JPH04281358A - クローポール形回転電機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は高速回転電機、特にクロ
ーポール形回転電機に関する。

【０００２】

【従来の技術】クローポール回転電機はロータの回転軸
を軸方向に磁化し、さらに軸の中間に斜めに磁気的な空
隙を設けることによって軸周表面に正負の磁極を作る構
造の回転電機である。

【０００３】図７はかかるクローポール形回転電機の構
成例を示す縦断面図である。図７において、１は軸方向
に磁化される回転子軸で、この回転子軸１はその中間部
に斜めに設けられた磁気的な空隙２によって軸周表面に
正極と負極の磁極１ａ，１ｂが形成される。一方、３は
回転子軸１の周囲に微小間隙を存して設けられ、且つ軸
方向に設けられた複数のスロットに電機子巻線４を収納
してなる固定子鉄心で、この固定子鉄心３は円筒状の継
鉄５の内周面に取付けられている。また、この継鉄５の
両端部には回転子軸１を軸方向に磁化するための励磁巻
線６が設けられている。

【０００４】このような構成の回転電機において、磁束
は磁極１ａ，１ｂから軸の周囲に配置された固定子鉄心
３に導かれ、電機子巻線４と鎖交することでこの電機子
巻線４より出力が得られる。したがって、この形式の回
転電機は、回転子構造が極めて単純であり、しかも機械
的強度に優れているいることから高速回転に適している
。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような構成の回転電機において、回転子軸１に設けられ
た磁気的な空隙２に図中にΦＬ　として示したような漏
れ磁束が流れると、この漏れ磁束は磁極１ａ，１ｂから
固定子鉄心３に流れるため、出力を発生させる有効な主
磁束の量Φが減少してしまう。

【０００６】そこで、磁束量を増加させるために励磁巻
線６に流す電流を極度に大きくしたとしても、軸胴部の
両端が飽和するため、主磁束Φはそれほど増加せず、ク
ローポール回転電機は出力の割りには大形になるという
問題がある。

【０００７】この対策として従来では漏れ磁束量を減少
させるために、図８に示す横断面図のように回転子軸１
に両側を大きく広げた空隙７を設けて漏れ磁束が減少さ
せるようにしても本質的な解決とはならず、いまだ問題
が残されているのが現状である。

【０００８】本発明は回転子軸に設けられた空隙部にお
ける磁束の漏れを補い、主磁束量を増加させることによ
り出力密度を向上させることができるクローポール回転
電機を提供することを目的とする。

【０００９】

【課題を解決するための手段】本発明は、軸中間部に斜
めに磁気的な空隙を存して一対の磁極を対向して設けて
なる回転子軸と、この回転子軸の周囲に微小間隙を存し
て設けられた固定子鉄心と、固定子側に配設され回転子
軸を軸方向に磁化する励磁巻線を備えたクローポール回
転電機において、回転子軸に設けられた磁気的な空隙部
に漏れ磁束によって対向面に生ずる磁束を打消すように
磁化された永久磁石を挿入したものである。

【００１０】

【作用】このような構成のクローポール回転電機にあっ
ては、励磁巻線により回転子軸が軸方向に磁化され、回
転子軸に設けられた磁気的な空隙より漏れ磁束が流れて
もこの漏れ磁束を空隙部に挿入された永久磁石より発生
する磁束により打消すことが可能となる。また、この永
久磁石より発生する磁束量が漏れ磁束量より多い場合に
は主磁束を増加させることができる。

【００１１】

【実施例】以下本発明の一実施例を図面を参照して説明
する。

【００１２】図１は本発明によるクローポール回転電機
の構成例を示す縦断面図、図２は図１のＡ−Ａ線に沿う
矢視断面図であり、図７と同一部品には同一符号を付し
てその説明を省略し、ここでは異なる点についてのみ述
べる。

【００１３】本実施例では、図１および図２に示すよう
に軸周表面に正極と負極の磁極１ａ，１ｂを形成するた
めの磁気的な空隙２に、漏れ磁束によって磁極対向面に
生ずる磁束が打消されるように永久磁石８を挿入したも
のである。

【００１４】したがって、このような構成のクローポー
ル回転電機において、励磁巻線６の励磁により回転子軸
１に図示矢印方向の磁束が流れると、この磁束は磁極１
ａから固定子鉄心３に入る。このとき、その磁束の一部
は磁極１ａから永久磁石８を通って直接磁極１ｂに漏れ
る。しかし、この漏れ磁束ΦＬ　は永久磁石８から漏れ
磁束とは逆方向に発生している磁束ΦＭ　により打消さ
れる。この場合、永久磁石８として比透磁率の値が１に
近いフェライト磁石あるいは希土類磁石を選べば、漏れ
磁束量ΦＬ　は空隙のときと変わらない。

【００１５】一方、永久磁石８は漏れ磁束ΦＬ　より大
きな磁束ΦＭ　を発生させることができる。したがって
、この磁束ΦＭ　は固定子鉄心３に入り、出力に有効に
作用する主磁束Φは Φ＝Φ０　−ΦＬ　＋ΦＭ となる。その結果、主磁束Φを大きくすることができる
ので、回転電機の出力を向上させることができる。

【００１６】ここで、磁極１ａ，１ｂ間の空隙に永久磁
石８が挿入された回転子軸１は次のようにして得られる
。即ち、図３に示すように磁極１ａ，１ｂの外周に接す
る圧力筒９を用意し、この圧力筒９に磁極１ａ，１ｂを
挿入すると共に、その中間にサマリウムコバルト磁石粉
末とエポキシ樹脂との混合物を挟んで軸両端部側から圧
縮力Ｐを加えて固めることにより、磁極間に永久磁石８
が形成される。

【００１７】このようにして得られた回転子軸１は、図
４に示すように磁極端部に非磁性シャフト１０を取付け
て回転子を構成した後、継鉄５に電機子巻線４を備えた
固定子鉄心３を取付けると共に、継鉄５の軸方向両側に
励磁巻線６を配設した固定子内に挿入することで回転電
機が組立てられる。

【００１８】そして、永久磁石８を着磁するには、まず
回転子を固定し、電機子巻線４および励磁巻線６に直流
電流を短時間通電することにより、永久磁石８が着磁さ
れることになる。この場合、電機子巻線４および励磁巻
線６の通電による磁化力の方向は図５に示す矢印の方向
となるように電流の通電方向を定めることにより、永久
磁石８は矢印の方向に着磁される。

【００１９】このようにして永久磁石８を着磁しておけ
ば、運転時には磁束Φが図１のように流れ、主磁束Φが
大きくなるので、クローポール回転電機全体としての寸
法を全く変えることなく、従来に比較して２５％のトル
クの増加を図り得る。

【００２０】前記実施例では永久磁石としてボンド磁石
を使用したが、他の実施例でも良いことは勿論である。 例えば図６に示すように二つの磁極１１ａ，１１ｂの間
に板状のサマリウムコバルト焼結磁石１２を挟み、その
サマリウムコバルト焼結磁石１２の両端部側にテーパ状
に広がる開口部に非磁性鋼による溶接により溶接金属部
１３を形成するようにしたものである。このような構造
のクローポール回転電機とすることにより、高速回転に
対する機械的強度を向上させることができる。

【００２１】

【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、一対
の対向する磁極間に存する磁気的な空隙部に永久磁石を
挿入し、且つこの永久磁石の磁化方向を漏れ磁束と逆方
向とすることにより、回転子の寸法、形状を大きくする
ことなく、出力を増加することができるクローポール回
転電機を提供できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明によるクローポール回転電機の一実施例
を示す縦断面図。

【図２】図１のＡ−Ａ線に沿う矢視断面図。

【図３】同実施例における回転子の組立方法の説明図。

【図４】図３で組立てられた回転子を固定子に組込んだ
状態を示す縦断面図。

【図５】同実施例において、永久磁石の着磁方法の説明
図。

【図６】本発明の他の実施例における回転子の横断面図
。

【図７】従来のクローポール回転電機を示す縦断面図。

【図８】従来の他のクローポール回転電機を示す横断面
図。

【符号の説明】

１……回転子軸，１ａ，１ｂ……磁極、３……固定子鉄
心、４……電機子巻線、５……継鉄、６……励磁巻線、
８……永久磁石。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】　　軸中間部に斜めに磁気的な空隙を存し
   て一対の磁極を対向して設けてなる回転子軸と、この回
   転子軸の周囲に微小間隙を存して設けられた固定子鉄心
   と、固定子側に配設され回転子軸を軸方向に磁化する励
   磁巻線を備えたクローポール回転電機において、回転子
   軸に設けられた磁気的な空隙部に漏れ磁束によって対向
   面に生ずる磁束を打消すように磁化された永久磁石を挿
   入したことを特徴とするクローポール回転電機。