JPH04269693A - 原子燃料集合体 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は燃料集合体、特に沸騰水
型原子炉（ＢＷＲ）に使用される燃料集合体に関し、詳
しくは燃料の高燃焼度化に対応する同燃料集合体に関す
るものである。

【０００２】

【従来の技術】沸騰水型原子炉に使用されている燃料集
合体は、図８に示すように、多数本の燃料棒（１）及び
１本〜数本のウォーターロッド（２）と、これらを各棒
間の間隔を一定に保持して束ねるスペーサ（３）と、上
記燃料棒（１）やウォーターロッド（２）を上下で夫々
支持する上部タイプレート（４）及び下部タイプレート
（５）等により束状に形成されている。

【０００３】そして、この燃料束の外周は、燃料束を冷
却するための流路と制御棒や計装管等を冷却するための
流路とを分けると共に、制御棒のガイドを兼ね、かつ燃
料束を保護する角筒状のチャンネルボックス（６）によ
って覆われている。

【０００４】上部タイプレート（４）には、図７に示す
ように、多数のボス（７）が設けられており、図６に示
す如く、燃料棒（１）はその上部端栓（８）がスプリン
グ（１０）を介して上記ボス（７）に挿入されることに
より、燃焼時の照射による伸長が許容されるようになっ
ている。

【０００５】一方、図６〜図８に示すように、上部タイ
プレート（４）の４つのコーナーには、チャンネルボッ
クス（６）の上部と係合するためのコーナーポスト（９
）がタイプレートと一体に設けられており、このコーナ
ーポスト（９）にも、燃料棒（１）の照射による伸長差
を充分考慮した端栓挿入孔（１１）が穿設されている。

【０００６】ところで近年、原子炉の経済性向上を目的
とした燃料棒の高燃焼度化が進められているが、燃料棒
が高燃焼するに伴いＦＰガズ放出の増加が著しくなり、
燃料棒内圧の増加が問題となってきた。

【０００７】そこで現在、この問題に対処するために、
燃料棒上部にガス溜めとして設けられたプレナム部の体
積を増し、内圧の軽減を図る燃料棒が提案されている。 この燃料棒においては、プレナム体積の増加に伴って燃
料棒長は当然長くなる。

【０００８】これに対し、燃料集合体においては、炉内
構造の制約によりその全長を長くすることができず、こ
の様なプレナム体積を増した燃料棒を採用すると、上部
タイプレートの前記コーナーポストを短くして該タイプ
レートのボス位置を上昇させねばならない。

【０００９】

【発明が解決しようとする課題】ところが、上記コーナ
ーポストの内の１本には、図６に示すように、上部タイ
プレート（４）に、隣接する他の燃料集合体との間隔を
保つためのチャンネルファスナー（１５）と、チャンネ
ルボックス（６）を固定するためのねじ穴（１２）が設
けられており、上述のように上部タイプレート（４）の
コーナーポスト（９）を短くすると、上記ねじ穴（１２
）の固定ねじ（１４）と燃料棒上部端栓（８）とが互い
に干渉し合うことになる。

【００１０】本発明は叙上の如き実状に対処し、上記チ
ャンネルボックス及びチャンネルファスナー取付用のね
じ穴を他の場所に移動させることにより、燃料集合体に
おいて、プレナム体積を増した高燃焼度用燃料棒を健全
に使用可能ならしめることを目的とするものである。

【００１１】

【課題を解決するための手段】即ち、上記目的に適合す
る本発明の原子燃料集合体の特徴は、上部タイプレート
の所定のコーナーポストの近傍に、ねじ穴を備えた固定
部を上部タイプレートのグリッドから立設した支持脚部
に支持させて設け、上記固定部のねじ穴に固定ねじを螺
合することによりチャンネルボックスとチャンネルファ
スナーとを上部タイプレートに固定するようにしたこと
にある。また、請求項２及び請求項３に記載の発明は上
記集合体の具体的態様であり、上記支持脚部が、グリッ
ドにおいて１つの冷却材流路を区画形成するボス又はリ
ブの何れかから立設された複数のものであることを特徴
とする。

【００１２】

【作用】上記構成を有する本発明の原子燃料集合体にあ
っては、コーナーポストの近傍において別設した固定部
にねじ穴を設けてなることから、コーナーポストを短く
しても、該ポスト下部に設けられる端栓挿入孔と上記ね
じ穴とが重なる恐れがない。

【００１３】従って、燃料棒が燃焼することにより伸長
した場合でも、燃料棒上部端栓とねじ穴の固定ねじとが
干渉し合うことがなく、その結果、高燃焼度用の長い燃
料棒を健全に使用することが可能となる。

【００１４】更に、請求項２または請求項３記載のよう
に支持脚部を構成することにより、該支持脚部をコンパ
クトに形成することができると共に、支持脚部同士の間
隙が冷却材流出部となって、冷却材の流れを妨げること
がない。

【００１５】

【実施例】以下更に添付図面を参照して、本発明実施例
の原子燃料集合体を説明する。

【００１６】上記燃料集合体は図８の概要図を示すよう
に、多数本の燃料棒（１）及び数本のウォーターロッド
（２）と、これらを各棒間の間隔を一定に保持して束ね
るスペーサ（３）と、上記燃料棒（１）やウォーターロ
ッド（２）を上下で夫々支持する上部タイプレート（４
）及び下部タイプレート（５）等により束状に形成され
、また此の燃料束の外周は角筒状のチャンネルボックス
（６）によって囲繞されている。

【００１７】チャンネルボックス（６）は、燃料束を冷
却するための冷却材流路と、制御棒や計装管等を冷却す
るための冷却材流路とを分けると共に、制御棒（図示せ
ず）のガイドと燃料束のプロテクターの役目もはたして
いる。

【００１８】また、上部タイプレート（４）の上部には
、４本のコーナーポスト（９）と、該タイプレート（４
）を対角線状に跨ぐコの字状のハンドル（１６）とが一
体に設けられており、また、上部タイプレート（４）の
下部は、図４，図５に示すように、正方行列に配された
ボス（７）と、該ボス（７）を連結するリブ（１８）と
によって構成されたグリッド（１７）を具備している。 燃料棒（１）は図８に示す如くその上部端栓（８）がこ
のボス（７）の端栓挿入孔（１１）に嵌挿されている。

【００１９】この燃料棒（１）はウラン濃度の高い高燃
焼度用のもので、棒内上部に広く設けられたプレナム室
（図示せず）の分だけ、従来のものに比べて長目に設け
られている。しかし、本発明集合体では、上部タイプレ
ート（４）のコーナーポスト（９）がその長さ分だけ短
く設けられてボス（７）の位置が上昇しているため、燃
料棒（１）が燃焼時に伸長しても、従来と同様に上部タ
イプレート（４）と燃料棒の間に介装された上部端栓の
スプリングが押し縮められることにより上記伸長を吸収
することができる。

【００２０】上記コーナーポスト（９）は上部タイプレ
ート（４）の４つのコーナーに夫々立設されたものであ
り、これら各コーナーポスト（９）下部には燃料棒（１
）を配位可能ならしめる端栓挿入孔（１１）が形成され
ている。

【００２１】一方、従来であれば、図６に示す如く、上
記コーナーポスト（９）の端栓挿入孔（１１）上方に、
チャンネルボックス（６）及びチャンネルファスナー（
１５）を固定するためのねじ穴（１２）が設けられるが
、本発明の如き長尺の高燃焼度用燃料棒（１）を使用す
る場合は、コーナーポスト（９）を短く設けてなるため
、上記ねじ穴（１２）と端栓挿入孔（１１）とが互いの
端部同士で重なり合う恐れがある。

【００２２】そこで本発明は、図１に示す如く、上部タ
イプレート（４）の１つのコーナーポスト（９）の集合
体軸線寄りに、ねじ穴（１２）を備えた固定部（１３）
を、上部タイプレート（４）の前記グリッド（１７）か
ら上方に延設された支持脚部（１９）よって支持させて
設け、上記ねじ穴（１２）と該ねじ穴に螺合する固定ね
じ（図示せず）とによってチャンネルボックス（６）と
チャンネルファスナー（１５）とを上下タイプレート（
４）に固定するように構成したものである。固定部（１
３）は固定ねじが螺合するに充分な厚みと高さとを有し
ている。

【００２３】そしてこの実施例においては、上記支持脚
部（１９）は、グリッド（１７）において１つの冷却材
流路（２０）を区画する４つのリブ（１８）から夫々一
体又は別体に立設された４本のものからなり、これらの
支持脚部（１９）同士の間隙は冷却材流出部（２１）を
形成している。

【００２４】このように冷却材流路（２０）上に設けら
れた固定部（１３）は、ボス（７）の端栓挿入孔（１１
）から突出する燃料棒の上部端栓と干渉する恐れはなく
、また、固定部（１３）を支持する支持脚部（１９）は
リブ（１８）のみに接地していることから、上記端栓挿
入孔（１１）の穴あけ加工時に該脚部（１９）を削る恐
れがなく、該加工が正確に行えるという利点も有してい
る。

【００２５】なお、上記固定部（１３）によるねじ穴（
１２）の位置変動に伴い、チャンネルボックス（６）の
固定用三角板及びチャンネルファスナーのねじ挿通孔の
位置も変動する。

【００２６】以上の構成を有する本発明実施例の原子燃
料集合体にあっては、コーナーポスト（９）の近傍にお
いて別設した固定部（１３）を設け、該固定部（１３）
にチャンネルボックス等を固定ねじ（１４）とで固定す
るねじ穴（１２）を設けたことから、高燃焼度用燃料棒
を使用するためにコーナーポスト（９）を短くしても、
該ポスト下部に設けられる端栓挿入孔（１１）と上記ね
じ穴（１２）とが重なる恐れがない。

【００２７】従って、燃料棒（１）が燃焼することによ
って伸長した場合でも、燃料棒上部端栓（８）とねじ穴
（１２）の固定ねじ（１４）とが干渉し合うことがなく
、結果、本発明燃料集合体においては、高燃焼度用の長
い燃料棒を健全に使用することが可能となる。

【００２８】次に、図２及び図３を参照して、本発明の
第２実施例及び第３実施例を説明する。図２は第２実施
例集合体の上部ノズル要部を示す斜視図であり、先の実
施例と同一部材は同一記号で示している。この実施例の
固定部（１３）は、グリッド（１７）において１つの冷
却材流路（２０）を区画する４つのボス（７）から夫々
立設された４本の支持脚部（１９）によって支持される
と共に、その一部がコーナーポスト（９）に固着されて
いる。

【００２９】また、図３は第３実施例集合体の上部ノズ
ル要部を示す斜視図であり、この例において固定部（１
３）は、グリッド（１７）の１つの冷却材流路（２０）
を区画する４つのリブ（１８）、及びボス（７）の１部
から夫々立設された４本の支持脚部（１９）によって支
持されている。これら、第２，第３の実施例においても
、支持脚部（１９）同士の間隙は冷却材流出部（２１）
を形成し、また作用の面においても、第１実施例と同等
の効果を奏する。

【００３０】以上、本発明の実施例について説明したが
、固定部（１３）の上面とコーナーポスト（９）の上面
とは、同一平面上にあることが望ましく、また固定部（
１３）の水平方向の位置については、図４，図５に示す
如く、４本のコーナーポスト（９）が区画形成する領域
内において適宜選択することが可能である。

【００３１】また、耐変形能を向上させた板厚が厚く重
量も増加したチャンネルボックスを使用する燃料集合体
では、図５に示すように、固定部（１３）の健全性維持
を目的として、集合体側面側に対称させて２つの固定部
（１３）を設けるようにしてもよい。その場合、チャン
ネルファスナーは、平板型の２枚のものを上記固定部（
１３）に各々取り付けることも可能である。

【００３２】

【発明の効果】以上説明したように、本発明の原子燃料
集合体は、上部タイプレートの所定のコーナーポストの
近傍に、ねじ穴を備えた固定部を上部タイプレートのグ
リッドから立設した支持脚部に支持させて設け、上記ね
じ穴に固定ねじを螺合することにより、チャンネルボッ
クスとチャンネルファスナーとを上記上部タイプレート
に固定するようにしたものであり、高燃焼度用の長尺な
燃料棒を使用するために上部タイプレートのコーナーポ
ストを短くしても、該ポスト下部に設けられる端栓挿入
孔と上記ねじ穴とが重なり合う恐れがなく、これにより
燃料棒上部端栓とねじ穴の固定ねじとの干渉が防止され
て高燃焼度用燃料棒を健全に使用できるとの顕著な効果
を有するものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明第１実施例の燃料集合体の上部タイプレ
ート要部を示す斜視図である。

【図２】本発明第２実施例の燃料集合体の上部タイプレ
ート要部を示す斜視図である。

【図３】本発明第３実施例の燃料集合体の上部タイプレ
ート要部を示す斜視図である。

【図４】本発明実施例の上部タイプレートの平面図であ
る。

【図５】本発明実施例の上部タイプレートの平面図であ
る。

【図６】従来の燃料集合体の上部を示す断面図である。

【図７】従来の上部タイプレートを示す平面図である。

【図８】燃料集合体の概要図である。

【符号の説明】

（１）　　　　燃料棒 （２）　　　　ウォーターロッド （３）　　　　スペーサ （４）　　　　上部タイプレート （５）　　　　下部タイプレート （６）　　　　チャンネルボックス （７）　　　　ボス （８）　　　　上部端栓 （９）　　　　コーナーポスト （１０）　　スプリング （１１）　　端栓挿入孔 （１２）　　ねじ穴 （１３）　　固定部 （１４）　　固定ねじ （１５）　　チャンネルファスナー （１６）　　ハンドル （１７）　　グリッド （１８）　　リブ （１９）　　支持脚部 （２０）　　冷却材流路 （２１）　　冷却材流出部

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】　　スペーサによって束ねられた複数本の
   燃料棒の上下部を夫々、上部タイプレートと下部タイプ
   レートによって固定すると共に、該燃料束をチャンネル
   ボックスに収容してなる燃料集合体において、上部タイ
   プレートの所定のコーナーポストの近傍に、ねじ穴を有
   する固定部を上部タイプレートのグリッドから立設した
   支持脚部に支持させて設け、上記固定部のねじ穴に固定
   ねじを螺合することによりチャンネルボックスとチャン
   ネルファスナーとを上部タイプレートに固定するように
   したことを特徴とする原子燃料集合体。
2. 【請求項２】　　請求項１記載の燃料集合体において、
   上記支持脚部が、グリッドにおいて１つの冷却材流路を
   区画するボスから夫々立設された複数のものであること
   を特徴とする原子燃料集合体。
3. 【請求項３】　　請求項１記載の燃料集合体において、
   上記支持脚部が、グリッドにおいて１つの冷却材流路を
   区画するリブから夫々立設された複数のものであること
   を特徴とする原子燃料集合体。