JPH042665Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、浴槽内から吸引した湯水を、空気と
混合させて噴出させる噴出ノズルとポンプとが、
分離され、ポンプが浴槽の縁上に配置される噴流
式浴中マツサージ装置に関するものである。

〔従来の技術〕

浴槽内の湯水を吸引して空気と混合し、該混合
湯水を所要の圧力で浴中に噴出させ、この噴出流
で入浴者の肌を刺激して浴中マツサージを行う噴
流式浴中マツサージ装置は公知である。

この種の従来装置は第７図に示すように、浴槽
１内にたとえば保持具９に掛けて配置される噴出
ノズル２と、同じく浴槽内に配設されるポンプ３
とがホース４で接続されている。このポンプ３は
浴槽１内の水（湯）を吸引し、ホース４を介して
その吸引水を噴出ノズル２に導くとともに、噴出
ノズル２の手前の所望位置で、図示されていない
別のホース等から空気を吸い込み、エゼクタ効果
によりその空気と水との混合水流を前記噴出ノズ
ル２から浴中に噴出するものである。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかしながら、従来の装置においては、ポンプ
３を図示の如く、浴槽１内に配置する形式を採用
しているため、浴槽内がその分狭くなるので、本
考案者は噴出ノズルとポンプとを分離し、ポンプ
を浴槽の縁上に吸盤等の簡易な手段により装着し
た考案を提案してその不都合を解消するのに成功
した。しかし、噴出ノズルとポンプとを分離させ
る構造を採用すると、両者を接続するホースや、
その先端部に設けた噴出ノズルに何らかの原因で
引張り外力が加わつた場合に、その引張り力がホ
ース４を介して直接ポンプ３側に加わり、ポンプ
３を浴槽中に落しかねないという問題点があつ
た。

本考案は、上記この問題点を解決するためにな
されたものであり、その目的は、浴槽内を狭める
ことなく、たとえ噴出ノズルやホースに引張り外
力が加わつてもその引張り力が直接ポンプ側に影
響されないようにすることのできる噴流式浴中マ
ツサージ装置を提供することにある。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案は上記目的を達成するため次のような手
段を採用している。すなわち、本考案は、浴槽の
縁上に設置されるポンプと浴槽内に設置される中
継保持具とを有し、該中継保持具は浴槽内の湯水
を前記ポンプで吸引するための吸水ホースを保持
し且つ前記ポンプで吸引した湯水を送出する第１
の導水ホースと噴出ノズルに接続される第２の導
水ホースとを中継しており、中継保持具と前記第
２の導水ホースはプラグとソケツトとから成る着
脱自在な管継手で接続されるものであることをも
つて問題点を解決する手段としている。

〔作用〕

上記のように構成されている本考案において、
ポンプは装着手段によつてたとえば浴槽上面縁部
の隅角部に取り付けられる。このように、ポンプ
を浴槽外に配置することにより、浴槽内を広く利
用することが可能になるが、入浴中に、噴出ノズ
ルを手に持つて噴流マツサージをするなどしてホ
ース等の管路がたとえ引張られたとしても、この
引張り力は中継保持具によつて受け止められ、該
引張り力がポンプ側に直接伝わることがなく、従
つて、ポンプを吸盤等の簡易な手段で取りつけた
場合であつても、上記外力が加わつたときに、即
刻ポンプが倒れて浴槽側に落ちる等の事故は確実
に解消されることとなる。

〔実施例〕

以下、本考案の一実施例を図面に基づいて説明
する。なお、本実施例の説明において、従来例と
同一の名称部分には同一符号を付してその重複説
明を省略する。

第１図には本考案の一実施例を示す斜視図が示
されている。本実施例において第１の特徴はポン
プ３を浴槽の縁上に配設し、さらに該ポンプ３の
外形詳しくはポンプハウジングの外形を浴槽１の
上面縁部８の隅角部２７の形状に合わせて形成し
たことである。すなわち、第２図ａ，ｂに示すよ
うに、例えば、浴槽１の上面縁部の隅角部２７が
円弧形をしている場合はポンプハウジングの背面
部の形状を弓形に、また、浴槽１の上面縁部８の
隅角部が角形をしている場合は同部の形状を直角
二等辺三角形にそれぞれ形成して、ポンプ３を浴
槽１外の隅角部に取り付け可能に構成されてい
る。

一方、ポンプ３の所望位置に（例えば、第３図
に示すように、ポンプ３の下面に）装着手段とし
ての吸盤装置５が設けられている。この吸盤装置
５は弾性変形可能な平椀状の吸盤６と、この吸盤
に一端部が固定され、他端部がポンプ３の枠体に
螺合されている支持棒７とからなり、この支持棒
７を所望方向に回転することによつて該支持棒７
は螺合進退し、ポンプ３の高さを任意に調整でき
るようになつている。本実施例においては、この
吸盤装置は３個設けられ、第４図に示すように安
定な３点支持によつてポンプ３は浴槽１の上面縁
８の隅角部に吸着固定されている。

このポンプ３の固定は必ずしも浴槽１の上面縁
８に直接固定する必要はなく、場合によつては第
５図に示すように、浴槽１の縁上の浴室の隅角壁
面に固定してもよい。この場合は、例えば、ポン
プ３の上端面に回動自在、かつ長さ調整自在の一
対の支持棒１０，１１を設け、さらに、この各支
持棒１０，１１の先端部に吸盤６を設け、タイル
壁面の角度および壁面までの距離に応じて支持棒
１０，１１の回動位置と長さを調整し、その調整
状態で吸盤６を壁面に押し付ければ、ポンプ３は
浴室のタイル壁面に固定することができる。

ところで、前記ポンプ３の下面からは吸水ホー
ス１２が垂下されており、その吸水ホース１２の
先端部は保持板１３によつて浴槽１の内壁面に保
持されている。

本実施例の第２の特徴は、ポンプ３から噴出ノ
ズル２に至る管路をその途中において中継保持具
１４を介して中継していることである。この中継
保持具１４は第６図に示すように、本体部１５と
吸盤１６とからなり、この両者１５，１６は吸盤
１６の向きを自在に変えられる自在継手１７によ
つて結合されている。前記吸盤１６はポンプ３の
下方位置において浴槽１の隅角部の両側壁面に吸
着されており、その結果、中継保持具１４は浴槽
内のいわゆるデツドスペースに配置されることに
なる。

前記中継保持具１４の本体部１５には上下に貫
通する貫通孔１９と、前面から上面に通じる導通
路１８とが形成されており、前記貫通孔１９には
ポンプ３から垂下する吸水ホース１２が挿通保持
されている。一方、導通路１８の上面側には嵌合
パイプ２０がその上端部を突出させて嵌め込み固
定されており、そのパイプ２０の突出部にはポン
プ３からの中継保持具１４に至る送出管路として
の第１の導水ホース２１の出口側が気密に嵌め込
まれている。また、導通路１８の前面側には管継
手のプラグ２２が設けられており、このプラグ２
２に管継手のソケツト２３が着脱可能に嵌め込ま
れている。このソケツト２３とプラグ２２はワン
タツチ継手を構成するもので、ソケツト２３をプ
ラグ２２に差し込むだけで両者２２，２３の自動
ロツクが達成され、また、プラグ２２を外すとき
は、ソケツト２３のスリーブ２４を矢印の方向に
摺動するだけで、その取り外しが達成されるもの
である。

前記ソケツト２３は第２の導水ホース２５の一
端に嵌合固定されており、該第２の導水ホース２
５の他端側は噴出ノズル２に嵌め込まれて固定さ
れている。すなわち、第２の導水ホース２５は、
中継保持具１４から噴出ノズル２に至る循環水流
の管路として機能している。

この噴出ノズル２には第１図に示すように、吸
盤２６が取りつけられており、この吸盤２６を利
用して噴出ノズル２を浴槽１の壁面に自由に着脱
できるようになつている。

上述の如く、本実施例によれば、ポンプ３から
噴出ノズル２に至る循環水流の管路はその途中
で、中継保持具１４によつて中継されているか
ら、例えば、噴出ノズル２を手に持つてシヤワー
として使用したり、噴流を入浴者の好みの部位に
当ててマツサージする場合に、第２の導水ホース
２５が誤つて引張られても、その引張り力は中継
保持具１４で完全に受け止められ、ポンプ３側に
直接伝わらない。そのため、その引張り力によつ
てポンプ３が倒れることがない。

なお、上記実施例では、噴出ノズル２およびポ
ンプ３の装着手段として簡易な吸盤装置５を採用
しているが、これに限定されないことはいうまで
もないことである。

また、本実施例では、管路をホース２１，２５
により構成しているが、これを、チユーブやパイ
プ等の他の導水手段により構成することもでき
る。

さらに、本実施例ではポンプ３のハウジングの
外形を浴槽１外の隅角部に合わせ、ポンプ３を該
隅角部に配置しているが、本考案はこれに限定さ
れるものでなく、ポンプのハウジング形状は浴槽
縁上の任意の設置場所に合わせて設定できるもの
である。ただ、本実施例のように構成すれば、浴
室や浴槽のデツドスペースの有効利用を図ること
ができる点で効果的である。

〔考案の効果〕

以上説明したように本考案はポンプが浴槽の縁
上に配置されるものであるから、浴槽内を広く使
用することが可能となり、これにより、ゆつたり
とした気分で浴中マツサージを楽しむことができ
る。

また、ポンプから噴出ノズルに至る第１の導水
ホースと第２の導水ホースは中継保持具によつて
完全に分離されて中継されているので、入浴者が
誤つて第２の導水ホースを足に掛けたり、あるい
は噴出ノズルを手に持つて使用する等して、第２
の導水ホースに引張り力が加わつたとしても、そ
の引張り力は中継保持具で完全に受け止められ、
第１の導水ホースに伝わることがないので、ポン
プを吸盤等を用いた簡易な手段で設置した場合で
あつても、ポンプが前記引張り力を受けて倒れて
浴槽側に落ちる等の事故は確実に防止される。

さらに、本考案では、中継保持具によつて第１
および第２の導水ホースばかりでなく、吸水ホー
スをも保持しているので、各導水ホースと吸水ホ
ースを中継保持具にまとめることができ、これに
より、浴槽内でのホースの乱雑な引き回しを防止
でき、浴槽内をすつきりさせることができる。

さらに、第２のホースと中継保持具はプラグと
ソケツトとの管継手によつて着脱自在に接続され
ているので、噴出ノズルを使用しないときには中
継保持具から取り外すことができるので、より
広々と入浴できるとともに、浴槽の清掃を行うと
きにも、その作業がやり易くなる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す斜視図、第２
図ａ，ｂは同実施例におけるポンプの外形形状の
説明図、第３図は同実施例におけるポンプでの装
着例を示す説明図、第４図はポンプの３点支持例
を示す説明図、第５図はポンプの他の装着例を示
す斜視図、第６図は本実施例装置における中継保
持具の取り付け状態を示す使用状態図、第７図は
従来例を示す斜視図である。 １……浴槽、２……噴出ノズル、３……ポン
プ、４……ホース、５……吸盤装置（装着手段）、
６……吸盤、７……支持棒、８……上面縁、９…
…保持具、１０，１１……支持棒、１２……吸水
ホース、１３……保持板、１４……中継保持具、
１５……本体部、１６……吸盤、１７……自在継
手、１８……導通路、１９……貫通孔、２０……
嵌合パイプ、２１……第１の導水ホース（管路）、
２２……プラグ、２３……ソケツト、２４……ス
リーブ、２５……第２の導水ホース（管路）、２
６……吸盤、２７……隅角部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 浴槽の縁上に設置されるポンプと浴槽内に設置
   される中継保持具とを有し、該中継保持具は浴槽
   内の湯水を前記ポンプで吸引するための吸水ホー
   スを保持し且つ前記ポンプで吸引した湯水を送出
   する第１の導水ホースと噴出ノズルに接続される
   第２の導水ホースとを中継しており、中継保持具
   と前記第２の導水ホースはプラグとソケツトとか
   ら成る着脱自在な管継手で接続されていることを
   特徴とする噴流式浴中マツサージ装置。