JPH04282643A - 静電荷像現像用トナー - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、電子写真法、静電記録
法、静電印刷法等において、静電荷像を現像するための
静電荷像現像用トナーに関する。

【０００２】

【従来の技術】電子写真法では、セレンを初めとする光
導電性物質を感光体として用い、種々の方法により電気
的潜像を形成し、磁気ブラシ現像法などにより潜像にト
ナーを付着させて顕像化する方法が一般に採用されてい
る。ここで使用するトナーは、摩擦帯電法により、現像
される静電潜像の極性に応じた正又は負の電荷を保有さ
れる。ところで、現像用トナーを帯電させる方法として
は、トナーの主成分である結着樹脂により帯電制御する
方法があるが、帯電が不十分な場合、若しくは結着樹脂
本来の帯電極性とは逆の極性に帯電させる場合は、着色
剤に帯電付与能力を持たせる方法がある。例えば、トナ
ーの帯電極性に応じたＰＨのカーボンブラックを使用し
て帯電能力を補う方法がある。正帯電トナーにはＰＨ７
以上の塩基性カーボンブラックを使用したり（特開昭５
２─７７７３２号公報）、負帯電トナーにはＰＨ７以下
の酸性カーボンブラックが使用されており、帯電能力を
さらに高めるためには帯電制御剤を使用していた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上記の方法では、正帯
電トナーに塩基性のカーボンブラックを使用するが、こ
のカーボンブラックの表面にはカルボキシル基、フェノ
ール基等の含酸素性官能基が少なく、結着樹脂への分散
性が悪いため、黒色度が低下する。このようなトナーを
用いる場合には、複写紙上の黒色を十分に出すために、
従来は現像剤中のトナー濃度を高く維持する必要があっ
た。しかし、この方法では、キャリアあるいは帯電付与
部材だけでなくトナー自体にも負荷がかかり、現像剤の
劣化を速めて寿命を短くする恐れがあった。また、負帯
電トナーには酸性のカーボンブラックを使用するが、そ
の表面には上記の含酸素性官能基が多量に存在するため
に結着樹脂への分散性は良いが、水を吸着し易く、夏場
環境においてトナーの帯電性を低下させるという問題が
生ずる。そこで、本発明は、上記の問題点を解消し、帯
電性及び環境安定性に優れたトナーを提供しようとする
ものであり、現像剤の寿命を延長させることができ、か
つ、背景汚れ等のない良好な画像の確保を可能にするも
のである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明は、少なくとも、
結着樹脂、着色剤を主要成分として含有する静電荷像現
像用トナーにおいて、該着色剤としてＰＨが５以下のカ
ーボンブラックとＰＨが８以上のカーボンブラックとを
併用することを特徴とする静電荷像現像用トナーである
。

【０００５】本発明のトナーに使用する結着樹脂として
は、スチレン、クロロスチレン等のスチレン類、エチレ
ン、プロピレン、ブチレン、イソブチレン等のモノオレ
フィン類、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸
ビニル等のビニルエステル類、アクリル酸メチル、アク
リル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ドデシル
、アクリル酸オクチル、アクリル酸フェニル、メタクリ
ル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル
、メタクリル酸ドデシル等のα─メチレン脂肪族モノカ
ルボン酸エステル類、ビニルメチルエーテル、ビニルエ
チルエーテル、ビニルブチルエーテル等のビニルエーテ
ル類、ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビ
ニルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類、などの
単独重合体或いは共重合体を例示することができ、特に
代表的な結着樹脂としては、ポリスチレン、スチレン─
アクリル酸アルキル共重合体、スチレン─メタクリル酸
アルキル共重合体、スチレン─アクリロニトリル共重合
体、スチレン─ブタジエン共重合体、スチレン─無水マ
レイン酸共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン等を
挙げることができる。さらに、ポリエステル、ポリウレ
タン、エポキシ樹脂、シリコン樹脂、ポリアミド、変性
ロジン、パラフィンワックス等を挙げることができる。

【０００６】本発明のトナーの着色剤には、ＰＨの異な
る２種類のカーボンブラックを使用する。即ち、ＰＨ≧
８のカーボンブラックＡとＰＨ≦５のカーボンブラック
Ｂを使用し、正帯電トナーとして用いる場合は、混合比
を１≦Ａ／Ｂ≦５の範囲で選択することが好ましい。ま
た、負帯電トナーとして用いる場合は混合比を０．２≦
Ａ／Ｂ≦１の範囲で選択することが好ましい。本発明は
、上記組み合わせのカーボンブラックを使用するため、
カーボンブラックの帯電付与能力が小さくなるので、こ
れを補うとともにトナーの高帯電能化を図る目的で帯電
制御剤を添加することが好ましい。正帯電トナー用とし
ては４級アンモニウム塩型帯電制御剤、また、負帯電ト
ナー用としてはサリチル酸配位子を有する金属錯塩化合
物帯電制御剤が、帯電付与能力及び環境安定性の面から
好ましい。

【０００７】本発明に使用される４級アンモニウム塩型
帯電制御剤は次の一般式（Ｉ）〜（ＩＩＩ）で表される
化合物が、また、サリチル酸配位子を有する金属錯塩化
合物帯電制御剤は次の一般式（Ｖ）で表される化合物が
代表的なものであるが、本発明はこれらに限定されるも
のではない。（４級アンモニウム塩型帯電制御剤）

【化
１】

【化２】

【化３】 上記の一般式（Ｉ）で表される化合物の具体例（Ｉ−１
）〜（Ｉ−９）を次に挙げる。

【化４】

【化５】

【化６】

【化７】

【化８】

【化９】

【化１０】

【化１１】

【化１２】 上記の一般式（ＩＩ）で表される化合物の具体例（ＩＩ
−１）〜（ＩＩ−２）を次に挙げる。

【化１３】

【化１４】 上記の一般式（ＩＩＩ）で表される化合物の具体例（Ｉ
ＩＩ−１）を次に挙げる。

【化１５】 さらに、上記の一般式以外の化合物で、本発明に使用す
ることができる化合物（ＩＶ─１）〜（ＩＶ−２）を次
に例示する。

【化１６】

【化１７】 （サリチル酸配位子を有する金属錯塩化合物帯電制御剤
）

【化１８】

【０００８】

【作用】本発明では、着色剤として上記の異なる２種類
のカーボンブラックを併用することにより、それぞれの
カーボンブラックが有する欠点を補うようにしたもので
ある。即ち、正帯電トナーに従来用いてきた塩基性カー
ボンブラックは、表面にカルボキシル基、フェノール基
等の含酸素性官能基が少ないため、結着樹脂中への分散
性が悪く黒色度で劣るという欠点があるが、表面に含酸
素性官能基を多く有するため結着樹脂への分散性に優れ
た酸性カーボンブラックを併用することにより、上記の
欠点を解消した。また、負帯電トナーに用いてきた酸性
カーボンブラックは、表面に含酸素性官能基を多く有す
るため結着樹脂への分散性はよいが、水を吸着し易いた
め夏場環境においてトナーの帯電性が低下し、環境依存
性が大きくなるという欠点があるが、含酸素性官能基が
少ない塩基性カーボンブラックを併用することにより、
上記の欠点を解消した。即ち、本発明は、ＰＨ≧８のカ
ーボンブラックＡとＰＨ≦５のカーボンブラックＢを併
用しており、正帯電トナーとして用いる場合は混合比を
１≦Ａ／Ｂ≦５の範囲で選択することが好ましい。Ａ／
Ｂ＞５の場合は黒色度が不十分になる場合があり、Ａ／
Ｂ＜１の場合はトナーの帯電が不十分となり、背景汚れ
を招く恐れがある。また、負帯電トナーとして用いる場
合は混合比を０．２≦Ａ／Ｂ≦１の範囲で選択すること
が好ましい。Ａ／Ｂ＞１の場合はトナーの帯電が不十分
となる場合があり、Ａ／Ｂ＜０．２の場合は環境依存性
が大きくなるときがある。また、２種類のＰＨの異なる
カーボンブラックを同時に用いることにより、カーボン
ブラックの分散径を大きくかつ均一にすることができ、
カーボンブラックの量を少なくしても、十分に黒色度を
得ることができる。さらに、帯電制御剤を使う場合には
、帯電制御剤の分散も向上するとの効果も得られる。

【０００９】

〔実施例１〕

（トナーの製造） スチレン／ブチルアクリレート共重合体（８０／２０）
　　　　　　　　　　　　１００部カーボンブラックＡ
（キャボット社製リーガル３３０、ＰＨ８．５）　　　
　７部カーボンブラックＢ（キャボット社製ＢＰ−１３
００、ＰＨ２．５）　　　　３部低分子量ポリプロピレ
ン（三洋化成社製ビスコール６６０Ｐ）　　　　　　　
　　　５部上記成分をバンバリーミキサーで溶融混練し
、冷却後、ジェットミルにより微粉砕し、さらに微粉砕
物を分級機で分級して、平均粒径Ｄ５０が１１μｍのト
ナーを得た。 （キャリアの製造） スチレン／ブチルアクリレート共重合体（８０／２０）
　　　　　　　　　　　　　　３０部マグネタイト（戸
田工業社製ＥＰＴ−１０００）　　　　　　　　　　　
　　　　　　　１００部上記成分を加圧ニーダーで溶融
混練し、さらに分級機を用いて粉砕、分級して、平均粒
径Ｄ５０が５０μｍのキャリアを得た。 （乾式現像剤の調製）上記のキャリア１００部に対し、
上記のトナー３部をＶブレンダーで混合して乾式現像剤
を調製した。 〔実施例２〕トナーの帯電制御剤として、オリエント化
学社製ボントロンＰ─５１を１部添加して他のトナー成
分と同時に溶融混練する以外は実施例１と同様にして乾
式現像剤を調製した。 〔実施例３〕実施例１において、トナーのカーボンブラ
ックＡを８部、カーボンブラックＢを２部に変更した以
外は実施例１と同様にして乾式現像剤を調製した。

【００１０】〔実施例４〕 （トナーの製造）実施例１において、トナーの成分を下
記のように変更した以外は実施例１と同様にしてトナー
を得た。 ポリエステル樹脂　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　１００部カーボンブラックＣ（キャボット社製
リーガル５００Ｒ、ＰＨ８．０）　　４部カーボンブラ
ックＤ（キャボット社製リーガル４００、ＰＨ４．５）
　　　　６部低分子量ポリプロピレン（三洋化成社製ビ
スコール６６０Ｐ）　　　　　　　　　　５部（キャリ
アの製造）メチルメタアクリレート─スチレン─ビニル
ピロリドン共重合体（７８／２０／２）１５部をトルエ
ン１００部に溶解した。得られた溶液を平均粒径１００
μｍの球状フェライト２０００部に加えて減圧ニーダー
コーターで被覆処理してキャリアを得た。 （乾式現像剤の調製）上記のキャリア１００部に対し、
上記のトナー３部をＶブレンダーで混合して乾式現像剤
を調製した。 〔実施例５〕実施例４のトナーの帯電制御剤として、オ
リエント化学社製ボントロンＥ−８４を１部添加して他
のトナー成分と同時に溶融混練する以外は実施例４と同
様にして乾式現像剤を調製した。 〔実施例６〕実施例５において、トナーのカーボンブラ
ックＣを３部、カーボンブラックＤを７部に変更した以
外は実施例５と同様にして乾式現像剤を調製した。

【００１１】〔比較例１〕実施例１において、トナーの
カーボンブラックＡを１０部使用し、カーボンブラック
Ｂを省略した以外は実施例１と同様にして乾式現像剤を
調製した。 〔比較例２〕実施例４において、トナーのカーボンブラ
ックＣを省略し、カーボンブラックＤを１０部に変更し
た以外は実施例４と同様にして乾式現像剤を調製した。

【００１２】〔実機評価〕実施例１〜３及び比較例１の
現像剤については富士ゼロックス社製ＦＸ−５０７５複
写機を使用し、実施例４〜６及び比較例２の現像剤につ
いては富士ゼロックス社製ＦＸ−５０３０複写機を使用
して実機評価を行った。その結果を表１に示した。表１
から明らかなように、実施例の静電荷像現像用トナーは
、帯電性、環境安定性、寿命に優れていることが分かる
。

【表１】

【００１３】

【発明の効果】本発明の静電荷像現像用トナーは、ＰＨ
の異なるカーボンブラックを併用し、かつ、帯電制御剤
を使用することにより、帯電性、環境安定性が良く、背
景汚れのない良質の画質を確保することができるように
なった。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】　　少なくとも、結着樹脂、着色剤を主要
   成分として含有する静電荷像現像用トナーにおいて、該
   着色剤としてＰＨが５以下のカーボンブラックとＰＨが
   ８以上のカーボンブラックとを併用することを特徴とす
   る静電荷像現像用トナー。