JPH0426380Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は保冷用等種々の用途に使用可能な輸
送袋に関するものである。

（従来技術及びその問題点） 従来、手下げ袋は手軽に物品を収納し輸送する
ことができるため多種のものが存在し使用されて
いるが、大部分のものは紙等の素材により袋状に
形成された簡単なものであるため、保冷等の特別
の使用態様には不向きなものであつた。

（問題点を解決するための手段） 本考案は保冷用等種々の用途に使用することの
できる簡易な輸送袋を提供せんことを目的とし、
その要旨は、断熱素材を主体とした多重構造を有
し上方が開口した有底袋状に形成された外袋と、
該外袋の上部開口を開放、閉塞可能に該外袋の上
縁部に取り付けられた手下げ部と、該手下げ部に
掛止される掛止紐を有し前記外袋内の上部部位に
着脱可能に装着される内袋とを主体として構成さ
れ、前記手下げ部は、前記外袋の上縁部に熱溶着
等の手段にて装着される水平片と、該水平片の中
央部に上方へ突出し前記内袋の掛止紐を外側より
掛け渡し可能な弯出片と、該弯出片の両側に前記
水平片より上方に湾曲し上端が前記弯出片とほぼ
当接する自由端に形成され前記掛止紐を自由端部
から押圧して係入し得る一対の止片と、該止片の
下端の前記水平片の内側に一対形成された前記掛
止紐が通る溝部とを備えていることである。

（作用） 外袋は断熱素材にて形成されているため、その
内部に物品を収納する時に外部と遮温することが
でき、しかもこの外袋の上縁部には外袋の上部開
口を開放、閉塞可能な手下げ部が設けられている
ため、この手下げ部を閉止することにより外袋の
開口部を閉塞し外袋内の物品等を外部と有効に遮
温することができる。又、この外袋内には内袋を
装着することができ、この内袋内に蓄冷剤等を収
納させることにより外袋の内部に収納された物品
を保冷した状態にて輸送することができるもので
ある。又、この内袋内には乾燥剤、芳香剤等を別
途収納することができ、外袋内に収納される物品
を良好な状態にて輸送することができるものであ
る。

（実施例） 以下、本考案の一実施例を図面に基づいて説明
する。

第１図は本例の輸送袋の全体斜視図を示し、外
袋１は上方が開口した有底袋状に形成されてお
り、底部は安定性の良好な角底に形成されてい
る。この外袋１は本例においては外周部がアルミ
箔にて形成され、その内部にポリエチレンの層が
形成され、さらにその内部にポリエチレンの被膜
が形成された三重構造とされており、各被膜間に
は空気層が形成されて、断熱効果を発揮し得る構
造に形成されている。この外袋１の上部開口を形
成する上縁には一対の手下げ部２が取り付けられ
ている。

この手下げ部２は、第３図及び第４図において
示すように、プラスチツク等の樹脂素材にて一体
形成されており、外袋１の上縁部に沿つて熱溶着
等の手段にて装着される水平片３ａと、その水平
片３ａの中央部に上方に突出した弯出片４ａが形
成され、この弯出片４ａ内に手を入れて弯出片４
ａを介し前記外袋１を持ち上げることができる。
この弯出片４ａの両側には水平片３ａより上方に
湾曲した一対の止片８ａ，８ｂが形成されてお
り、この止片８ａ，８ｂの下端の水平片３ａの内
側には一対の溝部５ａ，５が形成されている。さ
らに、この水平片３ａの内側には内方に突出した
複数個の係合凸部６ａが一体状に形成されてい
る。一方、この水平片３ａと対になつて用いられ
る水平片３ｂ側には係合凸部６ａが嵌入し得る複
数個の係合凹部６ｂが形成され、各係合凸部６ａ
が各係合凹部６ｂ内に嵌入されることにより水平
片３ａと水平片３ｂが接合され、その時に外袋１
の上部開口は閉止されることとなる。又、水平片
３ａ及び水平片３ｂは中央部外方には突出部７
ａ，７ｂがそれぞれ形成されている。

次に、外袋１の上部開口より外袋１内に装着さ
れる内袋９は、ポリエチレン等の薄肉素材にて上
部が開口した有底袋状に形成されており、この内
袋９の上縁には一対の掛止紐９ａが一体形成され
ている。この一対の掛止紐９ａを前記手下げ部２
の弯出片４ａ及び４ｂにそれぞれ外方より掛け渡
し、さらに弯出片４ａ及び４ｂの両側に位置する
止片８ａ，８ｂの上端の自由端部を押圧してこの
掛止紐９ａ，９ｂを水平片３ａ及び３ｂ側に係止
させることにより、手下げ部２に内袋９は係止さ
れ、その状態において外袋１の上方部位に内袋９
は装着されることとなる。即ち、この装着状態に
おいては、第２図に示すように外袋１と内袋９の
二重構造となり、例えば内袋９内に蓄冷剤１０又
はドライアイス等を収納させ、外袋１の収納空間
Ｋ内に冷凍食品を収納させて前記手下げ部２を介
し外袋１及び内袋９の上部開口を閉止させること
により、輸送中において内袋９内の蓄冷剤１０か
ら下方の冷凍食品に冷気が流下され、外袋１の収
納空間Ｋ内に収納される冷凍食品等は良好に保冷
された状態にて輸送されることとなる。

一方、逆に内袋９内にお好み焼き等の加熱食品
等を収納させる時には、外袋１の収納空間Ｋ内に
収納される他の食品等とお好み焼きを接触させる
ことなく有効に輸送することができ、収納空間Ｋ
内に収納される他の野菜等の食品を変質させるこ
とがない。又、この内袋９内には乾燥剤、脱酸素
剤、芳香剤、活生炭等を収納させることができ、
その時には収納空間Ｋ内に収納される食品等に対
し乾燥効果、脱臭効果等を発揮し得るものであ
る。

このように、本例の輸送袋においては外袋１と
内袋９が別体にて形成され、しかも手下げ部２を
介し外袋１の上部開口が閉塞可能であるため、内
袋９と外袋１の収納空間Ｋ内に別々の食品等を収
納させ輸送することができ、輸送中に接触を回避
した方が良い食品等を同一の袋により輸送するこ
とことができるものであり、特に内袋９内に蓄冷
剤等の保冷剤を収納させた時には、収納空間Ｋ内
に収納される食品等を良好に保冷した状態にて輸
送することができ、その保冷効果は外袋１が断熱
素材にて形成されているため、より良好な効果と
して発揮されるものである。

尚、外袋１の材質はアルミ箔に替え、紙、不織
布、防水性、非通気性を有する他の素材を用いて
形成することもでき、本例の素材に限定されるも
のではない。同様に内袋９の素材も本例のものに
限定されるものではなく、又、内袋９の底面に多
数の透孔を穿設させたものを使用することもで
き、又、ネツト状の素材にて内袋９を形成させる
こともできる。

（考案の効果） 本考案の輸送袋は、断熱素材を主体とした多重
構造を有し上方が開口した有底袋状に形成された
外袋と、該外袋の上部開口を開放、閉塞可能に該
外袋の上縁部に取り付けられた手下げ部と、該手
下げ部に掛止される掛止紐を有し前記外袋内の上
部部位に着脱可能に装着される内袋とを主体とし
て構成され、前記手下げ部は、前記外袋の上縁部
に熱溶着等の手段にて装着される水平片と、該水
平片の中央部に上方へ突出し前記内袋の掛止紐を
外側より掛け渡し可能な弯出片と、該弯出片の両
側に前記水平片より上方に湾曲し上端が前記弯出
片とほぼ当接する自由端に形成され前記掛止紐を
自由端部から押圧して係入し得る一対の止片と、
該止片の下端の前記水平片の内側に一対形成され
た前記掛止紐が通る溝部とを備えていることによ
り、外袋の収納空間内に食品等を収納させ、内袋
内に蓄冷剤等を収納させ、かつ手下げ部を介し外
袋の上部開口を閉塞することにより、輸送中にお
いて外袋内に収納された食品等を適度の保冷状態
として良好に輸送することができる効果を有し、
外袋内と内袋内に温度の異なる別々の食品等を収
納させることもでき、種々の用途に応じ保冷、乾
燥等を必要とする食品等の輸送を有効かつ良好に
行い得る効果を有する。

又、外袋の手下げ部は水平片を溶着等にて外袋
の上縁に良好に装着でき、内袋の掛止紐を弯出片
に外側より掛け渡し、かつ掛止紐を止片に良好に
係入させて、外袋に内袋を簡易に着脱可能に一体
化させることができる。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の一実施例を示し、第１図は輸送袋
の全体斜視図、第２図は外袋に内袋を装着させた
状態を示す側断面図、第３図は手下げ部に内袋を
掛止させた状態を示す要部拡大図、第４図は手下
げ部の平面図を示す。 Ｋ……収納空間、１……外袋、２……手下げ
部、３ａ，３ｂ……水平片、４ａ，４ｂ……弯出
片、５ａ，５ｂ……溝部、６ａ……係合凸部、６
ｂ……係合凹部、７ａ……突出部、８ａ，８ｂ…
…止片、９……内袋、１０……蓄冷剤。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 断熱素材を主体とした多重構造を有し上方が開
   口した有底袋状に形成された外袋と、該外袋の上
   部開口を開放、閉塞可能に該外袋の上縁部に取り
   付けられた手下げ部と、該手下げ部に掛止される
   掛止紐を有し前記外袋内の上部部位に着脱可能に
   装着される内袋とを主体として構成され、前記手
   下げ部は、前記外袋の上縁部に熱溶着等の手段に
   て装着される水平片と、該水平片の中央部に上方
   へ突出し前記内袋の掛止紐を外側より掛け渡し可
   能な弯出片と、該弯出片の両側に前記水平片より
   上方に湾曲し上端が前記弯出片とほぼ当接する自
   由端に形成され前記掛止紐を自由端部から押圧し
   て係入し得る一対の止片と、該止片の下端の前記
   水平片の内側に一対形成された前記掛止紐が通る
   溝部とを備えていることを特徴とする輸送袋。