JPH04280980A - 加工後耐食性に優れた潤滑表面処理鋼板とその製造方法 - Google Patents

加工後耐食性に優れた潤滑表面処理鋼板とその製造方法

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JPH04280980A
JPH04280980A JP6380791A JP6380791A JPH04280980A JP H04280980 A JPH04280980 A JP H04280980A JP 6380791 A JP6380791 A JP 6380791A JP 6380791 A JP6380791 A JP 6380791A JP H04280980 A JPH04280980 A JP H04280980A
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JP
Japan
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colloidal silica
weight
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corrosion resistance
spherical colloidal
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Withdrawn
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JP6380791A
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English (en)
Inventor
Yujiro Miyauchi
優二郎 宮内
Katsushi Saito
斉藤 勝士
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車、家電、建材製
品等に使用される加工後耐食性に優れた潤滑性を有する
有機、無機複合鋼板とその製造方法に関するものである
【0002】
【従来の技術】従来のクロメート処理鋼板に代わって、
下地にめっき皮膜を有しその上に有機、無機複合皮膜を
被覆した表面処理鋼板が使用されている(例えば特開昭
60―50179号公報)。
【0003】さらには上記有機、無機複合皮膜中に潤滑
剤を含有させた、皮膜に潤滑性を持した潤滑表面処理鋼
板が開発されてきた(例えば特開昭63―162886
号公報)。
【0004】この鋼板は潤滑特性に優れる事から、プレ
ス加工に際して潤滑油の塗布を必要とせず、従来の鋼板
では必須であった潤滑油の塗布、あるいはプレス後の脱
脂工程を省略可能であり、加工メーカーでの開発が希望
されている。
【0005】これらの技術はめっき鋼板の上にクロメー
ト皮膜と0.01〜4.0μmの有機高分子とシリカと
潤滑剤からなる皮膜を被覆したものである。しかしなが
ら品質的には満足いくものとは言えず、品質改良を必要
としてる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】クロメート皮膜上に潤
滑剤を含んだ有機、無機複合皮膜を被覆した潤滑表面処
理鋼板は使用範囲の拡大、例えば、屋内用から屋外用へ
の使用環境変化に対し、必ずとも品質が充分とは言えず
、従来技術では屋外用途の使用に対しては、耐食性が不
十分であり、さらに一層の性能向上が望まれている。
【0007】これら潤滑表面処理鋼板は、プレス油塗布
を省略してプレス加工をする為、プレス加工時の皮膜の
損傷が激しく、プレス加工後の耐食性向上要求が高い。
【0008】これら潤滑表面処理鋼板の耐食性は、有機
無機複合皮膜の厚みを上げる事で容易に向上するが、反
面溶接性が低下する。
【0009】したがってバランスのよい有機、無機複合
皮膜の開発が必要である。しかし、以上述べた耐食性、
溶接性を兼ね備えた有機、無機複合皮膜を有する潤滑表
面処理鋼板は従来技術では完全なものではなかった。
【0010】
【課題を解決するための手段】これらの問題点を解決す
る手段として検討を重ねた結果、有機、無機複合皮膜中
のコロイダルシリカの形状が皮膜の加工性さらには加工
後の耐食性を向上させるといった新たな知見を見いだす
に到った。
【0011】具体的には以下の手法により解決する。 (1) めっき鋼板上に第1層としてCr換算で5〜2
00mg/m2 のクロメート層を有し、第2層として
親水性樹脂固形分100重量部に対し、水分散性潤滑剤
を5〜30重量部、さらに長さ/太さ比が2以上の非球
形のコロイダルシリカを固形分として5〜50重量部含
有する有機、無機複合皮膜を0.5〜3.0g/m2 
有することを特徴とする加工後耐食性に優れた潤滑表面
処理鋼板。
【0012】(2) めっき鋼板の表面に長さ/太さ比
が2以上の非球形のコロイダルシリカを親水性樹脂固形
分100重量部に対し固形分として5〜50重量部、さ
らに水分散性潤滑剤を5〜30重量部の割合で含有させ
た有機、無機複合塗料を乾燥付着量として0.5〜3.
0g/m2 塗布した後、到達板温が80〜250℃に
焼き付ける事を特徴とする加工後耐食性に優れた潤滑表
面処理鋼板の製造方法。
【0013】(3) めっき鋼板上に第1層としてCr
換算で5〜200mg/m2 のクロメート層を有し、
第2層として親水性樹脂固形分100重量部に対し水分
散性潤滑剤を5〜30重量部、さらに長さ/太さ比が2
以上の非球形のコロイダルシリカと球形のコロイダルシ
リカを非球形コロイダルシリカ/(非球形コロイダルシ
リカ+球形コロイダルシリカ)の比で0.1以上でかつ
全コロイダルシリカ(非球形コロイダルシリカ+球形コ
ロイダルシリカ)を固形分として5〜50重量部含有す
る有機、無機複合皮膜を0.5〜3.0g/m2 有す
ることを特徴とする加工後耐食性に優れた潤滑表面処理
鋼板。
【0014】(4) めっき鋼板の表面に長さ/太さ比
が2以上の非球形のコロイダルシリカと球形のコロイダ
ルシリカを非球形コロイダルシリカ/(非球形コロイダ
ルシリカ+球形コロイダルシリカ)の比で0.1以上で
かつ、全コロイダルシリカ(非球形コロイダルシリカ+
球形コロイダルシリカ)を親水性樹脂固形分100重量
部に対し固形分として5〜50重量部、さらに水分散性
潤滑剤を5〜30重量部の割合で含有させた有機、無機
複合塗料を乾燥付着量として0.5〜3.0g/m2 
塗布した後、到達板温が80〜250℃に焼き付ける事
を特徴とする加工後耐食性に優れた潤滑表面処理鋼板の
製造方法。
【0015】
【作用】本発明は特に、溶接性を低下させず、プレス加
工後の耐食性を向上させる手段として、従来有機、無機
複合皮膜に添加していたシリカに画期的な改良を加えて
従来技術を越える性能を得ることに成功したものである
【0016】従来、この目的に用いられているシリカは
球形もしくは球形シリカの凝集物であるのに対し、本発
明では異形のシリカを用いる事によってプレス加工後耐
食性を著しく改善する。
【0017】従来の球形シリカから得られる皮膜は骨格
となる有機樹脂に対し結合力が弱く、プレス加工時には
しごきによる皮膜の破壊が著しく、加工後の耐食性が無
加工時に対して急激に低下するといった問題があった。
【0018】これに対し本発明の異形コロイダルシリカ
はシリカ同志が物理的に絡みあう事によりシリカ同志の
結合力を高めると同時にシリカ異形によりシリカの重量
あたりの表面積をあげ、骨格となす樹脂との結合力をも
改善することでプレス加工後の耐食性向上を達成した。
【0019】以下本発明の加工後の耐食性に優れた潤滑
表面処理鋼板及びその製造方法について詳細に説明する
【0020】本発明で対象とする潤滑表面処理鋼板の素
地としては電気亜鉛めっき鋼板、電気Zn―Niめっき
鋼板、溶融亜鉛めっき鋼板、亜鉛アルミニウム溶融めっ
き鋼板のような各種亜鉛系めっき鋼板、アルミニュウム
めっき鋼板、クロムめっき鋼板、スズめっき鋼板、ある
いはこれらの多層めっき鋼板、複合めっき等を挙げる事
ができる。
【0021】各めっき鋼板とも、めっき付着量は片面1
g/m2 以上とする事が好ましく、これを下まわると
耐食性が低下する。
【0022】本発明は、このような鋼板のめっき面に下
層から第1層としてクロメート皮膜を、また第2層とし
て有機、無機複合皮膜を形成させる。
【0023】第1層のクロメート皮膜は通常の処理方法
に従えばよく、例えば無水クロム酸、クロム酸塩、重ク
ロム酸等を主剤とした水溶液中での浸漬クロメート処理
、電解クロメート処理、および上記水溶液にコロイダル
シリカ等を混合した処理液を塗布する塗布型クロメート
処理等によってクロム水和物を主体とする皮膜を形成す
るものである。
【0024】そのクロメート皮膜の付着量はCr換算で
5〜200mg/m2 程度とするのがよい。付着量が
5mg/m2 未満では充分な耐食性が得られないまた
、200mg/m2 を越えると皮膜の密着性が低下す
る。
【0025】この皮膜の上に、第2層として有機、無機
複合皮膜が形成される。
【0026】有機、無機複合皮膜として用いる親水性樹
脂としてはアクリルエステル・アクリル酸共重合物、エ
ポキシ・アクリル酸、オレフィンアクリル酸共重合物、
オレフィンアイオノマー、スチレンアクリル酸共重合物
、ウレタンアクリル酸共重合歯物、ウレタンエポキシ樹
脂、エチレンイミンアクリル樹脂等が適用でき、塗料と
しては水系溶媒に分散させたエマルジョン型を用いるの
がよい。
【0027】また、必要により各種メラミン樹脂、アミ
ノ樹脂等の架橋剤を添加することもよい。これらの内で
は、特に加工時の滑り性が良いオレフィン基を持つオレ
フィンアクリル酸共重合物を用いるのが好ましい。
【0028】上記親水性樹脂に非球形のコロイダルシリ
カを含有させる。本発明の効果の非球形のコロイダルシ
リカは種々の方法で得られるが、その一例として珪酸ナ
トリウム、珪酸カリウムの水溶液を陽イオン交換樹脂に
よって陽イオンを除去してコロイダルシリカを製造する
過程においてアルカリ土類金属イオンを加え、温度、p
Hを調整することによって得る方法があげられる。
【0029】このようにして得られた非球形コロイダル
シリカの形状としては長さ/太さ比の範囲で2以上のも
のを使用するが良く、好ましくは、2〜100の範囲が
よい。2未満では従来の球形との差が無く本発明の目的
とした改善効果が得られない。
【0030】また、100を越えるとコロイダルシリカ
自身が塗料中で不安定になり、沈降等の問題を生じる。
【0031】コロイダルシリカの形状については前述し
たように長さ/太さの比率が2以上の非球形のコロイダ
ルシリカを用いることを前提とするが、場合によっては
従来の球形のコロイダルシリカを混合して用いることも
可能である。
【0032】しかし、その混合比率は非球形コロイダル
シリカ/全コロイダルシリカ(非球形コロイダルシリカ
+球形コロイダルシリカ)重量比で0.1以上必要であ
り、0.1未満では本発明の目的とした改善効果が得ら
れない。
【0033】これらのシリカを親水性樹脂固形分100
重量部に対し、5〜50重量部の比率で混合させる。5
未満では耐食性が得られず、50を越えると皮膜の柔軟
性が得られずに加工性が低下し、加工後耐食性が低下す
るため好ましくない。
【0034】さらにこの有機、無機複合皮膜に、プレス
加工時の皮膜とプレス金型との摩擦抵抗を下げる効果を
発揮させるために水分散性潤滑剤を含有させる。
【0035】水分散性潤滑剤としてはポリエチレンワッ
クス、パラフィン、ラウリン酸、ステアリン酸、ステア
リン酸アミド、ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸カ
ルシウム、二硫化モリブデン、アルカリ金属硫酸塩等を
用いる事ができる。
【0036】これらの内では潤滑特性に優れたポリエチ
レンワックスやフッ素樹脂を用いるのが好ましい。
【0037】これらの水分散性潤滑剤を親水性樹脂固形
分100重量部に対し、5〜30重量部の比率で混合さ
せる。5未満では皮膜の潤滑性を得る事が困難となり、
無塗油条件でのプレス成形が困難となり、また加工後の
耐食性が低下する。また、30を越えると耐食性が低下
する。
【0038】これら樹脂、コロイダルシリカ、潤滑剤を
含有した無機、有機複合皮膜をあらかじめクロメート処
理を施しためっき鋼板に塗布する事で目的の潤滑表面処
理鋼板が得られるが、その付着量は0.5〜3g/m2
 の範囲である。
【0039】付着量が0.3g/m2 未満では鋼板表
面の凹凸を埋めきれず、耐食性が劣り、また3g/m2
 を越えると耐食性の向上はあるが溶接性が困難になる
ため好ましくない。
【0040】これらの有機、無機複合皮膜を形成させる
ための塗料の塗布方法については、従来から用いられて
いる、スプレー、ロールコーター、刷毛塗り、浸漬、あ
るいはこれらの後ガスワイプにて付着量を調整する方法
等を用いてよい。
【0041】また焼き付け板温度は80〜250℃とす
るのが望ましい。80℃未満では、塗料中の水が完全に
揮発しづらく、皮膜自身の耐食性が低下するためであり
、250℃を越えると皮膜の硬化が進みすぎ、加工性が
かえって低下するためである。
【0042】また、乾燥設備については特に規制するも
のではないが、熱風吹き付けによる方法や、ヒーターに
よる間接加熱方法、赤外線による方法、誘導加熱による
方法、ならびにこれらを併用する方法が採用できる。
【0043】
【実施例】下記条件の下で本発明の潤滑表面処理鋼板の
試験片を作製した。 1)めっき鋼板の種類 A:電気亜鉛めっき鋼板(板厚0.8mm)Znめっき
付着量20g/m2  B:電気Zn―Niめっき鋼板(板厚0.8mm)Zn
―Niめっき付着量20g/m2 Ni含有率  12
% 2)クロメート処理 前記各供試剤のめっき鋼帯(板厚0.8mm×幅914
mm)に電気亜鉛めっき鋼板の場合には反応型クロメー
ト処理液(日本パーカライジング社製ZM3367)を
スプレーで処理し、水洗後、熱風乾燥炉を通過させ到達
板温80℃で乾燥した。
【0044】また電気Zn―Niめっき鋼板の場合には
、クロム酸50g/、硫酸0.3g/に浴中で電流密度
10A/dm2 で所定の電気量を通電し、電気クロメ
ート処理を施した後、水洗し、熱風乾燥炉を通過させ、
到達板温80℃で乾燥した。 3)有機、無機複合皮膜処理 前記クロメート処理しためっき鋼帯に親水性樹脂として
、オレフィンアクリル共重合物を用い、表1に示す組成
のコロイダルシリカと水分散性潤滑剤を混合させた塗料
をロールコートで所定の付着量を塗布し、熱風乾燥炉に
て150℃の到達板温まで乾燥させ、有機、無機複合皮
膜を形成させた。
【0045】このようにして得られた試験片について表
1に示すところの各種性能試験を行った。 評価方法 1)無加工耐食性 鋼板を加工しない状態で塩水噴霧試験(JISZ―23
71)による錆発生時間を示した。 2)加工後耐食性 プレス油、防錆油等を全く付けない状態で、200mm
φの円盤上に切り出した試験片を高さ20mm、幅及び
長さ80mm、ポンチ肩半径5mmの角筒にクランクプ
レス機でプレス加工後ポンチ肩半径10mmR、ダイス
肩半径5mmR、成形高さ20mmの条件で成形加工し
,塩水噴霧試験(JISZ―2371)し、240時間
後の錆発生状況を目視にて判定した。 評点 1:全面に錆発生 2:錆発生面積が50%以上である。 3:錆発生が軽微である。 4:錆の発生が認められない。
【0046】この評価では3点以上が望ましい。 3)連続溶接性 溶接電流    8500A 通電時間    10サイクル(50Hzにて)電極先
端径  4.5mmφ 電極加圧力  200Kg―f の条件で連続スポット溶接試験を行ない、安定してナゲ
ット径が3mmφ以上形成できる打点数をもとめた。 試験結果 めっき鋼板として、電気亜鉛めっき鋼板に本発明を適応
させた場合の試験結果を表1に示す。
【0047】No.1は、電気亜鉛めっき鋼板に反応型
クロメート処理を70mg/m2 行ない、コロイダル
シリカとして従来の太さ20nmの球状コロイダルシリ
カをメラミン添加ポリオレフィン・アクリル樹脂100
重量部に対し、35重量部含有させた皮膜を1.5g/
m2 被覆させた比較例である。
【0048】溶接性は5000点以上で優れているが、
平板耐食性が892時間と劣っており、無塗油でのクラ
ンクプレス成形が不可能であった。
【0049】No.2はNo.1の有機、無機複合皮膜
に潤滑剤としてフッ素樹脂をメラミン添加ポリオレフィ
ン・アクリル樹脂100重量部に対し20重量部添加し
、皮膜重量として1.5g/m2 被覆したものである
が、無塗油でのクランクプレス成形は可能になり、また
溶接性は優れているが、平板耐食性は824時間と劣っ
ており、また、加工後耐食性は1点と非常に劣っていた
【0050】No.3は本発明の主とする異形コロイダ
ルシリカをメラミン添加ポリエチレン・アクリル樹脂に
含有させた例であるがコロイダルシリカの添加量が親水
性樹脂100重量部に対し3重量部で、本発明の範囲よ
りも低い例である。
【0051】皮膜中のコロイダルシリカの含有率が低い
ため、無加工耐食性も加工後耐食性も低い。
【0052】No.4はNo.3と逆にコロイダルシリ
カの添加量が70重量部と高い例であるが、無加工後の
耐食性は優れるものの、かえって皮膜の加工性が低下し
、加工後耐食性も悪く、また溶接性も低い。
【0053】No.5〜9は亜鉛めっき鋼板の上に反応
型クロメートを付着量として70mg/m2 施し、メ
ラミン添加ポリエチレン・アクリル樹脂100重量部に
水分散型潤滑剤としてフッ素樹脂を20重量部、コロイ
ダルシリカを35重量部、皮膜の付着量を1.5g/m
2 、塗布焼き付けした試験片であり、皮膜中のコロイ
ダルシリカとして太さが20nm、コロイダルシリカの
長さ/太さ比を10、2、5、20と変化させた本発明
例である。
【0054】コロイダルシリカの長さ/太さ比が2であ
るNo.6は加工後の耐食性評点が2と少し劣るがNo
.5、7、8、9は評点3であり、平板耐食性、溶接性
も優れていた。ただし、No.9は有機、無機複合塗料
にコロイダルシリカの沈降と思われる沈澱が生じていた
【0055】No.10、11は有機、無機複合皮膜中
のコロイダルシリカとして従来の球形のコロイダルシリ
カ(シリカ太さ:20nm)と本発明の非球形コロイダ
ルシリカを混合して用いたものであり、非球形コロイダ
ルシリカ/(非球形コロイダルシリカ+球形コロイダル
シリカ)比を0.5、0.3とし、他の組成はNo.5
と同じくした本発明例である。
【0056】非球形コロイダルシリカ/(非球形コロイ
ダルシリカ+球形コロイダルシリカ)比が0.3である
No.11は加工耐食性評点が2と少し劣るが、No.
10は評点3であり、平板耐食性、溶接性の性能も優れ
ていた。
【0057】No.12、13はNo.5のコロイダル
シリカゾル添加量を30、40重量部とした本発明例で
ある。平板耐食性、加工後耐食性、溶接性のいずれも優
れた性能を示した。
【0058】No.14、15、16、17はNo.5
の試験片の皮膜付着量0.6、1.1、2.2、2.9
g/m2 と変化させた本発明例である。皮膜付着量0
.6g/m2 のNo.14は平板耐食性が620時間
で加工後耐食性も2点と少し劣るが溶接性は優れていた
。皮膜付着量1.1g/m2 のNo.10は耐食性、
溶接性共に優れていた。No.16、No.17は溶接
性が劣っていた。
【0059】No.18、19は皮膜に太さが10、5
0nmであるコロイダルシリカを用いた本発明例であり
、No.20、21はクロメート付着量が35、140
mg/m2 のめっき鋼板を用いた本発明例であるが、
いずれの性能も優れていた。
【0060】No.22、23は皮膜中の潤滑剤の添加
量を親水性樹脂100重量部に対し、30、10重量部
と変化させた本発明例である。いずれの試験片も優れた
性能を示した。
【0061】No.24〜29は水分散型潤滑剤として
オレフィンワックスを用いた本発明例である。No.2
4はNo.22の水分散型潤滑剤をテフロン樹脂からオ
レフィンワックスに置き換えたものであり、No.25
はその水分散潤滑剤添加量を樹脂固形分100重量部に
対し10重量部、No.26は20重量部に変化させた
ものであるが、いずれも平板耐食性、加工後耐食性、溶
接性共に優れていた。
【0062】No.27はNo.26のコロイダルシリ
カを長さ/太さ比を20とした本発明例であり、No.
28はNo.26のコロイダルシリカを現状の球形コロ
イダルシリカ(シリカ太さ:50nm)と本発明の非球
形コロイダルシリカ(長さ/太さ比:10、シリカ太さ
:20nm)を非球形コロイダルシリカ/(非球形コロ
イダルシリカ+球形コロイダルシリカ)で0.5の割合
で混合させたものを用いた本発明例である。いずれも、
平板耐食性、加工後耐食性、溶接性共に優れた性能を示
した。
【0063】No.29はNo.26のシリカ添加量を
20重量部に変化させた本発明例である。加工後耐食性
評点が2点と少し劣っていたが、平板耐食性、溶接性は
優れていた。
【0064】めっき鋼板として、電気Zn―Niめっき
鋼板に本発明を適応させた場合の試験結果を表2に示す
【0065】No.30は、電気Zn―Niめっき鋼板
に電解クロメート処理を50mg/m2 施し、行ない
、コロイダルシリカとして従来の太さ20nmの球状コ
ロイダルシリカをメラミン添加ポリエチレン・アクリル
樹脂100重量部に対し35重量部、潤滑剤としてフッ
素樹脂を20重量部含有させた皮膜を1.5g/m2 
被覆させた比較例である。平板の耐食性、溶接性は良好
であるが、加工後耐食性は2点と劣っている。
【0066】これに比べNo.31は非球形を用いた本
発明例であるが、平板耐食性、加工後耐食性、溶接性の
いずれも優れた性能を示した。
【0067】また、No.31のコロイダルシリカ太さ
を5nmとしたNo.32、コロイダルシリカとして非
球形コロイダルシリカと球形コロイダルシリカを球形コ
ロイダルシリカ/(非球形コロイダルシリカ+球形コロ
イダルシリカ)の比で0.5としたNo.33、皮膜中
のコロイダルシリカ添加量を樹脂100重量部に対し4
0、20重量部としたNo.34、No.35、皮膜付
着重量を1.1g/m2 としたNo.36、シリカ太
さが10nmの非球形コロイダルシリカを用いたNo.
38、クロメート付着量を80mg/m2 のめっき鋼
板に塗布したNo.39は、いずれも平板耐食性が10
00時間以上、加工後耐食性評点が3点以上、溶接性が
5000点以上で総合的に優れた性能を示した。
【0068】また、皮膜付着重量が2.1g/m2 の
No.37の溶接性は3800点と比較的劣っていたが
、平板耐食性ならびに加工後耐食性は良好であった。
【0069】No.40はNo.31の潤滑剤をオレフ
ィンワックスに変えたものであるが、平板耐食性が10
00時間以上、加工後耐食性評点が4点、溶接性も50
00点以上と非常に優れた特性を示した。
【0070】また、シリカとして非球形シリカと球形コ
ロイダルシリカを球形コロイダルシリカ/(非球形コロ
イダルシリカ+球形コロイダルシリカ)の比で0.5と
したNo.41、コロイダルシリカの長さ/太さ比を2
0としたNo.42も同様に非常に優れていた。
【0071】以上のように本発明での非球形コロイダル
シリカは耐食性を向上させ、潤滑剤とともに皮膜中に添
加させた、潤滑表面処理鋼板はプレス加工後においても
非常に優れた性能を示す。
【0072】
【発明の効果】従来のクロメート皮膜上に、薄い有機、
無機複合皮膜を被覆した表面処理鋼板は、需要家でのプ
レス加工後の耐食性が不十分で、問題があった。本発明
による潤滑表面処理鋼板およびその製造方法はこれら従
来の問題点を解決することから、需要家での使用用途が
拡大し、また、プレス油省略が可能であることから、汎
用性が高く種々の家電製品、自動車、建材等の広範囲の
用途に使用できる。
【0073】
【表1】
【0074】
【0075】
【0076】
【表2】
【0077】
【0078】

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  めっき鋼板上に第1層としてCr換算
    で5〜200mg/m2 のクロメート層を有し、第2
    層として親水性樹脂固形分100重量部に対し、水分散
    性潤滑剤を5〜30重量部、さらに長さ/太さ比が2以
    上の非球形のコロイダルシリカを固形分として5〜50
    重量部含有する有機、無機複合皮膜を0.5〜3.0g
    /m2 有することを特徴とする加工後耐食性に優れた
    潤滑表面処理鋼板。
  2. 【請求項2】  長さ/太さ比が2以上の非球形のコロ
    イダルシリカを親水性樹脂固形分100重量部に対し固
    形分として5〜50重量部、さらに水分散性潤滑剤を5
    〜30重量部の割合で含有させた有機、無機複合塗料を
    クロメート皮膜を有するめっき鋼板に乾燥付着量として
    0.5〜3.0g/m2 塗布した後、焼き付けること
    を特徴とする加工後耐食性に優れた潤滑表面処理鋼板の
    製造方法。
  3. 【請求項3】  めっき鋼板上に第1層としてCr換算
    で5〜200mg/m2 のクロメート層を有し、第2
    層として親水性樹脂固形分100重量部に対し水分散性
    潤滑剤を5〜30重量部、さらに長さ/太さ比が2以上
    の非球形のコロイダルシリカと球形のコロイダルシリカ
    を非球形コロイダルシリカ/(非球形コロイダルシリカ
    +球形コロイダルシリカ)の比で0.1以上でかつ全コ
    ロイダルシリカ(非球形コロイダルシリカ+球形コロイ
    ダルシリカ)を固形分として5〜50重量部含有する有
    機、無機複合皮膜を0.5〜3.0g/m2有すること
    を特徴とする加工後耐食性に優れた潤滑表面処理鋼板。
  4. 【請求項4】  長さ/太さ比が2以上の非球形のコロ
    イダルシリカと球形のコロイダルシリカを非球形コロイ
    ダルシリカ/(非球形コロイダルシリカ+球形コロイダ
    ルシリカ)の比で0.1以上でかつ、全コロイダルシリ
    カ(非球形コロイダルシリカ+球形コロイダルシリカ)
    を親水性樹脂固形分100重量部に対し固形分として5
    〜50重量部、さらに水分散性潤滑剤を5〜30重量部
    の割合で含有させた有機、無機複合塗料をクロメートを
    有するめっき鋼板に乾燥付着量として0.5〜3.0g
    /m2 塗布した後、焼き付けることを特徴とする加工
    後耐食性に優れた潤滑表面処理鋼板の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5664504A (en) * 1994-10-27 1997-09-09 Kobayashi; Shizuo Combustion apparatus having inverse temperature distribution by forced convection

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