JPH0427813Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、多数の壜とともにケース内に収納さ
れて、各壜が互いに接触しないようにして壜を保
護する緩衝材としての収壜仕切部材に関するもの
である。

（従来の技術） 従来、この種の収壜仕切部材としては種々なも
のが提案されている。この収壜仕切部材は、例え
ば紙又は発泡スチロールのような材料によつて一
枚のシートを形成し、このシートの表裏の両方に
壜の胴部の外形に対応する凹所を複数設けること
によつて形成されている。そして、この収壜仕切
部材は、その各凹所が壜の胴部に当接するように
ケース内に収納することによつて、壜を保護する
ものである。

しかしながら。このような収壜仕切部材にあつ
ては、各壜の保護がその胴部によつてのみ行なう
ものであることから、壜を収納したケースに加わ
る衝撃が小さい場合にはこれだけでも十分ではあ
るが、例え瞬時であつても比較的大きな衝撃が加
わつた場合には各壜が互いに急激に寄り合つて接
触するこがあり、当該収壜仕切部材が緩衝材とし
ての役割を果さない場合があつた。つまり、この
収壜仕切部材による壜の保護は、壜の胴部の全体
で行うのではなく、シートの表裏に位置する壜を
保護しなければならないこともあつて、胴部の約
半分（胴部の上方半分又は下方半分）の部分によ
つてしかなされていないから、急激な衝撃が加つ
た場合には壜が互いに接触し合うことがあつたの
である。

また、この収壜仕切部材が各壜の間に挿入され
ていたとしても、各壜間の隙間が完全に埋めつく
されているわけではないから、多少の壜同士のガ
タつきが生じ、これによつても各壜の保護が確実
になされていたとは言えなかつた。

さらに、このような収壜仕切部材の具体的従来
例として、実開昭51−148381号公報に「びん詰販
売用緩衝材」が提案されている。このびん詰販売
用緩衝材は、「パルプまたは故紙により販売用容
器内に嵌合する大きさに形成した主板に、数本の
びんのほぼ全長にわたつてその半部が嵌まる凹部
を列設し、またびん口の嵌合用キヤツプ状凹入部
を形成した立上り辺を前記主板の先に屈曲可能薄
層部を介して一体に連設し、該立上り片の先には
水平片および安定脚片を一体に連設したことを特
徴とする」ものであるが、このびん詰販売用緩衝
材には次のような不便さがある。すなわち、この
びん詰販売用緩衝材は、まず販売用容器内に嵌合
して、その後にびん口の嵌合用キヤツプ状凹入部
内にびん口を嵌め、かつびん詰販売用緩衝材の凹
部内にびんを収納するものであつて、まず箱内に
びんを収納してから後に当該びん詰販売用緩衝材
を機械的に収納することはできないものである。
しかも、このびんの底部を保護するための部分を
有しているため、なおのこと当該びん詰販売用緩
衝材は機械的に収納することはできないものであ
る。

なお、本考案の出願人は、上記の実開昭51−
148381号公報に記載されている「びん詰販売用緩
衝材」を改良するために、既に実公昭59−38336
号公報に記載の「収壜仕切部材」にて提案してい
る。

（考案が解決しようとする問題点） 本考案は、以上のような実状に対処すべく考案
者等の鋭意研究によつてなされたものであり、そ
の解決しようとするところは、ケース内に収納さ
れる複数の壜の保護を簡単な構成により確実に行
なうことのできる収壜仕切部材を提供することに
ある。そして、本考案のさらに具体的目的は、こ
の種の収壜仕切部材を機械的に壜間に入れること
ができるようなものとすることによつて、壜の機
械詰め作業を容易にすることにある。

（問題点を解決するための手段） 上記の問題点を解決するための本考案に係る手
段は、 「一枚のシートから一体的に形成されて、ケー
ス内に収納した多数の壜の間に入れることによ
り、これらの壜が本体に形成した収納凹部内に配
置されることによつて当該壜を互いに接触しない
ようにする収壜仕切部材において、 前記本体の上部に支持部を折曲自在に一体的に
形成するとともに、この本体を前記ケース内に収
納した多数の壜の間に入れることができるように
するために、前記本体に形成した収納凹部をこの
本体の下方側に対して開放したものとして、前記
支持部に前記本体の一側側に配置される壜の頭部
を支持する嵌合部を形成したことを特徴とする収
壜仕切部材。」 である。

次に、本考案を、図面に示した例に基づいて説
明すると、第１図及び第２図には、本考案に係る
収壜仕切部材１０の正面図及び平面図がそれぞれ
示してあり、第３図は当該収壜仕切部材１０の斜
視図である。この収壜仕切部材１０は、複数の収
納凹部１３を形成した本体１１と、この本体１１
と一体的で複数の嵌合部１４を有する支持部１２
とからなつており、これら本体１１及び支持部１
２は一枚の合成樹脂製シートにより一体的に形成
されている。そして、各本体１１及び支持部１２
はその間に位置する折曲部１５にて折曲自在とな
つている。

各収納凹部１３は、本例の場合、本体１１の表
裏両面にそれぞれ合計４個づつあり、一側側の収
納凹部１３は本体１１の中央部から下部にかけて
形成され、一方他側側の収納凹部１３は本体１１
の上部及び下端部に分割して形成されている。こ
れら各収納凹部１３間に位置する山部１３ａは、
第２図に示したように、各壜２０の中心を結んだ
線より僅かに外方へ突出する程度の長さを有して
いる。そして、各収納凹部１３は、本体１１の下
方側に対して開放したものとして形成したもので
あり。これにより当該収壜仕切部材１０を ケー
ス２１内に収納した複数の壜２０間に上方から差
し込むことが容易となるのである。

なお、各山部１３ａは第２図の一部仮想線にて
示したように各壜２０の外端面にまで延出するよ
うに形成して実施してもよい。

支持部１２に設けた嵌合部１４は、当該収壜仕
切部材１０によつて保護されるべき壜２０の頭部
に対応する凹所として形成され、合計４個ある。
また、各嵌合部１４は、第４図及び第５図に示し
たように、支持部１２を本体１１に対して直角に
折り畳んだとき、各収納凹部１３内に位置する壜
２０の頭部に対応すべく位置決めされている。

さらに、本体１１の概略形状としては、第２図
及び第３図に示したように、各収納凹部１３を本
体１１の下方側に対して開放したものとして形成
したものであるから、この本体１１は各壜２０間
に形成される隙間に対して言わば平行状態のもの
となつているのである。これにより、当該収壜仕
切部材１０は、これをケース２１内に収納した複
数の壜２０間に上方から差し込むことが容易とな
るのである。

なお、各嵌合部１４は、折曲部１５を中心に支
持部１２を折り曲げて壜２０の頭部に嵌合し易く
するため、支持部１２の折り曲げ方向に対して僅
かに長く形成して実施するとよい。また、各嵌合
部１４は、図面の例の場合には壜２０の頭部に嵌
合されるキヤツプ状のものとして形成したが、こ
れに限らず、例えば単なる円状或いは支持部１２
の折り曲げ方向側が長径となる楕円状に形成して
実施してもよい。

上記の例においては、本体１１の表裏両面に収
納凹部１３を形成した場合について説明したが、
これに限らず、本考案は本体１１の一面側にのみ
収納凹部１３を形成したものについても適用でき
ることは勿論である。

（考案の作用） 以上のように構成した収壜仕切部材１０は、第
４図に示したように、ケース２１内に収納した複
数の壜２０間に上方から差し込む。そして、支持
部１２を折曲部１５を中心にして各壜２０の頭部
側へ折り畳み、支持部１２に設けた各嵌合部１４
を一部の壜２０の頭部に嵌合させる。本例の場
合、ケース２１内の壜２０は合計20本であり、各
嵌合部１４が嵌合される壜２０は合計８本であ
る。これにより、各壜２０の胴部は収壜仕切部材
１０の各収納凹部１３内に保持されるとともに、
山部１３ａにより互いに離隔される。そして、一
部の壜２０の頭部は支持部１２の各嵌合部１４に
よつて支えられた状態となる。

また、各収納凹部１３間に位置する山部１３ａ
は、第２図に示したように、各壜２０の中心を結
んだ線より僅かに外方へ突出する程度の長さを有
しているので、これにより各壜２０を互いに離隔
している。この場合、各収納凹部１３間に位置す
る山部１３ａの長さを壜２０の直径とほぼ同じと
なるようにすれば、この山部１３ａがケース２１
の内面に当接して、ケース２１内での収壜仕切部
材１０の位置決め及び各壜２０間の離隔を確実な
ものとする。

（考案の効果） この収壜仕切部材１０によれば、各収納凹部１
３及び山部１３ａによつて壜２０の胴部が保護さ
れることは勿論のこと、支持部１２の各嵌合部１
４によつて保持されているから、少なくとも各嵌
合部１４のよつて保持された壜２０はケース２１
内にてガタつくことはない。つまり、この壜２０
は、その胴部及び頭部を当該収壜仕切部材１０に
よつて保護又は支持されることから、当該壜２０
のケース２１内にての保護は確実になされる。こ
のことは、当部又は頭部の長いワイン用壜におい
て特に顕著である。

また、この収壜仕切部材１０の使用に際して
は、ケース２１内の各壜２０間に上方から差し込
む。そして、この収壜仕切部材１０は、その支持
部１２を折曲部１５を中心に折り曲げてから各嵌
合部１４を各壜２０の頭部に嵌合するだけでよ
い。従つて、この収壜仕切部材１０は極めて簡単
に使用することができるのである。また、この収
壜仕切部材１０は、壜間に形成される隙間に対し
て言わば平方状態のものとなつているから、これ
を機械的に壜間に入れることができて、壜の機械
詰め作業を容易にすることができるのである。

さらに、当該収壜仕切部材１０は一枚のシート
により連続圧空成形することができ、極めて簡単
な構成と共に、量産に適したものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る収壜仕切部材の正面図、
第２図は同平面図、第３図は同斜視図、第４図は
当該収壜仕切部材の使用状態を示す斜視図、第５
図は第４図の−線に沿つてみた部分拡大縦断
面図である。 符号の説明、１０……収壜仕切部材、１１……
本体、１２……支持部、１３……収納凹部、１３
ａ……山部、１４……嵌合部、１５……折曲部、
２０……壜。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 一枚のシートから一体的に形成されて、ケース
   内に収納した多数の壜の間に入れることにより、
   これらの壜が本体に形成した収納凹部内に配置さ
   れることによつて当該壜を互いに接触しないよう
   にする収壜仕切部材において、 前記本体の上部に支持部を折曲自在に一体的に
   形成するとともに、この本体を前記ケース内に収
   納した多数の壜の間に入れることができるように
   するために、前記本体に形成した収納凹部をこの
   本体の下方側に対して開放したものとして、前記
   支持部に前記本体の一側側に配置される壜の頭部
   を支持する嵌合部を形成したことを特徴とする収
   壜仕切部材。