JPH0428206Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［技術分野］ 本考案は電動機装置、詳細には電動機の回転を
検出する機構を改良した電動機装置に関する。

［背景と従来技術の問題点］ 一般に、回転速度が制御される電動機装置にあ
つては、電動機自体に電動機の回転速度を検出す
る回転検出機構が組み込まれている。その回転検
出機構の一例としては第３図に示されているよう
なものが知られている。第３図は電動機の一部を
抜き出したものであり、図中１はローターで、図
示しない駆動手段によつて回転駆動される部分で
ある。このローター１には等間隔にＳ極、Ｎ極が
交互に細かく着磁された永久磁石２が取り付けら
れている。３は実際には永久磁石２から若干離間
対向して設けられる図示しないハウジングケース
に取り付けられた検出コイルである。しかしてこ
の検出コイル３の出力端子４にはローター１の回
転角度に応じて信号が出力されるようになつてい
る。

ところで、上述のような回転検出機構では永久
磁石２と検出コイル３をローター１の回転中心に
対して、精度よく組み合わせることが極めて困難
であつた。もし、永久磁石２と検出コイル３の一
方あるいは両方が回転中心からずれていると、ロ
ーター１の回転角と検出コイル３の出力信号に位
相ずれが生じ、結果的に電動機の回転ムラを生ず
ることになる。

この永久磁石２と検出コイル３を精度よく組み
合わせるのが困難な原因は、それぞれ別の構造体
に組み付けられているからである。一方、永久磁
石２は、ローター１に一体に組み合わされるもの
で、比較的精度よく組み上げることが可能であ
る。

本考案は上述のような問題点に着目してなされ
たもので、検出コイル３のハウジングケース５に
対する取付精度を上げることなく、位置精度を高
めることを目的とする。

［問題点を解決するための手段］ 本考案はかかる目的を達成するため、円筒形状
を成し回転駆動するローター１と、このローター
１に設けた磁石２と、この磁石２を検出する検出
コイル３と、有底円筒形状を成し前記ローター１
を回動自在に支持するハウジングケース５と、円
板形状を成し前記検出コイル３を固定したベース
板８と、このベース板８をハウジングケース５の
底部に取り付けるネジ９と、前記ベース板８の外
周に接するように前記ハウジングケース５に螺合
する半径方向に延びる少なくとも２個の調整ネジ
１０とを備え、前記検出コイル３と前記磁石２と
が対向するように前記調整ネジ１０によつて前記
ベース板８の位置を調整し、前記磁石２と前記検
出コイル３とによつて回転速度を検出するように
したものである。

［実施例］ 以下図面とともに本考案の実施例を説明する。

第１図は本考案を実施した電動機の正面図、第
２図はその平面図で、これら図において、５はハ
ウジングケースであり、有底円筒形状を成してい
る。１はローターであり、円筒形状を成してい
る。ハウジングケース５には駆動コイル６が設け
られており、この駆動コイル６によりローター１
に該駆動コイル６に対向して設けた駆動磁石７を
駆動することによつて該ローター１を回転駆動す
るようになつている。２はローター１に組み付け
られ等間隔にＳ極、Ｎ極が交互に着磁された永久
磁石である。３は検出コイルであつて、円板状の
ベース板８に貼着されており、このベース板８は
ネジ９，９，９によつてハウジングケース５の底
部に取り付けられている。このネジ９はベース板
８をハウジングケース５に確実に固定することが
出来れば、単一であつてもそれ以上であつても良
い。１０，１０，１０はベース板８の位置すなわ
ち検出コイル３の位置を調整するための調整ネジ
で、前記ハウジングケース５の周側に螺合して設
けられ、その各先端は前記ベース板８の外周に接
している。この調整ネジ１０は少なくとも２個必
要である。

以上のような構成にあつて、検出コイル３の位
置を調整するにはネジ９，９，９をわずかにゆる
めておき、調整ネジ１０，１０，１０をそれぞれ
適当に回転させベース板８を移動調整する。そし
て検出コイル３の最適な位置が決まつた時点でネ
ジ９，９，９をそれぞれ均等にしめてベース板８
をハウジングケース５に固定する。かくして永久
磁石２と検出コイル３は精度良く組み合わされ、
電動機装置の回転ムラが無くなる訳である。

［効果］ 本考案は、以上のように、コイル３の位置を容
易に調整し得るため、ハウジングケース５に対す
る検出コイル３の取付精度を過度に上げることな
く、十分な位置精度が得られ、また、従来より歩
止りの向上が図れる効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例を示す正面図、第２図
はその平面図、第３図は従来例の概略説明図であ
る。 １……ローター、２……磁石、３……検出コイ
ル、８……ベース板、９……ネジ、１０……調整
ネジ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 円筒形状を成し回転駆動するローター１と、こ
   のローター１に設けた磁石２と、この磁石２を検
   出する検出コイル３と、有底円筒形状を成し前記
   ローター１を回動自在に支持するハウジングケー
   ス５と、円板形状を成し前記検出コイル３を固定
   したベース板８と、このベース板８をハウジング
   ケース５の底部に取り付けるネジ９と、前記ベー
   ス板８の外周に接するように前記ハウジングケー
   ス５に螺合する半径方向に延びる少なくとも２個
   の調整ネジ１０とを備え、前記検出コイル３と前
   記磁石２とが対向するように前記調整ネジ１０に
   よつて前記ベース板８の位置を調整し、前記磁石
   ２と前記検出コイル３とによつて回転速度を検出
   するようにしたことを特徴とする電動機装置。