JPH0428044Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本考案は自動車の前照燈の光度、主光軸等を測
定するヘツドライトテスターの較正器に係り、特
に基準前照燈の投射光量及び投射角度が調整可能
に構成されたヘツドライトテスター較正器に関す
る。

「従来の技術」 従来より道路運送車両法施行規則に基づいて自
動車のヘツドライト（前照燈）の光度、主光軸の
振れ等を測定するためのヘツドライトテスターが
存在する。

一方、このようなテスターにおいては適宜基準
光度等の較正を行う必要があるが自動車側におい
ては近年は高照度の前照灯を有する車が多々存在
する為に、前記ヘツドライトテスターの光度等を
較正する場合複数の基準前照燈を用意して前記テ
スターの光度等の較正を行わなければならない。

しかしながら単一の較正器を用いて単に基準前
照燈を交換しようとすると該基準前照燈の交換時
に較正器本体と基準前照燈との間で位置ずれ及び
角度ずれが生じ、本体側に設けた角度調整機構等
により角度及び位置調整を行つた場合本体側と基
準前照燈との間で光軸ずれが生じ精度良く較正を
行うことが出来ない。

このため従来の較正器においては、高照度用と
標準照度用の基準前照燈を備えた複数の較正器を
用意し、該較正器を交換しながら前記ヘツドライ
トテスターの光度較正等を行つていた。

「考案が解決しようとする問題点」 しかしながら前記較正器は、一般に三脚等に取り
付けた台板上に水平位置等を精度良く調整して装
着しなければならないために、複数の較正器を用
意する事は前記較正器の交換の都度前記位置調整
を再度やり直さなければならず、その交換作業が
煩雑化するのみならず、而も複数の較正器を用意
することは実質的に２倍の費用がかかるのみなら
ず、運搬時における重量負担も増大する等の問題
が生じる。

本考案はかかる従来技術の欠点に鑑み、角度調
整機構等を有する較正器本体に対して脱着可能な
カセツト体を用意し、前記カセツト体に基準前照
燈を一体的に組み付けることにより、該カセツト
を交換交換する事によりなる高照度用と標準照度
用の基準前照燈を簡単に且つ精度良く取り付け可
能に構成したヘツドライトテスター較正器を提供
する事を目的とする。

「問題点を解決しようとする手段」 本考案はかかる技術的課題を達成する為に、例
えば第１図乃至第３図に示すように、 角度調整機構１１，１２を介してＸ軸及びＹ
軸方向に角度変位可能に構成されたカセツト取
り付け板１０を設けた較正器本体１を有する点 背面側より前記取り付け板１０に脱着可能な
支持板２０を設けた複数のカセツト体２を有す
る点 前記カセツト体２の支持板２０の中央開口部
２１に夫々、例えば高照度用と標準照度用の所
望の基準前照燈３を取付けた点 前記支持板２０と取付板の双方に、例えばけ
がき線１３，２３その他の位置決め機構１３−
２３，１４−２４を設けた点 前記カセツト体２を較正器本体１側に装着す
る際に、前記位置決め機構１３−２３，１４−
２４によりカセツト体２側の基準前照燈３中心
と、取り付け板１０側の角度変位支軸であるＸ
軸及びＹ軸の交点とが合致可能に構成した点 を必須較正要件とするヘツドライトテスター較正
器を提案する。

「実施例」 以下、図面を参照して本考案の好適な実施例を
例示的に詳しく説明する、但しこの実施例に記載
されている構成部品の寸法、材質、形状、その相
対位置などは特に特定的な記載がない限りは、こ
の考案の範囲をそれのみに限定する趣旨ではな
く、単なる説明例に過ぎない。

第１図乃至第３図は本考案の実施例に係るヘツ
ドライトテスター較正器で、基準電圧を可変可能
に後記する基準前照燈３に供給するための電源部
（図示せず）が分離されており、該電源部と較正
器本体１が図示しない接続コードを介して電気的
に接続可能に構成されているものである。

較正器は、角度調整機構１１，１２及び該較正
器を三脚の台板４上に据え付けた際の水平度調整
機構１５ａを有する較正器本体１と、該較正器本
体１に位置決め支持且つ脱着可能に構成された複
数のカセツト体２と、該カセツト体２に一体的に
組み付けられた基準前照燈３からなる。

較正器本体１は、前面側が開口し後面側に開閉
扉５１を設けた方形状の枠体５を有し、該枠体５
の下面に水平度調整機構１５として機能する三つ
の調整螺子１５ａ…を設けるとともに、該枠体５
内の方形空洞部の底壁中央位置に垂直軸１６を立
設し該垂直軸１６に設けた、歯車、ウオームギヤ
（図示せず）及び調整つまみ等からなるＹ軸角度
調整機構１１を介して、上向きに開口するコの字
状の支持枠６を取り付ける。

そして該支持枠６の一対の垂直壁上側の対面す
る位置に水平軸１７を設け、該水平軸１７の一側
に設けた、歯車、ウオームギヤ（図示せず）及び
調整つまみ等からなるＸ軸角度調整機構１２を介
して方形のカセツト取り付け板１０が回動可能に
軸支されている。この結果前記カセツト取り付け
板１０は、枠体５に対し垂直軸１６（以下該垂直
軸の中心線をＹ軸という）及び水平軸１７（以下
該水平軸の中心線をＸ軸という）の両方に角度調
整可能に構成されたことになる。

カセツト取り付け板１０はカセツト体２の重量
負担に耐えられる程度の剛性板で形成され、その
左右両側に前記Ｘ軸が軸支される側壁１０ａを折
曲させるとともに、該Ｘ軸及びＹ軸の中心想像線
が交差する中心交点を中心として形成された円形
の開口ガイド穴１４を形成する。

そして該取り付け板１０の中心交点を中心とし
て対角線方向四隅部に、カセツト体２側のガイド
ピン２０１が挿入可能なガイド孔１０１及びカセ
ツト体２側の螺子孔２０２に固定螺子７を螺着さ
せるための螺子取付孔１０２等を穿孔するととも
に、前記円形開口ガイド穴１４周面側にＸ軸及び
Ｙ軸の中心想像線と夫々合致する位置に位置決め
用けがき線１３，２３を刻設する。

尚図中５２は電源部側の接続コードを挿し込む
為の接続プラグである。

一方カセツト体２は方形の保護枠２５と、該保
護枠２５前面に支持棒２６を介して固設した方形
の支持板２０を有し、該支持板２０は中央位置
に、前記円形開口ガイド穴１４より僅かに小なる
直径を有する円形の中央開口部２１を設け、該中
央開口部２１の周縁側をリング状に精度よく膨出
させ、該膨出部２４の外径を前記円形開口ガイド
穴１４と同径に形成し、その外周差部を位置決め
用ガイド２４ａとなす。

そして前記膨出部２４の前面に、円形中央開口
部２１の中心を通るＸ−Ｙ軸と夫々合致する位置
にけがき線２３を刻設する。

又前記支持板２０の円形中央開口部２１中心対
角線方向の四隅部には、夫々前述したガイドピン
２０１と螺子孔２０２が設けられている。

そしてかかるカセツト体２は複数個用意され、
前記中央開口部２１の背面側より、該開口部と同
心上にその中心を一致させて高照度用と、標準照
度用の基準前照燈３を夫々取付ける。尚図中には
図示されていないが、前記カセツト体２には前記
本体側に設けた接続プラグと電気的に接続させる
為に接続コードが設けられている。

次に前記カセツト体２の取り付け方法について
説明する。

所望の基準前照灯を取付けたカセツト体２のガ
イドピン２０１を、本体取り付け板１０に設けた
ガイド孔１０１に挿し込みながらリング状膨出部
２４の外周側に形成した位置決め用ガイド２４ａ
を前記取り付け板１０の円形開口ガイド穴１４に
きつちり嵌合させた後、前記カセツト体２を僅か
に回動させながら取り付け板１０と支持板２０の
双方に設けたけがき線１３，２３を合致させた
後、螺子取付用孔１０２より挿し込まれた固定螺
子７を支持板２０側の螺子孔２０２に螺着させて
前記カセツト体２を本体１側の取り付け板１０に
装着する。

又前記固定螺子７を取外す事によりカセツト体
２の交換を簡単に行う事が出来る。

「考案の効果」 以上記載した如く本考案によれば、所望の基準
前照燈３を一体的に組付けたカセツト体２を複数
個用意し、該カセツト体２を較正器本体１に対し
て位置決め容易にして且つ脱着可能に構成する事
により、該カセツト体２を交換する事によりなる
高照度用と標準照度用の基準前照燈３を簡単に且
つ精度良く交換及び取り付ける事が出来る。

従つて前記較正器本体１側を、三脚の台板４上
に据え付けたままカセツト体２の交換を行う事が
出来る為に、該較正器と台板４間の水平度調整が
不要であり、而も前記カセツト体２は取付板に対
し位置決め容易に構成されている為に、実質的に
基準前照燈３の交換作業が極めて簡単化する。

又本考案は、単一の較正器本体１と複数のカセ
ツト体２により構成されている為に、従来技術の
ように複数の較正器を用意する必要がなく、又カ
セツト体２は複数個用意するも、角度調整機構１
１，１２や水平度調整機構１５ａ等の部品点数の
大なる部分はいずれも本体側に組込まれている為
に、従来技術に比較して製造コストが大幅に低下
するとともに、運搬時における重量負担も大幅に
軽減される。等の種々の著効を有す。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第３図は本考案の実施例に係るヘツ
ドライトテスター較正器を示し、第１図は正面
図、第２図は中央縦断面図、第３図はカセツト体
２の斜視図を示す。 １１，１２……Ｘ軸Ｙ軸角度調整機構、１０…
…カセツト取り付け板、１……較正器本体、２０
……支持板、２……カセツト体、２１……中央開
口部、３……基準前照燈、１３−２３，１４−２
４……位置決め機構。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 基準前照燈の投射光量及び投射角度が調整可能
   に構成されたヘツドライトテスター較正器におい
   て、角度調整機構を介してＸ軸及びＹ軸方向に角
   度変位可能に構成されたカセツト取り付け板を有
   する較正器本体と、背面側より前記取り付け板に
   脱着可能な支持板を有する複数のカセツト体とか
   らなり、前記カセツト体支持板の中央開口部に
   夫々所望の基準前照燈を取付けるとともに、該支
   持板と取付板の双方に位置決め機構を設け、前記
   カセツト体を較正器本体側に装着する際に、前記
   位置決め機構によりカセツト体側の基準前照燈中
   心と、取り付け板側の角度変位支軸であるＸ軸及
   びＹ軸の交点とが合致可能に構成したことを特徴
   とするヘツドライトテスター較正器。