JPH04268018A - 高強度マルテンサイト系ステンレス鋼ラインパイプの 製造方法 - Google Patents

高強度マルテンサイト系ステンレス鋼ラインパイプの 製造方法

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JPH04268018A
JPH04268018A JP2896091A JP2896091A JPH04268018A JP H04268018 A JPH04268018 A JP H04268018A JP 2896091 A JP2896091 A JP 2896091A JP 2896091 A JP2896091 A JP 2896091A JP H04268018 A JPH04268018 A JP H04268018A
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Akihiro Miyasaka
明博 宮坂
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は溶接性の優れた高強度マ
ルテンサイト系ステンレス鋼ラインパイプの製造方法に
係り、さらに詳しくは、例えば石油・天然ガスの輸送に
おいて湿潤炭酸ガスや湿潤硫化水素を含む環境中で高い
腐食抵抗を有するとともに、溶接熱影響部の衝撃靱性に
優れ、溶接熱影響部の硬さを低減した高強度ラインパイ
プを高い生産性で製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年生産される石油・天然ガス中には、
湿潤な炭酸ガスを多く含有する場合が増加している。こ
うした環境中で炭素鋼や低合金鋼は著しく腐食すること
がよく知られている。このため、輸送に使用されるライ
ンパイプなどの防食対策として、腐食抑制剤の添加が従
来より行なわれてきた。しかし、腐食抑制剤は高温では
その効果が失われる場合が多いことに加えて、海底パイ
プラインでは腐食抑制剤の添加・回収処理に要する費用
は膨大なものとなり、適用できない場合が多い。従って
、腐食抑制剤を添加する必要のない耐食材料に対するニ
ーズが最近とみに高まっている。ラインパイプとして使
用される材料には、耐食性のほかに内部を流れる輸送流
体の圧力に耐える高い強度を持ち、溶接性に優れること
が要求される。溶接性の代表的な特性としては、溶接部
の衝撃靱性が優れていることが必要である。また、硫化
水素を含有する流体を輸送する場合には、溶接部の硬さ
が低いことも要求される。勿論、母材の衝撃靱性も優れ
ていることが必要である。
【0003】炭酸ガスを多く含む石油・天然ガス用の耐
食材料としては、耐食性の良好なステンレス鋼の適用が
まず検討された。例えばL.J.クライン、コロージョ
ン(Corrosion)’84、ペーパーナンバー2
11にあるように、溶接構造のない油井管には、高強度
で比較的コストの安い鋼としてAISI(米国鉄鋼協会
)410鋼あるいは420鋼といった、Cを0.1ある
いは0.2%含有し、12〜13%のCrを含有するマ
ルテンサイト系ステンレス鋼が広く使用され始めている
。しかしながら、これらの鋼はCの含有量が高いので、
溶接部が非常に硬くなるとともに溶接部の衝撃靱性が悪
いために、ラインパイプとして使用することは困難であ
る。AISI410鋼を使用したラインパイプが最近A
PI(米国石油協会)で規格化されてはいるものの、例
えば須賀正孝ほか著、NKK技報1989年発行、第1
29号、第15〜22頁にあるように、現地溶接部の衝
撃靱性が悪いという難点を有している。これは彼らの報
告にあるように溶接熱影響部が粗大なフェライト主体の
組織となるためである。
【0004】従来のマルテンサイト系ステンレス鋼鋼管
は、造管後に熱処理されるに際して、焼入れ時の冷却は
空冷とするのが通常であった。これは空冷よりも速い冷
却速度、例えば水冷で冷却すると焼割れを生ずるので、
焼割れを生じない冷却速度でゆっくり冷却しなければな
らないためである。焼入れ時の冷却を空冷とした場合、
室温までの冷却に長時間を要するので、例えば水冷の場
合に比べると生産性が著しく悪い、という難点をも有し
ている。従って、焼入れに際して水冷で製造できれば生
産性の点からその意義は極めて大きいものがある。
【0005】ラインパイプ用鋼としては、特開昭61−
119654号公報において、CおよびNを低減し、A
lまたはCaさらにはVを含有させ、かつNiおよびM
oを含有させた鋼が提案されている。しかし、この鋼は
高価な合金元素であるNiを多量に含有しているために
コストが高い上に特性も十分とは言えない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこうした現状
に鑑み、炭酸ガス環境でも充分な耐食性を有し、母材の
衝撃靱性および溶接性に優れ、かつ生産性にも優れる高
強度マルテンサイト系ステンレス鋼ラインパイプの製造
方法を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の目的
を達成すべく高強度マルテンサイト系ステンレス鋼ライ
ンパイプの成分と熱処理条件とを種々検討してきた結果
、ついに以下の知見を見出すに至った。まず、Crを1
1〜14%含有する鋼にCを0.02〜0.08%含有
させ、Nを0.015%以下に低減した上で、該鋼を鋼
管として造管した後の焼入れに際して水冷以上の速い冷
却速度で冷却し、焼入れおよび焼戻し条件を適切に選択
すれば、ラインパイプとして必要な強度と優れた靱性が
得られること、また上記のようにCおよびNの含有量を
上記の範囲に制御すれば水冷以上の速い冷却速度で冷却
しても焼き割れなどの問題を生じないこと、CおよびN
の含有量を上記の範囲に制御すれば溶接熱影響部の硬さ
を著しく低下させることができるとともに、炭酸ガス含
有食塩水中における耐食性が改善されることを見出した
。そしてかかる鋼にCoを1.1〜4.0%添加すると
溶接部の硬さをあまり上げることなく母材および溶接部
のミクロ組織を実質的にマルテンサイト単相とすること
ができ、母材および溶接部の衝撃靱性を著しく改善でき
ることを見出した。
【0008】さらに本発明者は検討をすすめ、上記のよ
うな熱処理を施す高強度マルテンサイト系ステンレス鋼
からなるラインパイプの組成として、Crを11〜14
%含有し、Cを0.02〜0.08%含有させ、Nを0
.015%以下に低減し、Coを1.1〜4.0%含有
する鋼に、NiまたはCuのいずれかまたは両者を添加
すると溶接熱影響部の衝撃靱性をさらに改善するのに効
果があること、MoまたはWのいずれかまたは両者を添
加すると湿潤炭酸ガス環境の耐食性を改善するのに効果
があること、V、Ti、Nb、Ta、Zr、Hfの1種
以上を添加すると耐食性を一段と向上させるのに有効で
あること、Caおよび希土類元素の1種以上を添加する
と熱間加工性の向上、耐食性の向上に効果のあること、
これらの元素を添加した場合でもCおよびNを前記の範
囲に制御しておけば焼入れ時に水冷などの急冷を施して
も焼き割れは起こさないことを見出した。
【0009】本発明は主に上記の知見に基づいてなされ
たものであり、第1発明の要旨とするところは、重量%
で、C0.02〜0.08%、Si1%以下、Mn2%
以下、Cr11〜14%、Co1.1〜4.0%、Al
0.005〜0.2%を含有し、Nを0.015%以下
に低減し、残部Feおよび不可避不純物からなるマルテ
ンサイト系ステンレス鋼を鋼管として造管した後に、9
20〜1100℃でオーステナイト化してから水冷以上
の冷却速度で冷却し、次いで580℃以上AC1温度以
下の温度で焼戻し処理を施してから空冷以上の冷却速度
で冷却することを特徴とする高強度マルテンサイト系ス
テンレス鋼ラインパイプの製造方法にあり、第2発明の
要旨とするところは、第1発明が対象とする鋼にさらに
、重量%で、Ni4%以下、Cu3%以下のうち1種ま
たは2種を含有させた鋼を使用する高強度マルテンサイ
ト系ステンレス鋼ラインパイプの製造方法にあり、第3
発明の要旨とするところは、第1発明および第2発明が
対象とする鋼にさらに、重量%で、Mo2%以下、W4
%以下のうち1種または2種を含有させた鋼を使用する
高強度マルテンサイト系ステンレス鋼ラインパイプの製
造方法にあり、第4発明の要旨とするところは、第1発
明、第2発明および第3発明が対象とする各鋼にさらに
、重量%で、V0.5%以下、Ti0.2%以下、Nb
0.5%以下、Ta0.2%以下、Zr0.2%以下、
Hf0.2%以下のうち1種または2種以上を含有させ
た鋼を使用する高強度マルテンサイト系ステンレス鋼ラ
インパイプの製造方法にあり、第5発明の要旨とすると
ころは、第1発明、第2発明、第3発明および第4発明
が対象とする各鋼にさらに、重量%で、Ca0.008
%以下、希土類元素0.02%以下のうち1種または2
種を含有させた鋼を使用する高強度マルテンサイト系ス
テンレス鋼ラインパイプの製造方法にある。
【0010】また、第6発明〜第10発明の各発明の要
旨とするところは、第1発明〜第5発明の各発明におい
て鋼管として造管する方法が、それぞれ、プレス製管法
、熱間圧延法、UOE鋼管、電縫鋼管、スパイラル鋼管
として造管する方法、である高強度マルテンサイト系ス
テンレス鋼ラインパイプの製造方法にある。
【0011】
【作用】以下に本発明で成分および熱処理条件を限定し
た理由を述べる。C:Cはマルテンサイト系ステンレス
鋼の強度を上昇させる元素として最も安定的かつ低コス
トであるから、必要な強度を確保するためと、過度に低
減すると逆に溶接熱影響部の衝撃靱性を低下させるとい
う理由から0.02%以上を添加する。一方、0.08
%を超えて添加すると溶接熱影響部の衝撃靱性を低下さ
せるとともに溶接熱影響部の硬さを著しく上昇させるこ
とから、上限含有量は0.08%とすべきである。
【0012】Si:Siは脱酸のために必要な元素であ
るが、1%を超えて添加すると衝撃靱性を低下させるこ
とから、上限含有量は1%とする。Mn:Mnは脱酸お
よび強度確保のために有効な元素であるが、2%を超え
て添加するとその効果は飽和するので、上限含有量は2
%とする。Cr:Crはマルテンサイト系ステンレス鋼
を構成する最も基本的かつ必須の元素であって耐食性を
付与するために必要な元素であるが、含有量が11%未
満では耐食性が充分ではなく、一方14%を超えて添加
すると他の合金元素をいかに調整しても溶接熱影響部の
ミクロ組織をマルテンサイト単相にし難くなるので、上
限含有量は14%とすべきである。
【0013】Co:CoはCおよびNの含有量を低減さ
せた鋼の母材は言うまでもなく溶接熱影響部のミクロ組
織をもマルテンサイト組織として衝撃靱性を改善すると
ともに湿潤炭酸ガス環境における耐食性を改善するのに
極めて有用な元素であるが、含有量が1.1%未満では
これらの効果が不充分であり、4.0%を超えて添加し
てもその効果は飽和するばかりか、いたずらにコストを
上昇させるだけであるから、1.1〜4.0%の範囲に
限定する。
【0014】Al:Alは脱酸のために必要な元素であ
って含有量が0.005%未満ではその効果が充分では
なく、0.2%を超えて添加すると粗大な酸化物系介在
物が鋼中に残留して靱性を低下させるので、含有量範囲
は0.005〜0.2%とした。N:Nは0.015%
を超えて存在すると溶接熱影響部の硬さを上昇させると
ともに母材および溶接熱影響部の衝撃靱性を低下させる
ので、上限含有量は0.015%とすべきである。
【0015】以上が本発明が対象とするラインパイプの
素材となるマルテンサイト系ステンレス鋼の基本的成分
であるが、本発明においては必要に応じてさらに以下の
元素を添加して特性を一段と向上させた鋼も対象として
いる。Ni:Niは1.1〜4.0%のCoと共存して
溶接熱影響部の衝撃靱性をさらに改善するのに効果があ
るが、4%を超えて添加してもその効果は飽和するばか
りか、いたずらにコストを上昇させ、かつ溶接熱影響部
の硬さを上昇させるだけであるので、上限含有量は4%
とする。
【0016】Cu:Cuも1.1〜4.0%のCoと共
存して溶接熱影響部の衝撃靱性をさらに改善するのに効
果があるが、3%を超えて添加してもその効果は飽和す
るばかりか、熱間加工性を低下させるだけであるので、
上限含有量は3%とする。Mo:Moは1.1〜4.0
%のCoと共存して湿潤炭酸ガス環境の耐食性を改善す
るのに効果があるが、2%を超えて添加してもその効果
は飽和するばかりか、母材および溶接熱影響部の靱性な
ど他の特性を低下させるようになるので、上限含有量は
2%とする。
【0017】W:Wも1.1〜4.0%のCoと共存し
て湿潤炭酸ガス環境の耐食性を改善するのに効果がある
が、4%を超えて添加してもその効果は飽和するばかり
か、母材および溶接熱影響部の靱性など他の特性を低下
させるようになるので、上限含有量は4%とする。V、
Ti、Nb、Ta、Zr、Hf:V、Ti、Nb、Ta
、Zr、Hfは耐食性を一段と向上させるのに有効な元
素であるが、Ti、Zr、Ta、Hfでは0.2%、N
b、Vでは0.5%をそれぞれ超えて添加すると粗大な
析出物・介在物を生成して硫化水素含有環境におけるS
SC抵抗を低下させるようになるので、上限含有量はT
i、Zr、Ta、Hfでは0.2%、Nb、Vでは0.
5%とした。
【0018】Ca、希土類元素:Caおよび希土類元素
(REM)は熱間加工性の向上、耐食性の向上に効果の
ある元素であるが、Caでは0.008%を超えて、希
土類元素では0.02%を超えて添加すると、それぞれ
粗大な非金属介在物を生成して逆に熱間加工性および耐
食性を劣化させるので、上限含有量はCaでは0.00
8%、希土類元素では0.02%とした。なお、本発明
において希土類元素とは原子番号が57〜71番および
89〜103番の元素およびYを指す。
【0019】上記の成分を有するステンレス鋼を鋼とし
て造管した後に熱処理して所定の強度を付与するに際し
、オーステナイト化温度を920〜1100℃としたの
は、920℃より低い温度ではオーステナイト化が充分
ではなく、従って必要な強度を得ることが困難だからで
あり、オーステナイト化温度が1100℃を超えると結
晶粒が著しく粗大化して母材の衝撃靱性が低下するよう
になるので、オーステナイト化温度は920〜1100
℃とした。
【0020】オーステナイト化後の冷却における冷却速
度を水冷以上の冷却速度としたのは、水冷よりも遅い冷
却速度では所定の強度および靱性を確保することが困難
になるとともに耐食性が低下するからである。焼戻し温
度を580℃以上AC1温度以下としたのは、焼戻し温
度が580℃未満では充分な焼戻しが行われず、焼戻し
温度がAC1温度を超えると一部がオーステナイト化し
、その後の冷却時にフレッシュ・マルテンサイトを生成
し、いずれも充分に焼戻しされていないマルテンサイト
が残留するために衝撃靱性が低下するとともに硫化水素
含有環境におけるSSC感受性を増加させるためである
【0021】焼戻し後の冷却における冷却速度を空冷以
上の冷却速度としたのは、空冷よりも遅い冷却速度では
靱性が低下するためである。本発明鋼においては、所定
の組成を有するマルテンサイト系ステンレス鋼を鋼管と
して造管するのであるが、造管方法としては、プレス製
管法あるいは熱間圧延法を用いて継ぎ目なし鋼管とする
こと、UOE鋼管、電縫鋼管あるいはスパイラル鋼管と
して溶接鋼管とすること、のいずれも本発明の対象とす
るところである。ここでプレス製管法としては熱間押出
方式あるいはプッシュベンチ方式などの通常のプレス製
管法を指す。熱間圧延法としてはプラグミル方式あるい
はマンドレルミル方式などの通常の熱間圧延法を指す。 UOE鋼管、電縫鋼管あるいはスパイラル鋼管はそれぞ
れ通常のUOE鋼管、電縫鋼管あるいはスパイラル鋼管
を指す。
【0022】
【実施例】以下に本発明の実施例について説明する。表
1、表3に示す成分のステンレス鋼を溶製し、それぞれ
表2、表4に示す工程で肉厚12.7mmの鋼管とした
後、表2、表4に併せて示す条件で焼入れ焼戻し処理を
施していずれも0.2%オフセット耐力が49kg/m
m2 以上の高強度マルテンサイト系ステンレス鋼鋼管
とした。焼入れ時の冷却はいずれも水冷とし、焼戻し時
の冷却はいずれも空冷とした。次にこれらの鋼管を手溶
接によって円周溶接して継手を作製した。溶接入熱は1
7kJ/cmであった。母材および該円周溶接部の溶接
熱影響部からJIS4号衝撃試験片(フルサイズ)を採
取して衝撃試験を行った。また溶接熱影響部の最高硬さ
を荷重100gのマイクロビッカース測定で求めた。ま
た母材から試験片を採取して湿潤炭酸ガス環境における
腐食試験を行った。湿潤炭酸ガス環境における腐食試験
としては、厚さ3mm、幅15mm、長さ50mmの試
験片を用い、試験温度120℃のオートクレーブ中で炭
酸ガス分圧40気圧の条件で3%NaCl水溶液中に3
0日間浸漬して、試験前後の重量変化から腐食速度を算
出した。腐食速度の単位はmm/yで表示したが、一般
的にある環境におけるある材料の腐食速度が0.1mm
/y未満の場合、材料は充分耐食的であり使用可能であ
ると考えられている。
【0023】試験結果を表2、表4に示した。両表の衝
撃試験結果において○は破面遷移温度が−30℃以下、
×は破面遷移温度が−30℃を超え0℃以下、××は破
面遷移温度が0℃超であったことをそれぞれ表わしてお
り、溶接熱影響部最高硬さにおいて○は最高硬さが30
0未満、×は最高硬さが300以上450未満、××は
最高硬さが450以上であったことをそれぞれ表わして
おり、腐食試験結果において◎は腐食速度が0.05m
m/y未満、○は腐食速度が0.05mm/y以上0.
10mm/y未満、×は腐食速度が0.1mm/y以上
0.5mm/y未満、××は腐食速度が0.5mm/y
以上であったことをそれぞれ表わしている。なお、表1
〜表4において比較鋼のNo.25はAISI420鋼
であり、No.26は9Cr−1Mo鋼であって、いず
れも従来から湿潤炭酸ガス環境で使用されている従来鋼
である。
【0024】表1〜4から明らかなように本発明方法に
従って製造されたラインパイプであるNo.1〜24は
、母材および溶接熱影響部の衝撃靱性が格段に優れ、溶
接熱影響部の硬さが充分低く、湿潤炭酸ガス環境におい
て120℃というラインパイプとしては非常な高温であ
っても、実用的に使用可能な腐食速度である0.1mm
/yよりも腐食速度が小さく、優れた耐食性と溶接性と
を有していることがわかる。また本発明方法に従って製
造されたラインパイプはいずれも焼入れに際して水冷が
可能であり、生産性にも優れている。これに対して比較
例であるNo.25〜27およびNo.29は水冷によ
る焼入れに際して焼き割れを生じている。また焼入れに
際して焼き割れを生じなかった比較例No.28および
No.30のうち、比較例No.28は湿潤炭酸ガス環
境における腐食速度が温度120℃でも既に0.1mm
/yを上回っており、かつ比較例No.28およびNo
.30とも母材および溶接熱影響部の衝撃靱性が悪く、
また溶接熱影響部の硬さが高い。
【0025】
【表1】
【0026】
【表2】
【0027】
【表3】
【0028】
【表4】
【0029】
【発明の効果】以上述べたように、本発明は湿潤炭酸ガ
ス環境における優れた耐食性と優れた溶接性を有し、か
つ生産性にも優れる高強度マルテンサイト系ステンレス
鋼ラインパイプの製造方法を提供することを可能とした
ものであり、産業の発展に貢献するところ極めて大であ
る。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  重量%で、 C0.02〜0.08%、 Si1%以下、 Mn2%以下、 Cr11〜14%、 Co1.1〜4.0%、 Al0.005〜0.2% を含有し、Nを0.015%以下に低減し、残部Feお
    よび不可避不純物からなるマルテンサイト系ステンレス
    鋼を鋼管として造管した後に、920〜1100℃でオ
    ーステナイト化してから水冷以上の冷却速度で冷却し、
    次いで580℃以上AC1温度以下の温度で焼戻し処理
    を施してから空冷以上の冷却速度で冷却することを特徴
    とする高強度マルテンサイト系ステンレス鋼ラインパイ
    プの製造方法。
  2. 【請求項2】  マルテンサイト系ステンレス鋼が、さ
    らに付加成分として重量%で Ni4%以下、 Cu3%以下 のうち1種または2種を含有することを特徴とする請求
    項1に記載の高強度マルテンサイト系ステンレス鋼ライ
    ンパイプの製造方法。
  3. 【請求項3】  マルテンサイト系ステンレス鋼が、さ
    らに付加成分として重量%で Mo2%以下、 W4%以下 のうち1種または2種を含有することを特徴とする請求
    項1または2に記載の高強度マルテンサイト系ステンレ
    ス鋼ラインパイプの製造方法。
  4. 【請求項4】  マルテンサイト系ステンレス鋼が、さ
    らに付加成分として重量%で V0.5%以下、 Ti0.2%以下、 Nb0.5%以下、 Zr0.2%以下、 Ta0.2%以下、 Hf0.2%以下 のうち1種または2種以上を含有することを特徴とする
    請求項1,2または3に記載の高強度マルテンサイト系
    ステンレス鋼ラインパイプの製造方法。
  5. 【請求項5】  マルテンサイト系ステンレス鋼が、さ
    らに付加成分として重量%で Ca0.008%以下、 希土類元素0.02%以下 のうち1種または2種を含有することを特徴とする請求
    項1,2,3または4に記載の高強度マルテンサイト系
    ステンレス鋼ラインパイプの製造方法。
  6. 【請求項6】  鋼管に造管する方法がプレス製管法で
    ある請求項1,2,3,4または5に記載の高強度マル
    テンサイト系ステンレス鋼ラインパイプの製造方法。
  7. 【請求項7】  鋼管に造管する方法が熱間圧延法であ
    る請求項1,2,3,4または5に記載の高強度マルテ
    ンサイト系ステンレス鋼ラインパイプの製造方法。
  8. 【請求項8】  鋼管に造管する方法として、マルテン
    サイト系ステンレス鋼板を製造した後にUOE鋼管とし
    て造管することを特徴とする請求項1,2,3,4また
    は5に記載の高強度マルテンサイト系ステンレス鋼ライ
    ンパイプの製造方法。
  9. 【請求項9】  鋼管に造管する方法として、マルテン
    サイト系ステンレス鋼板を製造した後に電縫鋼管として
    造管することを特徴とする請求項1,2,3,4または
    5に記載の高強度マルテンサイト系ステンレス鋼ライン
    パイプの製造方法。
  10. 【請求項10】  鋼管に造管する方法として、マルテ
    ンサイト系ステンレス鋼板を製造した後にスパイラル鋼
    管として造管することを特徴とする請求項1,2,3,
    4または5に記載の高強度マルテンサイト系ステンレス
    鋼ラインパイプの製造方法。
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Cited By (3)

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