JPH04266903A - 重合体製造時のスケール付着防止方法 - Google Patents

重合体製造時のスケール付着防止方法

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JPH04266903A
JPH04266903A JP2894091A JP2894091A JPH04266903A JP H04266903 A JPH04266903 A JP H04266903A JP 2894091 A JP2894091 A JP 2894091A JP 2894091 A JP2894091 A JP 2894091A JP H04266903 A JPH04266903 A JP H04266903A
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polymerization
monomer
scale
polymer
scale adhesion
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JP2894091A
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English (en)
Inventor
Mikio Watanabe
幹雄 渡辺
Susumu Ueno
進 上野
Masahiro Usu
雅浩 薄
Masayoshi Yono
余野 政義
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shin Etsu Chemical Co Ltd
Original Assignee
Shin Etsu Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えばビニルエステル
やアクリル酸のようなエチレン性二重結合を有する単量
体を重合する際に、重合器に重合体のスケールが付着す
ることを防止する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】重合器内で単量体を重合して重合体を製
造する場合、重合器の内壁面などに重合体がスケールと
して付着する問題が知られている。スケールが付着する
と重合器の冷却能力が低下したり、重合体の収率が低下
してしまう。さらに、スケールが剥離して製品に混入す
ると、重合体が不均質になり品質低下を招く。そのため
2〜3バッチに1回の割合でスケールを除去する必要が
あり、多大な労力と時間を要す。また、スケールには毒
性のある未反応の単量体が含まれているため、作業には
十分な注意が必要である。
【0003】例えば、エチレン性二重結合を有する単量
体の重合において、スケール付着を防止する方法として
は、各種の物質をスケール防止剤として重合器内壁面等
へ塗布する方法が知られている。スケール防止剤として
適当な物質としては、例えば染料や顔料(特公昭45−
30835号公報および特公昭52−24953号公報
)、芳香族アミン化合物(特開昭51−50887号公
報)、フェノール性化合物と芳香族アルデヒドとの反応
生成物(特開昭55−54317号公報)が開示されて
いる。これらの物質を用いた重合体スケールの付着防止
方法は、塩化ビニルのようなハロゲン化ビニル単量体、
あるいはその単量体を主体とし、これと共重合可能な単
量体を少量含む単量体混合物の重合において有効である
【0004】しかし、従来のスケール付着防止剤は、上
記各公報に開示された物質に代表されるように、有色の
ものが多い。そのため、重合器内壁面へ塗布された有色
のスケール付着防止剤が溶解、剥離して重合系に混入す
ると、得られる製品重合体が着色して品質が低下すると
いう問題がある。
【0005】また、前記のスケール付着防止方法では、
使用される単量体および重合開始剤(触媒)の種類、重
合形式、重合器の内壁の材質等の諸条件によって重合体
スケールの付着防止効果が異なり、有効かつ確実にスケ
ール付着を防止することは困難であった。
【0006】具体的には、例えばペルオキソ二硫酸カリ
ウム、ペルオキソ二硫酸アンモニウム、アセチルシクロ
ヘキシルスルホニルパーオキサイド、ビス(2−エトキ
シエチル)パーオキシジカーボネートのような酸化力の
強い重合開始剤を使用した場合、塗膜を形成しているス
ケール付着防止剤が酸化分解されるため、スケールの付
着防止効果が低下する。また、ステンレス製またはその
他のスチール製の重合器内壁面では、グラスライニング
された重合器内壁面に比してスケールが付着し易いとい
う問題もある。
【0007】そのうえ、重合に供せられる単量体がスチ
レン、α−メチルスチレン、アクリル酸エステルおよび
アクリロニトリルをはじめとする 一般式     CH2=CR1R2 [R1は水素原子またはメチル基、R2は水素原子また
は−CnH2n+1、−COOH 、−COOM(Mは
アルカリ金属またはアンモニウムイオン)、−COOC
nH2n+1 、−CN 、−C6H5、−C6H4R
3 ( R3は水素原子、−OH、−CH3または −
CH=CH2)、−OCOCnH2n+1、−OCnH
2n+1もしくは−CH=CH2 、nは整数である]
で表わされる単量体である場合には、これらの単量体が
上記のスケール付着防止方法で形成される塗膜に対して
大きい溶解能を有するために、塗膜の一部または全部が
溶解して失われ、スケール付着を効果的に防止すること
が出来ない。なかでもスチレン、α−メチルスチレン、
アクリル酸エステルおよびアクリロニトリルは、スケー
ル防止剤からなる塗膜に対する溶解能が著しく大きいた
め、所望のスケール付着防止効果を得ることが出来なか
った。特にステンレス製重合器を用いる場合にはスケー
ル付着が起き易い。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は前記の課題を
解決するためなされたもので、エチレン性二重結合を有
する単量体を重合する際に、重合器への重合体スケール
の付着を防止し、且つ、着色が少なく高品質な重合体が
得られる重合体製造時のスケール付着防止方法を提供す
ることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
めになされた本発明の重合体製造時のスケール付着防止
方法は、 一般式     CH2=CR1R2 [R1は水素原子またはメチル基、R2は水素原子また
は−CnH2n+1、−COOH 、−COOM(Mは
アルカリ金属またはアンモニウムイオン)、−COOC
nH2n+1 、−CN 、−C6H5、−C6H4R
3 ( R3は水素原子、−OH、−CH3または −
CH=CH2)、−OCOCnH2n+1、−OCnH
2n+1もしくは−CH=CH2 、nは整数である]
で表わされるエチレン性二重結合を有する単量体を重合
する際に、重合器の単量体が接する部分の少なくとも一
部に、フラボノイド系天然色素およびけん化度70モル
%以上のポリビニルアルコールを含む塗膜を形成するこ
とを特徴としている。
【0010】フラボノイド系天然色素としては、例えば
、アピゲニン、プリメチン、バイカレイン、オーゴニン
、スクテラレイン、ルテオリン、ジオスメチン、トリシ
ンのようなフラボン類およびこれらの誘導体、ガランギ
ン、ダチスセチン、ケンフェロール、フィセチン、モリ
ン、クエルセチン、ロビネチン、カリコブテリン、ゴッ
シペチン、ミリセチンのようなフラボノール類およびこ
れらの誘導体、カリステフィン、ペラルゴニン、フラガ
リン、ラファリン、サルビアニン、クリサンテミン、シ
アニン、ケラシアニン、シソニン、イデニン、メコシア
ニン、ルブロブラシン、シアニジン−3−アラビノシド
、オキシコクシシアニン、ペオニン、デルフィニン、デ
ルフィン、ナスニン、ビオラニン、ヒアシン、アオバニ
ン、ミルチリン、ペツニン、ペツニジン−5−キシロシ
ド、エニン、マルビン、エンサチン、ウリギノシンのよ
うなアントシアニン類およびこれらの誘導体、オリエン
チンのようなフラボノイドC−配糖体およびこれらの誘
導体、ギンクゲチンのようなビフラボニル類およびこれ
らの誘導体、カルタミン、イソカルタミン、ペジシニン
、ブテインのようなカルコン類およびこれらの誘導体、
オールーシジン、レプトシジン、ブラクテアチンのよう
なオーロン類およびこれらの誘導体が誘導体が挙げられ
る。
【0011】上記したフラボノイド系天然色素のなかで
もアピゲニン、プリメチン、バイカレイン、オーゴニン
のようなフラボン類、ガランギン、ダチスセチン、ケン
フェロール、フィセチン、モリン、クエルセチン、ロビ
ネチン、ミリセチンのようなフラボノール類オリエンチ
ンのようなフラボノイドC−配糖体、カルタミン、イソ
カルタミン、ペジシニン、ブテインのようなカルコン類
が特に好適である。
【0012】ポリビニルアルコールは、壁面への残留性
や耐モノマー造膜性等を高めるために、けん化度および
平均重合度の高いものを用いる。
【0013】けん化度は70モル%以上であることが必
要であり、80モル%以上、さらには90モル%以上の
ものが好ましい。特に98モル%以上のものが好適であ
る。なお、けん化度が70モル%未満の場合は、壁面へ
の残留性や耐モノマー造膜性が不十分になる。
【0014】平均重合度は1000以上、さらには15
00以上であることが好ましい。特に2000以上のも
のが好適である。ポリビニルアルコールは、一種を単独
で用いても、けん化度や平均重合度が異なるものを複数
種組み合わせても良い。
【0015】フラボノイド系天然色素とポリビニルアル
コールとの重量比は 100:0.1 〜5000であ
る。好ましくは 100:1〜1000である。
【0016】フラボノイド系天然色素およびけん化度7
0モル%以上のポリビニルアルコールを含むスケール付
着防止剤は、適当な溶媒に溶解して塗布液を調製し、重
合器の内壁面等に塗布、乾燥して使用する。
【0017】溶媒は、水をはじめ、例えば、メタノール
、エタノール、プロパノール、ブタノール、2−ブタノ
ール、2−メチル−1−プロパノール、2−メチル−2
−プロパノール、3−メチル−1−ブタノール、2−メ
チル−2−ブタノール、2−ペンタノールのようなアル
コール系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、メチル
イソブチルケトンのようなケトン系溶剤、ギ酸メチル、
ギ酸エチル、酢酸メチル、アセト酢酸メチルのようなエ
ステル系溶剤、4−メチルジオキソラン、エチレングリ
コールジエチルエーテルのようなエーテル系溶剤、フラ
ン類、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、
アセトニトリルのような非プロトン系溶剤が使用できる
。これらは単独で用いても複数種を混合して用いても良
い。塗布液中のフラボノイド系天然色素およびポリビニ
ルアルコールの合計濃度は、 0.001〜20重量%
程度に設定しておく。
【0018】スケール付着防止効果を高めるため、スケ
ール付着防止剤の塗布液に、例えば、親水性高分子(ア
ニオン性、カチオン性、両性)、界面活性剤、アミン系
化合物、フェノール基含有化合物、キノン系化合物を添
加しても良い。
【0019】スケール付着防止剤塗布液のpHについて
は、特に制限はないが、必要に応じてpH調整剤を添加
しても良い。pH調整剤としては、例えば、硫酸、ほう
酸、りん酸、酢酸、シュウ酸、酒石酸、乳酸、p−トル
エンスルホン酸、フィチン酸、チオグルコール酸、グル
コール酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモ
ニア水、エチレンジアミンが挙げられる。
【0020】このようにして調製した塗布液は、例えば
、重合器の内壁面をはじめ、撹拌翼、撹拌軸、コンデン
サ、ヘッダ、サーチコイル、ボルト、ナットのような、
重合反応中に単量体が接触する部位に塗布、乾燥して塗
膜を形成する。この他にも、塗布液はモノマ蒸留塔、コ
ンデンサ、モノマ貯蔵タンク、バルブ内面等のような未
反応単量体の回収系統のスケールが付着する恐れのある
部位にも塗布することが望ましい。塗布面の材質は、例
えば、ステンレス、その他のスチールおよびガラスライ
ニングされた面など、特に制限はない。
【0021】塗布液の塗布方法は、ハケ塗り、スプレィ
塗布、塗布液で重合器を満たした後に抜き出す方法等任
意である。塗布には特開昭57−61001号公報に開
示されているような、重合器内の上部にノズルを設けて
自動的にスプレィ塗布する方法を用いることが出来る。 特開昭59−11303号公報に開示されているように
、スケール防止剤を水玉模様状に塗布しても良い。また
、特開昭55−36288号公報に開示されているよう
な、キャリアガスとして水蒸気を用いてスケール防止剤
を噴霧塗装する自動塗布方法を用いても良い。キャリア
ガスには、塩化ビニルモノマ(特表昭56−50111
6号公報)を用いても、低沸点炭化水素ガス(特表昭5
6−501117号公報)を用いても構わない。
【0022】塗布液の乾燥は室温から 100℃までの
温度範囲で行なう。乾燥には、塗布後、温風を当てる方
法や、重合器内壁面等の塗布面を予め30〜80℃に加
熱しておき、その加熱面に塗布液を直接塗布しても良い
。乾燥後は、必要に応じて塗布面を水洗する。塗膜は、
0.001g/m2 以上、特に0.05〜2g/m2
であることが好ましい。また、上記の塗布作業は、1バ
ッチの重合ごとに行なっても良いが、一度形成した塗膜
はかなりの耐久性を有し、スケール付着防止作用が持続
するので、塗布作業は、通常1〜十数バッチごとに行な
えば良い。
【0023】本発明のスケール付着防止方法は、重合の
形式によらず適用可能である。懸濁重合、乳化重合、溶
液重合、塊状重合および気相重合のいずれの重合形式に
おいても有効である。上記のように重合器内壁等の単量
体が接触する部分に塗膜を形成した後、前述した一般式
 CH2=CR1R2で表わされるエチレン性二重結合
を有する単量体やそれと共重合可能な単量体を仕込み、
常法に従って重合を実施する。その他、必要に応じて用
いられる重合媒体や、単量体を分散させるための分散剤
等を加えても良い。
【0024】重合形式毎に具体的に説明すると、懸濁重
合および乳化重合の場合には、重合は一般に水および分
散剤を重合器に仕込んだ後、重合開始剤(触媒)および
単量体を仕込み(重合器の内圧は通常0〜10kgf/
cm2・G になる)、必要に応じて重合中に水、分散
剤および重合開始剤の一種または複数種を添加すること
によって行なわれる。重合は、目的の反応率に達した時
(通常、反応率が80〜 100%に達した時)に完了
したと判断される。 この場合、単量体 100重量部に対して、水は約50
〜500 重量部の割合で用いられ、分散剤は約0.0
1〜30重量部、重合開始剤は約0.01〜5重量部の
割合で用いられる。
【0025】溶液重合の場合には、重合媒体として、水
の替わりに例えばトルエン、キシレン、ピリジンのよう
な有機溶媒が使用される。分散剤は必要に応じて用いら
れる。その他の条件は、一般に懸濁重合や乳化重合につ
いての条件と同様である。
【0026】塊状重合の場合には、重合器内を窒素ガス
で置換するか、または約0.01〜 760mmHgの
圧力に排気した後、単量体および触媒を仕込み、−10
〜 250℃で重合が行なわれる。
【0027】本発明のスケール防止方法が有効な単量体
としては、例えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルのよ
うなビニルエステル、アクリル酸、メタクリル酸および
それらのエステルまたは塩、ブタジエン、クロロプレン
、イソプレンのようなジエン系単量体、スチレン、アク
リロニトリル、α−メチルスチレン、ビニルエーテルが
挙げられる。
【0028】また、重合系に例えば重合開始剤、分散剤
、固体分散剤、乳化剤、充填剤、安定剤、滑剤、連鎖移
動剤のような、従来から重合体の製造に用いられている
各種の添加剤が含まれていても、スケール付着防止剤は
有効に作用する。以下に具体的な物質名を列挙しておく
【0029】重合開始剤は、例えばt−ブチルパーオキ
シネオデカネート、ビス(2−エチルヘキシル)パーオ
キシジカーボネート、3,5,5−トリメチルヘキサノ
イルパーオキサイド、α−クミルパーオキシネオデカネ
ート、クメンハイドロパーオキサイド、シクロヘキサノ
ンパーオキサイド、t−ブチルパーオキシピバレート、
ビス(2−エトキシエチル)パーオキシジカーボネート
、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイ
ド、2,4−ジクロルベンゾイルパーオキサイド、ジイ
ソプロピルパーオキシジカーボネート、α,α’−アゾ
ビスイソブチロニトリル、α,α’−アゾビス−2,4
−ジメチルバレロニトリル、ペルオキソ二硫酸カリウム
、ペルオキソ二硫酸アンモニウム、p−メンタンハイド
ロパーオキサイドが使用出来る。
【0030】分散剤は、例えば部分けん化ポリビニルア
ルコール、ポリアクリル酸、酢酸ビニルと無水マレイン
酸の共重合体、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等
のセルロース誘導体、ゼラチン等の天然または合成高分
子化合物が使用できる。
【0031】固体分散剤は、例えばリン酸カルシウム、
ヒドロキシアパタイトが挙げられる。
【0032】乳化剤は、例えばソルビタンモノラウレー
ト、ソルビタントリオレート、ポリオキシエチレンアル
キルエーテルのようなノニオン性乳化剤、ラウリル硫酸
ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等
のアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ジオクチル
スルホコハク酸ナトリウムのようなアニオン性乳化剤が
挙げられる。
【0033】充填剤は、例えば炭酸カルシウム、酸化チ
タン等が挙げられる。
【0034】安定剤は、例えば三塩基性硫酸鉛、ステア
リン酸カルシウム、ジブチルすずジラウレート、ジオク
チルすずメチルカプチドが使用可能である。
【0035】滑剤は、例えばライスワックス、ステアリ
ン酸、セチルアルコールが挙げられる。
【0036】可塑剤は例えばジオクチルフタレート、ジ
ブチルフタレートが挙げられる。
【0037】連鎖移動剤は、例えばt−ドデシルメルカ
プタン等のメルカプタン類およびトリクロロエチレンが
挙げられる。
【0038】pH調整剤などが存在する重合系において
も、本発明の方法は有効である。
【0039】なお、本発明の方法を適用した場合に特に
好適な重合は、例えばポリスチレン、ポリメチルメタク
リレートおよびポリアクリロニトリル等のビーズやラテ
ックスの製造、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、
アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、クロロ
プレンゴム(CR)、イソプレンゴム(IR)およびイ
ソブチレン−イソプレンゴム(IIR) のような合成
ゴムの乳化重合による製造、アクリロニトリル−ブタジ
エン−スチレン(ABS) 樹脂の製造を行なう重合で
ある。
【0040】
【作用】重合器を用いてエチレン性二重結合を有する単
量体を重合する際に、重合器内壁のような単量体が接触
する部分に、フラボノイド系天然色素およびけん化度7
0モル%以上のポリビニルアルコールを含む塗膜を形成
しておく。すると重合系に存在するエチレン性二重結合
を有する単量体、その初期縮合物および生成重合体の重
合器内壁面への物理的吸着および化学的吸着が上記の塗
膜によって抑制され、スケールの付着が防止される。
【0041】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。 ・スケール付着防止剤塗布液の調製 後述の表1〜表3に示す組成比に従い、フラボノイド系
天然色素およびポリビニルアルコールを溶媒に溶解し、
pH調整剤を加え、スケール付着防止剤の塗布液を調製
する。表1〜表3に、各実施例および比較例に使用する
フラボノイド系天然色素とポリビニルアルコールの種類
、それらの重量比、溶媒(溶媒の組成比)、合計濃度、
pH調整剤および塗布液のpHを示す。ポリビニルアル
コールは表4に示す市販品を使用した。なお、比較例5
はフラボノイド系天然色素の替りにアジン系合成染料の
C.I.アシッドブラック2を用いた例である。
【0042】・重合試験 得られた塗布液を、内容積1000リットルの撹拌器付
ステンレス製重合器の内壁、撹拌軸、撹拌翼その他単量
体が接触する部位に噴霧器を用いて塗布し、ジャケット
を50℃に設定して10分間加熱、乾燥した後、水洗し
て塗膜を形成する。
【0043】このようにしてスケール防止処理を施した
重合器に水550kg、スチレン125kg、スチレン
−ブタジエンゴムラテックス(固形分濃度50%)12
0kg 、アクリロニトリル50kg、合成ゴム重合用
乳化剤(播磨化成工業(株)製、バンディス T−10
0P)2.5kg 、水酸化ナトリウム0.1kg 、
t−ドデシルメルカプタン1.5kg およびペルオキ
ソ二硫化カリウム0.3kg を仕込み、撹拌しながら
70℃で3時間重合した。
【0044】・スケール付着量の測定 重合終了後、重合器内壁面に付着した重合体スケールを
壁面より掻き落とし、壁面1m2 当たりの重量を測定
する。
【0045】・明度指数(L値)の測定次に、各実施例
および比較例で得られた重合体の明度指数を測定し、着
色の有無を判定する。明度指数は以下の方法で測定した
【0046】得られた重合体ラテックス1kgに2%硫
酸マグネシウム溶液1kgを加え、凝集沈殿を行なった
後、沈殿物を濾別する。濾別した沈殿物を80〜90℃
の熱水で2〜3回洗浄した後、減圧乾燥器を用いて40
℃で25時間乾燥し、樹脂を得た。
【0047】得られた樹脂を9×9cm、厚さ0.1c
m の型枠に入れ、 195℃、50〜60kgf/c
m2で加熱し、最終圧力190kgf/cm2で加圧成
形して測定用試料を作成する。この試料について、 J
IS Z 8730 (1980)に記載のハンターの
色差式における明度指数Lを求め、L値が大きい程白色
度が高いと評価した。
【0048】L値は次のようにして求める。
【0049】JIS Z 8722の記載に従って、標
準光C、光電色彩計(日本電色工業株式会社製、Z−1
001DP型測色色差計)を用い、刺激値直読方法によ
り、XYZ表色系の刺激値Yを求める。照明および受光
の幾何学的条件としては、JIS Z 8722の4.
3.1 項に記載の条件dを採用した。刺激値Yを、J
IS Z 8730(1980)に記載の、式、L=1
0Y1/2 に代入すればL値が算出される。
【0050】表1〜3に、スケール付着量および明度指
数(L値)の測定結果を示す。なお実施例1〜17は本
発明を適用する例、比較例1〜5は本発明を適用外の例
である。また、表においてAはフラボノイド系天然色素
を表わし、Bはポリビニルアルコールを表わす。
【0051】
【表1】
【0052】
【表2】
【0053】
【表3】
【0054】
【表4】
【0055】これらの試験結果によれば、各実施例で重
合された重合体は、明度指数Lが80以上と白色度が高
く着色が少ないことがわかる。
【0056】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明の
重合体製造時のスケール付着防止方法によれば、エチレ
ン性二重結合を有する単量体を重合する際に、重合器内
壁面へのスケール付着を、重合器内壁面の材質にかかわ
らず効果的に防止することが出来る。
【0057】スケール付着防止剤として重合器内壁面等
に塗布するフラボノイド系天然色素およびけん化度70
モル%以上のポリビニルアルコールを含む塗膜は、着色
性が少ないことに加え重合系に溶解しないため、着色が
なく白色度の高い重合体を得ることが可能である。例え
ばスチレン、α−メチルスチレン、アクリル酸エステル
およびアクリロニトリルのような溶解能が著しく大きな
単量体を含む重合系にも有効である。
【0058】さらに、本発明の方法を用いて重合を行な
えば、スケール付着防止剤の塗布作業を数バッチ乃至十
数バッチに一回の割合で行なえば良いため、スケールの
除去作業を重合のバッチ毎に行なう必要がなく、生産性
向上に大いに貢献する。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  一般式   CH2=CR1R2[R
    1は水素原子またはメチル基、R2は水素原子または−
    CnH2n+1、−COOH 、−COOM(Mはアル
    カリ金属またはアンモニウムイオン)、−COOCnH
    2n+1 、−CN 、−C6H5、−C6H4R3 
    ( R3は水素原子、−OH、−CH3または −CH
    =CH2)、−OCOCnH2n+1、−OCnH2n
    +1もしくは−CH=CH2 、nは整数である]で表
    わされるエチレン性二重結合を有する単量体を重合する
    際に、重合器の単量体が接する部分の少なくとも一部に
    、フラボノイド系天然色素およびけん化度70モル%以
    上のポリビニルアルコールを含む塗膜を形成することを
    特徴とする重合体製造時のスケール付着防止方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2012063972A1 (en) * 2010-11-12 2012-05-18 Sumitomo Chemical Company, Limited Method for coating reactor

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