JPH04265010A - 広帯域負性抵抗回路 - Google Patents

広帯域負性抵抗回路

Info

Publication number
JPH04265010A
JPH04265010A JP4571991A JP4571991A JPH04265010A JP H04265010 A JPH04265010 A JP H04265010A JP 4571991 A JP4571991 A JP 4571991A JP 4571991 A JP4571991 A JP 4571991A JP H04265010 A JPH04265010 A JP H04265010A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
impedance
negative resistance
frequency
phase
circuit
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP4571991A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3111285B2 (ja
Inventor
Kazutaka Hidaka
一孝 日高
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Shutoken Tehno Network Co Ltd
Original Assignee
Toshiba Shutoken Tehno Network Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Shutoken Tehno Network Co Ltd filed Critical Toshiba Shutoken Tehno Network Co Ltd
Priority to JP03045719A priority Critical patent/JP3111285B2/ja
Publication of JPH04265010A publication Critical patent/JPH04265010A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3111285B2 publication Critical patent/JP3111285B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Networks Using Active Elements (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】この発明は、高周波増幅素子を用
いて負性抵抗を実現した広帯域負性抵抗回路に関するも
のであり、特に負性インダクタンスや負性キャパシタン
スの形成を始め、発振器、増幅器、アクティブフィルタ
、整合回路あるいは等化器などの種々の用途に利用でき
、更には小型アンテナのアンテナ系抵抗損失および入力
リアクタンスを補償して小型アンテナの性能を向上させ
るような応用にも利用できる任意インピーダンス合成回
路による広帯域負性抵抗回路に関するものである。 【0002】 【従来の技術】高周波数帯域で用いられる抵抗は、一般
に通常の抵抗であっても負性抵抗であっても周波数に対
して一定値を保つことが要求されることが多い。しかし
ながら特に負性抵抗については周波数が高くなると一定
な周波数特性を実現することが困難になる。例えば、放
射抵抗および損失抵抗などの抵抗損失と周波数に対する
入力インピーダンスの変化が大きい小型アンテナでは、
負荷に対するインピーダンスの整合が極めて重要である
が、高周波で一定値の負性抵抗が広帯域で実現できれば
、このような小型アンテナのための整合回路は勿論、各
種の高周波等化器や発振器等に広く応用できることにな
る。 【0003】従来より、例えば下記文献1)〜4)など
に述べられているように負性インピーダンス変換回路(
NIC)またはNIIは公知である。またそれを用いて
負性インピーダンスを得ることにより、例えばアンテナ
の抵抗損失とリアクタンスを打ち消す整合回路を構成し
たり、フィルタや発振回路を構成することも公知である
。また入力リアクタンスの補償には種々のコイルを用い
たものやバラクタダイオードを用いたものが知られてい
る。 【0004】*参考文献: 1)Merrill,J.L.: ”Theory o
f the negative impedance 
converters”; BellSyst.Tec
h.J.30, pp.80−109 (1951).
  2)Yanagisawa,T.: ”RC acti
ve networkusing current i
nversion type negative im
pedance converter”; IRE T
rans. CT−4, pp.140−144 (1
957). 3)Ghausi,M.S.: ”Pri
nciples and design of lin
ear active circuits”; Cha
p.17, McGraw−Hill (1965).
4)Shea,R.F.: ”Amplifier h
andbook”; Chap.4, McGraw−
Hill (1966). 【0005】これら従来の高周波用のNIC等は、一般
の増幅器の場合のように設計および製作が簡単ではなく
、広い周波数帯域に亙って安定な高周波用NICを得よ
うとすると回路構成が極めて複雑となるばかりでなく調
整も煩雑で困難となるので実用的でない。また入力リア
クタンスの補償を種々のコイルやバラクタダイオードで
行なう場合は、これらの挿入で抵抗損失が更に増大した
り位相が周波数によって変化したりするという欠点があ
る。 【0006】一方、本発明者が先に下記の文献5)で提
案した任意インピーダンス合成回路は、小型アンテナの
損失抵抗や入力リアクタンスを打ち消すための負性抵抗
を含むマッチングインピーダンス並びにフィルタや発振
器を構成するための負性抵抗を含む任意インピーダンス
を通常の高周波回路技術で容易に可変合成することがで
きるものとして各種高周波回路機器に効用できるもので
ある。 【0007】*参考文献 5)Hidaka, K.: ”Impedance 
synthesis method for an e
lectrically smallantenna”
 ; Proceedings of the 198
9 International symposium
 on antennasand propagati
on, Vol.1, pp.201−204 (19
89Tokyo).【0008】 【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、負性
抵抗を通常の高周波増幅回路技術で容易に可変合成する
ことができる先の提案に係る任意インピーダンス合成回
路を発展させ、周波数に対する振幅と位相の変化が極め
て少ない広帯域の負性抵抗回路を提供することである。 【0009】 【課題の解決するための手段】本発明は、前述の課題を
特許請求の範囲に記載された構成の広帯域負性抵抗回路
によって解決するものである。すなわち、この広帯域負
性抵抗回路は、四端子網入出力端子が整合し且つ高いア
イソレーションをもつ振幅−周波数特性が広帯域に平坦
な増幅素子からなる高周波増幅部に位相調整部と利得調
整部とを縦続接続して全体として入力端子対と出力端子
対との間に二端子対回路網を構成しており、この二端子
対回路網のSパラメータのうちの順方向散乱係数をS2
1とするとき、入出力間の合成インピーダンスZt が
目標の任意特性インピーダンスZ0 に対してZt =
−(S21−1)Z0 となるように前記位相調整部の
位相と利得調整部の利得を各々設定し、更に前記入力端
子対または前記出力端子対の少なくとも一方に周波数に
対する前記S21の位相変化を実質的に無くすための補
償インピーダンスを接続したものである。 【0010】 【作用】本発明においては、位相と利得を調整可能な高
周波増幅器の入出力を所望の特性インピーダンスに整合
させ、その利得と位相を調整することにより、入出力端
子間のインピーダンスを希望の値にして任意の負性抵抗
を合成する。この場合、本発明では高周波増幅素子とし
て四端子網の入出力端子が特性インピーダンスに整合し
た高いアイソレーションをもつ例えば増幅が一方向性の
トランジスタ増幅素子を用いることによって増幅回路の
Sパラメータの逆方向散乱係数S21を小さく設計でき
るようにし、また反射係数S11とS22も前記インピ
ーダンス整合により小さい値に設計できるようにし、こ
れにより増幅回路の増幅の一方向性(入出力のアイソレ
ーション)と入出力端子の整合を得て負性抵抗回路の二
端子インピーダンスZt とSパラメータの順方向散乱
係数S21との1対1の等価変換を実現すると共に前記
順方向散乱係数S21の振幅が周波数の変化に対してほ
ぼ一定値となるようにし、また前記順方向散乱係数S2
1の位相が周波数の変化に対して一定となるように入力
端子または出力端子の少なくとも一方に位相補償用の並
列インピーダンスを接続し、総合特性として広帯域に亙
って一定の任意負性抵抗を安定に実現できるようにした
ものである。 【0011】 【実施例】先ず始めに先の提案に係る任意インピーダン
ス合成回路について説明すると、実施例に対応する図1
の(a)に示した基本構成において、高周波増幅器10
は高周波増幅部11と位相調整部12と利得調整部13
とを縦続接続してなり、入力端子1と出力端子2、およ
び共通のコモン端子3を備え、入力端子対または出力端
子対の少なくとも一方に補償インピーダンスZ1 (破
線で示す)を接続するように構成されている。この高周
波増幅器10は、全体として位相および利得の調整可能
な二端子対回路網を構成しており、これを図示すれば図
1の(b)に示す通りである。 【0012】図1の(b)に示すように、二端子対回路
網において入力端子対1a,1bと出力端子対2a,2
bに各々適当な基準抵抗を想定すると、入射波a1 ,
a2 および反射波b1 ,b2 に対してこの回路の
SパラメータS11〜S22が以下のように定義できる
。 【0013】 【数1】 【0014】ここで、S11とS22は反射係数、S1
2は逆方向散乱係数、S21は順方向散乱係数である。 また各端子における電圧V1 ,V2 と電流I1 ,
I2 に対応した前記入射波と反射波は各々以下のよう
に表現することができる。 【0015】 【数2】 【0016】以上の式(1)(2)(3)からこの増幅
器10の等価回路を描くと図1の(c)のようになり、
この場合の各インピーダンスZ11,Z12,Z21,
Z22は、前記Sパラメータの関数である。 【0017】さて、図1の(a)で位相と利得が調整で
きる二端子インピーダンスは端子1,2間についてだけ
であるから、端子1と2の間にインピーダンスを考える
。この場合、前記二端子インピーダンスZt を二端子
対回路網のSパラメータで表現すれば、任意インピーダ
ンス合成の問題は通常の四端子網高周波増幅器のSパラ
メータを設計する問題に置き換えられる。 【0018】増幅器の入出力間のSパラメータの評価測
定は、低周波から高周波まで近年のネットワークアナラ
イザの進歩によってもはや容易になっており、また種々
の増幅用高周波トランジスタも開発されているので、従
来からのSパラメータによる高周波設計技術をここに利
用することができる。したがって、小信号伝達特性およ
び反射特性をほぼ満足するようにSパラメータを図1の
(a)の回路で製作することにより、実数部に負性抵抗
を含む所望のインピーダンスを合成することが可能であ
る。この場合、図1の(b)に示すように、回路の使用
に際して以下の条件を保持することが重要である。 【0019】 I2 =−I1                  
     …(4)式(2)(3)(4)から次の関係
が得られる。 a2 −b2 =(a1 −b1 )      …(
5)式(2)(3)(5)を同時に満足させる条件とし
て入射波a1 ,a2 と反射波b1 ,b2 につい
て以下の関係が成立する。 【0020】 【数3】 【0021】式(4)の条件下において二端子インピー
ダンスZt は次式の通りとなる。 Zt =(V1 −V2 )/I1       …(
9)式(9)の電圧と電流は入射波と反射波の関数であ
るから、これは以下のように書き換えることができる。 【0022】 【数4】 【0023】ここでZ0 はSパラメータ測定状態にお
ける特性インピーダンスである。 【0024】式(6)(7)(8)を式(10)に代入
すると、インピーダンスZt はSパラメータによって
以下のように表現される。 【0025】 【数5】 【0026】この式(11)の誘導には一切の近似を行
なっていないから、前記高周波増幅器10が前述のよう
に入力端子1と出力端子2と一つのコモン端子3とを有
する三端子型であれば一般的に式(11)が成り立つ。 【0027】一方、トランジスタ増幅回路の逆方向散乱
係数S12は一方向増幅特性のために極めて小さく、S
12=0と近似できる。この場合、式(11)は、【0
028】 【数6】 【0029】また、反射係数S11およびS22もイン
ピーダンス整合によってほとんど零にすることができる
。したがって、式(12)は更に次のように簡略化でき
る。 Zt =−2(S21−1)Z0         …
(13)【0030】以上のように増幅器の一方向増幅
特性とインピーダンス整合とが適切であればSパラメー
タの順方向散乱係数S21と二端子インピーダンスZt
 とは1対1の等価変換が可能である。また、一方向性
増幅特性だけを満たす場合には、式(12)の関係を満
たすように調整することによって希望する合成インピー
ダンスZt を実現できる。 【0031】式(13)で与えられるインピーダンスZ
t の複素平面上での軌跡は図2に示す通りとなる。図
2においては二つの特性A,Bについて示してあるが、
図中の位相角Φ12と、利得、即ち順方向散乱係数S2
1の振幅|S21|は、図1の(a)の回路の位相調整
部12と利得調整部13により任意に設定可能である。 このようにして図1の(a)の回路によって負性抵抗を
含む任意インピーダンスを合成することができる。 【0032】尚、合成されたインピーダンスZt に増
幅器で生じるノイズ分が含まれる恐れがある場合は、ト
ランジスタの選択によって低ノイズ化を行なうことがで
き、これは通常の増幅器の低雑音化と同様な対策である
。 【0033】また、前記Z0 におけるSパラメータは
他の任意の特性インピーダンスに対応するSパラメータ
に変換可能であり、したがって増幅器の入出力端子を特
定の特性インピーダンスにマッチングさせた場合、常に
反射係数S11とS22とを無視できる状態にすること
ができる。そのときのS21は、それに対応するS21
の値に置き変わる。 【0034】上述のインピーダンス合成回路で広帯域に
亙る信号周波数に対して変化しない一定値の負性抵抗を
実現するためには、式(13)において順方向散乱係数
S21の位相と振幅が周波数の変化に対して一定となる
ようにすればよい。順方向散乱係数S21の振幅につい
ては、最近開発されている高周波トランジスタ増幅素子
の中には広帯域に亙ってS21の振幅が近似的に一定値
をとるものがあるので、そのような素子を選択して高周
波増幅器10を構成すればよいが、S21の位相は周波
数が高くなるに従って遅れるため、広帯域に近似的に一
定値とはならない。そこで本発明では、このような増幅
素子を選択した場合に周波数と共に変化する位相を入力
端子対または出力端子対の少なくとも一方に並列インピ
ーダンスを接続することで補償している。 【0035】即ち、前述の高周波増幅器10の増幅部1
1を、入出力端子が特性インピーダンスに整合し出力か
ら入力へは高アイソレーションを有するトラトランジス
タIC増幅器などの増幅素子で構成するものとし、その
出力端子2a,2b間または入力端子1a,1b間に図
3の(a)または(b)に示すように並列インピーダン
スZ1 を接続すると、Z1 部分の四端子網のSパラ
メータは以下の通りである。 【0036】 【数7】 【0037】従って、図3の(a)の全体の四端子網の
Sパラメータは以下で与えられる。 【0038】 【数8】 【0039】また、図3の(b)の全体の四端子網のS
パラメータは以下で与えられる。 【0040】 【数9】 【0041】従って、式(11)に上記の式(15)ま
たは式(16)のどちらの各要素を代入した場合でも次
式を得ることができる。 【0042】 【数10】   Zt =[2Z1(1−S21) +Z0 ]Z0
 /( Z1+Z0 )      =[2R1+Z0
−2√{ (R1)2 +(X1)2 }・|S21|
          ・exp(φt + φZ )+
 j2X1 ]・[Z0 /( R1+Z0+ jX1
)]…(17)  【0043】ここに、φt および
φZ はそれぞれS21およびZ1 の位相、R1 と
X1 はそれぞれZ1 の実数部と虚数部である。 【0044】S21の位相φt の周波数による変化を
、Z1 の位相φZ の周波数による変化で近似的に次
式のように補償する。 φt +φZ =0                
    …(18)これを書き変えると、次式が成立す
ればよい。 X1 +R1 =tan (−φt )       
 …(19)広帯域負性抵抗が実現できる原理を明確に
するため、0≦X1 /R1 <<1        
      …(20)の場合を考えると、この条件下
では、式(19)は次の通りとなる。 X1 /R1 =−φt              
   …(21)【0045】増幅素子のS21の位相
φt [rad] の値は、一般に周波数の増加に比例
して遅れるが、図1の(a)の回路構成においては位相
調整部12と利得調整部13によって帯域の下限周波数
で位相φt を負の値に設定することができる。使用周
波数帯の下限におけるこのような負値の位相φt の絶
対値をなるべく小さい値に設定しておけば、周波数が使
用帯域の下限周波数の数十倍になる帯域上限周波数に至
っても、位相φt の絶対値が小さな値を保持できるよ
うな設計は容易であり、従って使用帯域に亙って前記式
(20)を成立させることができる。 【0046】前記式(20)と式(21)のX1 とし
てインダクタンスL1 を用いることにより、式(21
)の両辺から周波数fの成分がなくなり、式(20)を
満足しながら式(21)が広帯域に成立する。このとき
の負性抵抗は、式(17)に式(18)と式(20)の
条件を代入して次式により与えられる。   Zt =[2R1+Z0−2R1 ・|S21|]
Z0 /(R1+Z0)    …(22)【0047
】このような動作原理によって広い周波数範囲に亙って
式(22)の負性抵抗が実現できることになる。この式
(22)は、Sパラメータの順方向散乱係数S21の絶
対値|S21|が広帯域に近似的に一定値である素子を
用いると負性抵抗の値もまた広帯域に一定値となること
を示している。尚、X1 /R1 は周波数の増加と共
に除々に大きくなるから、X1 /R1 <<1が不完
全にしか成立しない場合の負性抵抗値は前述の式(17
)で求めればよいことになる。 【0048】以下に実際の増幅素子を用いて回路を構成
した例を述べる。 【0049】実験回路として図3の(a)に従って出力
側に補償インピーダンスZ1 を並列接続した図4の高
周波増幅器を設計した。増幅素子にはバイポーラアナロ
グICであるμPC1676G(NEC製)を使用した
。 この増幅素子は入出力の高いアイソレーションと50Ω
インピーダンス整合とをもち、S21の振幅が広帯域に
平坦であるので特に選んだものである。この増幅素子の
SパラメータS21は、図5の(a)および(b)に示
す通りの特性を備えている。ここでS21の位相の周波
数特性は、図5から近似的に次式で与えられる。 φt =−0.00288f          …(
23)【0050】ここに、位相φt の単位はラジア
ン(=360/2πdeg) 、周波数fの単位はMH
zである。X1 =2πfL1 として式(21)に式
(23)を代入すると、R1 の単位をΩ、L1 の単
位をμHとすれば次の関係となる。 L1 /R1 =0.00047        …(
24)【0051】負性抵抗が10MHzで例えば−4
0Ωになるように設計するには、図5(a)の10MH
zにおける散乱係数絶対値|S21|=10と特性イン
ピーダンスZ0 =50Ωとを式(22)に代入して先
ずR1 =5.23Ωを求め、次いでこのR1 の値を
式(24)に代入してL1 =0.0024μHを得る
。これらR1 とL1 の値は10MHzで式(20)
を充分に満たしている。 【0052】上記計算値に基づいて実験に用いる補償イ
ンピーダンス素子として長さ3mmのチップ抵抗を用意
した。このチップ抵抗の抵抗およびインダクタンスの測
定結果を図6に示す。この測定結果から、このチップ抵
抗の抵抗値は5.1Ω、リードインダクタンスは0.0
039μHであることが知られる。従って、前記の計算
値とは僅かに異なるが、この実験回路では補償インピー
ダンスZ1 として実数部抵抗値R1 =5.1Ω、虚
数部インダクタンスL1 =0.0039μHのものを
使って製作した。 【0053】実験回路では、図4のように、出力端子2
a,2b間に前記チップ抵抗を補償インピーダンスZ1
 として接続した。また、出力端子2aに直列に直流電
流をカットするためのコンデンサC1 (長さ3mmの
チップコンデンサ:容量1000pF)を挿入し、さら
にバイポーラアナログICであるμPC1676Gの電
流端子Vccと出力端子2との間にハム誘導を除去する
ための同様な寸法のチップコンデンサC2 (容量:1
000pF)を接続したが、これは高周波での負性抵抗
値には影響しなかった。 【0054】この実験回路の二端子インピーダンスZt
 の理論値は、前記R1 =5.1Ω、L1 =0.0
039μH、式(23)によるφt および図5の|S
21|から、式(17)によって求めることができる。 【0055】この実験回路によって合成された二端子イ
ンピーダンスZt の実測を、二端子インピーダンスの
測定機能をもつヒューレット・パッカード(HP)社製
のネットワーク/スペクロラム・アナライザHP419
5Aを用いて行なった。この測定装置は、10kH〜5
00MHzの広帯域でインピーダンスの測定を行なうこ
とができるもので、測定結果は図7に示す通りである。 尚、この場合の増幅回路の端子2とVcc間の直流供給
電圧はVcc=4.5Vであり、測定のために入力端子
1a,1b間に与えた高周波信号電力は−40dBm(
69dBμV)に設定して、増幅トランジスタが線形動
作する範囲で測定した。 【0056】図7において、10MHzから500MH
zの広い周波数帯域にわたり負性抵抗値Rt は−40
Ω〜−50Ωの範囲内に実現されており、これは式(1
7)による理論計算値とよく一致することが確認された
。尚、図7において測定インピーダンスZt のリアク
タンス分Xt は周波数に比例して増加しているが、こ
の増加部分のリアクタンス値をインダクタンス値に換算
すると約0.015μHとなる。このインダクタンスは
、負性抵抗回路を構成するときに式(16)の虚数部で
与えられるインダクタンスと構造上直列に挿入されるリ
ード線のインダクタンスとの和であり、この場合、式(
16)の虚数部のインダクタンスは0.001μHであ
る。更に、図7で約40MHz以下のリアクタンスがキ
ャパシティブになっているのは、図4に示した実験回路
のコンデンサC1 を前述のように1000pFとして
いるため、低域周波数でその影響が現れているためであ
る。 【0057】本発明の広帯域負性抵抗回路は、負性抵抗
のみならず負性インダクタンスや負性キャパシタンスな
どの実現にも応用可能である。また発振器、増幅器、ア
クティブフィルタ、等化器、整合回路など、各種の高周
波回路に応用できるほか、前述の文献5)に述べられた
ような小型アンテナの性能向上等への応用も可能であり
、VHFあるいはUHF更にはSHFなどのように周波
数が高い領域になるほど有効である。 【0058】 【発明の効果】以上に述べたように、本発明においては
、四端子網の入出力端子が整合し高アイソレーションを
もつ高周波トランジスタ増幅器を用いて一般的な位相調
整及び利得調整回路と組み合わせることにより入出力間
の二端子インピーダンスが増幅器の順方向散乱係数S2
1と1対1で対応し、これによって高周波で負性抵抗を
含む所望の値のインピーダンスを合成でき、更にその位
相の周波数に対する変化を並列インピーダンス素子の付
加で補償することにより、広帯域に亙って一定値の負性
抵抗を実現できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明の要部をなす任意インピーダン
ス合成回路部分の基本構成を示すブロック図、(b)は
前図の回路を二端子対回路網として示した説明図、(c
)はトランジスタ増幅器による前図の等価回路図である
【図2】複素平面上での合成インピーダンスの軌跡を示
す線図である。
【図3】(a)は出力側に補償インピーダンスを接続し
た場合の負性抵抗回路のブロック図、(b)は入力側に
補償インピーダンスを接続した場合の負性抵抗回路のブ
ロック図である。
【図4】負性抵抗回路の実験回路図である。
【図5】実験に用いた高周波増幅回路の順方向散乱係数
S21の振幅|S21|と位相角φt [deg] の
周波数特性を示す線図である。
【図6】実験に用いた補償インピーダンスZ1 の抵抗
値とインダクタンス値の実測結果による周波数特性例を
示す線図である。
【図7】実験回路により合成された二端子インピーダン
スのZt の実測結果による周波数特性を示す線図であ
る。
【符号の説明】
10  高周波増幅器(インピーダンス合成回路)11
  増幅部 12  位相調整部 13  利得調整部 1a  入力端子 2a  出力端子 Z1   補償インピーダンス

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  四端子網入出力端子が整合し且つ高い
    アイソレーションをもつ振幅−周波数特性が広帯域に平
    坦なトランジスタ増幅素子からなる高周波増幅部に位相
    調整部と利得調整部とを縦続接続して全体として実質的
    に入力端子対と出力端子対とを有する二端子対回路網を
    構成してなり、この二端子対回路網のSパラメータのう
    ちの順方向散乱係数をS21とするとき、入出力間の合
    成インピーダンスZt が目標の任意特性インピーダン
    スZ0 に対して Zt =−(S21−1)Z0  となるように前記位相調整部の位相と利得調整部の利得
    が各々設定され、更に前記入力端子対または前記出力端
    子対の少なくとも一方に周波数に対する前記S21の位
    相変化を実質的に無くすための補償インピーダンスが接
    続されていることを特徴とする広帯域負性抵抗回路。
JP03045719A 1991-02-20 1991-02-20 広帯域負性抵抗回路 Expired - Fee Related JP3111285B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP03045719A JP3111285B2 (ja) 1991-02-20 1991-02-20 広帯域負性抵抗回路

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP03045719A JP3111285B2 (ja) 1991-02-20 1991-02-20 広帯域負性抵抗回路

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH04265010A true JPH04265010A (ja) 1992-09-21
JP3111285B2 JP3111285B2 (ja) 2000-11-20

Family

ID=12727161

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP03045719A Expired - Fee Related JP3111285B2 (ja) 1991-02-20 1991-02-20 広帯域負性抵抗回路

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3111285B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008512022A (ja) * 2004-08-31 2008-04-17 コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ 線伝導妨害信号を抑制するアクティブ電磁妨害フィルタ回路

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008512022A (ja) * 2004-08-31 2008-04-17 コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ 線伝導妨害信号を抑制するアクティブ電磁妨害フィルタ回路

Also Published As

Publication number Publication date
JP3111285B2 (ja) 2000-11-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6121940A (en) Apparatus and method for broadband matching of electrically small antennas
US7899409B2 (en) Apparatus for controlling impedance
JP3124385U (ja) 広帯域受信用能動アンテナ
JPH0846473A (ja) マイクロ波可変減衰器
US9154084B2 (en) Low-noise receiver with complex RF attenuator
AU7154696A (en) Doherty-type amplifier and tuning method
EP1391987A1 (en) Reflection loss suppression circuit
US20030169128A1 (en) Frequency-tunable notch filter
JP3508620B2 (ja) 位相補償回路、周波数変換装置およびアクティブフェーズドアレーアンテナ
JPH03101305A (ja) 電界効果トランジスタ増幅器
JP6835761B2 (ja) ミキサ回路
Chang et al. A broadband reflection-type phase shifter achieving uniform phase and amplitude response across 27 to 31 GHz
JP5908539B2 (ja) インピーダンス整合回路
KR101351693B1 (ko) 모놀리식 집적회로를 채용하는 고주파 전력 분배기
JPH04265010A (ja) 広帯域負性抵抗回路
US6529051B2 (en) Frequency multiplier without spurious oscillation
JP2020088531A (ja) 帯域通過フィルタ
US20080136728A1 (en) Impedance matching method, a method for manufacturing signal processing circuits and a signal processing circuit and a radio apparatus using the same
US6522221B1 (en) Phase shifter, attenuator, and nonlinear signal generator
US11916514B2 (en) Radio-frequency apparatus with multi-band wideband balun and associated methods
JP2003264403A (ja) マイクロ波移相器
JPH03258008A (ja) 位相温度補償型高周波増幅器
JP3216687B2 (ja) 移相器
Kuptsov Noise optimization of surface acoustic wave devices in electronic systems
JP3131276B2 (ja) ダイオード減衰器

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees