JPH04275524A - 液晶表示素子 - Google Patents

液晶表示素子

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JPH04275524A
JPH04275524A JP3718091A JP3718091A JPH04275524A JP H04275524 A JPH04275524 A JP H04275524A JP 3718091 A JP3718091 A JP 3718091A JP 3718091 A JP3718091 A JP 3718091A JP H04275524 A JPH04275524 A JP H04275524A
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JP
Japan
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layer
film
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display element
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Application number
JP3718091A
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English (en)
Inventor
Takaichiro Saito
鷹逸郎 齋藤
Hiroaki Yamaoka
弘明 山岡
Masaharu Kaneko
雅晴 金子
Shigenobu Yoshida
重信 吉田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Kasei Polytec Co
Mitsubishi Kasei Corp
Original Assignee
Mitsubishi Kasei Polytec Co
Mitsubishi Kasei Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は柔軟性、軽量化、広面積
化の可能な液晶表示素子に係り、特に経時変化の少ない
液晶表示素子に関する。
【0002】
【従来の技術】調光機能を持つ光学素子は、建築、自動
車、事務用、修飾用の調光材料として幅広い応用を有し
、具体的には窓ガラス、フェンス、天井、階段の側壁等
の建築用、サンルーフ、リヤーウィンドー、防げんミラ
ー等の自動車用、更にはOA機器の表示材料、ショーウ
ィンドー、照明器具、装飾用等の幅広い分野での用途が
期待されている。
【0003】従来、ワープロなどのOA機器の表示材料
などに使われている液晶表示素子は、5〜10μmほど
のガラス間隔に液晶が封入された、ガラス/液晶型のも
のであるが、大面積のものを精度良く作ることは非常に
困難であり、又、これらの表示素子には偏光板が使用さ
れるために視野が暗く、視野角も狭く、角度によっては
見にくいという欠点がある。
【0004】これらの欠点を解決する液晶表示素子とし
て、高分子物質中に液晶を分散させた液晶分散層を、透
明導電性薄膜を有する2枚のガラス板、或いは透明且つ
導電性のフィルムで挟んだ、液晶表示素子が開発されて
いる。
【0005】液晶分散層としては、例えば特許出願公表
  昭58−501631号公報にはネマチック液晶を
5μm前後のカプセル状にし、ポリビニルアルコール中
に分散させたものが開示されており、又、特許出願公表
  昭61−502128号公報にはエポキシ樹脂中に
液晶を分散させる方法が記載されている。更に、特開昭
62−48789号公報には天然ゴム又は合成ポリマー
のラテックス粒子のサスペンジョンと、水相でエマルジ
ョン状の液晶とを混合し、スメクチック液晶をカプセル
化する方法が示され、又、特開昭63−501512号
公報には透明性樹脂と液晶とを有機溶剤に溶かした後、
溶剤を蒸発させて調製する方法が開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この種
液晶分散型素子においては、水分や酸素、紫外線により
劣化される問題を有している。
【0007】即ち、液晶表示素子には、分子軸方向の誘
電異方性が大である、所謂正の誘電異方性をもった液晶
が一般に使用されるが、液晶から等方性液体への転移温
度が広く、かつ低電圧で駆動できるという利点から、こ
れまで主としてシッフ系液晶が使用されている。しかし
、シッフ系液晶は水分等によって非常に劣化しやすいと
いう欠点がある。このためビフェニル系液晶やアゾキシ
系液晶、エステル系液晶が用途に応じて用いられている
が、応答性が劣るという問題がある。例えば、従来のガ
ラス/液晶型素子においても、ガラス板間周辺を有機系
接着剤によってシールし、液晶を封じ込めているが、こ
のシール部分から水分が入り液晶素子を劣化させる原因
となっている。
【0008】最近、軽量化、加工性の点から透明導電フ
ィルムがガラスの替わりに使われるようになってきたが
、透明導電フィルムを電極板として使用した光学素子で
は、フィルム自体の水蒸気透過率が大きいため、液晶セ
ルにした場合、高温・高湿の条件下では、電極間でショ
ートしてしまうという、セル自体の絶縁性に問題が発生
する。そのため、防湿効果を高める方法として、特開昭
59−164527号公報では、酸化スズを含有する酸
化インジウム薄膜を形成した一軸延伸ポリエステルを透
明導電フィルムとして使用することが記載されているが
、防湿性能は不十分である。また、プラスチックフィル
ムは、熱寸法安定性がガラスに比してよくない。
【0009】又、液晶は酸素の存在下で紫外線によって
劣化することが知られているが、特にアゾキシ系化合物
は紫外線によって容易にシスートランス異性体変化を起
こし、分解することが知られている。また、カラー表示
のために、液晶に二色性染料を溶解したゲスト・ホスト
型液晶表示装置が考案されているが、この二色性染料は
、耐光性が悪く長時間光を照射すると劣化し、吸光度が
低下し、二色比が悪くなるという問題点がある。従来の
液晶ディスプレイでは、紫外線カットフイルタ−付の偏
光板を使用しているが、紫外線劣化は紫外線の吸収ばか
りでなく、可視光の吸収、赤外線等の熱により、酸素の
存在下、液晶の劣化は促進され、従来の紫外線カットフ
ィルターだけでは、劣化を十分には防止できない。
【0010】本発明は、上記欠点を解消せしめ、耐湿性
に優れ、熱寸法安定性が良く、紫外線遮蔽性能のよい液
晶表示素子の提供を課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の液晶表示素子は
、少なくとも一方が透明な一対の導電フィルム間に液晶
分散層を挟持した液晶表示素子であって、該透明導電フ
ィルムが、液晶分散層側から透明導電層、中心層、保護
層の順に積層されて構成され、該中心層が少なくとも片
面にケイ素酸化物薄膜を積層し、且つ、ケン化度99モ
ル%以上のポリビニルアルコール(PVA)フィルムか
らなる。
【0012】又、本発明の液晶表示素子は、上記透明導
電層が、酸化スズを含有する酸化インジウムの金属酸化
物薄膜層、又は金、銀、パラジウムのうち少なくとも1
種からなる金属薄膜層、又は該金属酸化物薄膜層と金属
薄膜層との複合薄膜層であることを特徴とする。
【0013】更に、本発明の液晶表示素子は、上記液晶
分散層が、非水溶性の透明ポリマー中に正の誘電率異方
性を有する液晶を分散したものであることを特徴とする
【0014】又、本発明の液晶表示素子は、上記液晶分
散層中における液晶の占める割合が25〜75重量%で
あることを特徴とする。
【0015】以下、本発明の液晶表示素子を図面により
説明する。第1図は、本発明の液晶表示素子の断面図で
あり、第2図は、第1図におけるA部を拡大した透明導
電フィルム断面図、第3図は、第1図におけるA部を拡
大した透明導電フィルムの他の実施態様の断面図であり
、図中1は透明導電フィルム、2は液晶分散層、3は液
晶表示素子封止部、11は中心部、12はケイ素酸化物
薄膜、13は導電層、14は保護層、15は接着剤層、
16は支持体フィルムを示す。
【0016】第1図に示すように、本発明の液晶表示素
子は、透明導電フィルム1、1間に液晶分散層2を挟持
し、導電層をカットした導電フィルムにより液晶表示素
子の周囲を封止して液晶表示素子封止部3とした構造を
有するもので、液晶分散層2を後述の防湿性を有する透
明導電フィルム1で完全に覆うことによって、耐久性に
優れるものとしたものである。
【0017】透明導電フィルム1は、第2図に示すよう
に、PVAフィルムを中心層11とし、その片面に透明
なケイ素酸化物薄膜12を積層し、更にケイ素酸化物薄
膜12上に保護層14が接着剤層15を介して積層され
る一方、中心層11の他方の面には接着剤層15、支持
体フィルム16を介して導電層13を積層した構造を有
するものである。又、第2図においてケイ素酸化物薄膜
12は中心層11の導電層13側、又は中心層11の両
面に形成してもかまわないが、高度の防湿性能を長期に
保存させるにはむしろ保護層を積層すべき面に形成させ
た方がよい。
【0018】又、第3図に示すように、ケイ素酸化物薄
膜12は、中心層11面及び保護層14面の両方に積層
されていてもよく、又、導電層13は支持体フィルムに
支持された形状としないで、中心層11に直接、蒸着等
の方法で積層してもよい。
【0019】尚、防湿効果を高めるために、透明性を損
なわない限り、中心層11および保護層14を2層以上
重ねてもよい。
【0020】中心層11は、ケン化度が99モル%以上
のPVAのフィルムよりなる。PVAのケン化度が99
モル%未満では、フィルム表面にケイ素酸化物薄膜を形
成しても優れた防湿性能は得られない。PVAフィルム
は未延伸フィルムでも延伸フィルムでもよいが、フィル
ム強度および防湿性能の点から延伸フィルム、特に3×
3倍程度延伸された二軸延伸フィルムが好ましい。PV
Aフィルムの厚さは5〜400μmの範囲で選ぶことが
でき、中でも10〜20μmの範囲で選ぶのが好ましい
【0021】このようなPVAフィルム表面にケイ素酸
化物薄膜(SiOx)を形成させるには、一酸化ケイ素
、二酸化ケイ素、またはそれらの混合物等を蒸着原料と
し、真空蒸着法、スパッタリング法またはイオンプレー
ティング法のいずれかの方法によることができ、その他
にも蒸着原料としてケイ素、二酸化ケイ素、またはそれ
らの混合物等を用い、酸素ガスを供給しながら行う反応
蒸着法を採用して形成することができる。ケイ素酸化物
薄膜の厚さは、100〜5000Åの範囲で選ぶのがよ
い。ケイ素酸化物薄膜の厚さが100Å未満であると、
防湿性能が不十分であり、また5000Aを越えると、
フィルムにカールが発生したり、透明な薄膜自体に亀裂
や剥離が生じ易いので好ましくない。
【0022】尚、ケイ素酸化物薄膜は、10重量%以下
であればその中に不純物としてカルシウム、マグネシウ
ムまたはそれらの酸化物等が混入していても、目的とす
る防湿フィルムの防湿性能の極端な低下は認められない
【0023】PVAフィルム表面にケイ素酸化物薄膜を
形成するのに先だって、PVAフィルムとの接着強度を
上げるためにアンカーコート剤を使用してもよい。
【0024】好適なアンカーコート剤としては、イソシ
アネート系、ポリエチレンイミン系、有機チタン系など
の接着促進剤及びポリウレタンポリエステル系などの接
着剤をあげることができる。又、ポリエチレン系、ポリ
エステル系、ポリアミド系の無溶剤タイプの接着剤を使
用してもよい。
【0025】尚、PVAフィルムの片面に透明なケイ素
酸化物薄膜を有する積層体を2枚以上、透明な接着剤を
用いて接着積層してもよい。
【0026】次に、保護層14はケイ素酸化物薄膜12
が引っ掻きや押し潰しを受けて防湿性能が損なわれるの
を防止する目的を有する。保護層は透明なプラスチック
フィルムからなり、特に限定されないが、ポリプロピレ
ン、プロピレン系共重合体、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリ塩化ビニール、ポリエチレン等、吸湿性の少な
いプラスチックよりなる二軸延伸フィルム使用するとよ
い。
【0027】又、第3図に例示したように、保護層14
にもケイ素酸化物薄膜12を積層し、そのケイ素酸化物
薄膜12側から中心層11に積層してもよい。ケイ素酸
化物薄膜を積層するには、前述のPVAフィルム表面へ
のケイ素酸化物薄膜の形成方法を採用することができる
。また、図示しないが、ケイ素酸化物薄膜を有するフィ
ルムを2枚以上積層した積層体であってもよく、或はケ
イ素酸化物薄膜を有するフィルム又は積層体のケイ素酸
化物薄膜面を透明フィルムで被膜して保護膜としてもよ
い。
【0028】保護層14の膜厚は、保護性を維持できる
範囲で適宜選択され、又、ケイ素酸化物薄膜を形成する
場合には、その膜厚は中心層に積層される場合に述べた
膜厚と同様である。
【0029】導電層13は、第2図に示すように支持体
フィルム16に支持された酸化スズを含有する酸化イン
ジウムの金属酸化物薄膜層、又は金、銀、パラジウムの
うち少なくとも1種からなる金属薄膜層、あるいは酸化
スズを含有する酸化インジウムの薄膜層と金、銀、パラ
ジウから選ばれる金属の薄膜層との複合薄膜層からなる
。支持体フィルム16は未延伸のもの、および一軸また
は二軸に延伸したプラスチックフィルムのいずれであっ
てもよい。
【0030】保護層14、中心層11、導電層13を積
層して導電フィルムとするには、ウレタン系接着剤、ア
クリル系接着剤、ポリエステル系接着剤等を使用し、ド
ライラミネート法及び押出ラミネート法等の公知の方法
により接着積層するとよい。また上述した中心層、保護
層自体を積層体とする場合にも同様の接着方法を使用す
るとよい。
【0031】尚、導電層13の積層順序は、中心層11
へケイ素酸化物薄膜を形成する前でも、後でもかまわな
い。
【0032】また、導電層13を中心層11に酸化スズ
を含有する酸化インジウムの金属酸化物薄膜層、又は金
、銀、パラジウムのうち少なくとも1種からなる金属薄
膜層、あるいは酸化スズを含有する酸化インジウムの薄
膜層と金、銀、パラジウムから選ばれる金属の薄膜層と
の複合薄膜層を、上述したケイ素酸化物薄膜形成法と同
様の蒸着等の形成方法により、直接、形成してもよい。
【0033】導電層13、支持体フィルム16の膜厚は
、導電性、透明性、支持性を維持できる範囲で適宜選択
される。
【0034】液晶分散層2に使用する液晶によっては、
導電フィルムの性能以外に紫外線遮断性能が必要とされ
るが、本発明における導電フィルム1には必要に応じて
紫外線遮断性能を付与することができる。
【0035】例えば、前記中心層11と保護層14およ
び導電層13を接着剤層15を介して積層する際に、接
着剤層に紫外線吸収性能を有する物質を添加しておくこ
とにより、紫外線遮断性能を有する導電フィルムとする
ことができる。また、保護層14に使うフィルムとして
、市販の紫外線吸収剤入りフィルムをそのまま使用して
もよい。接着剤層に練り混む紫外線吸収剤としては、ベ
ンゾフェノン、ベンゾトリアゾール系など市販のものを
1種類或は何種類か組み合わせて使用するとよく、その
使用量は必要とされる紫外線吸収性能によって決められ
る。又、紫外線遮断性能は、中心層11、保護層14、
支持体フィルム16中に紫外線吸収剤を配合したものに
よっても同様に得られる。
【0036】透明導電フィルム1の厚さは、透明性、強
度、柔軟性、経済性などの点から50〜500μの範囲
が好ましく、より好ましくは100〜300μの厚さで
あり、接着剤層を除いた各層の厚さの比は、中心層:保
護層:導電層が1:(1〜10):(1〜10)である
ことが好ましい。
【0037】尚、中心層11と保護層14との間、また
は中心層11と導電層13との間に、全体の厚さ調整の
ために、透明なプラスチックフィルムを介在させること
もできる。介在させるプラスチックフィルムは、透明で
あれば特に限定されないが、保護層14を形成するプラ
スチックフィルムと同種のものを使用するとよい。介在
させるプラスチックフィルムの厚さは、透明導電フィル
ム全体の厚さとの関係で選択される。
【0038】次に、液晶分散層について説明する。
【0039】第1図に示す液晶分散層2は、非水溶性の
透明なポリマーからなるマトリックス中に、正の誘電率
異方性を有する液晶を分散させたものであり、液晶分散
層中における液晶の占める割合が25〜75重量%のも
のである。
【0040】マトリックス物質の具体例としては、たと
えば、塩化ビニル系樹脂、カーボネート系樹脂、メタク
リレート系樹脂、酢酸ビニル系樹脂又はその加水分解物
、ポリビニルブチラール樹脂、セルロース系樹脂、線状
ポリエステル系樹脂、スチレン系樹脂、アミド系樹脂、
ニトリル系樹脂、アセタール系樹脂などの熱可塑性樹脂
、SBR系ゴム、ブタジエン系ゴム、ブチレン系ゴム、
イソプレン系ゴム、アクリル系ゴム、ニトリル系ゴム、
フッ素系ゴム、クロロプレン系ゴム、ウレタン系ゴム、
シリコーン系ゴムなどの合成ゴムや天然ゴム、不飽和ポ
リエステル系樹脂、ウレタン樹脂、尿素樹脂、メラミン
樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、アルキッド樹脂
、架橋された熱可塑性樹脂などの硬化性樹脂などがあげ
られるが、これらに限定されているものではない。
【0041】これらマトリックス物質は、光学的フィル
ムのマトリックスとして用いられるため、50%以上さ
らには80%以上の光線透過率を有するのが好ましい。 また、液晶とマトリックス物質との屈折率は近い方が好
ましく、その差は0.5以下、好ましくは0.3以下が
推奨される。これらマトリックス物質は単独で用いても
よく、2種類以上併用してもよい。また必要に応じて熱
安定剤、光安定剤、酸化防止剤、滑剤、界面活性剤、微
量の無機充填剤などを含んでもよい。
【0042】前記液晶分散層に分散せしめられている液
晶にはとくに限定はなく、マトリックス物質と混合した
場合にマトリックス物質相と液晶相とが異なった相とし
て存在し、これらの相が互いに混在しあった状態で存在
しうるものであれば、ネマチック液晶、コレステリック
液晶、スメクチック液晶いずれでもよい。また、これら
の液晶は単独で利用できるが相転移温度、温度範囲、化
学的安定性、製膜性等、ベースとなる液晶の性能向上を
目的とし複数のものを混合し利用することもできる。
【0043】本発明にかかる液晶分散層には、必要に応
じて二色性染料等の染料を導入してもよく、この場合ホ
ストの液晶分子配列を電場で変化させることによりゲス
トの二色性染料の分子配列を制御し色変換表示材料とし
ても用いることができる。
【0044】通常、これらのマトリックス物質/液晶よ
りなる層中の液晶が占める割合は、25〜75重量%で
あり、好ましくは35〜65重量%である。前記割合が
25重量%未満あるいは75重量%を越えると、電場を
かけた場合、コントラスト比が小さくなる。
【0045】液晶分散層の厚さは、通常2〜50μmで
あり、好適には5〜20μmである。該厚さが50μm
を越えると駆動電圧が高くなり、しかも光線透過率も低
下する。2μm未満では、駆動電圧を0Vにしても光線
が透過してしまう。
【0046】次に、本発明の液晶表示素子の代表的な作
製方法について記載する。
【0047】(1)溶媒キャスト法 マトリックス物質および液晶からなる組成物に、マトリ
ックスの良溶媒を加え、製膜しやすいように粘度調製を
する。この溶液を直接導電フィルムにおける導電層13
面に塗布し、溶媒を蒸発させる。このようにして形成さ
れる液晶分散層上にもう1枚の導電フィルムの導電層1
3を接して貼り合わせることにより作製される。
【0048】(2)ラテックス塗布法 液晶を高分子ラテックス媒体中に混合し、十分攪拌して
乳化させた後、この溶液を直接導電フィルムにおける導
電層13面に塗布し、乾燥する。以下(1)と同様な方
法で液晶表示素子を作成する。
【0049】(3)多孔質膜含浸法 マトリックス物質を流動パラフィンのような溶媒中に加
熱溶解して均一な溶液を調製する。この溶液を表面が滑
らかな基板上に流してフィルムを形成し、急冷してゲル
状とする。このゲル状シートをマトリックス物質の貧溶
媒である揮発性溶剤で膜中に含まれる溶媒を抽出除去し
た後、乾燥し、多孔質膜を作成する。一方、液晶の良溶
媒でかつマトリックスの貧溶媒である溶媒に液晶を溶解
させ、その溶液を多孔質膜に含浸させた後、溶媒を除去
する。このように形成される液晶分散フィルム層の両面
に一対の導電フィルムをその導電層13側からそれぞれ
貼り合わせることにより、液晶表示素子は作成される。
【0050】(4)光重合法或いは熱重合法光硬化性モ
ノマー或いは熱硬化性モノマーと液晶の混合物を導電性
フィルムの導電層13面に塗布した後、紫外線照射(或
いは加熱)し、混合物を硬化させる。このようにして形
成される液晶分散層上にもう1枚の導電フィルムの導電
層13を接して貼り合わせることにより作成される。
【0051】本発明の液晶表示素子における2枚の導電
フィルム1のうち1枚は用途に応じて通常の透明導電フ
ィルムとしてもよい。
【0052】
【作用及び発明の効果】特定のPVAフィルム上にケイ
素酸化物薄膜を形成したフィルムは、優れた透明性およ
び防湿性能を有すると共に、高温、多湿な雰囲気下でも
安定した防湿性能を長期間に亘って持続することができ
るもので、その詳細な理由は明確ではないが、PVAフ
ィルム表面に形成されるケイ素酸化物薄膜中のケイ素の
結合エネルギーは、この薄膜の厚み方向に対し特異な値
を示し、PVAフィルムとの境界部の方が薄膜中心部や
接着層側に比べて大きなエネルギーを有する。このため
PVAフィルム以外のフィルムに形成されたケイ素酸化
物薄膜に比し、特別に高度の防湿性能を発揮するものと
推定される。又、この特定のPVAフィルム上にケイ素
酸化物薄膜を形成したフィルムは、酸素透過率も小さく
、更に、フィルム自体やフィルムの接着剤層に紫外線防
止剤を練り混むことにより、紫外線吸収効果が一段と高
くすることができる。
【0053】本発明の液晶表示素子は、この特定のPV
Aフィルム上にケイ素酸化物薄膜を形成したフィルムに
導電層を積層して導電フィルムとし、液晶分散層を挟持
して形成されることにより、柔軟性、軽量化、広面積化
が可能で、特に耐湿性、耐光性に優れ、経時変化の少な
い、優れた液晶表示素子としうる。
【0054】次に実施例をもって本発明を具体的に説明
するが、実施例中導電フィルムの透湿度、透明性、光学
素子の光線透過率、応答性は次の方法によって測定した
【0055】 (1)導電フィルムの透湿度(gr/m2 ・24H)
所定の防湿フィルムから100×100mmの3方シー
ルの袋を作成し、袋の中に吸着剤として顆粒状の無水塩
化カルシュウム30grを充填した後、残りの一辺をシ
ールする事によりサンプルとする。該サンプルをそれぞ
れ10個づつ40℃×90%RHの雰囲気下に約500
時間置き、全体の質量変化から導電フィルムの透湿度を
求めた。
【0056】(2)導電フィルムの透明性(%)日本分
光製の分光光度計(Ubest−50型)を用いて可視
光におけるフィルムの光線透過率を測定し、632.8
nmにおける光線透過率をフィルムの透明性とした。
【0057】(3)酸素透過度 モダンコントロール社製のOX−TRAN100型酸素
透過度測定装置を使用し、温度30℃、相対湿度80%
の条件において測定した。
【0058】(4)液晶表示素子の光線透過率日本分光
製の分光光度計(Ubest−50型)を用いて、無電
界状態の場合とAC100V−60Hzを印加した場合
について測定した。
【0059】(5)液晶表示素子の応答性He−Neレ
ーザ(632.8nm)を膜面垂直方向から入射し、膜
面垂直方向からAC100V−60Hzの印加に伴う室
温(18℃)におけるセル透過光強度の経時変化をフォ
トダイオードによって検知し、ディジタルストレージコ
ープにて記録した。セルからフォトダイオードまでの距
離は305mmとした。
【0060】全透過光線量の10%から90%に変化す
る時間で定義した。また立ち下がり応答時間(TD)は
、全透過光線量の90%から10%に変化する時間で定
義した。
【0061】(6)耐湿性テスト 50×50mmの大きさに切りとった液晶表示素子に端
子を形成した後、周囲をヒートシールして完全密封した
。該サンプルをそれぞれ3個づつ40℃×90%RHの
雰囲気下に約500時間置き、光線透過率、応答性を測
定した。
【0062】(7)耐光性 キセノンアークランプを約300時間照射した後、光線
透過率、応答性を測定した。
【0063】
【実施例1】(導電フィルムの作製)ケン化度99.9
モルのPVAフィルム(延伸倍率3×3倍、二軸延伸、
厚さ12μ)を中心層11とし、その片面に、5×10
−5torrの真空下、電子ビーム加熱方式で純度99
.9%の一酸化ケイ素(SiO)を加熱蒸発させて、厚
さ1000Åのケイ素酸化物の透明な薄膜12を形成さ
せた。
【0064】一方、ポリエチレンテレフタレート(PE
T)フィルム(3×3倍、二軸延伸、厚さ12μ)を保
護膜として用意した。又、酸化スズを含有する酸化イン
ジウム薄膜の導電層13を形成したPET(厚さ110
μ)を用意した。
【0065】次に、第2図に示すように、上記で用意し
たPVAフィルムのケイ素酸化物薄膜側に、まず保護膜
14をウレタン系接着剤を用いて積層し、次いでPVA
フィルムの他方の面に、導電層13を片面に有するPE
Tフイルムを同じ接着剤を用いて、PETフイルム側か
ら積層し、透明導電フィルム1を作製した。
【0066】(液晶分散層の形成)テトラヒドロフラン
(THF)101.6gにポリビニールブチラール5.
3gを溶解し5重量%溶液とした。この溶液5.0gを
とり、ネマチック液晶E−44(BDH社製)を0.2
5g添加し、攪拌し均一な溶液を得た。
【0067】この溶液を上記で作成した透明導電フィル
ム1の導電薄膜層13側にコーティングした後THFを
蒸発させ、導電フィルム上に白濁したネマチック液晶を
包合したポリビニルブチラールよりなる液晶分散膜を得
た。この膜の厚みは10μmであった。
【0068】(液晶表示素子の作製)この液晶分散膜の
上面に、上記で作成した他の透明導電フィルムの導電層
側を貼合わせ、本発明の液晶表示素子を得た。
【0069】
【実施例2】導電フィルムの中心層11のケイ素酸化物
薄膜12の厚みを200Åに変えた以外は、実施例1と
同様にして液晶表示素子を作製した。
【0070】
【実施例3】導電フィルムの保護層14に紫外線吸収剤
を練り混んだPETフィルムを使用した以外は、実施例
1と同様にして液晶表示素子を作製し、耐光性をテスト
するために、キセノンア−クランプを300時間照射し
た後、その光透過率、応答性の変化を評価した。
【0071】
【実施例4】界面活性剤を含む15%ポリビニルアルコ
ール(PVA)水溶液20g 中に、実施例1で使用し
たネマチック液晶E−44(BDH社製)3g を少量
づつ攪拌しながら添加し、液晶を均一分散させる。この
溶液を導電フィルムの導電層13上に塗布し、乾燥させ
、液晶分散膜を得た。実施例1と同様にして液晶表示素
子を得た。
【0072】
【比較例1】市販の透明導電膜を有するPETフィルム
を電極板として使用した以外は、実施例1と同様にして
液晶表示素子を作製した。
【0073】
【比較例2】導電フィルムの中心層11をPETフィル
ムに替え、そのフィルム表面にケイ素酸化物薄膜を形成
した以外は実施例1と同様に液晶表示素子を作製した。
【0074】上記実施例1で使用した導電フィルム(以
下、フィルム1という)、実施例2で使用した導電フィ
ルム(以下、フィルム2という)、実施例3で使用した
導電フィルム(以下、フィルム3という)、比較例1で
使用した導電フィルム(以下、フィルム4という)、比
較例2で使用した導電フィルム(以下、フィルム5とい
う)について、それぞれの中心層、保護層、膜厚につい
ての構成を下記表1に、その各フィルムについて透湿度
、透明性、酸素透過度を測定した結果を下記表2に示す
【0075】
【表1】
【0076】
【表2】
【0077】これによると、本実施例のものは、比較フ
ィルム4、5と比較して透湿度、酸素透過度に優れると
共に、透明性にしても遜色ないことかわかる。
【0078】
【比較例3】比較例1で作成した液晶表示素子について
、耐光性をテストするために、キセノンアークランプを
300時間照射した後、光透過率、応答性のテストに供
した。
【0079】
【比較例4及び比較例5】比較例1で作成した液晶表示
素子について、その液晶分散層のマトリックス/液晶の
重量比をそれぞれ、80/20、20/80に変えて作
製したものである。
【0080】このようにして作製した実施例1〜3、比
較例1〜5の各液晶表示素子について、使用した導電フ
ィルムの種類、マトリックス、液晶、マトリックスと液
晶の混合比(重量%)、膜厚についての構成を下記表3
に、又、各液晶表示素子について、その光線透過率、応
答時間について、各テスト前とテスト後について測定し
た結果を下記表4に示す。
【0081】
【表3】
【0082】
【表4】
【0083】これによると実施例1で作製した液晶表示
素子は、無電界状態での透過率は3%であり、AC10
0V−60Hzの印加を行うと透過率は76%であった
。応答速度は、立上がり0.5ms、立下がり9.2m
sであった。
【0084】この液晶表示素子を、40℃×90%RH
の雰囲気下に約500時間置いたテスト後に再度測定し
た結果、無電界状態での透過率は変化なく、AC100
V−60Hzの印加時での透過率も72%を維持し、応
答速度も立上がり0.6ms、立下がり9.7msと、
ほとんど低下が見られない(表の数字はテスト前/テス
ト後の測定値を意味する。以下同じ)実施例2、実施例
3において作製した液晶表示素子も、実施例1と同様、
その性能劣化はほとんど見られない。
【0085】それに対して、比較例1で作製した液晶表
示素子は、40℃×90%RHの雰囲気下に約500時
間置くテスト前では、本実施例のものとあまり相違はな
いが、テスト後ではAC100−60Hzの印可を行う
と光線透過率は45%に低下、応答時間も立ち上がり5
4.8ms、立ち下がり78.9msと悪化した。
【0086】又、比較例2で作製した液晶表示素子は、
比較例1の液晶表示素子に比して、やや耐久性の改善は
見られるものの、実施例1で作製した液晶表示素子に比
してよくないことかわかる。
【0087】比較例3で作製した液晶表示素子は、実施
例3で使用した導電フィルムに比べて酸素透過度が10
00倍以上も高いため、液晶の劣化が激しく、光透過度
、応答性は著しく低下している。
【0088】比較例4、比較例5で作製した液晶表示素
子は、耐久性テスト前でも印可電圧をON/OFFした
ときのコントラスト比は低く、光学素子としての機能を
十分に発揮しえないことがわかる。
【図面の簡単な説明】
【図1】  本発明の液晶表示素子の断面図
【図2】 
 第1図におけるA部を拡大した透明導電フィルム断面
【図3】  第1図におけるA部を拡大した透明導電フ
ィルムの他の実施態様の断面図
【符号の説明】
1  透明導電フィルム 2  液晶分散層 3  液晶表示素子封止部 11  中心層 12  ケイ素酸化物薄膜 13  導電層 14  保護層 15  接着剤層 16  支持体フィルム

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  少なくとも一方が透明な一対の導電フ
    ィルム間に液晶分散層を挟持した液晶表示素子であって
    、該透明導電フィルムが、液晶分散層側から透明導電層
    、中心層、保護層の順に積層されて構成され、該中心層
    が少なくとも片面にケイ素酸化物薄膜を積層してなり、
    且つ、ケン化度99モル%以上のポリビニルアルコール
    フィルムからなることを特徴とする液晶表示素子。
  2. 【請求項2】  上記透明導電層が、酸化スズを含有す
    る酸化インジウムの金属酸化物薄膜層、又は金、銀、パ
    ラジウムのうち少なくとも1種からなる金属薄膜層、又
    は該金属酸化物薄膜層と金属薄膜層との複合薄膜層であ
    る請求項1記載の液晶表示素子。
  3. 【請求項3】  上記液晶分散層が非水溶性の透明ポリ
    マー中に正の誘電率異方性を有する液晶を分散したもの
    である請求項1又は2記載の液晶表示素子。
  4. 【請求項4】  上記液晶分散層における液晶の占める
    割合が25〜75重量%である請求項3記載の液晶表示
    素子。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000155308A (ja) * 1998-06-10 2000-06-06 Saint Gobain Vitrage 電気的制御可能な光学的特性可変組立体

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JP2000155308A (ja) * 1998-06-10 2000-06-06 Saint Gobain Vitrage 電気的制御可能な光学的特性可変組立体

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