JPH04279598A - 血清カルシウム降下因子 - Google Patents

血清カルシウム降下因子

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JPH04279598A
JPH04279598A JP3040073A JP4007391A JPH04279598A JP H04279598 A JPH04279598 A JP H04279598A JP 3040073 A JP3040073 A JP 3040073A JP 4007391 A JP4007391 A JP 4007391A JP H04279598 A JPH04279598 A JP H04279598A
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serum calcium
lowering
factor
amino acid
lowering factor
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JP3040073A
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Akito Tomomura
明人 友村
Takeyori Saeki
佐伯 武▼頼▲
Yoshito Takaoka
高岡 善人
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Chugai Pharmaceutical Co Ltd
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    • C12N9/00Enzymes; Proenzymes; Compositions thereof; Processes for preparing, activating, inhibiting, separating or purifying enzymes
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はブタ由来の血清カルシウ
ム降下因子、該因子の製造方法、及び該因子を含有する
医薬に関する。
【0002】
【従来の技術】血清カルシウム降下因子の存在が高岡ら
〔日本医事新報2951, 15〜20(1980)〕
により示唆されているが、まだ精製されておらず、その
物質としての特徴も解明されていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明は、ブタ
由来の単離された新規な血清カルシウム降下因子を提供
しようとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、ブタの膵臓
から目的とする血清カルシウム降下因子を単離精製する
ことに成功し、その物質としての特徴を解明し、さらに
若干の生物学的特徴を明らかにすることにより本発明を
完成した。すなわち、本発明は、次の性質:(1)マウ
スにおいて投与量依存的に血清カルシウムレベルを降下
せしめる; (2)SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動により
測定した分子量が約26,500〜28,000Dであ
る。 (3)等電点電気泳動により測定した等電点が約4.5
である; (4)N−末端又はその近傍に次のアミノ酸配列(配列
番号1):Val−Val−Gly−Gly−Gln−
Asn−Ala−Ile−Pro−His−Ser−T
rp−Pro−Trp−Gln−Ile−Arg−Le
u−を有する;(5)プロテアーゼ活性を有し、プロテ
アーゼ阻害剤フェニルメタンスルホニルフルオリド(P
MSF)(1mM) 、キモスタチン(100μM)及
びトリプシンインヒビター(100μg/ml)により
阻害されるが、(4−アミジノフェニル)メタンスルホ
ニルフロリド(APMSF)(50μM)及びN−〔N
−(L−3−トランス−カルボキシオキシラン−2−カ
ルボニル)−L−ロイシル〕アグマチン(E−64)(
2.5μg/ml)によって阻害されない;を有するブ
タ由来の新規な血清カルシウム降下因子を提供する。
【0005】本発明はさらに、前記血清カルシウム降下
因子をブタ膵臓から単離することを特徴とする、該血清
カルシウム降下因子の製造方法を提供する。本発明はさ
らに、前記血清カルシウム降下因子を含んで成る医薬を
提供する。
【0006】
【具体的な説明】製造方法 本発明の血清カルシウム降下因子はブタの膵臓から次の
様にして単離・精製することができる。まず、ブタの膵
臓を摘出し、常法に従って破砕してアセトンにより脱水
することによりアセトンパウダーを調製する。次に、こ
のアセトンパウダーを適当な緩衝液、例えば2%NaC
l含む0.1Mトリス塩酸(pH=8)により抽出する
ことにより抽出液を得る。次にこの抽出液にアセトンを
30%濃度に加えて生成する沈澱物を除去した後、上清
に60%濃度までアセトンを加え、生成する沈澱物を得
る。
【0007】こうして得られた30−60%アセトン画
分を適当な緩衝液、例えば脱イオン水に対し透析し、ア
セトンを除去した後、この溶液に硫酸アンモニウムを加
えて45%飽和とした後生成する沈澱物を除去する。次
にこの上清に硫酸アンモニウムを加えて60%飽和とし
、生成する沈澱を得る。この溶液を適当な緩衝液、例え
ば50mM酢酸緩衝液(pH5.5)に溶解し、同溶液
に対して透析して硫酸アンモニウムを除去することによ
り血清カルシウム降下因子粗抽出物を得る。
【0008】この抽出液から、実施例1に詳細に記載す
る方法により、本発明の血清カルシウム降下因子が得ら
れる。要約すれば、まず前記粗抽出液をQ−セファロー
ス・ファースト・フロー(Q−Sepharose F
ast Flow)カラムに適用し、50mM酢酸緩衝
液(pH5.5)及び0.1M NaCl を含有する
同酢酸緩衝液をカラムに通した後、0.2M NaCl
 を含有する同酢酸緩衝液で溶出することにより、図1
に示す3個のピークが得られる。これらのピークの内、
ピークIII のみがイン−ビボ測定(実施例1)にお
けるマウスでの血清カルシウム降下作用を示す。この結
果を実施例1の表1に示す。
【0009】次に、上記ピークIII をスーパーデッ
クス(Superdex)75HRカラムによるゲル濾
過を行えば図2のBに示すように1個のシャープなメイ
ンピークと3個のマイナーピークが観察され、このメイ
ンピークのみがイン−ビボ測定における血清カルシウム
降下作用、及びルイスの骨培養系〔Raisz L.G
., J.Clin.Invest., 44, 10
3 −116(1965) 〕における副甲状腺ホルモ
ン (PTH)−誘導カルシウム放出に対する阻害作用
を有する。この結果を図2のAに示す。
【0010】次に、前記ゲル濾過クロマトグラフィーに
より得られたメインピークをMono QHR カラム
によるイオン交換クロマトグラフィーにかけ、50mM
酢酸ナトリウム緩衝液(pH5.5)中 NaCl 濃
度直線グラジエントにより溶出する。この結果、図3に
示すようにおよそ0.2M NaCl においてメイン
ピークが溶出し、このピークはイン−ビボ測定における
血清カルシウム降下作用を有する。
【0011】次に、前記ゲル濾過クロマトグラフィーに
より得られたメインピークをWakosil 5C−1
8 カラムによる逆相液体クロマトグラフィーにかけ、
0.1%トリフルオロ酢酸(TFA) 中アセトニトリ
ル濃度直線グラジエントにより溶出すれば図4に示すよ
うな溶出プロフィールが得られ、Mono Q HR 
カラムによる精製によって本発明の血清カルシウム降下
因子が単一蛋白質として精製されたことが確認される。
【0012】本発明の血清カルシウム降下因子は上記の
様にして単離・精製されたが、一旦単離・精製され、下
記の様にその性質が解明された後は、それらの性質を指
標として、蛋白質の単離、精製に用いられる任意の常法
を用いて本発明の血清カルシウム降下因子を単離・精製
することができることは明らかである。
【0013】さらに、本発明の血清カルシウム降下因子
を遺伝子工学的手段により製造することも可能である。 例えば、ブタ膵臓から常法に従ってmRNAを単離し、
そのmRNAに基き常法に従ってcDNAライブラリー
を作製することができる。このcDNAライブラリーを
スクリーニングするためのDNAプローブは、例えば本
発明によって明らかにされた血清カルシウム降下因子の
N−末端又はその近傍のアミノ酸配列に基いて設計する
ことができる。あるいは、本発明の血清カルシウム降下
因子を酵素的に又は化学的に切断し、その断片のアミノ
酸配列を決定した後、そのアミノ酸配列に基いてDNA
プローブを設計することができる。
【0014】次に、こうして得られた、血清カルシウム
降下因子をコードするcDNAを適当な発現ベクターに
挿入した後、この発現ベクターにより宿主を形質転換し
、この形質転換体を培養することにより本発明の血清カ
ルシウム降下因子を製造することができる。このための
宿主として、大腸菌のごとき原核細胞、酵母のごとき下
等真核細胞、哺乳類培養細胞のごとき高等真核細胞等、
常用の宿主を用いることができる。
【0015】血清カルシウム降下因子の性質(1)分子
量 本発明の血清カルシウム降下因子の分子量をSDS−ア
クリルアミドゲル電気泳動により測定した場合、約26
,500〜28,000Dの単一分子量を示す。 (2)等電点 等電点電気泳動法により測定した場合、本発明の血清カ
ルシウム降下因子は約4.5の単一の等電点を示す。
【0016】(3)部分アミノ酸配列 本発明の精製血清カルシウム降下因子を常法に従ってエ
ドマン分解にかけた場合、N−末端端又はその近傍に次
のアミノ酸配列(配列番号1):Val−Val−Gl
y−Gly−Gln−Asn−Ala−Ile−Pro
−His−Ser−Trp−Pro−Trp−Gln−
Ile−Arg−Leu−を有する。このアミノ酸配列
はブタ−プラスミノーゲン、ヒト−アポプロテインA、
ブタ−エラスターゼ2、ウシ−キモトリプシノーゲンA
、ウシ−キモトリプシノーゲンB、ヒト−プラズマカリ
クレイン(Pre) 及びヒト−凝固因子XI(Pre
) のアミノ酸配列との間にホモロジーが存在するが同
一ではなく、本発明の血清カルシウム降下因子は新規な
蛋白質である。
【0017】(4)プロテアーゼ阻害剤による作用本発
明の血清カルシウム降下因子はプロテアーゼ活性を有し
、プロテアーゼ阻害剤に対する本発明の血清カルシウム
降下因子の挙動を実施例3及び表2に詳細に記載する。
【0018】
【効果】本発明の血清カルシウム降下因子は、イン−ビ
ボにおいて血清カルシウム降下作用を有するから、種々
の骨疾患、例えば骨粗鬆症、原発性副甲状腺機能亢進症
、悪性腫瘍に伴なう高カルシウム血症等の治療及び予防
のための医薬の活性成分として有用であると期待される
。本発明の血清カルシウム降下因子は、常用の医薬キャ
リヤーと共に製剤化して非経口投与、例えば静脈内投与
、皮下投与、筋肉内投与等、又は経腸もしくは経口投与
等により投与することができる。
【0019】実施例1.ブタ膵臓由来血清カルシウム降
下因子の精製 ブタ膵臓のアセトンパウダーを調製し、これを2%Na
Clを含む0.1Mトリス塩酸緩衝液により抽出し、次
にアセトン濃度30−60%でアセトン沈澱画分を得た
。この画分を脱イオン水に対し透析した後硫酸アンモニ
ウム塩析を行い、硫酸アンモニウム45−60%飽和で
沈澱画分を得た。
【0020】この硫酸アンモニウム沈澱画分を50mM
酢酸緩衝液(pH5.5)に溶解した後、同緩衝液に対
して透析して硫酸アンモニウムを除去して血清カルシウ
ム降下因子粗抽出液を得た。この抽出液をQ−セファロ
ース・ファースト・フロー(Q−Sepharose 
Fast Flow)カラムを用いてイオン交換クロマ
トグラフィーにかけた。大部分の蛋白質は50mM酢酸
緩衝液(pH5.5)により素通りした。 次に、0.1MNaCl を含有する同緩衝液により段
階溶出した後、0.2M NaCl を含有する同緩衝
液により段階溶出した。この結果図1に示す3個のピー
クが得られた。
【0021】次に、これらのピークについて、次の方法
(イン−ビボ測定)によりマウスにおける血清カルシウ
ム降下作用を調べた。4〜6週齢のBALB/C 系雄
マウスを18時間絶食し、0.1Mトリス塩酸緩衝液(
pH=7.5)のみ、又は同緩衝液に上記各ピークをそ
れぞれ溶解した検体を体重20gあたり 100μlの
割合でマウス尾静脈より投与する。4時間後にエーテル
麻酔下にて心臓より採血を行ない、血清を得る。血清カ
ルシウム濃度の測定はオルトクレゾールフタレインコン
プレクソン法に従った。その結果を次の表1に示す。
【0022】
【表1】
【0023】表1の結果から明らかなように、血清カル
シウム降下活性はピークIII に存在し、このピーク
を1/10濃度に希釈しても有意な血清カルシウム降下
活性が認められた。
【0024】次に、上記ピークIII をゲル濾過クロ
マトグラフィーにかけた。すなわち、ピークIII を
0.2M酢酸アンモニウム緩衝液(pH6.8)中でス
ーパーデックス(Superdex)75 HR 10
/30カラムにかけ、0.5ml/分で溶出を行い、1
mlずつ分画した。この結果を図2のBに示す。この結
果、1個のシャープなメインピークと3個のマイナーピ
ークが見られ、このメインピークは、分子量約22,0
00KDに相当し、このピークにイン−ビボ測定による
血清カルシウム降下作用が認められた。次に、前記4個
のピークに相当する画分を含む幾つかの画分についてル
イスの骨培養系を用いて、副甲状腺ホルモン(PTH)
 によるカルシウムの放出を阻害する各画分の活性を調
べた。この試験は次の様にして行った。
【0025】ICR系妊娠15日目マウスに、10〜2
0μCiの45Caを皮下注し、翌日、胎児の前腕骨を
切り出し、α−MEM培地で1日間、前培養を行う。検
体と副甲状腺ホルモン(PTH)を含む同培地に交換し
、3日間培養する。骨中45Caは酸脱灰にて求める。 副甲状腺ホルモン(PTH)によるカルシウム放出効果
は骨中と培地中の45Caの総和に対する培地中の45
Caの割合で表わす。
【0026】この結果を図2のAに示す。図2において
、Aの棒の位置はBにおける画分番号に対応する。この
図に示すように、PTH (10−7M)はカルシウム
の放出を約80%促進するが、メインピークに相当する
画分はこのカルシウム放出促進を完全に阻害した。これ
に対して、3個のマイナーピークに相当する画分及びい
ずれのピークにも対応しない画分はいずれも阻害作用を
示さなかった。
【0027】このメインピークをドデシル硫酸ナトリウ
ム存在下でのポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS
−PAGE) にかけ、分子量標準(アルブミン67K
D、オブアルブミン43KD、カーボニックアンヒドラ
ーゼ30KD、トリプシンインヒビター20KD、及び
α−ラクトアルブミン14KDと比較したところ、主バ
ンドは分子量約26,500Dを示した。
【0028】次に、前記ゲル濾過クロマトグラフィーに
より得られたメインピークをMono QHR 5/5
カラムを用いるイオン交換クロマトグラフィーにかけた
。緩衝液A〔50mM酢酸ナトリウム(pH5.5)〕
及び緩衝液B〔0.5M NaCl を含有する50m
M酢酸ナトリウム(pH5.5)〕を用いて NaCl
 濃度直線グラジエントにより流速0.5ml/分で溶
出を行い1mlずつ分画した。この結果を図3に示す。 NaCl濃度約0.2Mにおいてメインピークが得られ
、このピークはイン−ビボ測定において血清カルシウム
降下作用を有していた。
【0029】次に、前記 Mono Q カラムを用い
るイオン交換クロマトグラフィーから得られた活性メイ
ンピークの純度を逆相液体クロマトグラフィーにより調
べた。Wakosil 5C−18 200 カラムを
用い、溶媒A〔20%アセトニトリル中0.1%トリフ
ルオロ酢酸(TFA) 〕及び溶媒B(80%アセトニ
トリル中0.1%  TFA)を用いるアセトニトリル
濃度直線グラジエントにより流速1ml/分にて溶出を
行った。溶出は、 100%A:5分間;0−50%B
:25分間;50−100 %B:5分間; 100%
B:5分間で行った。この結果を図4に示す。アセトニ
トリル濃度約50%で単一ピークが得られ、本発明の血
清カルシウム降下因子が単一蛋白質まで精製されたこと
が確認された。
【0030】次に、前記 Mono Q イオン交換ク
ロマトグラフィーにより得られた活性ピーク及びWak
osil 5C−18 逆相液体クロマトグラフィーに
より得られたピークについて、前記の方法により非還元
SDS−PAGEにより分子量を調べたところ、血清カ
ルシウム降下因子の分子量は約28,000Dと計算さ
れた。
【0031】また、前記 Mono Q イオン交換ク
ロマトグラフィーからの画分の等電点(pI)を等電点
電気泳動法により調べたところ、等電点標準(ヒトカー
ボニックアンヒドラーゼB:pI=6.55:ウシカー
ボニックアンヒドラーゼB:pI=5.85:β−ラク
トグロブリンA:pI=5.2:大豆トリプシンインヒ
ビターpI=4.55)と比較して、本発明の血清カル
シウム降下因子はおよそpI=4.5の位置に単一ピー
クを示した。
【0032】実施例2.部分アミノ酸配列の決定前記 
Mono Q カラムによるゲル濾過クロマトグラフィ
ーにより得られたメイン活性画分、及びWakosil
 5C−18 による逆相液体クロマトグラフィーによ
り得られた画分について、蛋白質のN−末端のアミノ酸
配列を常法に従いエドマン分解法により調べた。その結
果、上記2個の試料について同じ結果が得られ、本発明
の血清カルシウム降下因子はそのN−末端又はN−末端
近傍に次のアミノ酸配列(配列番号1)を有することが
推定された。
【0033】Val−Val−Gly−Gly−Gln
−Asn−Ala−Ile−Pro−His−Ser−
Trp−Pro−Trp−Gln−Ile−Arg−L
eu−
【0034】次に、10番目〜18番目のアミノ
酸配列に基きホモロギー検索を行ったところ、ブタ−プ
ラスミノーゲン、ヒト−アポプロテインA、ブタ−エラ
スターゼ2、ウシ−キモトリプシノーゲンA、ウシ−キ
モトリプシノーゲンB、ヒト−プラズマカリクレイン(
Pre) 、及びヒト−凝固因子XI(Pre)とアミ
ノ酸配列のホモロジーが存在することが見出されたが、
そのいずれとも同一ではなく、本発明の血清カルシウム
降下因子が新規な蛋白質であることが確認された。
【0035】実施例3. 前記精製工程において、血清カルシウム降下因子蛋白質
の分解断片と推定される断片の生成が観察されることか
ら、血清カルシウム降下因子自体がプロテアーゼ活性を
有することが推定されたので、本発明の血清カルシウム
降下因子のプロテアーゼ活性に対する各種プロテアーゼ
阻害剤の効果を、次の様にして調べた。
【0036】即ち、1mg/mlのアゾカゼインを基質
とし、0.25mlの系で37℃30分間インキュベー
ションを行い、5%トリクロル酢酸1mlを加えた後、
遠心上清の OD340nmを測定し、これをプロテア
ーゼ活性とした。各プロテアーゼ阻害剤の効果は、対照
(阻害剤を含まない)のプロテアーゼ活性を 100と
したときの%として示す。
【0037】プロテアーゼ阻害剤として、セリンプロテ
アーゼ阻害剤であるフェニルメタンスルホニルフルオリ
ド(PMSF);トリプシン型セリンプロテアーゼ阻害
剤である(4−アミジノフェニル)メタンスルホニルフ
ロリド (APMSF);トリプシン型セリンプロテア
ーゼ−チオールプロテアーゼ阻害剤であるロイペプチン
(leupeptin);キモトリプシン型セリンプロ
テアーゼ阻害剤であるキモスタチン(chymosta
tin) ;チオールプロテアーゼ阻害剤であるN−〔
N−(L−3−トランス−カルボキシオキシラン−2−
カルボニル)−L−ロイシル〕アグマチン(E−64)
、酸性プロテアーゼ阻害剤であるペプスタチン(pep
statin) ;トリプシン、Xa 因子、プラスミ
ン及びプラズマカリクレインの阻害剤であるトリプシン
インヒビター(trypsin inhibitor)
 ;並びにプラスミン及びカリクレインの阻害剤である
アプロチニン(aprotinin) を用いた。
【0038】その結果、表2に次すように、PMSF(
1mM)、キモトリプシン(100μM)、及びトリプ
シンインヒビター(100μg/ml)により阻害され
、APMSF(50μM)及びE−64(2.5μg/
ml)により阻害されず、そしてロイペプチン(100
μM)、ペプスタチン(100μM)及びアプロチニン
(2mg/ml)により部分的に阻害された。
【0039】
【表2】
【0040】実施例4.血清カルシウム降下因子の作用
機作の検討 血清カルシウム降下因子がプロテアーゼ活性を有するこ
とから、この因子が、血清カルシウムを調節している副
甲状腺ホルモン(PTH) を分解している可能性があ
る。そこで、血清カルシウム降下因子とPTHとを一緒
にインキュベートした後反応生成物を逆相液体クロマト
グラフィーで調べたところ、PTHは血清カルシウム降
下因子により分解して低分子化しており、この反応にプ
ロテアーゼ阻害剤であるPMSFを共存させるとPTH
の分解が阻害された。
【0041】そこで、血清蛋白質が高濃度で存在するイ
ン−ビボ系やルイスの骨培養系(前記)において血清カ
ルシウム降下因子がPTHを分解するか否かを調べた。 ルイスの骨培養系でのPTH又はビタミンDによるカル
シウムの放出を血清カルシウム降下因子が阻害するか否
かを調べた。その結果、血清カルシウム降下因子は10
ng/mlの低濃度でPTHの効果を阻害したが、 1
00ng/mlの濃度でもビタミンDの効果を阻害しな
かった。
【0042】そこで、PTHの効果の阻害が血清カルシ
ウム降下因子のプロテアーゼ活性によるものであるか否
かを調べるため、プロテアーゼに不可逆的に結合するプ
ロテアーゼ阻害剤であるPMSFにより前処理した血清
カルシウム降下因子がPTH及びビタミンDのカルシウ
ム放出作用を阻害するか否か調べた。その結果、プロテ
アーゼ阻害剤PMSFで前処理された血清カルシウム降
下因子は無処理の降下因子と同様、PTHの作用を阻害
したが、ビタミンDの作用を阻害しなかった。
【0043】次に、マウスでのイン−ビボ測定における
血清カルシウム降下因子による血清カルシウム濃度の低
下を、PMSFで処理した血清カルシウム降下因子と無
処理の因子を用いて調べた。この結果を図5に示す。図
中、白円は無処理の血清カルシウム降下因子の結果を示
し、黒円はPMSF処理した血清カルシウム降下因子の
結果を示し、そして黒四角は、横軸に示すだけの血清カ
ルシウム降下因子が投与された場合にそれに伴って投与
される量のPMSFのみを投与した場合の結果(対照)
を示す。
【0044】PMSFは血清カルシウムを降下させない
が、無処理血清カルシウム降下因子は投与量依存的に血
清カルシウムを低下させた。PMSF処理の血清カルシ
ウム降下因子も投与量依存的に血清カルシウムを低下せ
しめ、曲線はむしろ低濃度の側にシフトした。この結果
は、プロテアーゼ活性を阻害された血清カルシウム降下
因子が血清カルシウム降下作用を発現している可能性を
示唆している。
【配列表】
配列番号:1 配列の長さ:18 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド
【図面の簡単な説明】
【図1】図1はQ−セファロース・ファスト・フローカ
ラムクロマトグラフィーにおける溶出の様子を示す。ピ
ークIII のみが血清カルシウム降下作用を有する。
【図2】図2において、Aはスーパーデックス75 H
R によるゲル濾過クロマトグラフィーにおける溶出の
様子を示す。AはBに対応する幾つかの画分による、ル
イスの骨培養系におけるカルシウム放出(PTHによる
)の阻害を示す。メインインピークのみにカルシウム放
出阻害作用が認められた。
【図3】図3は Mono Q カラムによるイオン交
換クロマトグラフィーにおける溶出の様子を示す。メイ
ンピークのみが血清カルシウム降下作用を示す。
【図4】図4はWakosil 5C−18 カラムに
よる逆相液体クロマトグラフィーにおける溶出の様子を
示す。
【図5】図5は血清カルシウム降下因子(白円)、及び
プロテアーゼ阻害剤PMSFで処理された血清カルシウ
ム降下因子(黒円)が投与量依存的に血清カルシウムを
降下させる様子を示すグラフである。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  次の性質を有するブタ由来の血清カル
    シウム降下因子: (1)マウスにおいて投与量依存的に血清カルシウムレ
    ベルを降下せしめる; (2)SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動により
    測定した分子量が約26,500〜28,000Dであ
    る;(3)等電点電気泳動により測定した等電点が約4
    .5である; (4)N−末端又はその近傍に次のアミノ酸配列(配列
    番号1):Val−Val−Gly−Gly−Gln−
    Asn−Ala−Ile−Pro−His−Ser−T
    rp−Pro−Trp−Gln−Ile−Arg−Le
    u−を有する;(5)プロテアーゼ活性を有し、プロテ
    アーゼ阻害剤であるフェニルメタンスルホニルフロリド
    (PMSF)(1mM) 、キモスタチン(100μM
    )及びトリプシンインヒビター(100μg/ml)に
    より阻害されるが、(4−アミジノフェニル)メタンス
    ルホニルフトリド(APMSF)(50μM)及びN−
    〔N−(L−3−トランス−カルボキシオキシラン−2
    −カルボニル)−L−ロイシル〕アグマチン(E−64
    )(2.5μg/ml)によって阻害されない。
  2. 【請求項2】  ブタ膵臓から請求項1に記載する蛋白
    質を単離することを特徴とする血清カルシウム降下因子
    の製造方法。
  3. 【請求項3】  請求項1に記載の血清カルシウム降下
    因子を含んで成る医薬。
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