JPH0427122B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は多層階に形成された空港用貨物倉庫に
関するものである。

（従来の技術） 通常、空港において航空貨物を運搬する場合は
第２図に示すように、多数連結されたトレーラ１
１が牽引車１７で牽引された貨物運搬車両２０が
用いられている。

これは各トレーラ１１が単に連結されているの
みで、各自にブレーキを備えていないため、斜路
３を上る場合は問題ないが、斜路３を下る場合は
各トレーラ１１が前方のトレーラ１１に追突して
危険な状態になるという問題があつた。

そのため、空港における貨物倉庫は平屋建てに
構築することが多かつた。

しかし、近年益々増加する貨物を処理するた
め、各階を傾斜角の緩い斜路で連結した多層階の
貨物倉庫が構築されている。

（発明が解決しようとする課題） しかし上記のように、傾斜角の緩い斜路を備え
た多層階の貨物倉庫であつても、貨物運搬車両が
３両編成でかつ車両間隔を大きくとらなければな
らず、さらに斜路を下る場合は15Km／ｈ以下の速
度で運行しなければならないという数々の制限が
あるため、作業能率の向上を図ることができなか
つた。

本発明は、上記のような問題に鑑みてなされた
ものであり、その目的は、貨物倉庫への航空貨物
の運搬に際して貨物運搬車両が何ら制限をうけず
に運行することができ、その作業能率の向上を図
ることのできる空港用貨物倉庫を提供することで
ある。

（課題を達成するための手段） 以上のような課題を達成するための、本発明の
空港用貨物倉庫は、多層階に形成された倉庫の各
階間に、該各階を夫々連結する斜路を形成し、該
斜路の中央部にチエーンコンベアを設けると共
に、該斜路の両側壁内側数箇所に貨物運搬車両の
両側壁を挟持するブレーキ装置を備え、前記チエ
ーンコンベアの数箇所には前記貨物運搬車両が斜
路を上る際に各車両の後端部と、また貨物運搬車
両が斜路を下る際に各車両の前端部と夫々係合す
る起伏自在なフツクを備えたことを特徴とする構
成にすることである。

（作用） 而して、上記のような空港用貨物倉庫によれ
ば、貨物運搬車両が斜路を上る際に、チエーンコ
ンベアに設けた起伏自在なフツクが各車両の後端
部と係合することにより、該貨物運搬車両が斜路
を上がるのを補助すると共に該貨物運搬車両の後
退を防止する。また該貨物運搬車両が斜路を下る
際には前記フツクが各車両の前端部と夫々係合す
ることにより、貨物運搬車両の各車両が前方の車
両に追突するのを防止する。

さらに、貨物運搬車両が斜路を下る途中で、チ
エーンコンベアの駆動力が急減した場合には、斜
路両側壁のブレーキ装置が貨物運搬車両の両側壁
を挟持して、該貨物運搬車両の下降を減速させる
か、又はその停止をさせる。

（実施例） 以下、本発明の一実施例を図面に基づいて詳細
に説明する。

第１図は本発明の空港用倉庫の平面図、第２図
は同断面図を示したものである。

倉庫１は２階建てであり、片側が開口されて、
該開口側の地上と２階のフロワ２との間に適宜間
隔をもつて斜路３が架け渡されている。

前記斜路３は中央部にチエーンコンベア４を備
えると共に、両側壁７内側の数箇所にはブレーキ
装置１９が設けられている。

前記チエーンコンベア４は、無端状のチエーン
４ａが連結金具５で２本平行に連結されたもの
が、ドライブスプロケツト１２とテンシヨン用ス
プロケツト１４とに架け渡されて形成され、一定
間隔ごとに前後に起伏自在なフツク６が設けられ
ている。また１３はガイドスプロケツトである。

このフツク６の取り付け間隔は、貨物運搬車両
２０が斜路３を昇降する際に、該フツク６が貨物
運搬車両２０の牽引車１７及び各トレーラ１１の
前端部、又は後端部と係合可能な間隔にするもの
である。

また、前記フツク６は第５図に示すように、前
部がチエーン４ａのリンク１８より幅狭で、また
後部が前記リンク１８より幅広のく字形に形成さ
れ、前記リンク１８に設けたプレート１５に支軸
１６で軸支されている。

よつて、フツク６はチエーンコンベア４が上方
向へ回転している場合は、第５図の実線で示すよ
うに前部が起立した状態であるが、貨物運搬車両
２０が通過すると仮想線で示すように牽引車１７
又は各トレーラ１１の底部で前部が倒伏される。
そして該牽引車１７又はトレーラ１１が通過した
後は、下方向への重力により再び実線で示す元の
状態に起立し、牽引車１７又は各トレーラ１１の
後端部に当接し、これらをロツクする。

また、前記とは反対にチエーンコンベア４が下
方向へ回転している場合は、第５図の実線で示す
ように前部が起立した状態で、下降する貨物運搬
車両２０の牽引車１７又は各トレーラ１１の前端
部に当接してこれらをロツクする。

この場合、下降する貨物運搬車両２０の下降速
度とチエーンコンベア４の回転速度とはほぼ同一
である。

ブレーキ装置１９は内面にブレーキパツト８を
張着したプレート９と、該プレート９を端部の支
軸９ｂを中心に内側へ回転させる油圧シリンダ１
０とによりなり、前記プレート９の開放端９ａに
取り付けたシリンダロツド１０ａを伸縮させるこ
とにより、前記支軸９ｂを中心にしてプレート９
が内側へ回転して貨物運搬用車両２０の各トレー
ラ１１の両側面を挟着する。

また、このブレーキ装置１９はチエーンコンベ
ア４の駆動力が急減した場合、駆動軸負荷、油
圧、空圧負荷等を探知して電気信号、油圧信号又
はエアー信号等で油圧シリンダ１０のシリンダロ
ツド１０ａを伸張させて貨物運搬車両２０の降下
を減速したり、或は停止したりするものである。

（発明の効果） 本発明は以上のような構成にしたことにより下
記の効果を有する。

貨物運搬車両が斜路を昇降する際に、チエー
ンコンベアに設けた起伏自在なフツクが各車両
の後端部又は前端部と夫々係合して、前記貨物
運搬車両の斜路の昇降を補助することにより、
貨物運搬車両が斜路を下降する際に各車両が前
方の車両に追突するのを防止することができる
ので、車両の編成制限や連結間隔の制限、又は
速度制限等の制限がなくなつて作業能率の向上
を図ることができる。

貨物運搬車両が斜路を昇降する際に、チエー
ンコンベアに設けた起伏自在なフツクが各車両
の後端部又は前端部と夫々係合して、前記貨物
運搬車両の斜路の昇降を補助することにより、
斜路の勾配を任意の角度にすることができるの
で、該斜路の設置スペースを小さくすることが
できる。

貨物運搬車両が斜路を昇降する途中で、チエ
ーンコンベアの駆動力が急減したり、或はその
他の原因により貨物運搬車が急に滑り落ちた場
合でも、両斜路両側壁のブレーキ装置が貨物運
搬車両の両側壁を挟持することにより、該貨物
運搬車両の急降下を減速させるか、或は貨物運
搬車両を停止させることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の空港用貨物倉庫の平面図、第
２図は同断面図、第３図はチエーンコンベアの側
面図、第４図は第３図の−線断面図、第５図
はフツクの側面図、第６図はチエーンコンベアの
一部省略平面図である。 また図中、１……倉庫、３……斜路、４……チ
エーンコンベア、６……フツク、７……両側壁、
１９……ブレーキ装置、２０……貨物運搬車両、
である。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 多層階に形成された倉庫の各階間に、該各階
   を夫々連結する斜路を形成し、該斜路の中央部に
   チエーンコンベアを設けると共に、該斜路の両側
   壁内側数箇所に貨物運搬車両の両側壁を挟持する
   ブレーキ装置を備え、前記チエーンコンベアの数
   箇所には前記貨物運搬車両が斜路を上る際に各車
   両の後端部と、また貨物運搬車両が斜路を下る際
   に各車両の前端部と夫々係合する起伏自在なフツ
   クを備えたことを特徴とする空港用貨物倉庫。