げ強度が高く有利である
本発明で被覆層として用いるセラミックスには、前記し
た必須成分の外に、必要に応じ所望の物性をそこなわな
い程度の量、通常は5重量%以下の量の任意成分、例え
ばAQ、203、TiO2、Na2O、K2O、ZnO
,B2O3などを配合することができる。
本発明で被覆層として用いられるセラミックスは、常法
に従い、例えは酸化カルシウム、酸化ケイ素及び場合に
より酸化マグネシウムを、所要の割合で混合し、仮焼し
たのち、この仮焼物を粉砕し、再度焼成することによっ
て得られる。この場合、これらの酸化物の代りに焼成条
件下でこれらの酸化物を生成しうる物質、例えばカルシ
ウム、マグネシウムの炭酸塩、重炭酸塩、水酸化物やケ
イ酸などを用いてもよい。これらの原料は、粉末状、か
粒状のほか、スラリー又は溶液として用いることができ
る。これら個々の成分に対応する原料を用いる代りに、
あらかじめ形成されたジオプ→ノイドCa0・2S10
2・MgOを粉砕して用いることもできる。また、例え
ばジオブザイド領域の組成をもつセラミックスを製造す
る際、酸化カルシウム、酸化マグネシウム及び酸化ケイ
素の供給原料のいずれかを過剰に用いると、ジオブザイ
ド以外のもの、例えばウオラス1−ナイ+、ホルステラ
イト、アーケルマナイト、プロトエンスクタイi・、ト
リジマイト、ベライトなどが副生ずるが、このような混
合物もそのまま用いることができる。
上記セラミックスの好適な製造法の1例について説明す
ると、」1記のようなセラミックス用原料を粉末とし、
ボールミル、振動ミル、自動乳鉢、ミキサー、ジコウサ
ー、サンドミル、泡立て器などの混合機等によりよく混
合したのち、50〜300°Cで10分ないし100時
間乾燥し、次いで500〜1600°C1好ましくは8
00〜1600°Cで10分ないし200時間仮焼きす
る。このようにして得た仮焼物を粉砕し、必要に応じポ
リビニルアルコールのようなバインダーを加えてプレス
法、スリップキャスティング法などで所望の形状に成形
又は造粒したのち、乾燥し、これを800〜1600℃
、好ましくは1100〜1550°Cの範囲の温度で焼
成する。この際の原料粉末の粒度はBETで通常は0.
5m2/g以上、好ましくは1m2/g以上、より好ま
しくは3m2/g以上にする。
また、焼成時間は通常10分ないし20時間である。
また、焼成は常圧で行われるが、必要ならば加圧下で行
うこともできる。この際の圧力は通常10〜3000k
g/ cm2の範囲で選はれる。ここで得られたセラミ
ックスは、更に粉砕し、本発明に用いる被覆材料とする
本発明のインプラントを製造するには、例えば金属基材
等のインプラント基材の表面に複合インプラントの製造
に慣用されている溶射法、溶着法、溶解法、スパッタ法
などの被覆法を施すことによって前記非リン酸カルシウ
ム系セラミックス被覆層を設ける。
インプラント基材はその表面をブラストやエツチングに
より荒らして粗面化するのか好ましい。
ブラスト処理は例えば#20〜#400のスチールショ
ッ1〜で処理する。また、溶射により同種の素材を被覆
させたものでもよい。特に金属基材の場合、表面を酸処
理により酸化してもよい。酸処理は塩酸、硫酸、硝酸、
シュウ酸などの腐食性の無機酸、有機酸を用いそれを塗
布したり、その中に浸漬したりするか、あるいはこれら
の処理に引き続き加熱処理、例えば300〜1000°
Cで1〜2時間加熱すれはよい。
被覆法として用いる溶射法は、通常プラズマやガスが用
いられ、溶射する被覆層材料は粒度#50〜500のも
のが好ましい。粒度が#50未満では溶射時の流動性が
低下するし、また#500を超えるとインブラン]・基
材に被着しにくくなる。本発明の被覆層材料はヒドロキ
シアパタイトに比べ高温にしても変化しにくいのでプラ
ズマを用いるのが好ましい。ヒドロキシアパタイトはプ
ラズマを用いるとリン酸三カルシウムに転化しやすい。
また、溶着法は、被覆層材料として非リン酸力ルンウム
系セラミックスとガラスを水等で混合したペーストを基
材に塗布し、これを焼成して溶着する。焼成温度はガラ
スの軟化温度以上で、通常400°c−1000°Cで
行う。ガラスとしては、例えばシリカ系、ホウ酸塩系、
ケイ酸塩系、ホウケイ酸塩系、リン酸塩系などのものが
挙げられ、特にホウケイ酸塩系ガラスは処理温度が適当
なので好ましい。ガラスの配合量は被覆層材料全量に対
し5〜80重量%、好ましくは15〜60重量%の割合
で配合される。この配合量が5重量%未満では被着性が
低下するし、また80重量%を超えると生体親和性が低
下する。
また、溶解法は、被覆層材料を塩酸、硫酸、硝酸などの
媒体に溶解、飽和させた溶液を用い、これを塗布したり
、この中に浸せきするなどしてインプラント基材に被膜
を施し、加熱するものである。加熱処理は好ましくは3
0°C以上の温度で不活性カス中で行われる。加熱温度
が300°C未満では被着性が低下する。また1000
°Cを超えるとインプラント基材の中で劣化するものか
生じ、使用しうるインプラント基材が制約される。また
スパッタ法による場合は、ターゲットをスパッタリング
装置に取イ」け、一定時間プレスパ/りを行い、次いで
基材を加熱し、本スパッタを行う。プレスパツタ時間は
通常5〜60分、本スパッタは膜厚に応し時間を定める
。加熱温度は20〜500°Cで通常行い、スパッタ後
、100〜1300°Cで熱処理を行う。
本発明のインプラントの被覆層の膜厚は1〜5000μ
m、好ましくは10−200011m、より好ましくは
20〜1000μmか好ましい。この膜厚か1μm未満
では新生骨の生成か不十分であるし、また、5000μ
mを超えると被着強度が低下し、インプラント材料の占
める割合か相対的に減少して機械的強度か低下する。従
来のヒドロキシアパタイトでは高温処理か不可能で被着
強度が弱く、本発明における好ましい厚さにまで被覆し
てもはがれやすくなる。
また、本発明の被覆層の表面粗さは1〜200μmか好
ましく、特に5〜100μmが好ましい。この粗さがl
l1m未満では表面が滑りやすくて骨と結合しにくい上
にアンカー効果が得られにくいし、また200μmを超
えると骨との接触面が少なく、結合速度が遅くなる。
本発明のインプラントにおいては、インプラント基材及
び被覆層の一方あるいは両方が、独立気孔及び連続気孔
を有する多孔質体として形成することもできる。本発明
の複合インプラントを用いて多孔質被覆層を形成する場
合は、従来のリン酸力ルンウム系材と比べ、強度が高い
ために、気孔径、気孔率範囲を比較的自由に選択でき、
高い生体親和性を得ることができる。この多孔質体は、
通常、気孔径5−2000 p rn、好ましくは10
−1000 p rn。
気孔率lO〜80%、好ましくは20〜70%、更に好
ましくは25〜60%を有するものとして形成される。
このものは多孔質セラミックスを製造する際の常法に従
い、原料中に熱分解性物質又は有機質繊維などを混入し
、インプラント基体に塗布し、焼成することによって製
造される。このようにして得られるインプラントの多孔
質被覆層は、通常10MPa以上、多くの場合15MP
a以上の圧縮強度を有する。
発明の効果 本発明の複合インプラントは、十分な強度ならびに耐酸
性を有し、しかもβ−リン酸三カルンウムやヒドロキシ
アパタイトリン酸カルシウム系インプラント材料あるい
はそれらを被覆層とする複合インプラントに比べ骨との
癒着がはるかに迅速に広い面積にわたり進行し、かつ均
一な結合を形成する。
また、被覆層を形成するセラミックスは熱処理してもヒ
ドロキシアパタイトのように他の物質に変化するような
ことはなく、処理温度を高温にできるためインプラント
基材との被着強度が大きく、被覆層の膜厚を厚くでき、
しかも剥離強度も太きい。
また、インプラントに成形しかん植するなとの使用時に
は、生体骨との結合部は低結晶ないしはアモルファス状
であって、しかもその成分が連続した濃度勾配を有して
おり、生体骨に近接するに従って、生体骨に類似した成
分組成のものとなるので、結合性か強固であり、疲労し
にくいなど種々の利点がある。
従って、本発明のインプラント材料は人工骨、人工歯根
、人工関節等の生体硬組織代替材料などに好適に用いら
れる。
実施例 次に、実施例によって本発明をさらに詳細に説明する。
試料の物性等の測定、評価は以下のとおり行った。
剥離性; 試料をモース硬さ4番(CaF2ホタル石)の角部で引
っ掻いた結果を次のような基準で判定評価した。
◎:被覆層の粉がとれない ○:被覆層の粉がとれる △:被覆層にスジかつく ×:被覆層かはがれる ヒドロキシアパタイト生成度; Na”142.Ommol、 K”5.Ommol、M
g”1.5mmol、Ca2+2.5mmol、CI2
148.8mmol、 HCO3−4,2mmol及び
HPO,”1.0mmolを含有する水溶液から成る疑
似体液150m+2を37°Cに保ち、この中へ、試料
を浸せきし、7日後SEMで析出相を観察し、次の評価
基準で判定した。なお、析出相の成分は電子線回折によ
り測定した。
5・・全体にわたって析出 4・・・はぼ全体にわたって析出しているが部分的に析
出していない 3・・・半分程度析出 2・・・わずかに析出 ■・・・はとんど析出しない 0・・・全く析出しない 生体親和性の試験; 体重2.5〜2.872gの雄性成熟家兎の下顎骨に直
径5mm、深さ1.Ommの穴を形成し、これに複合イ
ンプラントを嵌植した。手術後24週間経過後非脱灰研
摩標本を作成し、インプラント材料と新生骨の界面のS
EM像を観察した。
材料例 はじめに、本発明に用いる被覆層材料についてのセラミ
ックス物性(ヒドロキシアパタイト生成度、生体親和性
)を示す。
(1)ヒドロキシアパタイト生成度 材料例1−10、比較材料例1〜5 平均粒径5μmのCaO、MgO及び5i02の粉末を
第1表に示す割合で混合、焼成し、セラミック体を得l
こ。
これより成形された試料(3crn×4 cm×2 c
m)のヒドロキシアパタイト生成度を第1表に示す。
これより、本発明に用いる被覆層材料は、比較材料と異
なりヒドロキンアパタイトを生成することか分かる。
(2)生体親和性 材料例1−10で得た各試料をそれぞれ3 X 4 X
 6mmの寸法のブロックに成形し、これを体重2.5
〜2.8kgの雄性成熟家兎の下顎骨に嵌植し、経過を
観察しlこ。
24週後、いずれの試料においても新生骨と奥床骨とか
一体化し、その境界は判然としなくなった。
また、骨細胞の配列が奥床骨と全く均一になり、奥床骨
との接合部もブロック外面の骨膜側も骨との接合状態に
は全く差が認められなかった。
第1図は、材料例1で得た試料についての12週後のジ
オブザイドと新生骨との接合部分の組成変化を示ずEP
MAのスペクトル図であるが、新生骨とジオブザイドと
の中間層に成分の濃度勾配が形成されていることが分か
る。
第2図は、24週後における当該試料と奥床骨との接合
部の透過電子顕微鏡による高分解能像を示したものであ
るが、これから明らかなように骨細胞の配列がジオブザ
イド側と奥床骨側とで全く同であり、境界はほとんど識
別されない。
次に、前記被覆材料を芯材上に被覆した複合インプラン
トについての実施例を述べる。
実施例1、比較例1 直径5 mm、高さ10mmの円柱状のT1を100メ
ツシユのスチールでプラスl−したのち、アセトンで洗
浄した。このように調製されたインプラント基材に、粒
度150〜250メソシユのデイオプサイドをアルゴン
−水素(5:l)混合ガスを用い電圧60v1電流50
0Aでプラズマ溶射した。このようにして、100μm
厚の強固なデイオプザイド被覆層か形成された複合イン
プラントを得た。これを兎の顎に移植したところ、24
週間経過後被覆層は骨と強固に結合していた。剥離や溶
出は認められなかった。
次に、比較のためディオプサイドに代えてヒドロキシア
バタイ]・を用いたところ、同様に形成された100μ
m厚の被覆層はリン酸三カルシウムを含んでいた。
これを実施例のものと同様にして移植試験を行ったとこ
ろ、ヒドロキシアパタイトは骨と一部結合していたが、
一部は溶出し、剥離していた。
このように本発明の複合インプラントは優れた生体親和
性を有することが分かる。
実施例2〜7、比較例2 Cab、 MgO,Sin□、P2O,の中から選ばれ
た粉末を第2表に示す所定の割合で混合し、乾燥したの
ち、950°Cで5時間仮焼きした。次に、この仮焼物
を粉砕し、バインダーとしてポリビニルアルコール2重
量%を加え、成形又は造粒し、80°Cで5時間乾燥後
、第2表に示す所定の焼成温度で2時間焼成することに
より、原料組成と同組成の第2表に示すセラミックスを
得た。
次いで、これらのセラミックスを粉砕し、粒度150〜
250メツシユの粉体として、実施例1と同様のインプ
ラント基材に実施例1と同様にしてプラズマ溶射した。
このようにして得られた複合インプラントにより、剥離
実験及びHAP生成変成度験を行いその結果を第2表に
示した。
これより、複合インプラントとした場合も第1表と同し
HAP生成性を有し、同様な結果を得られることが確認
された。
更に、剥離強度についても優れることか分かつlこ。
実施例8、比較例3 実施例1と同様のインブラン[・基材に、ディオプサイ
ド粉末(BED 10)とNa2O’B2O35i02
(43ニア:50)カラスと水との混合物(該カラス配
合率25%)を塗布したのち、800°Cで60分間焼
成し、150μm厚の被覆層が形成された複合インプラ
ントを得た。
また、比較のためディオプサイドをHAPに変えたほか
は同様にして、被覆層100μmを有する他の複合イン
プラントを得た。
ただし、この被覆層の一部にはTCPが含まれていた。
これらについて実施例1及び比較例1と同様にして移植
試験を行ったところ、骨との直接癒着部分の大きさの点
で実施例8が優れていた。
実施例9、比較例4 実施例1と同様のインプラント基材を25%fk、酸に
60秒浸せきし、550°Cで120分焼成したのち、
これにディオプサイド2gを30%硝酸水溶液1Orn
(lに溶解した溶液を塗布し、アルゴン中500°Cで
30分焼成した。この操作を4回繰り返したところ、2
00μm厚の強固なディオプサイド被覆層が形成された
複合インブラン]・を得た。
また、ディオプサイドをHA Pに変えたほかは同様に
して被覆層200μmを有する他の複合インプラントを
得た。
これらについて、実施例1及び比較例1と同様にして移
植試験を行ったところ、骨との直接癒着部分の大きさの
点で実施例9が優れていた。
実施例10、比較例5 実施例1と同様のインブラン1−基材を濃塩酸に120
秒浸せきし、さらに水素化ホウ素すトリウムに30秒浸
せきし、600°Cで20分焼成したのち、これにディ
オプサイド2gを20%硝酸水溶液10mQに溶解した
溶液を塗布し、アルゴン中1300°Cで120分焼成
した。この操作を4回繰り返したところ、50μm厚の
強固なディオプサイド被覆層か形成された複合インプラ
ントを得た。
また、比較のためディオプサイドをHAPに変えたほか
は同様にして被覆層50μmを有する他のインプラント
材料を得た。これらは実施例9及び比較例4と同様の特
性を有していた。
実施例11 実施例1と同様のインプラント基材に、ディオプサイド
焼結体のターゲットにより、トータル圧力8.4 X 
10’−5Torr、設定圧力1.OX 10−”To
rr、プレスパツタ30分、本スパッタ90分でスパッ
タリングしたところ、1μm厚のディオプサイド単体被
覆層か形成された複合インプラント材料を得た。これも
同様に優れた生体親和性が得られた。
実施例12、比較例6 1ox toox ]Oh+mのTiを200メツシユ
のスチールでプラストしたのち、アセトンで洗浄し、粒
度200〜300メツシユのディオプサイドを、アルゴ
ン−水素(5:1.)混合ガスを用い、電圧60v1電
流500Aでプラズマ溶射した。その結果3800μの
強固なデイオブザイド被覆層が得られた。硬度4のモー
ス試験で表面の剥がれなどはなかった。
また、比較のため同様にして同じ厚さのHA P被覆層
を形成させたところ、該被覆層はTCPを含有し、硬度
4のモース試験で表面剥離を生じた。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明に用いる被覆材料を動物体内に嵌植し
たときの置床骨との接合部における成分の濃度勾配を示
ずEPMAによる分析グラフ、第2図は前記接合部の結
晶構造の配列を示す透過電子顕微鏡写真である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 インプラント基材表面に、CaO及びSiO_2を
    必須成分とする非リン酸カルシウム系組成を有し、かつ
    リン含有水溶液との接触によりリン酸カルシウム系化合
    物を生成しうるセラミックスから成る被覆層を設けたこ
    とを特徴とする複合インプラント。 2 組成中のCaO及びSiO_2の重量比が1:4な
    いし6:1の範囲にある請求項1記載の複合インプラン
    ト。 3 セラミックスがCaO及びSiO_2の必須成分に
    加えてMgOを含有する請求項1又は2記載の複合イン
    プラント。 4 MgOの含有量が全重量に基づき35重量%を以下
    である請求項3記載の複合インプラント。 5 セラミックスがジオプサイドの組成を有する請求項
    4記載の複合インプラント。 6 被覆層の厚さが1〜5000μmである請求項1〜
    6記載の複合インプラント。
JP2131191A 1989-06-06 1990-05-23 複合インプラント Pending JPH0428374A (ja)

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EP90110716A EP0401793B1 (en) 1989-06-06 1990-06-06 Use of ceramic materials for living hard tissue replacements
DE1990622776 DE69022776T2 (de) 1989-06-06 1990-06-06 Verwendung von keramischen Materialen als Ersatzmaterialien für lebendes Gewebe.
US07/872,950 US5344456A (en) 1989-06-06 1992-04-21 Materials for living hard tissue replacements
US07/872,949 US5356436A (en) 1989-06-06 1992-04-21 Materials for living hard tissue replacements

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011509098A (ja) * 2007-07-09 2011-03-24 アストラ・テック・アクチエボラーグ ナノ表面
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