JP2845630B2 - 重合体製造時のスケール付着防止方法 - Google Patents
重合体製造時のスケール付着防止方法Info
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- JP2845630B2 JP2845630B2 JP2893891A JP2893891A JP2845630B2 JP 2845630 B2 JP2845630 B2 JP 2845630B2 JP 2893891 A JP2893891 A JP 2893891A JP 2893891 A JP2893891 A JP 2893891A JP 2845630 B2 JP2845630 B2 JP 2845630B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えばビニルエステル
やアクリル酸のようなエチレン性二重結合を有する単量
体を重合する際に、重合器に重合体のスケールが付着す
ることを防止する方法に関する。
やアクリル酸のようなエチレン性二重結合を有する単量
体を重合する際に、重合器に重合体のスケールが付着す
ることを防止する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】重合器内で単量体を重合して重合体を製
造する場合、重合器の内壁面などに重合体がスケールと
して付着する問題が知られている。スケールが付着する
と重合器の冷却能力が低下したり、重合体の収率が低下
してしまう。さらに、スケールが剥離して製品に混入す
ると、重合体が不均質になり品質低下を招く。そのため
2〜3バッチに1回の割合でスケールを除去する必要が
あり、多大な労力と時間を要す。また、スケールには毒
性のある未反応の単量体が含まれているため、作業には
十分な注意が必要である。
造する場合、重合器の内壁面などに重合体がスケールと
して付着する問題が知られている。スケールが付着する
と重合器の冷却能力が低下したり、重合体の収率が低下
してしまう。さらに、スケールが剥離して製品に混入す
ると、重合体が不均質になり品質低下を招く。そのため
2〜3バッチに1回の割合でスケールを除去する必要が
あり、多大な労力と時間を要す。また、スケールには毒
性のある未反応の単量体が含まれているため、作業には
十分な注意が必要である。
【0003】例えば、エチレン性二重結合を有する単量
体の重合において、スケール付着を防止する方法として
は、各種の物質をスケール防止剤として重合器内壁面等
へ塗布する方法が知られている。スケール防止剤として
適当な物質としては、例えば染料や顔料(特公昭45-308
35号公報および特公昭52-24953号公報)、芳香族アミン
化合物(特開昭51-50887号公報)、フェノール性化合物
と芳香族アルデヒドとの反応生成物(特開昭55-54317号
公報)が開示されている。これらの物質を用いた重合体
スケールの付着防止方法は、塩化ビニルのようなハロゲ
ン化ビニル単量体、あるいはその単量体を主体とし、こ
れと共重合可能な単量体を少量含む単量体混合物の重合
において有効である。
体の重合において、スケール付着を防止する方法として
は、各種の物質をスケール防止剤として重合器内壁面等
へ塗布する方法が知られている。スケール防止剤として
適当な物質としては、例えば染料や顔料(特公昭45-308
35号公報および特公昭52-24953号公報)、芳香族アミン
化合物(特開昭51-50887号公報)、フェノール性化合物
と芳香族アルデヒドとの反応生成物(特開昭55-54317号
公報)が開示されている。これらの物質を用いた重合体
スケールの付着防止方法は、塩化ビニルのようなハロゲ
ン化ビニル単量体、あるいはその単量体を主体とし、こ
れと共重合可能な単量体を少量含む単量体混合物の重合
において有効である。
【0004】しかし、従来のスケール付着防止剤は、上
記各公報に開示された物質に代表されるように、有色の
ものが多い。そのため、重合器内壁面へ塗布された有色
のスケール付着防止剤が溶解、剥離して重合系に混入す
ると、得られる製品重合体が着色して品質が低下すると
いう問題がある。
記各公報に開示された物質に代表されるように、有色の
ものが多い。そのため、重合器内壁面へ塗布された有色
のスケール付着防止剤が溶解、剥離して重合系に混入す
ると、得られる製品重合体が着色して品質が低下すると
いう問題がある。
【0005】また、前記のスケール付着防止方法では、
使用される単量体および重合開始剤(触媒)の種類、重
合形式、重合器の内壁の材質等の諸条件によって重合体
スケールの付着防止効果が異なり、有効かつ確実にスケ
ール付着を防止することは困難であった。
使用される単量体および重合開始剤(触媒)の種類、重
合形式、重合器の内壁の材質等の諸条件によって重合体
スケールの付着防止効果が異なり、有効かつ確実にスケ
ール付着を防止することは困難であった。
【0006】具体的には、例えばペルオキソ二硫酸カリ
ウム、ペルオキソ二硫酸アンモニウム、アセチルシクロ
ヘキシルスルホニルパーオキサイド、ビス(2−エトキ
シエチル)パーオキシジカーボネートのような酸化力の
強い重合開始剤を使用した場合、塗膜を形成しているス
ケール付着防止剤が酸化分解されるため、スケールの付
着防止効果が低下する。また、ステンレス製またはその
他のスチール製の重合器内壁面では、グラスライニング
された重合器内壁面に比してスケールが付着し易いとい
う問題もある。
ウム、ペルオキソ二硫酸アンモニウム、アセチルシクロ
ヘキシルスルホニルパーオキサイド、ビス(2−エトキ
シエチル)パーオキシジカーボネートのような酸化力の
強い重合開始剤を使用した場合、塗膜を形成しているス
ケール付着防止剤が酸化分解されるため、スケールの付
着防止効果が低下する。また、ステンレス製またはその
他のスチール製の重合器内壁面では、グラスライニング
された重合器内壁面に比してスケールが付着し易いとい
う問題もある。
【0007】そのうえ、重合に供せられる単量体がスチ
レン、α−メチルスチレン、アクリル酸エステルおよび
アクリロニトリルをはじめとする 一般式 CH2=CR1R2 [R1は水素原子またはメチル基、R2は水素原子または-C
nH2n+1、-COOH 、-COOM(Mはアルカリ金属またはアン
モニウムイオン)、-COOCnH2n+1 、-CN 、-C6H5、-C6H4R
3 ( R3は水素原子、-OH、-CH3または -CH=CH2)、-OCOCn
H2n+1、-OCnH2n+1もしくは-CH=CH2 、nは整数である]
で表わされる単量体である場合には、これらの単量体が
上記のスケール付着防止方法で形成される塗膜に対して
大きい溶解能を有するために、塗膜の一部または全部が
溶解して失われ、スケール付着を効果的に防止すること
が出来ない。なかでもスチレン、α−メチルスチレン、
アクリル酸エステルおよびアクリロニトリルは、スケー
ル防止剤からなる塗膜に対する溶解能が著しく大きいた
め、所望のスケール付着防止効果を得ることが出来なか
った。特にステンレス製重合器を用いる場合にはスケー
ル付着が起き易い。
レン、α−メチルスチレン、アクリル酸エステルおよび
アクリロニトリルをはじめとする 一般式 CH2=CR1R2 [R1は水素原子またはメチル基、R2は水素原子または-C
nH2n+1、-COOH 、-COOM(Mはアルカリ金属またはアン
モニウムイオン)、-COOCnH2n+1 、-CN 、-C6H5、-C6H4R
3 ( R3は水素原子、-OH、-CH3または -CH=CH2)、-OCOCn
H2n+1、-OCnH2n+1もしくは-CH=CH2 、nは整数である]
で表わされる単量体である場合には、これらの単量体が
上記のスケール付着防止方法で形成される塗膜に対して
大きい溶解能を有するために、塗膜の一部または全部が
溶解して失われ、スケール付着を効果的に防止すること
が出来ない。なかでもスチレン、α−メチルスチレン、
アクリル酸エステルおよびアクリロニトリルは、スケー
ル防止剤からなる塗膜に対する溶解能が著しく大きいた
め、所望のスケール付着防止効果を得ることが出来なか
った。特にステンレス製重合器を用いる場合にはスケー
ル付着が起き易い。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は前記の課題を
解決するためなされたもので、エチレン性二重結合を有
する単量体を重合する際に、重合器への重合体スケール
の付着を防止し、且つ、着色が少なく高品質な重合体が
得られる重合体製造時のスケール付着防止方法を提供す
ることを目的とする。
解決するためなされたもので、エチレン性二重結合を有
する単量体を重合する際に、重合器への重合体スケール
の付着を防止し、且つ、着色が少なく高品質な重合体が
得られる重合体製造時のスケール付着防止方法を提供す
ることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
めになされた本発明の重合体製造時のスケール付着防止
方法は、 一般式 CH2=CR1R2 [R1は水素原子またはメチル基、R2は水素原子または-C
nH2n+1、-COOH 、-COOM(Mはアルカリ金属またはアン
モニウムイオン)、-COOCnH2n+1 、-CN 、-C6H5、-C6H4R
3 ( R3は水素原子、-OH、-CH3または -CH=CH2)、-OCOCn
H2n+1、-OCnH2n+1もしくは-CH=CH2 、nは整数である]
で表わされるエチレン性二重結合を有する単量体を重合
する際に、重合器の単量体が接する部分の少なくとも一
部に、タンニン系天然色素およびけん化度70モル%以上
のポリビニルアルコールを含む塗膜を形成することを特
徴としている。
めになされた本発明の重合体製造時のスケール付着防止
方法は、 一般式 CH2=CR1R2 [R1は水素原子またはメチル基、R2は水素原子または-C
nH2n+1、-COOH 、-COOM(Mはアルカリ金属またはアン
モニウムイオン)、-COOCnH2n+1 、-CN 、-C6H5、-C6H4R
3 ( R3は水素原子、-OH、-CH3または -CH=CH2)、-OCOCn
H2n+1、-OCnH2n+1もしくは-CH=CH2 、nは整数である]
で表わされるエチレン性二重結合を有する単量体を重合
する際に、重合器の単量体が接する部分の少なくとも一
部に、タンニン系天然色素およびけん化度70モル%以上
のポリビニルアルコールを含む塗膜を形成することを特
徴としている。
【0010】タンニン系天然色素としては、例えばクロ
ロゲン酸、イソクロロゲン酸、テオガリンのようなクロ
ロゲン酸類およびこれらの誘導体、カテキン、ガロカテ
キンのようなカテキン類およびこれらの誘導体、フロバ
ッフェンのようなロイコアントシアニン類およびこれら
の誘導体が挙げられる。
ロゲン酸、イソクロロゲン酸、テオガリンのようなクロ
ロゲン酸類およびこれらの誘導体、カテキン、ガロカテ
キンのようなカテキン類およびこれらの誘導体、フロバ
ッフェンのようなロイコアントシアニン類およびこれら
の誘導体が挙げられる。
【0011】ポリビニルアルコールは、壁面への残留性
や耐モノマー造膜性等を高めるために、けん化度および
平均重合度の高いものを用いる。
や耐モノマー造膜性等を高めるために、けん化度および
平均重合度の高いものを用いる。
【0012】けん化度は70モル%以上であることが必要
であり、80モル%以上、さらには90モル%以上のものが
好ましい。特に98モル%以上のものが好適である。な
お、けん化度が70モル%未満の場合は、壁面への残留性
や耐モノマー造膜性が不十分になる。
であり、80モル%以上、さらには90モル%以上のものが
好ましい。特に98モル%以上のものが好適である。な
お、けん化度が70モル%未満の場合は、壁面への残留性
や耐モノマー造膜性が不十分になる。
【0013】平均重合度は1000以上、さらには1500以上
であることが好ましい。特に2000以上のものが好適であ
る。ポリビニルアルコールは、一種を単独で用いても、
けん化度や平均重合度が異なるものを複数種組み合わせ
ても良い。
であることが好ましい。特に2000以上のものが好適であ
る。ポリビニルアルコールは、一種を単独で用いても、
けん化度や平均重合度が異なるものを複数種組み合わせ
ても良い。
【0014】タンニン系天然色素とポリビニルアルコー
ルとの重量比は 100:0.1 〜 5000である。好ましくは
100:1〜1000である。
ルとの重量比は 100:0.1 〜 5000である。好ましくは
100:1〜1000である。
【0015】タンニン系天然色素およびけん化度70モル
%以上のポリビニルアルコールを含むスケール付着防止
剤は、適当な溶媒に溶解して塗布液を調製し、重合器の
内壁面等に塗布、乾燥して使用する。
%以上のポリビニルアルコールを含むスケール付着防止
剤は、適当な溶媒に溶解して塗布液を調製し、重合器の
内壁面等に塗布、乾燥して使用する。
【0016】溶媒は、水をはじめ、例えば、メタノー
ル、エタノール、プロパノール、ブタノール、2-ブタノ
ール、2-メチル−1-プロパノール、2-メチル−2-プロパ
ノール、3-メチル−1-ブタノール、2-メチル−2-ブタノ
ール、2-ペンタノールのようなアルコール系溶剤、アセ
トン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンの
ようなケトン系溶剤、ギ酸メチル、ギ酸エチル、酢酸メ
チル、アセト酢酸メチルのようなエステル系溶剤、4-メ
チルジオキソラン、エチレングリコールジエチルエーテ
ルのようなエーテル系溶剤、フラン類、ジメチルホルム
アミド、ジメチルスルホキシド、アセトニトリルのよう
な非プロトン系溶剤が使用できる。これらは単独で用い
ても複数種を混合して用いても良い。塗布液中のタンニ
ン系天然色素およびポリビニルアルコールの合計濃度
は、 0.001〜20重量%程度に設定しておく。
ル、エタノール、プロパノール、ブタノール、2-ブタノ
ール、2-メチル−1-プロパノール、2-メチル−2-プロパ
ノール、3-メチル−1-ブタノール、2-メチル−2-ブタノ
ール、2-ペンタノールのようなアルコール系溶剤、アセ
トン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンの
ようなケトン系溶剤、ギ酸メチル、ギ酸エチル、酢酸メ
チル、アセト酢酸メチルのようなエステル系溶剤、4-メ
チルジオキソラン、エチレングリコールジエチルエーテ
ルのようなエーテル系溶剤、フラン類、ジメチルホルム
アミド、ジメチルスルホキシド、アセトニトリルのよう
な非プロトン系溶剤が使用できる。これらは単独で用い
ても複数種を混合して用いても良い。塗布液中のタンニ
ン系天然色素およびポリビニルアルコールの合計濃度
は、 0.001〜20重量%程度に設定しておく。
【0017】スケール付着防止効果を高めるため、スケ
ール付着防止剤の塗布液に、例えば、親水性高分子(ア
ニオン性、カチオン性、両性)、界面活性剤、アミン系
化合物、フェノール基含有化合物、キノン系化合物を添
加しても良い。
ール付着防止剤の塗布液に、例えば、親水性高分子(ア
ニオン性、カチオン性、両性)、界面活性剤、アミン系
化合物、フェノール基含有化合物、キノン系化合物を添
加しても良い。
【0018】スケール付着防止剤塗布液のpHについて
は、特に制限はないが、必要に応じてpH調整剤を添加し
ても良い。pH調整剤としては、例えば、硫酸、ほう酸、
りん酸、酢酸、シュウ酸、酒石酸、乳酸、p-トルエンス
ルホン酸、フィチン酸、チオグルコール酸、グルコール
酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア
水、エチレンジアミンが挙げられる。
は、特に制限はないが、必要に応じてpH調整剤を添加し
ても良い。pH調整剤としては、例えば、硫酸、ほう酸、
りん酸、酢酸、シュウ酸、酒石酸、乳酸、p-トルエンス
ルホン酸、フィチン酸、チオグルコール酸、グルコール
酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア
水、エチレンジアミンが挙げられる。
【0019】このようにして調製した塗布液は、例え
ば、重合器の内壁面をはじめ、撹拌翼、撹拌軸、コンデ
ンサ、ヘッダ、サーチコイル、ボルト、ナットのよう
な、重合反応中に単量体が接触する部位に塗布、乾燥し
て塗膜を形成する。この他にも、塗布液はモノマ蒸留
塔、コンデンサ、モノマ貯蔵タンク、バルブ内面等のよ
うな未反応単量体の回収系統のスケールが付着する恐れ
のある部位にも塗布することが望ましい。塗布面の材質
は、例えば、ステンレス、その他のスチールおよびガラ
スライニングされた面など、特に制限はない。
ば、重合器の内壁面をはじめ、撹拌翼、撹拌軸、コンデ
ンサ、ヘッダ、サーチコイル、ボルト、ナットのよう
な、重合反応中に単量体が接触する部位に塗布、乾燥し
て塗膜を形成する。この他にも、塗布液はモノマ蒸留
塔、コンデンサ、モノマ貯蔵タンク、バルブ内面等のよ
うな未反応単量体の回収系統のスケールが付着する恐れ
のある部位にも塗布することが望ましい。塗布面の材質
は、例えば、ステンレス、その他のスチールおよびガラ
スライニングされた面など、特に制限はない。
【0020】塗布液の塗布方法は、ハケ塗り、スプレィ
塗布、塗布液で重合器を満たした後に抜き出す方法等任
意である。塗布には特開昭57-61001号公報に開示されて
いるような、重合器内の上部にノズルを設けて自動的に
スプレィ塗布する方法を用いることが出来る。特開昭59
-11303号公報に開示されているように、スケール防止剤
を水玉模様状に塗布しても良い。また、特開昭55-36288
号公報に開示されているような、キャリアガスとして水
蒸気を用いてスケール防止剤を噴霧塗装する自動塗布方
法を用いても良い。キャリアガスには、塩化ビニルモノ
マ(特表昭56−501116号公報)を用いても、低沸点炭化
水素ガス(特表昭56−501117号公報)を用いても構わな
い。
塗布、塗布液で重合器を満たした後に抜き出す方法等任
意である。塗布には特開昭57-61001号公報に開示されて
いるような、重合器内の上部にノズルを設けて自動的に
スプレィ塗布する方法を用いることが出来る。特開昭59
-11303号公報に開示されているように、スケール防止剤
を水玉模様状に塗布しても良い。また、特開昭55-36288
号公報に開示されているような、キャリアガスとして水
蒸気を用いてスケール防止剤を噴霧塗装する自動塗布方
法を用いても良い。キャリアガスには、塩化ビニルモノ
マ(特表昭56−501116号公報)を用いても、低沸点炭化
水素ガス(特表昭56−501117号公報)を用いても構わな
い。
【0021】塗布液の乾燥は室温から 100℃までの温度
範囲で行なう。乾燥には、塗布後、温風を当てる方法
や、重合器内壁面等の塗布面を予め30〜80℃に加熱して
おき、その加熱面に塗布液を直接塗布しても良い。乾燥
後は、必要に応じて塗布面を水洗する。塗膜は、0.001g
/m2 以上、特に0.05〜2g/m2であることが好ましい。ま
た、上記の塗布作業は、1バッチの重合ごとに行なって
も良いが、一度形成した塗膜はかなりの耐久性を有し、
スケール付着防止作用が持続するので、塗布作業は、通
常1〜十数バッチごとに行なえば良い。
範囲で行なう。乾燥には、塗布後、温風を当てる方法
や、重合器内壁面等の塗布面を予め30〜80℃に加熱して
おき、その加熱面に塗布液を直接塗布しても良い。乾燥
後は、必要に応じて塗布面を水洗する。塗膜は、0.001g
/m2 以上、特に0.05〜2g/m2であることが好ましい。ま
た、上記の塗布作業は、1バッチの重合ごとに行なって
も良いが、一度形成した塗膜はかなりの耐久性を有し、
スケール付着防止作用が持続するので、塗布作業は、通
常1〜十数バッチごとに行なえば良い。
【0022】本発明のスケール付着防止方法は、重合の
形式によらず適用可能である。懸濁重合、乳化重合、溶
液重合、塊状重合および気相重合のいずれの重合形式に
おいても有効である。上記のように重合器内壁等の単量
体が接触する部分に塗膜を形成した後、前述した一般式
CH2=CR1R2で表わされるエチレン性二重結合を有する単
量体やそれと共重合可能な単量体を仕込み、常法に従っ
て重合を実施する。その他、必要に応じて用いられる重
合媒体や、単量体を分散させるための分散剤等を加えて
も良い。
形式によらず適用可能である。懸濁重合、乳化重合、溶
液重合、塊状重合および気相重合のいずれの重合形式に
おいても有効である。上記のように重合器内壁等の単量
体が接触する部分に塗膜を形成した後、前述した一般式
CH2=CR1R2で表わされるエチレン性二重結合を有する単
量体やそれと共重合可能な単量体を仕込み、常法に従っ
て重合を実施する。その他、必要に応じて用いられる重
合媒体や、単量体を分散させるための分散剤等を加えて
も良い。
【0023】重合形式毎に具体的に説明すると、懸濁重
合および乳化重合の場合には、重合は一般に水および分
散剤を重合器に仕込んだ後、重合開始剤(触媒)および
単量体を仕込み(重合器の内圧は通常0〜10kgf/cm2・G
になる)、必要に応じて重合中に水、分散剤および重合
開始剤の一種または複数種を添加することによって行な
われる。重合は、目的の反応率に達した時(通常、反応
率が80〜 100%に達した時)に完了したと判断される。
この場合、単量体 100重量部に対して、水は約50〜500
重量部の割合で用いられ、分散剤は約0.01〜30重量部、
重合開始剤は約0.01〜5重量部の割合で用いられる。
合および乳化重合の場合には、重合は一般に水および分
散剤を重合器に仕込んだ後、重合開始剤(触媒)および
単量体を仕込み(重合器の内圧は通常0〜10kgf/cm2・G
になる)、必要に応じて重合中に水、分散剤および重合
開始剤の一種または複数種を添加することによって行な
われる。重合は、目的の反応率に達した時(通常、反応
率が80〜 100%に達した時)に完了したと判断される。
この場合、単量体 100重量部に対して、水は約50〜500
重量部の割合で用いられ、分散剤は約0.01〜30重量部、
重合開始剤は約0.01〜5重量部の割合で用いられる。
【0024】溶液重合の場合には、重合媒体として、水
の替わりに例えばトルエン、キシレン、ピリジンのよう
な有機溶媒が使用される。分散剤は必要に応じて用いら
れる。その他の条件は、一般に懸濁重合や乳化重合につ
いての条件と同様である。
の替わりに例えばトルエン、キシレン、ピリジンのよう
な有機溶媒が使用される。分散剤は必要に応じて用いら
れる。その他の条件は、一般に懸濁重合や乳化重合につ
いての条件と同様である。
【0025】塊状重合の場合には、重合器内を窒素ガス
で置換するか、または約0.01〜 760mmHgの圧力に排気し
た後、単量体および触媒を仕込み、−10〜 250℃で重合
が行なわれる。
で置換するか、または約0.01〜 760mmHgの圧力に排気し
た後、単量体および触媒を仕込み、−10〜 250℃で重合
が行なわれる。
【0026】本発明のスケール防止方法が有効な単量体
としては、例えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルのよ
うなビニルエステル、アクリル酸、メタクリル酸および
それらのエステルまたは塩、ブタジエン、クロロプレ
ン、イソプレンのようなジエン系単量体、スチレン、ア
クリロニトリル、α−メチルスチレン、ビニルエーテル
が挙げられる。
としては、例えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルのよ
うなビニルエステル、アクリル酸、メタクリル酸および
それらのエステルまたは塩、ブタジエン、クロロプレ
ン、イソプレンのようなジエン系単量体、スチレン、ア
クリロニトリル、α−メチルスチレン、ビニルエーテル
が挙げられる。
【0027】また、重合系に例えば重合開始剤、分散
剤、固体分散剤、乳化剤、充填剤、安定剤、滑剤、連鎖
移動剤のような、従来から重合体の製造に用いられてい
る各種の添加剤が含まれていても、スケール付着防止剤
は有効に作用する。以下に具体的な物質名を列挙してお
く。
剤、固体分散剤、乳化剤、充填剤、安定剤、滑剤、連鎖
移動剤のような、従来から重合体の製造に用いられてい
る各種の添加剤が含まれていても、スケール付着防止剤
は有効に作用する。以下に具体的な物質名を列挙してお
く。
【0028】重合開始剤は、例えばt-ブチルパーオキシ
ネオデカネート、ビス(2−エチルヘキシル)パーオキシ
ジカーボネート、3,5,5-トリメチルヘキサノイルパーオ
キサイド、α−クミルパーオキシネオデカネート、クメ
ンハイドロパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキ
サイド、t-ブチルパーオキシピバレート、ビス(2−エト
キシエチル)パーオキシジカーボネート、ベンゾイルパ
ーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、2,4-ジクロ
ルベンゾイルパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキ
シジカーボネート、α,α'-アゾビスイソブチロニトリ
ル、α,α'-アゾビス−2,4-ジメチルバレロニトリル、
ペルオキソ二硫酸カリウム、ペルオキソ二硫酸アンモニ
ウム、p-メンタンハイドロパーオキサイドが使用出来
る。
ネオデカネート、ビス(2−エチルヘキシル)パーオキシ
ジカーボネート、3,5,5-トリメチルヘキサノイルパーオ
キサイド、α−クミルパーオキシネオデカネート、クメ
ンハイドロパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキ
サイド、t-ブチルパーオキシピバレート、ビス(2−エト
キシエチル)パーオキシジカーボネート、ベンゾイルパ
ーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、2,4-ジクロ
ルベンゾイルパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキ
シジカーボネート、α,α'-アゾビスイソブチロニトリ
ル、α,α'-アゾビス−2,4-ジメチルバレロニトリル、
ペルオキソ二硫酸カリウム、ペルオキソ二硫酸アンモニ
ウム、p-メンタンハイドロパーオキサイドが使用出来
る。
【0029】分散剤は、例えば部分けん化ポリビニルア
ルコール、ポリアクリル酸、酢酸ビニルと無水マレイン
酸の共重合体、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等
のセルロース誘導体、ゼラチン等の天然または合成高分
子化合物が使用できる。
ルコール、ポリアクリル酸、酢酸ビニルと無水マレイン
酸の共重合体、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等
のセルロース誘導体、ゼラチン等の天然または合成高分
子化合物が使用できる。
【0030】固体分散剤は、例えばリン酸カルシウム、
ヒドロキシアパタイトが挙げられる。
ヒドロキシアパタイトが挙げられる。
【0031】乳化剤は、例えばソルビタンモノラウレー
ト、ソルビタントリオレート、ポリオキシエチレンアル
キルエーテルのようなノニオン性乳化剤、ラウリル硫酸
ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等
のアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ジオクチル
スルホコハク酸ナトリウムのようなアニオン性乳化剤が
挙げられる。
ト、ソルビタントリオレート、ポリオキシエチレンアル
キルエーテルのようなノニオン性乳化剤、ラウリル硫酸
ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等
のアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ジオクチル
スルホコハク酸ナトリウムのようなアニオン性乳化剤が
挙げられる。
【0032】充填剤は、例えば炭酸カルシウム、酸化チ
タン等が挙げられる。
タン等が挙げられる。
【0033】安定剤は、例えば三塩基性硫酸鉛、ステア
リン酸カルシウム、ジブチルすずジラウレート、ジオク
チルすずメチルカプチドが使用可能である。
リン酸カルシウム、ジブチルすずジラウレート、ジオク
チルすずメチルカプチドが使用可能である。
【0034】滑剤は、例えばライスワックス、ステアリ
ン酸、セチルアルコールが挙げられる。
ン酸、セチルアルコールが挙げられる。
【0035】可塑剤は例えばジオクチルフタレート、ジ
ブチルフタレートが挙げられる。
ブチルフタレートが挙げられる。
【0036】連鎖移動剤は、例えばt-ドデシルメルカプ
タン等のメルカプタン類およびトリクロロエチレンが挙
げられる。
タン等のメルカプタン類およびトリクロロエチレンが挙
げられる。
【0037】pH調整剤などが存在する重合系において
も、本発明の方法は有効である。
も、本発明の方法は有効である。
【0038】なお、本発明の方法を適用した場合に特に
好適な重合は、例えばポリスチレン、ポリメチルメタク
リレートおよびポリアクリロニトリル等のビーズやラテ
ックスの製造、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、アクリ
ロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、クロロプレンゴム(C
R)、イソプレンゴム(IR)およびイソブチレン−イソプレ
ンゴム(IIR) のような合成ゴムの乳化重合による製造、
アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS) 樹脂の
製造を行なう重合である。
好適な重合は、例えばポリスチレン、ポリメチルメタク
リレートおよびポリアクリロニトリル等のビーズやラテ
ックスの製造、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、アクリ
ロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、クロロプレンゴム(C
R)、イソプレンゴム(IR)およびイソブチレン−イソプレ
ンゴム(IIR) のような合成ゴムの乳化重合による製造、
アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS) 樹脂の
製造を行なう重合である。
【0039】
【作用】重合器を用いてエチレン性二重結合を有する単
量体を重合する際に、重合器内壁のような単量体が接触
する部分に、タンニン系天然色素およびけん化度70モル
%以上のポリビニルアルコールを含む塗膜を形成してお
く。すると重合系に存在するエチレン性二重結合を有す
る単量体、その初期縮合物および生成重合体の重合器内
壁面への物理的吸着および化学的吸着が上記の塗膜によ
って抑制され、スケールの付着が防止される。
量体を重合する際に、重合器内壁のような単量体が接触
する部分に、タンニン系天然色素およびけん化度70モル
%以上のポリビニルアルコールを含む塗膜を形成してお
く。すると重合系に存在するエチレン性二重結合を有す
る単量体、その初期縮合物および生成重合体の重合器内
壁面への物理的吸着および化学的吸着が上記の塗膜によ
って抑制され、スケールの付着が防止される。
【0040】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。 ・スケール付着防止剤塗布液の調製 後述の表1〜表3に示す組成比に従い、タンニン系天然
色素およびポリビニルアルコールを溶媒に溶解し、pH調
整剤を加え、スケール付着防止剤の塗布液を調製する。
表1〜表3に、各実施例および比較例に使用するタンニ
ン系天然色素とポリビニルアルコールの種類、それらの
重量比、溶媒(溶媒の組成比)、合計濃度、pH調整剤お
よび塗布液のpHを示す。ポリビニルアルコールは表4に
示す市販品を使用した。なお、比較例5はタンニン系天
然色素の替りにアジン系合成染料のC.I.アシッドブラッ
ク2を用いた例である。
色素およびポリビニルアルコールを溶媒に溶解し、pH調
整剤を加え、スケール付着防止剤の塗布液を調製する。
表1〜表3に、各実施例および比較例に使用するタンニ
ン系天然色素とポリビニルアルコールの種類、それらの
重量比、溶媒(溶媒の組成比)、合計濃度、pH調整剤お
よび塗布液のpHを示す。ポリビニルアルコールは表4に
示す市販品を使用した。なお、比較例5はタンニン系天
然色素の替りにアジン系合成染料のC.I.アシッドブラッ
ク2を用いた例である。
【0041】・重合試験 得られた塗布液を、内容積1000リットルの撹拌器付ステ
ンレス製重合器の内壁、撹拌軸、撹拌翼その他単量体が
接触する部位に噴霧器を用いて塗布し、ジャケットを50
℃に設定して10分間加熱、乾燥した後、水洗して塗膜を
形成する。
ンレス製重合器の内壁、撹拌軸、撹拌翼その他単量体が
接触する部位に噴霧器を用いて塗布し、ジャケットを50
℃に設定して10分間加熱、乾燥した後、水洗して塗膜を
形成する。
【0042】このようにしてスケール防止処理を施した
重合器に水550kg、スチレン125kg、スチレン−ブタジエ
ンゴムラテックス(固形分濃度50%)120kg 、アクリロ
ニトリル50kg、合成ゴム重合用乳化剤(播磨化成工業
(株)製、バンディス T-100P)2.5kg 、水酸化ナトリウ
ム0.1kg 、t-ドデシルメルカプタン1.5kg およびペルオ
キソ二硫化カリウム0.3kg を仕込み、撹拌しながら70℃
で3時間重合した。
重合器に水550kg、スチレン125kg、スチレン−ブタジエ
ンゴムラテックス(固形分濃度50%)120kg 、アクリロ
ニトリル50kg、合成ゴム重合用乳化剤(播磨化成工業
(株)製、バンディス T-100P)2.5kg 、水酸化ナトリウ
ム0.1kg 、t-ドデシルメルカプタン1.5kg およびペルオ
キソ二硫化カリウム0.3kg を仕込み、撹拌しながら70℃
で3時間重合した。
【0043】・スケール付着量の測定 重合終了後、重合器内壁面に付着した重合体スケールを
壁面より掻き落とし、壁面1m2 当たりの重量を測定す
る。
壁面より掻き落とし、壁面1m2 当たりの重量を測定す
る。
【0044】・明度指数(L値)の測定 次に、各実施例および比較例で得られた重合体の明度指
数を測定し、着色の有無を判定する。明度指数は以下の
方法で測定した。
数を測定し、着色の有無を判定する。明度指数は以下の
方法で測定した。
【0045】得られた重合体ラテックス1kgに2%硫酸
マグネシウム溶液1kgを加え、凝集沈殿を行なった後、
沈殿物を濾別する。濾別した沈殿物を80〜90℃の熱水で
2〜3回洗浄した後、減圧乾燥器を用いて40℃で25時間
乾燥し、樹脂を得た。
マグネシウム溶液1kgを加え、凝集沈殿を行なった後、
沈殿物を濾別する。濾別した沈殿物を80〜90℃の熱水で
2〜3回洗浄した後、減圧乾燥器を用いて40℃で25時間
乾燥し、樹脂を得た。
【0046】得られた樹脂を9×9cm、厚さ0.1cm の型
枠に入れ、 195℃、50〜60kgf/cm2で加熱し、最終圧力1
90kgf/cm2で加圧成形して測定用試料を作成する。この
試料について、 JIS Z 8730 (1980)に記載のハンターの
色差式における明度指数Lを求め、L値が大きい程白色
度が高いと評価した。
枠に入れ、 195℃、50〜60kgf/cm2で加熱し、最終圧力1
90kgf/cm2で加圧成形して測定用試料を作成する。この
試料について、 JIS Z 8730 (1980)に記載のハンターの
色差式における明度指数Lを求め、L値が大きい程白色
度が高いと評価した。
【0047】L値は次のようにして求める。
【0048】JIS Z 8722の記載に従って、標準光C、光
電色彩計(日本電色工業株式会社製、Z-1001DP型測色色
差計)を用い、刺激値直読方法により、XYZ表色系の
刺激値Yを求める。照明および受光の幾何学的条件とし
ては、JIS Z 8722の4.3.1 項に記載の条件dを採用し
た。刺激値Yを、JIS Z 8730(1980)に記載の、式、L=
10Y1/2 に代入すればL値が算出される。
電色彩計(日本電色工業株式会社製、Z-1001DP型測色色
差計)を用い、刺激値直読方法により、XYZ表色系の
刺激値Yを求める。照明および受光の幾何学的条件とし
ては、JIS Z 8722の4.3.1 項に記載の条件dを採用し
た。刺激値Yを、JIS Z 8730(1980)に記載の、式、L=
10Y1/2 に代入すればL値が算出される。
【0049】表1〜3に、スケール付着量および明度指
数(L値)の測定結果を示す。なお実施例1〜17は本
発明を適用する例、比較例1〜5は本発明を適用外の例
である。また、表においてAはタンニン系天然色素を表
わし、Bはポリビニルアルコールを表わす。
数(L値)の測定結果を示す。なお実施例1〜17は本
発明を適用する例、比較例1〜5は本発明を適用外の例
である。また、表においてAはタンニン系天然色素を表
わし、Bはポリビニルアルコールを表わす。
【0050】
【表1】
【0051】
【表2】
【0052】
【表3】
【0053】
【表4】
【0054】これらの試験結果によれば、各実施例で重
合された重合体は、明度指数Lが80以上と白色度が高く
着色が少ないことがわかる。
合された重合体は、明度指数Lが80以上と白色度が高く
着色が少ないことがわかる。
【0055】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明の
重合体製造時のスケール付着防止方法によれば、エチレ
ン性二重結合を有する単量体を重合する際に、重合器内
壁面へのスケール付着を、重合器内壁面の材質にかかわ
らず効果的に防止することが出来る。
重合体製造時のスケール付着防止方法によれば、エチレ
ン性二重結合を有する単量体を重合する際に、重合器内
壁面へのスケール付着を、重合器内壁面の材質にかかわ
らず効果的に防止することが出来る。
【0056】スケール付着防止剤として重合器内壁面等
に塗布するタンニン系天然色素およびけん化度70モル%
以上のポリビニルアルコールを含む塗膜は、着色性が少
ないことに加え重合系に溶解しないため、着色がなく白
色度の高い重合体を得ることが可能である。例えばスチ
レン、α−メチルスチレン、アクリル酸エステルおよび
アクリロニトリルのような溶解能が著しく大きな単量体
を含む重合系にも有効である。
に塗布するタンニン系天然色素およびけん化度70モル%
以上のポリビニルアルコールを含む塗膜は、着色性が少
ないことに加え重合系に溶解しないため、着色がなく白
色度の高い重合体を得ることが可能である。例えばスチ
レン、α−メチルスチレン、アクリル酸エステルおよび
アクリロニトリルのような溶解能が著しく大きな単量体
を含む重合系にも有効である。
【0057】さらに、本発明の方法を用いて重合を行な
えば、スケール付着防止剤の塗布作業を数バッチ乃至十
数バッチに一回の割合で行なえば良いため、スケールの
除去作業を重合のバッチ毎に行なう必要がなく、生産性
向上に大いに貢献する。
えば、スケール付着防止剤の塗布作業を数バッチ乃至十
数バッチに一回の割合で行なえば良いため、スケールの
除去作業を重合のバッチ毎に行なう必要がなく、生産性
向上に大いに貢献する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 余野 政義 茨城県鹿島郡神栖町大字東和田1番地 信越化学工業株式会社塩ビ技術研究所内 (56)参考文献 特開 平4−154803(JP,A) 特開 昭54−8689(JP,A) 特開 昭57−59919(JP,A) 特開 昭55−21488(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08F 2/00
Claims (1)
- 【請求項1】 一般式 CH2=CR1R2 [R1は水素原子またはメチル基、R2は水素原子または-C
nH2n+1、-COOH 、-COOM(Mはアルカリ金属またはアン
モニウムイオン)、-COOCnH2n+1 、-CN 、-C6H5、-C6H4R
3 ( R3は水素原子、-OH、-CH3または -CH=CH2)、-OCOCn
H2n+1、-OCnH2n+1もしくは-CH=CH2 、nは整数である]
で表わされるエチレン性二重結合を有する単量体を重合
する際に、重合器の単量体が接する部分の少なくとも一
部に、タンニン系天然色素およびけん化度70モル%以上
のポリビニルアルコールを含む塗膜を形成することを特
徴とする重合体製造時のスケール付着防止方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2893891A JP2845630B2 (ja) | 1991-02-22 | 1991-02-22 | 重合体製造時のスケール付着防止方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2893891A JP2845630B2 (ja) | 1991-02-22 | 1991-02-22 | 重合体製造時のスケール付着防止方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04266901A JPH04266901A (ja) | 1992-09-22 |
JP2845630B2 true JP2845630B2 (ja) | 1999-01-13 |
Family
ID=12262350
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2893891A Expired - Fee Related JP2845630B2 (ja) | 1991-02-22 | 1991-02-22 | 重合体製造時のスケール付着防止方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2845630B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4588551B2 (ja) | 2005-06-16 | 2010-12-01 | 富士通株式会社 | レジスト組成物、レジストパターンの形成方法、半導体装置及びその製造方法 |
JP2012117043A (ja) * | 2010-11-12 | 2012-06-21 | Sumitomo Chemical Co Ltd | 反応器のコーティング方法、コーティングされた内壁を有する反応器、付加重合方法、予備重合方法、予備重合された付加重合触媒およびそれを用いる付加重合体の製造方法 |
KR102368895B1 (ko) | 2017-08-23 | 2022-03-02 | 코오롱인더스트리 주식회사 | 접착제 조성물, 이를 포함하는 접착제 및 이의 제조방법 |
-
1991
- 1991-02-22 JP JP2893891A patent/JP2845630B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04266901A (ja) | 1992-09-22 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |