JPH0350042Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ＜産業上の用分野＞ 本考案は壜、スポイトを組み込んだキヤツプと
よりなるスポイト容器に係り、特に押しボタン部
分にスプリングを使用せずに構成したことを特徴
としたスポイト容器に関するものである。

＜従来の技術＞ 従来のこの種のスポイト容器の押しボタン構造
には例えば第３図に示す如く、押しボタン１の押
圧を元の状態に戻す為にこの押しボタン１の所定
位置には必然的にコイルスプリング２が取り付け
られていた。図中３は容器であり、４はその容器
３の開口部に螺合し得るキヤツプであり、５はこ
のキヤツプ４の内部に取り付けられたスポイトで
ある。

＜考案が解決しようとする問題点＞ 然るに上述の如き構造を有するスポイト容器に
於いては、スポイト５内に吸入された液体が押し
ボタン１内のスプリング２に接触したり、或いは
容器内の湿気がそのままスプリング２に触れる為
に、スプリングが腐食し、長い間には使用出来な
くなつたりする欠点があり、更に一方ではスプリ
ングがある為に全体がコスト高になる等の欠点が
あつた。

本考案に係る容器は従来のこれ等の欠点に鑑み
開発された全く新規な技術に関するものである。

＜問題点を解決するための手段＞ 本考案は、容器とその容器の開口部に被蓋した
キヤツプと該キヤツプの天井部に押圧によつて自
在に昇降し得る如く取り付けてなる押しボタンと
及び該キヤツプに取り付けたスポイトとの組み合
わせによりなる容器に於いて、キヤツプ内を気密
に保持しながらキヤツプ内壁に沿つて摺動し得る
弾性シーラーを押しボタンの内部に固着すると共
に該押しボタンと弾性シーラーとの間に密封空気
室を形成し、かつキヤツプ内に突設した支持突起
によつてこの密封空気室を外方から支持するよう
に構成したスポイト容器である。

＜作用＞ 本考案に係るスポイト容器は上述の如く、キヤ
ツプ内を気密に保持しながらキヤツプ内壁に沿つ
て摺動し得る弾性シーラーを押しボタンの内部に
固着すると共に該押しボタンと弾性シーラーとの
間に密封空気室を形成し、かつキヤツプ内に突設
した支持突起によつてこの密封空気室を外方から
支持するように構成したので、押しボタンを押圧
した場合には前記密封空気室の圧縮された空気と
支持突起と及び弾性シーラーとの作用によつて押
しボタンを元の状態に確実に復元させることが出
来、これによつて押しボタンにスポイト等の弾性
体を取り付けることを不要とすることが出来る。

＜実施例＞ 図により本考案に係る容器の一実施例を具体的
に説明すると、第１図及び第２図に於いて、３は
化粧料、薬品等を収納し得る容器であつて、その
口部にはキヤツプ４が螺合されている。このキヤ
ツプ４の内部には天井が開放された内キヤツプ６
が一体的に嵌着されている。この内キヤツプ６の
内部には中棚６ａが設けられ、その中棚６ａの中
央上面には支持突起６ｂが垂直に起立突設され、
かつその中央下面にはスポイト５を嵌着する為の
小筒６ｃが吊り下げられ、かつこの小筒６ｃの天
井部には内キヤツプ６の上方に通ずる通気孔６ｄ
が穿孔されている。スポイト５は前記小筒６ｃに
嵌着固定されている。１は押しボタンであつて、
従来の容器と同様にキヤツプ４の天井部に設けた
孔に昇降自在に取り付けられている。７は該押し
ボタン１の内部に一体的に固着された合成樹脂製
の弾性シーラーであつて、その中央部には下方に
膨出した碗状膨出部７ａが設けられると共にその
下部外周には内キヤツプ６の内周壁に密着して摺
動し得る摺動片７ｂが周壁面にリング状に設けら
れている。又前記押しボタン１と弾性シーラー７
とは相互に密着され、両者の中央部には弾力性を
有する中空状の密封空気室８が設けられている。
更に内キヤツプ６の支持突起６ｂは通常の状態に
於いても第１図に示す如く、密封空気室８を下方
から支持し得る如く構成されている。

本考案に係る容器の使用に当たつては第２図に
示す如く、押しボタン１を下方に押圧すると、弾
性シーラー７の碗状膨出部７ａが支持突起６ｂで
押圧されて密封空気室８を圧縮する一方で、押し
ボタン１と弾性シーラー７は全体的に下降し、こ
れによつてスポイト５の先端より内キヤツプ４及
びスポイト５内の空気を外方に排出し、次に押し
ボタン１を離すと、支持突起６ｂで支持されてい
る弾性シーラー７のそれ自体の弾力性と、今迄圧
縮されていた密封空気室８内の圧縮空気の反発力
との相乗効果によつて、弾性シーラー７と押しボ
タン１とは第１図に示す元の状態に素早く復元
し、これによつてスポイト５内に容器内の液体を
吸入することができる。

同様にして押しボタン１を押圧することによつ
てスポイト５で吸入した液体をスポイト５の先端
から抽出し、これを取り出すことが出来る。

＜考案の効果＞ 本考案に係る容器は上述の構造と作用とを有す
るので従来必然的に用いられていた押しボタン内
のスプリングを不要とすることが出来、これによ
つてスプリングが腐食されたり、故障したりする
ことを防止することが出来、更スプリングを不要
とする為に容器全体を安価に大量生産することが
できる等の特徴を有するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る容器の断面説明図、第２
図はその使用説明図、第３図は従来例を示す説明
図である。 １は押しボタン、２はスプリング、３は容器、
４はキヤツプ、５はスポイト、６は内キヤツプ、
６ｂは支持突起、６ｃは小筒、７は弾性シーラ
ー、７ａは碗状膨出部、８は密封空気室である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 容器とその容器の開口部に被蓋したキヤツプと
   該キヤツプの天井部の押圧によつて自在に昇降し
   得る如く取り付けてなる押しボタンと及び該キヤ
   ツプに取り付けたスポイトとの組み合わせよりな
   る容器に於いて、キヤツプ内を気密に保持しなが
   らキヤツプ内壁に沿つて摺動し得る弾性シーラー
   を押しボタンの内部に固着すると共に該押しボタ
   ンと弾性シーラーとの間に密封空気室を形成し、
   かつキヤツプ内に突設した支持突起によつてこの
   密封空気室を外方から支持するように構成したこ
   とを特徴としたスポイト容器。