JPH04268038A - プレス成形性に優れた表面処理アルミニウム合金板 - Google Patents

プレス成形性に優れた表面処理アルミニウム合金板

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JPH04268038A
JPH04268038A JP3048633A JP4863391A JPH04268038A JP H04268038 A JPH04268038 A JP H04268038A JP 3048633 A JP3048633 A JP 3048633A JP 4863391 A JP4863391 A JP 4863391A JP H04268038 A JPH04268038 A JP H04268038A
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JP
Japan
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aluminum alloy
press formability
organic resin
less
alloy plate
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Application number
JP3048633A
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English (en)
Inventor
Aoshi Tsuyama
青史 津山
Takeshi Fujita
毅 藤田
Takahiro Kubota
隆広 窪田
Masaaki Yamashita
正明 山下
Tadashi Ono
尾野 忠
Seiji Yoshida
由田 征史
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Engineering Corp
Original Assignee
NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、自動車車体等に好適
なプレス成形性に優れた表面処理アルミニウム合金板に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、自動車ボディシ−ト等の成形加工
用板材としては表面処理冷延鋼板が多用されていたが、
最近では自動車の燃費向上のために車体軽量化の要望が
高まり、アルミニウム合金板が使用され始めている。自
動車ボディシ−ト用のアルミニウム合金としては、非熱
処理型の5182等や、焼付硬化性を付与した熱処理型
の2036、6009、6010、6111等があり、
また、非熱処理型の5×××系にCuやZnを微量添加
し、熱処理して用いることを前提とした特開昭57−1
20648号や特開昭53−103914号に示される
合金等が開発されている。一方、塗装後の品質特性(例
えば、耐外面錆性、塗装密着性)の向上を図るため、自
動車の製造工程でリン酸塩処理する方法(米国特許第3
619300号)、クロメ−ト処理する方法(英国特許
第1409413号)等が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
のアルミ合金板も現用材である冷延鋼板に比べると、プ
レス成形性に劣り、量産を前提とした成形加工用板材と
しては、さらなる成形性改善が達成されない限り、表面
処理冷延鋼板の代替材とはなり得ないのが現状である。 また、表面処理に関しても、上述した提案では主として
塗装後の品質特性に着目するに止まっており、積極的に
プレス成形性を改善しようとするものではない。本発明
は、以上のような事情に鑑みなされたもので、優れたプ
レス成形性を有し、特に自動車車体用として好適な表面
処理アルミニウム合金板を提供しようとするものである
【0004】
【課題を解決するための手段】アルミニウム合金板のプ
レス成形性向上という上述した目的を達成するため、本
発明者らは表面処理法と合金組成およびそれらの組み合
わせについて検討を重ね、アルミニウム合金板のプレス
成形性の向上が可能であることを見出した。本発明はこ
のような知見に基づきなされたもので、アルミニウム合
金板の表面にクロメ−ト層と潤滑剤を含有した有機樹脂
皮膜を形成することにより、プレス成形時の潤滑性を増
し成形性を向上させることに加え、合金そのものの組成
を適正化することにより、合金板自体の成形性を向上さ
せ、これらにより総合的なプレス成形性の向上を可能と
したものである。すなわち、このような本発明の構成は
以下の通りである。
【0005】(1)  アルミニウム合金板の表面に第
1層としてクロメ−ト皮膜を有し、その上部に第2層と
して潤滑剤を含む有機樹脂皮膜を有してなるプレス成形
性に優れた表面処理アルミニウム合金板。 (2)  上記(1)に記載の表面処理アルミニウム合
金板において、アルミニウム合金板が、Si:0.03
〜1.6wt%、Mg:0.2〜7.5wt%、Cu:
0.1〜2.5wt%、Zn:2.0wt%以下、Fe
:0.03〜0.4wt%、Ti:0.005〜0.1
5wt%、B:0.0002〜0.05wt%、残部A
lおよび不可避的不純物からなり、且つ、SiとMgが
下記(a)〜(c)の関係を満足する組成を有するプレ
ス成形性に優れた表面処理アルミニウム合金板。 (a)Siが0.03wt%以上、0.15wt%未満
の場合、Mgは1.5〜7.0wt% (b)Siが0.15wt%以上、0.4wt%以下の
場合、Mgは1.0〜7.5wt% (c)Siが0.4wt%を超え、1.6wt%以下の
場合、Mgは0.2〜1.5wt% (3)  上記(1)に記載の表面処理アルミニウム合
金板において、アルミニウム合金板が、Si:0.03
〜1.6wt%、Mg:0.2〜7.5wt%、Cu:
0.1〜2.5wt%、Zn:2.0wt%以下、Fe
:0.03〜0.4wt%、Ti:0.005〜0.1
5wt%、B:0.0002〜0.05wt%を含有し
、これにZr:0.01〜0.20wt%、Cr:0.
01〜0.30wt%、Mn:0.02〜0.60wt
%およびV:0.01〜0.30wt%からなる群の中
から選ばれる1種または2種以上の元素を含有し、残部
Alおよび不可避的不純物からなり、且つ、SiとMg
が下記(a)〜(c)の関係を満足する組成を有するプ
レス成形性に優れた表面処理アルミニウム合金板。 (a)Siが0.03wt%以上、0.15wt%未満
の場合、Mgは1.5〜7.0wt% (b)Siが0.15wt%以上、0.4wt%以下の
場合、Mgは1.0〜7.5wt% (c)Siが0.4wt%を超え、1.6wt%以下の
場合、Mgは0.2〜1.5wt% (4)  上記(1)、(2)または(3)に記載の表
面処理アルミニウム合金板において、クロメ−ト皮膜の
クロメ−ト付着量が金属クロム換算で10〜200mg
/m2であり、且つ有機樹脂皮膜の膜厚が0.3〜5μ
mであるプレス成形性に優れた表面処理アルミニウム合
金板。 (5)  上記(1)、(2)、(3)または(4)に
記載の表面処理アルミニウム合金板において、有機樹脂
皮膜を構成する有機樹脂がウレタン樹脂であるプレス成
形性に優れた表面処理アルミニウム合金板。 (6)  上記(1)、(2)、(3)、(4)または
(5)に記載の表面処理アルミニウム合金板において、
有機樹脂皮膜を構成する潤滑剤がポリオレフィンワック
スであるプレス成形性に優れた表面処理アルミニウム合
金板。 (7)  上記(1)、(2)、(3)、(4)、(5
)又は(6)に記載の表面処理アルミニウム合金板にお
いて、有機樹脂皮膜が有機樹脂に対して重量比で下記割
合の潤滑剤を含むプレス成形性に優れた表面処理アルミ
ニウム合金板。 有機樹脂/潤滑剤=99/1〜70/30
【0006】
【作用】以下、本発明の詳細を説明する。まず、アルミ
ニウム合金板の表面処理皮膜について、その限定理由と
処理方法を説明する。アルミニウム合金板の表面に形成
されるクロメート皮膜は、クロメート皮膜中に含まれる
6価クロムのクロム酸イオンによる不動態化効果と、ク
ロム酸イオンの還元生成物である3価クロムのクロム水
和酸化物皮膜が表面を被覆することにより、アノード面
積が減少する効果、および3価クロムのクロム水和酸化
物皮膜が水や酸素の拡散障壁となる効果、等によりアル
ミニウム合金板の腐食を抑制する。
【0007】このクロメート皮膜の付着量が、金属クロ
ム換算で10mg/m2未満では十分な耐食性を期待す
ることができず、一方、付着量が200mg/m2を超
えると溶接性が劣化する。このためクロメート皮膜の付
着量は、金属クロム換算で10mg/m2〜200mg
/m2とすることが好ましい。このクロメート皮膜を形
成するためのクロメート処理法としては、反応型、電解
型、塗布型等のいずれの方法も適用可能である。
【0008】電解クロメート処理では、無水クロム酸に
硫酸、リン酸、ハロゲンイオン等を添加した処理液、或
いはこれにさらにシリカ、アルミナ等の粉末またはコロ
イド類を添加した処理液や、コバルト、マグネシウム等
のカオチンを添加した処理液を用い、この処理液でアル
ミニウム合金板に陰極電解処理を施し、水洗・乾燥して
皮膜を形成させる。通常、陰極電解処理を施すが、陽極
電解、交流電解を付加することも可能である。塗布型ク
ロメート処理は、部分的に還元されたクロム酸水溶液を
主成分とし、通常これに、■水溶性または水分散性のア
クリル樹脂、ポリエステル樹脂等の有機樹脂■シリカ、
アルミナ、チタニア、ジルコニア等の酸化物コロイド類
および/または粉末■モリブデン酸、タングステン酸、
バナジン酸等の酸素酸および/またはその塩類■リン酸
、ポリリン酸等のリン酸類■ジルコニウムフッ化物、ケ
イフッ化物、チタンフッ化物等のフッ化物■亜鉛イオン
等の金属イオンの中から、必要に応じて1種以上を添加
した処理液を被処理物に塗布し、水洗することなく乾燥
させ、皮膜を得る。
【0009】本発明における塗布型クロメート処理は、
通常、ロールコーター法により処理液を塗布するが、浸
漬法やスプレー法により塗布した後に、エアナイフ法や
ロール絞り法により塗布量を調整することも可能である
。塗布型クロメート処理によって得られるクロメート皮
膜と電解型クロメート処理によって得られるクロメート
皮膜を比較すると、塗布型は皮膜中に6価クロムのクロ
ム酸イオンをより多く含有するため耐食性が優れている
。一方、電解型は、自動車の脱脂工程等の塗装前処理工
程におけるクロムの溶出量が少なく、また皮膜の付着量
の調整が容易であるという利点がある。耐食性を考慮し
た場合には、塗布型クロメート処理が最も好ましい。
【0010】アルミニウム合金板の表面に形成されたク
ロメート皮膜の上層に、第2層として形成された有機樹
脂皮膜は、クロメート皮膜中の6価クロムのクロム酸イ
オンの腐食環境中への過剰な溶出を抑制し、防食効果を
持続させるとともに、有機樹脂皮膜中に添加された潤滑
剤によりアルミニウム合金板のプレス成形性を向上させ
る。本発明における有機樹脂被覆処理は、通常ロールコ
ーター法により樹脂組成物を塗布した後、加熱処理を行
うが、浸漬法やスプレー法により塗布し、エアナイフ法
やロール絞り法により塗布量を調整した後、加熱処理を
行うことも可能である。
【0011】有機樹脂皮膜の膜厚は、0.3μm未満で
は十分なプレス成形性を期待することができず、一方、
5μmを超えると溶接性や電着塗装性が劣化する。この
ため、皮膜厚は0.3〜5μmとすることが好ましい。 また、さらに高度なプレス成形性、溶接性、電着塗装性
を満足させるためには、0.4〜2μmの範囲が好まし
い。加熱処理は、通常、到達板温で50〜300℃、好
ましくは60〜250℃の範囲で行われる。また、加熱
方法としては、熱風炉、高周波誘導加熱炉、赤外線炉等
を用いることができる。
【0012】有機樹脂皮膜は、溶剤型樹脂、水溶性樹脂
、水分散型樹脂のいずれの樹脂を用いてもよく、例えば
、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹
脂、アミノ系樹脂、ポリウレタン系樹脂、フッ素系樹脂
、シリコン系樹脂、フェノール系樹脂や、それらの共重
合体を使用することができる。耐食性の観点からは、腐
食環境で水を皮膜中に呼び込みにくい溶剤型の樹脂が好
ましく、特に溶剤型のウレタン樹脂が成形性、耐食性の
観点から優れている。
【0013】本発明では、有機樹脂皮膜を構成する有機
樹脂組成物中に潤滑剤を配合することによりプレス成形
性を向上させている。潤滑剤は、有機樹脂皮膜中に均一
に分散し、アルミニウム合金板表面の摩擦係数を減少さ
せることによりプレス成形性を向上させるものと推定さ
れる。ここで、有機樹脂皮膜中への潤滑剤の添加量とし
ては、有機樹脂/潤滑剤の重量比が99/1を超えると
、潤滑剤による摩擦係数の低減効果が十分に発揮されず
、プレス成形性が劣る。一方、70/30未満であると
、有機樹脂のバインダーとしての効果が不十分となり、
塗料密着性が劣化する。本発明で使用する潤滑剤として
は、ポリオレフィンワックス、テフロン、グラファイト
、二硫化モリブデンからなる群のなかから1種以上を配
合することができる。特に、ポリオレフィンワックスが
プレス成形性の向上には、最も有効である。
【0014】なお、本発明では、上記の潤滑剤が有機樹
脂皮膜中への主たる添加剤成分となるが、その他にも体
質顔料(例えば、シリカ、アルミナ、炭酸カルシウム、
硫酸バリウム、タルク、クレー等)、防錆顔料(例えば
、クロム酸塩、トリポリリン酸二水素アルミニウム、リ
ンモリブデン酸アルミニウム、リン酸亜鉛、シリカ等)
、導電顔料(例えば、リン化鉄、アンチモンドープ型酸
化錫等)、界面活性剤、シランカップリング剤、着色顔
料、着色染料等の中から1種以上を配合することができ
る。
【0015】本発明のアルミニウム合金板は、通常、両
面に上記のような皮膜を有するが、必要に応じて、片面
のみに上記のような皮膜を形成させ、他の片面を非被覆
面(アルミニウム合金表面のまま)としたり、或いはク
ロメート皮膜のみを形成させるようにすることも可能で
ある。
【0016】次に、本発明における合金成分の限定理由
について説明する。Mg,Si:  Mgは本発明にお
いて必須の基本成分であり、強度と成形性に大きく寄与
するが、Mgを7wt%を超えて添加すると熱間圧延時
に割れが生ずるようになり、熱間加工性が劣化する。し
かし、MgはSiを0.15wt%以上添加してMgを
Mg2Siとして固定すれば、その添加量の許容上限を
7.5wt%まで上げることができる。但し、Siを0
.4wt%よりも多く添加する場合は、Mg2Siその
ものが最終熱処理後も溶け残り、成形性が劣化するため
、逆にMgの上限は1.5wt%まで低下する。また、
下限については、Mgそのものによる固溶強化のみなら
ず、Siと結びつきMg2Si等として析出強化する働
きがあるので、Si添加量が多くなるほど、強度確保の
観点からのMgの下限は低下する。すなわち、Siが0
.15wt%未満の場合は1.5wt%以上、Siが0
.15〜0.4wt%の場合は1.0wt%以上、Si
が0.4wt%を超え1.6wt%以下の場合は0.2
wt%以上のMgが必要である。Siは通常のアルミ合
金においては不可避的不純物として含有されるものであ
るが、本発明においては成形性および塗装焼付後の強度
確保のため、積極的にMgとの組み合わせに応じて適量
添加するものである。但し、Mg量によらず、Si:0
.03wt%未満では成形性が劣化し、一方、1.6w
t%を超えると粗大なSi単体あるいは化合物として存
在するようになり、成形性が劣化するため、Siは0.
03〜1.6wt%とする。一方、上述した観点から、
MgとSiの添加の範囲は、 ■Siが0.03wt%以上、0.15wt%未満の場
合は、Mgを1.5wt%〜7.0wt%■Siが0.
15wt%以上、0.4wt%以下の場合は、Mgを1
.0〜7.5wt% ■Siが0.4wt%を超え、1.6wt%以下の場合
は、Mgを0.2〜 1.5wt%とする。図1は、このような本発明のMg
,Siの範囲を示したものである。
【0017】Cu:  Cuは主としてAl,Mgと結
びつきAl2CuMg系析出物として塗装焼付による強
度上昇に寄与する。Cuが0.1wt%未満ではその効
果が十分でなく、逆に2.5wt%を超えると、成形性
が低下するとともに耐食性にも悪影響を及ぼすので、0
.1〜2.5wt%を添加範囲とする。 Zn:  ZnはMgZn2系析出物として自然時効に
より析出し、熱処理ままでの強度上昇に寄与する。しか
しながら、成形性に対しては負の効果を持つと同時に、
焼付硬化能は小さく、逆に2.0wt%を超えると前述
のMg,Si,Cuの焼付硬化能を低下させるので、添
加する場合においても2.0wt%を上限とする。
【0018】Ti,B:  TiおよびBはTiB2等
として鋳塊の結晶粒を微細化する効果を有し、熱間加工
性、成形性を向上させるが、過剰に添加すると粗大晶出
物を生成し、逆に成形性を低下させるので、その添加量
はTi:0.005〜0.15wt%、B:0.000
2〜0.05wt%とする。 Fe:  Feは不可避的不純物として通常アルミニウ
ム合金に含有されるものであり、成形性に悪影響を及ぼ
す粗大な晶出物の生成を抑制するため、その上限を0.
4wt%とする。しかしながら、逆に含有量が低過ぎて
も成形性が劣化するので、下限を0.03wt%とする
【0019】本発明では以上の各元素を必須成分とする
が、必要に応じて、以下のZr,Cr,MnおよびVの
うちの1種または2種以上の元素を適量添加してもよい
。これらの元素は鋳塊のみならず溶体化熱処理後の結晶
粒粗大化を抑制し、組織を均一にし強度上昇および成形
性向上にも寄与する。しかしながら、過剰添加すると粗
大な晶出物を生成し、逆に成形性を低下させるので、そ
の添加はZr:0.01〜0.20wt%、Cr:0.
01〜0.30wt%、Mn:0.02〜0.60wt
%、V:0.01〜0.30wt%の各範囲とする。上
記元素の他、通常のアルミニウム合金と同様、不可避的
不純物が含有されるが、その量は本発明の効果を損なわ
ない限度で許容できる。例えば、Be≦0.001wt
%,Na≦0.001wt%,K≦0.001wt%で
あれば、これらの元素を含んでいても特性上の支障はな
い。
【0020】なお、表面処理までのアルミニウム合金板
の製造は、通常の方法であれば特に限定はしないが、最
終熱処理に関しては、その処理温度が共晶融解温度以下
であることが前提で、熱処理温度440℃以上で且つ冷
却速度が2℃/秒以上であることが塗装焼付後の強度確
保の観点から望ましい。なお、参考までに基本的な製造
方法を示すと、溶解−鋳造された鋳塊に対し、■440
〜580℃の範囲内の温度で1段または多段の均質化処
理を施し、■熱間圧延及び冷間圧延により所望の板厚と
し、■次いで、440〜580℃の温度に加熱し、2℃
/秒以上の冷却速度で熱処理する。なお、必要に応じて
、上記■の熱間圧延と冷間圧延の間、または冷間圧延と
冷間圧延の間若しくはその両方で、320〜580℃の
温度範囲で1回若しくは2回以上の中間焼鈍処理を実施
してもよく、また、上記■の熱処理の前後どちらか或い
は両方で、歪矯正および表面粗度調整等の目的で、5%
以下のスキンパス圧延、ストレッチングまたはレベリン
グ等を実施しても本発明の効果を損なうものではない。
【0021】
【実施例】表1ないし表8に示すような化学成分の合金
を溶解−連続鋳造し、510℃で10時間の均質化処理
を実施し、次いで450℃に加熱し、板厚3mmまで熱
間圧延を行い、370℃で2時間の中間焼鈍を施した後
、冷間圧延により板厚1mmとした。なお、熱間圧延の
仕上温度は320℃であった。この1mm板材を530
℃まで10℃/秒の加熱速度で加熱し、10秒間保持後
、強制空冷により15℃/秒の冷却速度で冷却した。 このようにして得られたアルミニウム合金板に、日本パ
ーカライジング(株)製の塗布型クロメート処理液:L
N−4513Hをロールコーターにより塗布し、水洗す
ることなく乾燥させた。次いで、下記に示す組成の塗料
組成物をロールコーターにより塗布し、焼き付けた(到
達板温:150℃)。 塗料組成物 ■ウレタン樹脂:大日本インキ化学工業(株)製TYF
ORCE  AG−946 ■硬化剤:大日本インキ化学工業(株)製バーノックB
7−887−60 ■ポリオレフィンワックス:三洋化成工業(株)製サン
ワックス171−P ■防錆顔料:菊池色素工業(株)製クロム酸バリウム■
上記■〜■の配合比: ウレタン樹脂/硬化剤/ポリオレフィンワックス/防錆
顔料=30.40/1.80/3.22/3.54(不
揮発分の重量比)
【0022】このような表面処理を施したアルミニウム
合金板(一部は比較のため表面処理無し)を、2週間放
置後、JIS5号試験片により圧延方向の引張特性及び
プレス成形性として、Limiting Dome H
ight(L.D.H)を評価した。また、プレス成形
後の焼付硬化性を評価するため、180℃×20min
の熱サイクルを付与し、JIS5号により降伏強度上昇
量も評価した。ここで、L.D.Hはプレス成形時に最
も割れやすい平面歪状態での成形性を評価する有効なパ
ラメータであり、試験条件の詳細は下記の通りである。 試験片  :122.5mm(圧延方向)×200mm
(圧延直角方向) パンチ  :101.6mmφ球頭 ダイス  :105.66mmφ、肩部曲率半径;6.
35mm、ビード付 潤滑    :無潤滑(完全脱脂) 繰返し数:3(表中の数値はその平均値)
【0023】
これらの評価特性値を表9ないし表12に示す。表面処
理のプレス成形性に及ぼす効果は、本発明例と比較例2
の結果からも明らかである。図2は本発明例におけるプ
レス成形性改善効果を示したもので、表面処理を施すこ
とにより、L.D.Hが平均で約2mm、最低でも1.
6mm向上している。さらに、本発明例と比較例1とか
ら、合金組成を規定することにより、同じ表面処理を施
したアルミニウム合金板でも、特性が異なることが判る
。例えば、本発明例では焼付硬化量が降伏強度で2.0
kgf/mm2以上、耐デント性と関連のある焼付硬化
後の降伏強度も15.0kgf/mm2以上、L.D.
H.も25.1mm以上とバランスのとれた性能を有し
ている。これに対し、比較例1の場合、Si量の低い合
金23、Si量,Mg量バランスの悪い合金25、26
、Mg量の低い合金29、Cu量の低い合金30は、合
金26を除いて焼付硬化量が1.0kgf/mm2以下
と低く、合金26を含めても、焼付後の強度が14.1
kg/mm2以下と低い。また、他の合金はいずれもL
.D.Hが22.9mm以下であり、本発明例と比べ2
.2mm以上も低く、プレス成形性に劣っている。
【0024】
【表1】
【0025】
【表2】
【0026】
【表3】
【0027】
【表4】
【0028】
【表5】
【0029】
【表6】
【0030】
【表7】
【0031】
【表8】
【0032】
【表9】
【0033】
【表10】
【0034】
【表11】
【0035】
【表12】
【0036】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、自動車ボ
ディシート用等の材料として従来よりもプレス成形性が
格段に優れたアルミニウム合金板を得ることができる。 また、焼付硬化性、耐デント性にも優れた特性を有して
いる。このような本発明の表面処理アルミニウム合金板
は、ボディシート用材料として自動車々体の軽量化を達
成することが可能であり、自動車の燃費向上とこれに伴
う地球環境汚染防止の観点からもその有用性は大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が規定するMgおよびSiの範囲を図式
化したものである。
【図2】表面処理皮膜の有無がプレス成形性に及ぼす影
響を示したものである。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  アルミニウム合金板の表面に第1層と
    してクロメ−ト皮膜を有し、その上部に第2層として潤
    滑剤を含む有機樹脂皮膜を有してなるプレス成形性に優
    れた表面処理アルミニウム合金板。
  2. 【請求項2】  アルミニウム合金板が、Si:0.0
    3〜1.6wt%、Mg:0.2〜7.5wt%、Cu
    :0.1〜2.5wt%、Zn:2.0wt%以下、F
    e:0.03〜0.4wt%、Ti:0.005〜0.
    15wt%、B:0.0002〜0.05wt%、残部
    Alおよび不可避的不純物からなり、且つ、SiとMg
    が下記(a)〜(c)の関係を満足する組成を有する請
    求項1に記載のプレス成形性に優れた表面処理アルミニ
    ウム合金板。 (a)Siが0.03wt%以上、0.15wt%未満
    の場合、Mgは1.5〜7.0wt% (b)Siが0.15wt%以上、0.4wt%以下の
    場合、Mgは1.0〜7.5wt% (c)Siが0.4wt%を超え、1.6wt%以下の
    場合、Mgは0.2〜1.5wt%
  3. 【請求項3】  アルミニウム合金板が、Si:0.0
    3〜1.6wt%、Mg:0.2〜7.5wt%、Cu
    :0.1〜2.5wt%、Zn:2.0wt%以下、F
    e:0.03〜0.4wt%、Ti:0.005〜0.
    15wt%、B:0.0002〜0.05wt%を含有
    し、これにZr:0.01〜0.20wt%、Cr:0
    .01〜0.30wt%、Mn:0.02〜0.60w
    t%およびV:0.01〜0.30wt%からなる群の
    中から選ばれる1種または2種以上の元素を含有し、残
    部Alおよび不可避的不純物からなり、且つ、SiとM
    gが下記(a)〜(c)の関係を満足する組成を有する
    請求項1に記載のプレス成形性に優れた表面処理アルミ
    ニウム合金板。 (a)Siが0.03wt%以上、0.15wt%未満
    の場合、Mgは1.5〜7.0wt% (b)Siが0.15wt%以上、0.4wt%以下の
    場合、Mgは1.0〜7.5wt% (c)Siが0.4wt%を超え、1.6wt%以下の
    場合、Mgは0.2〜1.5wt%
  4. 【請求項4】  クロメ−ト皮膜のクロメ−ト付着量が
    金属クロム換算で10〜200mg/m2であり、且つ
    有機樹脂皮膜の膜厚が0.3〜5μmである請求項1、
    2または3に記載のプレス成形性に優れた表面処理アル
    ミニウム合金板。
  5. 【請求項5】  有機樹脂皮膜を構成する有機樹脂がウ
    レタン樹脂である請求項1、2、3又は4に記載のプレ
    ス成形性に優れた表面処理アルミニウム合金板。
  6. 【請求項6】  有機樹脂皮膜を構成する潤滑剤がポリ
    オレフィンワックスである請求項1、2、3、4または
    5に記載のプレス成形性に優れた表面処理アルミニウム
    合金板。
  7. 【請求項7】  有機樹脂皮膜が有機樹脂に対して下記
    割合(重量比)の潤滑剤を含む請求項1、2、3、4、
    5または6に記載のプレス成形性に優れた表面処理アル
    ミニウム合金板。 有機樹脂/潤滑剤=99/1〜70/30
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