JPH04278092A - 組換えベクター、形質転換枯草菌及び結晶毒素蛋白の製造方法 - Google Patents

組換えベクター、形質転換枯草菌及び結晶毒素蛋白の製造方法

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JPH04278092A
JPH04278092A JP5950391A JP5950391A JPH04278092A JP H04278092 A JPH04278092 A JP H04278092A JP 5950391 A JP5950391 A JP 5950391A JP 5950391 A JP5950391 A JP 5950391A JP H04278092 A JPH04278092 A JP H04278092A
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bacillus
subtilis
gene
crystal
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JP5950391A
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Akira Akashi
昭 赤司
Iwao Omori
大森 巌
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Toagosei Co Ltd
Original Assignee
Toagosei Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、鱗翅目昆虫(ガやチョ
ウの類)の幼虫に対して、優れた殺虫効果を示し、農薬
として有効な結晶毒素蛋白を人畜に無害な枯草菌を宿主
として抗生物質を含有しない培養液で安定かつ大量生産
する方法に関するものであり、又、それに使用される組
換えベクター及び形質転換枯草菌に関するものであり、
農業、農薬業界で有効に利用されるものであり。
【0002】
【従来の技術】バチルス・チューリンゲンシスの生活環
中、胞子形成期にこれと同調して形成される細胞内封入
体は、結晶毒素蛋白と称され、多くの鱗翅目昆虫の幼虫
に対して毒性を示すことから農薬として広く用いられて
いる。
【0003】結晶毒素蛋白を有効成分とする微生物農薬
の製造方法としては、主としてバチルス・チューリンゲ
ンシス変種クルスタキHD−1株(Bacillus 
thuringiensisvar. kurstak
i  HD−1)を培養し、その発酵産物である結晶毒
素蛋白を、これに混在する生胞子とを分離することなく
そのまま製剤化するという方法が採用されている。
【0004】一方、近年の遺伝子組換え技術の進歩に伴
ない結晶毒素蛋白をコードする遺伝子をクローニングし
、大腸菌や枯草菌等の異種微生物に導入し結晶毒素蛋白
を生産させようとする試みがなされている。
【0005】アナパージーシバクマー等(特開昭62−
181777、J.Bacteriol.166、19
4、1986)はバチルス・チューリンゲンシス変種ク
ルスタキHD−1−ダイペル(Dipel)の結晶毒素
蛋白をコードする遺伝子を枯草菌において複製(増殖)
しうるプラスミドに連結し、枯草菌に導入することによ
りバイピラミダル(bipyramidal)構造の結
晶体を産生させたことを報告している。
【0006】古屋等(特開昭62−294080)は、
バチルス・チューリンゲンシス変種ソットーの結晶毒素
蛋白をコードする遺伝子を枯草菌で増殖可能なベクター
に連結した後、枯草菌に導入して結晶毒素蛋白を発現さ
せ、親株のバチルス・チューリンゲンシス変種ソットー
より高い殺虫活性を示すものを得たことを報告している
【0007】さらに、ジョン・ダブリュ・クリスマン等
(Appl.Environ.Microbiol.5
5、2302、1989)は、バチルス・チューリンゲ
ンシス・変種クルスタキの結晶毒素蛋白をコードする遺
伝子を枯草菌で複製可能な低コピープラスミドpSY2
28に連結した後、枯草菌に導入して spoVGプロ
モーター制御下結晶毒素を全菌体蛋白の25%以上生産
させることに成功した。
【0008】しかしながら、枯草菌で生産された結晶毒
素蛋白の殺虫活性はバチルス・チューリンゲンシスで生
産されたそれに比べると低く、プラスミドの安定性も満
足いくものではなかった。
【0009】更に、上に述べた結晶毒素蛋白の枯草菌で
の生産の例は、全て結晶毒素蛋白をコードする遺伝子を
枯草菌で複製可能なベクターに連結し枯草菌へ導入して
おり組換えプラスミドを有する枯草菌形質転換体は、抗
生物質を含有する培地で培養されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】枯草菌はヒトに対する
毒性がないこと、遺伝子性質が詳細に調べられ種々の変
異体が得られていること、及び、菌体外に蛋白質を効率
よく分泌することから遺伝子組換えの宿主として前記し
た様に広く利用されている。
【0011】しかし、枯草菌を宿主とした遺伝子組換え
技術による物質生産は以下の点に大きな問題を有してい
る。
【0012】即ち、以下の2つに分類される枯草菌内に
おけるプラスミドベクターの不安定性という大きな問題
がある(S.Bron and E.Luxen Pl
asmid 14、235、1985)。
【0013】まず、プラスミドの脱落の問題がある。こ
れは、プラスミドを保有する枯草菌が細胞分裂の際、娘
細胞に均等に分配されず、その結果プラスミドを保持し
ない細胞が出現する現象である。
【0014】この問題は、フラスコレベルの実験では、
プラスミドに抗生物質耐性等のマーカー遺伝子を付与し
ておき、前記した様に培地へ抗生物質を添加することに
より、プラスミドの脱落株の増殖を制御するということ
で解決可能である。しかし、工業的レベルでは、高価な
抗生物質を大量に使用しなければならない点、及び、添
加した抗生物質が短時間に不活化される点から、上記方
法では満足し得ず、工業的な生産において、プラスミド
の脱落を防止するということは非常に重要な問題である
(小林猛、昭和63年度農芸化学会講演要旨集、p44
9)。
【0015】さらに、プラスミドの欠失の問題がある。 これはプラスミドを構成するDNA断片の一部が消失(
欠失)し、プラスミドが小型化する現象である。
【0016】この問題を解決するためには、プラスミド
が欠失しにくい変異枯草菌が分離されているが、その性
能は充分なものといえる状態にはない。
【0017】上記したプラスミドの不安定性は、枯草菌
を宿主にして遺伝子組換えにより有用物質を生産する際
の解決されねばならない大きな問題点である。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記問題
点の生ずることのない結晶毒素蛋白の生産方法について
種々検討し、バチルス・チューリンゲンシスの結晶毒素
蛋白をコードする遺伝子が染色体に組込まれた枯草菌が
、抗生物質を含有しない培地でも安定かつ大量に結晶毒
素蛋白を生産することを見出して本発明を完成したので
ある。
【0019】さらに、上記の点を詳細に説明すれば、ま
ず本発明者らは、大腸菌プラスミドpUC19、枯草菌
で発現されるクロラムフェニコール(Cm)耐性遺伝子
(CAT遺伝子)及び枯草菌の胞子形成に関与する s
poVG遺伝子のプロモーターを含むDNA断片より構
成される組込み発現プラスミドベクターを作成した。次
にこのプラスミドベクターに結晶毒素蛋白をコードする
遺伝子を連結し枯草菌に導入すると、染色体に当該遺伝
子が組込まれた形質転換体が得られることを見出した。 そして、この形質転換体をCm を含有するもしくはC
m を含有しない適当な培地に接種し、好気培養条件下
で30〜37℃の温度で培養したところ、この培養液は
コナガに対して親株のバチルス・チューリンゲンシスと
同等以上の殺虫活性を有しており、農薬原料として非常
に有効のみならず、Cm を含有しない培養液でも該遺
伝子が安定に保持されることを見出し本発明を完成した
のである。
【0020】即ち、本発明は、大腸菌で複製可能なベク
ターに枯草菌の spoVG遺伝子プロモーターを含む
DNA断片、枯草菌で発現し得る抗生物質耐性遺伝子及
び結晶毒素蛋白をコードする遺伝子が連結されているこ
とを特徴とする組換えベクター、該ベクターを染色体中
に有することを特徴とする形質転換枯草菌及び該形質転
換枯草菌を抗生物質非存在下に培養して結晶毒素蛋白を
産生させることを特徴とする結晶毒素蛋白の製造方法に
関するものである。
【0021】○大腸菌で複製可能なベクター大腸菌で複
製可能なベクターとしては、大腸菌プラスミド pUC
19、pUC9、 pBR322等の大腸菌で複製でき
るものを挙げることができ、大腸菌で複製できるもので
あれば特に限定されるものではない。
【0022】○枯草菌で発現し得る抗生物質耐性遺伝子
枯草菌で発現し得る抗生物質耐性遺伝子(抗生物質耐性
マーカー)としては、pZL207由来のCm 耐性遺
伝子や pUB110由来のカナマイシン耐性遺伝子等
の枯草菌で発現できるものを挙げることができ、枯草菌
で発現できるものであれば特に限定されるものではない
【0023】○結晶毒素遺伝子組込み発現プラスミドの
作成 結晶毒素遺伝子を枯草菌染色体へ組込み発現させるため
のプラスミド( pVG1)としては、例えば、大腸菌
プラスミド pUC19、抗生物質耐性マーカーとして
 pZL207由来のCm 耐性遺伝子、及び、同じく
 pZL207由来の枯草菌の胞子形成遺伝子である 
spoVGのプロモーターを含有するDNA断片より構
成され、その構築方法と構造は図1に示されるものであ
る。
【0024】結晶毒素遺伝子は spoVG遺伝子プロ
モーターの下流に存在する唯一の制限酵素切断部位Ba
mHIあるいはPstIに連結することにより spo
VGプロモーターの制御下枯草菌中で発現させることが
できる。
【0025】○結晶毒素蛋白をコードする遺伝子結晶毒
素蛋白をコードする遺伝子(結晶毒素遺伝子)としては
、 cry−1−1(微工研菌寄第8482号)並びに
、 cry−1−2(微工研菌寄第8483号)を挙げ
ることができ、これらは田村らが作成したプラスミドで
あり、バチルス・チューリンゲンシス変種HD−1の結
晶毒素遺伝子を各々大腸菌ベクター pUC9のEco
RI部位並びに pUC9のBamHI部位へ連結した
ものであり、それらの制限酵素地図は図2に示すもので
ある。
【0026】○培養 結晶毒素遺伝子が染色体に組込まれた形質転換枯草菌は
、抗生物質Cm を含有しない2×SG培地(Leig
hton、T.J.and Doi 、R.H.;J.
Biol.Chem.246  3189、1971)
、LB培地(バクトトリプトン10g、イーストエキス
トラクト5g、食塩5g、蒸留水1L)、あるいは、コ
ーンスティープリカーを主成分とするCSL培地等の培
地で25〜37℃の温度で好気培養条件下で培養される
【0027】○結晶毒素蛋白の生産 結晶毒素蛋白の発現は形質転換枯草菌の培養菌体抽出物
をSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動することに
より、分子量約13万のバンドの有無により確認できる
【0028】
【作用】本発明者らは、バチルス・チューリンゲンシス
変種クルスタキHD−1の結晶毒素遺伝子を枯草菌染色
体に組込み、 spoVGプロモーターにより結晶毒素
を大量に発現させることに成功したが、この方法によれ
ば抗生物質を含有しない培養液でも安定に結晶毒素を生
産でき、それは本発明者らが遺伝子組み換えにより製造
した組換えベクターによる独特の作用に基づくものであ
る。
【0029】以下に詳細な実施例を示すが、本発明によ
る方法は実施例だけに限定されるものではない。
【0030】
【実施例1】1)組込み発現ベクターの作成SalI−
SmaIアダプター(5’−TCGACCCGGG−3
’;宝酒造)とpSmaIリンカー(5’CCCGGG
−3’;宝酒造)を等モルずつ混合し、70℃10分間
加熱したのち徐冷することによりアニールさせる。 この2本鎖オリゴヌクレオチドと、あらかじろ制限酵素
SmaIで完全に切断した大腸菌ベクターpUC19を
DNAライゲーションキット(宝酒造)を用い連結し、
 pUC19のSmaI部位に新たにSalI突出末端
を導入した。
【0031】一方、 pZL207(米国、アメリカン
・タイプ・カルチャー・コレクションより入手した)を
SalIで完全に消化後、アガロースゲル電気泳動し、
Cm 耐性遺伝子及び spoVG遺伝子プロモータを
組む枯草菌染色体DNA断片より成る約3.1kb部分
のゲルを切り出し、DNA  PREP(旭ガラス)を
用いDNAを回収した。
【0032】このDNA断片と上述のSalI突出末端
を導入した pUC19をDNAライゲーションキット
を用い連結し、環状化した。これをマニアティスらの定
める方法(T.Maniatis他、Molecula
r Cloning 、A Laboratory M
anual、Cold SpringHarbor L
aboratory)によって大腸菌HB101を形質
転換した。形質転換体は50μg/mlのアンピシリン
を含むLB−寒天培地(バクトトリプトン10g、イー
ストエキストラクト5g、塩化ナトリウム5g、寒天1
5g、蒸留水1L)で選択した。得られた形質転換体よ
り公知の方法であるアルカリ−SDS法により、プラス
ミドDNAを単離した。これらのプラスミドをSalI
で消化し、 pUC19に相当する約2.7kbのDN
A断片とCm 耐性遺伝子及び spoVGプロモータ
ーを含む約3.1kbのDNA断片を有するプラスミド
を選出した。次に、それらのプラスミドをHindII
Iで完全に消化し、約0.2kbと約5.6kbのDN
A断片が生ずる組換えプラスミドを選出し、それらの中
の1つを pVG1と命名した。
【0033】2)組込み発現ベクター pVG1への結
晶毒素遺伝子のクローニング cry−1−1及び cry−1−2をAhaIII 
で完全に消化し、アガロースゲル電気泳動した。泳動後
、各々約3.6kb及び3.5kb部分のゲルを切り出
し、DNAPREPを用いDNAを回収した。 一方、前記1)で作成した pVGをBamHIにより
完全に消化した後、DNAブランティングキット(宝酒
造)を用い、BamHI部位を平滑化した。
【0034】このBamHI部位を平滑化した pVG
1と上述の cry−1−1及び cry−1−2のA
haIII DNA断片をDNAライゲーションキット
を用いて連結し、大腸菌HB101を形質転換した。得
られた形質転換体よりアルカリーSDS法によりプラス
ミドを単離し、 pVG1と共にアガロースゲル電気泳
動に供した。アガロースゲル電気泳動の結果、 pVG
1より分子量の大きなプラスミドを選択し、EcoRI
で完全に消化することにより、クローン化された各結晶
毒素遺伝子の挿入方向を決定し、 spoVGプロモー
ターの転写方向と順方向に各結晶毒素遺伝子が挿入され
た組換えプラスミドを得た。そして、 pVG1に c
ry−1−1の結晶毒素遺伝子がクローン化された組換
え体を pVGCRY1、同じく cry−1−2の結
晶毒素遺伝子がクローン化された組換え体を pVGC
RY2と命名した。なおこれらのプラスミドをそれぞれ
大腸菌に導入しHB101( pVGCRY1)、HB
101( pVGCRY2)として工業技術院微生物工
業技術研究所に委託した(微工研百寄第12047号及
び微工研菌寄第12048号)。
【0035】3) pVGCRY1の枯草菌への導入と
染色体上での多コピー化 大腸菌より単離した pVGCRY1を用いて「生物学
実験講座7原核生物学(丸善株式会社)」に記載されて
いる方法に従って枯草菌1A96(本菌株は米国オハイ
オ州立大学のBacillus Genetic St
ock Center より入手した)を形質転換した
。形質転換体は5μg/mlのCm を含むLB−寒天
培地で選択した。得られた形質転換体より、サイトウ及
びミウラの定める方法(Saito H.and Mi
ura K.Biochim. Biophys. A
cta  72、612、1963)に従がい染色体D
NAを分離した。これらの染色体DNA約10μgをE
coRIで完全に消化し、アガロースゲル電気泳動を行
った。泳動されたDNA断片をサザン(Souther
n E. M.J.Mol. Biol.  98、5
03、1975)、枯草菌の形質転換に用いた pVG
CRY1をニックトランスレーションキット(日本ジー
ン)を用い〔α−32P]dCTPで標識した。
【0036】この標識されたpGCRY1とニトロセル
ロース膜へ転写されたDNAを「遺伝子操作実験マニュ
アル(高木康敬編、講談社サイエンティフィク)」の方
法に従がいハイブリダイズした。
【0037】ハイブリダイゼーションの結果、 pVG
CRY1をEcoRIで完全に消化した時に生ずるバン
ドと同じバンドが検出された形質転換体の1つを1A9
6/ pVGCRY1−5と命名した。
【0038】組込まれた cry−1−1結晶毒素遺伝
子の多コピー化は以下の方法で行なった。1A96/ 
pVGCRY1−5を5μg/mlのCm を含むLB
液体培地に接種し、37℃で10〜12時間振とう培養
する。この培養液の内50μLを10μg/mlのCm
 を含むLB液体培地に接種し、37℃で10〜12時
間振とう培養する。以下同様にCm を20μg/ml
、40μg/ml、60μg/ml及び80μg/ml
含むLB液体培地で植継ぎを行ない、最終的に80μg
/mlのCm に耐性の菌株を得、1A96/ pVG
CRY1−80(微工研菌寄第12049号)と命名し
た。
【0039】4) pVGCRY2の枯草菌への導入と
染色体上での多コピー化 大腸菌より単離した pVGCRY2を用いて、前記3
)の方法に従がい枯草菌1A96、胞子欠損株1S68
(本菌株は米国オハイオ州立大学のBacillus 
Genetic Stock Center より入手
した)及びプロテアーゼ欠損株KN2(本菌株は東京大
学農学部魚住武司教授より入手した)を形質転換した。 形質転換体は、5μg/mlのCm を含むLB−寒天
培地で選択した。得られた形質転換体より上述のサイト
ウ及びミウラの方法により染色体DNAを分離し、Ec
oRIで完全に消化後、アガロースゲル電気泳動した。 そして上述の方法に従がいEcoRIで消化されたDN
Aをニトロセルロース膜へ転写し、〔α−32P]dC
TPで標識した pVGCRY2とハイブリダイズした
【0040】ハイブリダイゼーションの結果、 pVG
CRY2をEcoRIで消化した時に生ずるバンドと同
じバンドが検出された形質転換体を各々1A96/ p
VGCRY2−5、1S68/ pVGCRY2−5及
びKN2/ pVGCRY2−5と命名した。
【0041】組込まれた cry−1−2結晶毒素遺伝
子の多コピー化は、上述の方法と同様に各形質転換体を
5μg/ml、10μg、20μg、40μg/ml及
び60μg/mlのCm を含むLB液体培地で順次植
継ぎを行ない、最終的に60μg/mlのCm に耐性
の菌株を得、各々1A96/ pVGCRY2−60(
微工研菌寄第12050号)、1S68/ pVGCR
Y2−60(微工研菌寄第12052号)及びKN2/
 pVGCRY2−60(微工研菌寄第12051号)
と命名した。
【0042】5)枯草菌での各結晶毒素蛋白の生産各結
晶毒素遺伝子が組込まれた枯草菌形質転換体1A96/
 pVGCRY1−80、1A96/ pVGCRY2
−60、1S68/ pVGCRY2−60、及びKN
2/ pVGCRY2−60による結晶毒素蛋白の生産
の確認は以下の如く行った。
【0043】1A96/ pVGCRY1−80につい
ては80μg/mlのCm を含むLB液体培地、その
他の形質転換体については60μg/mlのCm を含
むLB液体培地に接種し、37℃で12〜15時間振と
う培養する。これらの培養液の内1mlを50mlの2
×SG培地に接種し、30℃〜37℃にて振とう培養す
る。培養開始後、4、6、7、8、9、10、11、1
2、24、36、48及び72時間目に培養液1mlを
分取し遠心集菌後、1 mMエチレンジアミン四酢酸、
2 mMフェニルメチルスルフォニルフロライド水溶液
に懸濁し、超音波処理を行い菌体を破さいした。この超
音波破さい物を等量の2×サンプル緩衝液(125 m
M  Tris−HCl( pH6.8)、2%SDS
、10%2−メルカプトエタノール、20%グリセロー
ル、0.02%ブロモフェノールブルー)と混合し、5
分間煮沸し、冷却後遠心した。この上清をレムリの方法
(U. K. Laemmli Nature、227
、680、1970)に従い、SDS−ポリアクリルア
ミドゲル電気泳動を行った。泳動後、ゲルをクーマジー
ブリリアントブルーで染色し、余分な染色液を脱色した
後、蛋白バンドを観察した。
【0044】その結果、全ての枯草菌形質転体は、培養
開始後、4時間目、つまり、対数増殖期から、結晶毒素
蛋白に相当する分子量約130kのバンドが検出され、
この蛋白バンドは、抗結晶毒素蛋白抗体と特異的に反応
した。結晶毒素蛋白の生産量をデンシトメーターで測定
したところ、各枯草菌形質転換体で全菌体蛋白の20〜
25%に相当する結晶毒素蛋白を生産していた。
【0045】6)枯草菌染色体に組込まれた結晶毒素遺
伝子の安定性 枯草菌染色体に組込まれた結晶毒素遺伝子の安定性は、
形質転換枯草菌をCmを含有しないLB液体培地で12
時間毎に継代培養し、その培養菌体をSDS−ポリアク
リルアミドゲル電気泳動にかけ、結晶毒素蛋白に相当す
る分子量約130Kのバンドの濃淡で分子量を表わし遺
伝子の安定性の指標とした。
【0046】その結果、Cm を含まない培地で5回植
続ぎを重ねても結晶毒素蛋白の生産量にほとんど差はな
く、枯草菌染色体に組込まれた遺伝子は安定に保持され
ていることが示唆された。
【0047】7)殺虫試験 枯草菌形質転換体1A96/ pVGCRY2−60を
60μg/mlのCm を含むLB液体培地で37℃で
一夜培養した後その1mlを50mlのCSL培地(2
%コーンスティーフリカー、1%グルコース)に接種し
30℃で48時間培養した。この培養液を0.03%の
トリトン−X水溶液にて希釈し、各希釈液50mlにキ
ャベツ葉を浸した後風乾し、3令のコナガ幼虫10匹に
摂食させ、死虫数を測定し、培養液のLC50値(pp
m)を算出した。同様の実験をバチルス・チューリンゲ
ンシス変種クルスタキHD−1でも行なった。
【0048】その結果、1A96/ pVGCRY2−
60培養液のLC50値は520ppm 、バチルス・
チューリンゲンシス変種クルスタキHD−1のLC50
値は550ppmと算出され、枯草菌で親株であるバチ
ルス・チューリンゲンシス変種クルスタキHD−1以上
の結晶毒素蛋白の生産に成功したことが明らかになった
【0049】
【発明の効果】本発明によれば、人畜に無害な枯草菌に
より、抗生物質を用いずに、安定に且つ大量に、殺虫剤
として有効な結晶毒素蛋白を製造することができ、農薬
業界に与える効果は大なるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は組込み発現ベクター pVG1の構築方
法と構造を示す。図中の制限酵素作用部位は、BがBa
mHI、EがEcoRI、PがPstI、SがSalI
、Sm がSmaIを表わす。また、白ぬきにCATは
Cm 耐性遺伝子、斜線は spoVGプロモーター上
流の枯草菌染色体DNA断片、黒い太線は spoVG
プロモーターを示す。
【図2】図2は、 cry−1−1及び cry−1−
2の制限酵素地図を示す。図中の制限酵素作用部位は、
AがAhaIII 、EがEcoRI、KがKpnIを
表わす。また、細線は大腸菌プラスミドの pUC9、
白ぬき及びドットのボックスは各々 cry−1−1及
び cry−1−2結晶毒素遺伝子を示す。
【図3】図3は、結晶毒素遺伝子組込み発現ベクターの
構築方法と構造を示す。図中の制限酵素作用部位は、E
がECORI、KがKpnI、SがSalIを表わす。 また、細線は大腸菌プラスミド pCU19、白ぬきに
CATはCm 耐性遺伝子、斜線はspoVGプロモー
ター上流の枯草菌染色体DNA断片、黒い太線は sp
oVGプロモーター、白ぬき及びドットのボックスは各
々 cry−1−1及び cry−1−2結晶毒素遺伝
子を示す。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】    大腸菌で複製可能なベクターに枯
    草菌の spoVG遺伝子プロモーターを含むDNA断
    片、枯草菌で発現し得る抗生物質耐性遺伝子及び結晶毒
    素蛋白をコードする遺伝子が連結されていることを特徴
    とする組換えベクター。
  2. 【請求項2】    請求項1記載の組換えベクターを
    染色体中に有することを特徴とする形質転換枯草菌。
  3. 【請求項3】    請求項2記載の形質転換枯草菌を
    抗生物質非存在下に培養して結晶毒素蛋白を産生させる
    ことを特徴とする結晶毒素蛋白の製造方法。
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