JPH0427804Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、壜体容器を開閉するキヤツプに関す
るもので、壜体に組付けられた状態で壜体内の殺
菌もしくは防黴を達成保持できるようにすると共
に、この機能を長期間にわたつて維持できるよう
に構成したものである。

〔従来の技術〕 壜体容器は、種々の内容物の収納保持に使用さ
れているが、これは開閉が簡単なこと、密閉が容
易に達成できること、この密閉状態を長期間にわ
たつて維持できること、そして構造および取扱が
簡単で安価に手に入れることができること等の理
由があるからである。

この壜体容器に収納される内容物の一つに、殺
菌もしくは防黴の要求されるものがある。

この殺菌もしくは防黴の要求される内容物を収
納する壜体としては、壜体内の底部に殺菌、防黴
さらには酸素吸収の少なくとも一つの効力を発揮
する薬剤を収納する区画された部屋を特別に形成
し、この部屋を壜体内に連通させた構造のものと
か、壜体を開閉するキヤツプの頂板内面に前記し
た薬剤を固定しておく構造のものとかが利用され
ていた。

〔考案が解決しようとする問題点〕

上記した壜体の内、壜体内に薬剤を収納するた
めの特別の部屋を設けるものにあつては、壜体の
構造が複雑となつてしまうので、壜体のもつ利点
である構造が簡単でかつ製造し易いと伝う利点が
失われてしまい、壜体単体としての価格が高いも
のとなるばかりか、内容物が液状の場合には使用
できないと云う重大な欠点を持つている。

また、キヤツプに薬剤を露出した状態で固定し
たものにあつては、上記した欠点を生じない代わ
りに、壜体を開放した状態で薬剤が壜体外部に露
出されたままに放置されることになるので、薬剤
の揮発または酸素吸収が無制限に促進されてしま
い、薬剤の早期の効力低下を生じると云う重大な
問題があつた。

本考案は、上記した従来例における問題点、欠
点を解消すべく考案されたもので、キヤツプに取
付けた薬剤を、このキヤツプが壜体を密閉してい
る状態時にだけ壜体内にその効力を発揮させるこ
とができるように収納し、もつて薬剤のもつ効力
を長期間にわたつて有効に作用させることを目的
としたものである。

〔問題点を解決するための手段〕

以下、本考案によるキヤツプを、本考案の一実
施例を示す図面を参照しながら説明する。

本考案によるキヤツプ１の構成手段は、 周壁９上端に頂板８を設けた有頂筒形状のキヤ
ツプ本体２を有すること、 筒壁１９の下端に底壁１７を設けた有底短筒形
状で、この底壁１７の中心に通孔１８を形成する
と共に、底壁１７の周端部に複数の摺動孔１６を
形成し、筒壁１９がキヤツプ本体２の周壁９内面
上端部に密に嵌入して組付く組付け筒体５を有す
ること、 板状の弁体本体１３中央部に、組付け筒体５の
通孔１８を閉鎖する弁片１２を残すと共に、この
弁片１２の周辺に複数の開口１４を形成し、この
弁体本体１３の下面周端部に、組付け筒体５の底
壁１７の肉厚よりも大きい長さで、組付け筒体５
の摺動孔１６に密接して摺動する摺動片１５を設
け、組付け筒体５の筒壁１９内に密に摺動自在に
組付く弁体４を有すること、 キヤツプ本体２の頂板８と弁体４の弁体体１３
との間に弾接配置された弾発スプリング７を有す
ること、 キヤツプ本体２の頂板８下面に固定され、殺
菌、防黴、酸素吸収の少なくともいずれか一つの
効力を発揮する薬剤片３を有すること、 壜体２３の口筒内に密嵌入する筒形状の中栓本
体２２上端に外鍔２１を設け、壜体２３閉鎖時
に、上端面を弁体４の摺動片１５下端面に当接さ
せる中栓６を有すること、 にある。

〔作用〕

本考案によるキヤツプが壜体口筒に組付いてい
ない状態においては、通孔は閉鎖されキヤツプ本
体頂板と組付け筒体で形成される空室は密閉され
た状態にある。すなわち、この状態では、弁体が
弾材の弾発力によつて組付け筒体の底壁に弾接さ
れ弁片が通孔を閉鎖する。この時、摺動片は摺動
孔内へ密接に挿通している。

このキヤツプを壜体口筒に組付けると、まず弁
体の摺動片下端が中栓上端に当接し、次に摺動片
が中栓に押し上げられるようにして上昇変位す
る。

この上昇変位は、弾材が弾性変形することによ
つて達成されている。このように弁体が上昇変位
することによつて弁片が通口から離れて通口が開
放され、空室の密閉状態がとかれる。従つて、こ
の状態では、空室が壜体内に開放された状態にな
る。

前述した空室が密閉状態にある時は、気化した
薬剤は空室内にとどまるのみで、外気中に放散さ
れないことになり、無駄がない。

又、壜体口筒に組付いて空室が壜体内に開放さ
れた状態では、気化した薬剤が開口及び通孔を通
つて壜体内に侵入し、その効力を発揮する。

又、この状態においては、中栓上端がパツキン
作用を発揮し、組付け筒体筒壁下端及び摺動片下
端に密に接触することになるので、外気中へ気化
した薬剤が放散されることはない。

〔実施例〕

本考案による一実施例を、図を参照しながら説
明する。

キヤツプ本体２は、有頂円筒形状で螺合によつ
て壜体口筒に組付くもので、周壁９内面には螺条
１０が周設されている。この螺条は、空室が形成
される上部を除いて、下部に設けられている。

組付け筒体５のキヤツプ本体２に対する組付き
を強固なものにするために、組付け筒体周壁１９
外面には凸部２０が設けられ、その凸部２０が係
止する凹部１１がキヤツプ本体周壁９内面に設け
られている。

薬剤片３は、空室内の形状に合わせた中空円板
状で、中空部分には弾発スプリング７が位置す
る。

その弾発スプリング７は、金属製のつるまきば
ねが使用されており、キヤツプ本体頂板８下面に
短筒形状の固定片２５と弁片１２上面に設けられ
た同じく筒形状の組付け片２４とで固定されてい
る。この固定片２５と組付け片２４は筒形状の他
に、棒状も考えられる。

組付け筒体底壁１７中央の通孔１８を形成する
面は、上形に拡がるテーパ面となつており、又、
この通孔１８を閉鎖する弁片１２は突出し、通孔
１８内に嵌入する仕組みになつている。

そのため、外面は通孔１８のテーパ面に対応す
るテーパ状としている。

こうすることにより、弁片１２の通孔１８内へ
の嵌入及び通孔１８内からの抜け出しが容易にな
り、弁としての機能が安定する。

〔考案の効果〕

以上の説明から明らかなごとく、本考案による
キヤツプは、壜体を密閉した状態で薬剤片収納部
屋を壜体内に開放し、壜体を開放した状態で薬剤
片収納部屋を密閉するので、壜体内に収納された
内容物に対する薬剤片の効力を有効に作用させる
ことができると共に、その効力を長期間にわたつ
て維持することができ、またその取扱は従来のネ
ジキヤツプと全く同じじ良く、薬剤片収納部屋を
単独に開閉する操作を全く必要としないので、そ
の取扱が容易であると共に、薬剤片収納部屋の不
正開閉を行う恐れが全くなく、さらに構造が簡単
であると共に、その組立ても容易である等多くの
優れた効果を発揮するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案によるキヤツプの一実施例を
示す全体分解組立て斜視図である。第２図は、第
１図に示した実施例の壜体開放状態時における縦
半断面図である。第３図は、第１図に示した実施
例の壜体閉鎖状態時における縦半断面図である。 符号の説明、２……キヤツプ本体、３……薬剤
片、４……弁体、５……組付け筒体、６……中
栓、７……弾発スプリング、８……頂板、９……
周壁、１２……弁片、１３……弁体本体、１４…
…開口、１５……摺動片、１６……摺動孔、１７
……底壁、１８……通孔、１９……筒壁、２０…
…凸部、２１……外鍔、２２……中栓本体、２３
……壜体、２４……組付け片、２５……固定片。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 周壁９上端に頂板８を設けた有頂筒形状のキヤ
   ツプ本体２と、 筒壁１９の下端に底壁１７を設けた有底短筒形
   状で、該底壁１７の中心に通孔１８を形成すると
   共に、該底壁１７の周端部に複数の摺動孔１６を
   形成し、前記筒壁１９が前記キヤツプ本体２の周
   壁９内面上端部に密に嵌入して組付く組付け筒体
   ５と、 板状の弁体本体１３中央部に、前記通孔１８を
   閉鎖する弁片１２を残すと共に、該弁片１２の周
   片に複数の開口１４を形成し、前記弁体本体１３
   の下面周端部に前記底壁１７の肉厚よりも大きい
   長さで前記摺動孔１６内を密接して摺動する摺動
   片１５を設け、前記組付け筒体５の筒壁１９内に
   密に摺動自在に組付く弁体４と、 前記頂板８と前記弁体本体１３との間に弾接配
   置された弾発スプリング７と、 前記頂板８下面に固定され、殺菌、防黴、酸素
   吸収の少なくともいずれか一つの効力を発揮する
   薬剤片３と、 壜体２３口筒内に密嵌入する筒形状の中栓本体
   ２２上端に外鍔２１を設け、前記壜体２３閉鎖時
   に、上端面を前記弁体４の摺動片１５下端面に当
   接させる中栓６と、 から成るキヤツプ。