JPH04263281A - リップマン・ホログラム - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、リップマン・ホログラ
ムに係り、特に偽造防止（セキュリティ）効果を高める
と共に、ディスプレイとして見た目もきれいにし得るよ
うにしたリップマン・ホログラムに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】近年、出版あるいは印刷業等においては
、書籍や雑誌の表紙、挿絵、ギフト、ノベルティ、ある
いは有価証券、クレジットカ―ド、ＩＣカ―ドの偽造を
防止するための手段として、ホログラムが多く利用され
てきている。この種のホログラムとしては種々のものが
あるが、その一つとしてリップマン・ホログラムがある
。すなわち、ホログラムの記録は、物体光と呼ばれる光
と参照光と呼ばれる光とを干渉させることによって行な
われるが、これら２つの光をそれぞれ感光材料の表と裏
といった異なった面から入射して記録したホログラムを
、リップマン・ホログラムと称している。

【０００３】このリップマン・ホログラムは、再生光を
入射する方向と同じ側から像を観察できる反射型のホロ
グラムであり、他のホログラムと違ってホログラム自信
が波長選択性を持っていることから、レーザー光を用い
ず白色光によって再生した場合にも、良好な再生像が得
られるという特色を有している。このため、白色光再生
型のディスプレイホログラムとして広く用いられている
。

【０００４】ところで、一般的に立体画像を表示するデ
ィスプレイ・ホログラムは、現在偽造防止のを目的とし
て数多く用いられている。そして、上述したリップマン
・ホログラムは、画質が良い、作成に高度な技術が必要
、ホログラムを通して下の画像を見ることが可能である
（証明写真の上に貼って使える）等という面で、優れた
偽造防止効果を持っており、ディスプレイ・ホログラム
として広く用いることができる。

【０００５】しかしながら、通常のリップマン・ホログ
ラムでは、元のリップマン・ホログラムから、再生波長
と同一のレーザー光線で、次のようなコンタクトコピー
の方法を用いると、容易に複製することができる。すな
わち、 （ａ）元のリップマン・ホログラムの上に、表面に感光
材料が塗布された乾板を密着して置く。 （ｂ）元のリップマン・ホログラムが再生される色（波
長）のレーザー光線を、乾板の上から照射する。 （ｃ）このようにすると、元のリップマン・ホログラム
は、乾板を通過したレーザー光線によって、像を再生す
る。 （ｄ）乾板には、レーザーからの直接の光と、元のリッ
プマン・ホログラムが像を再生した光によって、干渉縞
が記録される。 （ｅ）乾板を現像処理すると、元のリップマン・ホログ
ラムと同じリップマン・ホログラムが作成される。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】以上のような理由から
、通常のリップマン・ホログラムにおいては、比較的簡
単に偽造品を作成することができることから、偽造防止
の効果が低いという問題があった。

【０００７】本発明は上述のような問題を解決するため
に成されたもので、複製を極めて困難なものにして偽造
防止効果を高めることができ、しかもディスプレイとし
て見た目もきれいなリップマン・ホログラムを提供する
ことを目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに本発明では、表面に感光材料が塗布された乾板に、
特定の波長を有するレーザー光を照射して露光すること
により、乾板上にリップマン・ホログラム像を撮影して
得られるリップマン・ホログラムにおいて、感光材料の
膜厚を、例えば特定のパターンとなるように、再生波長
に比例させた形で部分的に変化させるようにしている。

【０００９】

【作用】従って、本発明のリップマン・ホログラムにお
いては、感光材料の膜厚を、再生波長に比例させた形で
部分的に変化させることにより、感光材料の膜厚を変化
させた部分とそれ以外の部分とが異なった色で再生され
る。これにより、１色のレーザー光では再生像が得られ
ず（コピーができず）、複数のレーザーを用いた多重露
光になるため、コンタクトコピーでの複製が極めて困難
であり、偽造防止効果を著しく高めることができる。ま
た、ディスプレイが異なった複数の色で像が再生される
ため、ディスプレイとして見た目もきれいなものとなる
。

【００１０】

【実施例】まず、本発明の考え方について説明する。

【００１１】リップマン・ホログラムは、図４に示すよ
うに、乳剤面と平行に近い角度の干渉縞で作られている
。この種のホログラムは、特定の一波長によって再生さ
れるが、この再生波長は、リップマン・ホログラムの干
渉縞の間隔によって定まる。すなわち、一般に干渉縞の
間隔が広い程、再生波長は長くなる。そして、リップマ
ン・ホログラムを記録した乾板の感光材料について、そ
の厚みを変化させると干渉縞の間隔も変化することから
、ホログラムの再生波長が違ってくる。

【００１２】そこで、本発明では、リップマン・ホログ
ラムを作成した後に、ホログラムの感光材料の厚さを部
分的に変化させることにより、その部分だけ回りの部分
と違った色で再生されるようなディスプレイ・ホログラ
ムを作成するものである。以下、上記のような考え方に
基づいた本発明の一実施例について、図面を参照して詳
細に説明する。

【００１３】図１は、本発明によるリップマン・ホログ
ラムの構成例を示す平面図である。すなわち、本実施例
のリップマン・ホログラムは、図１に示すように、表面
に感光材料が塗布された乾板１に、特定の波長を有する
レーザー光を照射して露光することにより、乾板１上に
リップマン・ホログラム像２を撮影して得られるリップ
マン・ホログラムにおいて、感光材料の膜厚を、図示の
ように特定のパターン（本例では、丸パターン、および
三角パターン）３となるように、再生波長に比例させた
形で部分的に変化、すなわちリップマン・ホログラム像
２の部分に対して、特定のパターン３の部分の膜厚が厚
くなるように変化させている。

【００１４】次に、本実施例のリップマン・ホログラム
の具体的な作成方法について説明する。まず、感光材料
として銀塩感光材料を用いて、青色のレーザー光線（例
えば、４８８ｎｍ）により、図２に示すような光学系で
リップマン・ホログラムを作成する。すなわち、図２に
示すように、表面に銀塩感光材料が塗布された乾板１に
、その上からレーザー発振器（例えば、Ａｒレーザー発
振器）４より、対物レンズ５を通してレーザー光を照射
し露光することによって、リップマン・ホログラムを撮
影する。原理的には、レーザー発振器４から出たレーザ
ー光が、対物レンズ５とピンホールを通ることによって
発散する光となる。そして、この広がったレーザー光が
、ホログラムを記録する乾板１に裏面から入射する。 この乾板１に直接入射してくる光が、ホログラム撮影の
参照光として働く。さらに、このレーザー光は乾板１を
通過した後、リップマン・ホログラムに記録しようとし
ている物体６を照らす。この物体６で反射されたレーザ
ー光が、乾板１に表面から入射し、この光がホログラム
撮影の物体光として働く。そして、乾板１に裏面から直
接入射する参照光と、物体６で反射されて乾板１に表面
から入射する物体光との干渉により、乾板１にリップマ
ン・ホログラム像２が記録されることになる。このよう
にして得られたリップマン・ホログラムは、青色で物体
６の像を再生するディスプレイになっている。

【００１５】一方、感光材料である銀塩感光材料の膜厚
の変化により、ホログラムの再生波長を変化させる方法
としては、例えば次のような方法を用いることができる
。すなわち、感光材料として銀塩感光材料を用いて、リ
ップマン・ホログラム像を記録した後で、ソルビトール
の水溶液に銀塩感光材料を漬ける。こうすると、乳剤で
あるゼラチンが膨潤し、ゼラチン中にソルビトールの水
溶液が入り込む。そして、これを乾燥させると、水分は
蒸発するが、ソルビトールはゼラチン中に残るために、
銀塩感光材料の膜厚が厚くなり、干渉縞の間隔が広がる
。

【００１６】よって、本実施例ではかかる方法を採用し
、前述のようにして得られたリップマン・ホログラムに
、適当な同一濃度のソルビトール水溶液で、図３に示す
ように２つの特定のパターン（本例では、丸パターン、
および三角パターン）を描く。そして、柔らかい布等で
余分な溶液を吸い取り、その後で乾燥させる。このよう
にすると、リップマン・ホログラム像２の部分に対して
、特定のパターン３の部分の膜厚が厚くなる。

【００１７】かかる構成のリップル・ホログラムにおい
ては、感光材料である銀塩感光材料の膜厚を、リップマ
ン・ホログラム像２の部分に対して、特定のパターン３
の部分の膜厚が厚くなるように変化させていることによ
り、銀塩感光材料の膜厚を変化させた部分（特定のパタ
ーン３の部分）と、それ以外の部分（リップマン・ホロ
グラム像２の部分）とが異なった色で再生される。すな
わち、リップマン・ホログラム像２の部分では物体６が
青色で再生され、特定のパターン３の部分では物体６が
赤色（青色よりも長い波長）で再生されるようなディス
プレイが得られる。

【００１８】これにより、１色のレーザー光では再生像
が得られず（コピーができず）、複数のレーザーを用い
た多重露光になるため、コンタクトコピーでの複製が極
めて困難であり、偽造防止効果を著しく高めることがで
きる。また、ディスプレイが異なった２つの色で像が再
生されるため、ディスプレイとして見た目もきれいなも
のとなる。

【００１９】上述したように本実施例では、表面に銀塩
感光材料が塗布された乾板１に、特定の波長を有するレ
ーザー光を照射して露光することにより、乾板１上にリ
ップマン・ホログラム像２を撮影して得られるリップマ
ン・ホログラムにおいて、銀塩感光材料の膜厚を、特定
のパターン（丸パターン、および三角パターン）３とな
るように、再生波長に比例させた形で部分的に変化、す
なわちリップマン・ホログラム像２の部分に対して、特
定のパターン３の部分の膜厚が厚くなるように変化させ
る構成としたものである。

【００２０】従って、ホログラムが１色のレーザー光で
は再生像が得られず（コピーができず）、複数のレーザ
ーを用いた多重露光になるため、コンタクトコピーでの
複製が極めて困難であり、偽造防止効果を著しく高める
ことが可能となる（多重露光を行なうと、画質、回折効
率ともに大幅に劣化し、現在多重露光で充分な画質の得
られる感光材料がない）。これにより、従来の方法に比
べて、複製を極めて困難なものにして、偽造防止効果を
著しく高めることが可能となる。また、ディスプレイが
異なった２つの色で像が再生されるため、ディスプレイ
として見た目もきれいなものを得ることが可能となる。 さらに、２色のリップマン・ホログラムを作成するには
、通常、数本のレーザー光線を用いて２回もホログラム
を撮影するため、作成工程が複雑であったが、本実施例
では、２色のリップマン・ホログラムを作成するのにホ
ログラムの撮影が１回で済むため、作成工程が極めて簡
単である。

【００２１】尚、上記実施例では、感光材料として銀塩
感光材料を用いる場合について述べたが、これに限らず
感光材料として、フォトポリマーと呼ばれる特殊な感光
材料（感光性高分子材料であればよい）を用いるように
しても、前述と同様の効果が得られるものである。

【００２２】また、上記実施例では、同一濃度のソルビ
トール水溶液を用いて、２つの特定のパターン（丸パタ
ーン、および三角パターン）を描く場合について述べた
が、これに限らず複数の異なった濃度のソルビトール水
溶液を用いて、互いに異なった膜厚の複数のパターンを
描くことにより、多色のパターンを持つリップマン・ホ
ログラムを得ることが可能である。

【００２３】

【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、表
面に感光材料が塗布された乾板に、特定の波長を有する
レーザー光を照射して露光することにより、乾板上にリ
ップマン・ホログラム像を撮影して得られるリップマン
・ホログラムにおいて、感光材料の膜厚を、例えば特定
のパターンとなるように、再生波長に比例させた形で部
分的に変化させるようにしたので、複製を極めて困難な
ものにして偽造防止効果を高めることができ、しかもデ
ィスプレイとして見た目もきれいなリップマン・ホログ
ラムが提供できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明によるリップマン・ホログラムの一実施
例を示す平面図。

【図２】同実施例におけるリップマン・ホログラムを作
成するための光学系の構成例を示す概要図。

【図３】同実施例におけるリップマン・ホログラムを作
成するための方法を説明するための図。

【図４】リップマン・ホログラムの構成例を示す概要図
。

【符号の説明】

１…乾板、２…リップマン・ホログラム像、３…特定の
パターン、４…レーザー発振器、５…対物レンズ、６…
物体。

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】　　表面に感光材料が塗布された乾板に、
   特定の波長を有するレーザー光を照射して露光すること
   により、前記乾板上にリップマン・ホログラム像を撮影
   して得られるリップマン・ホログラムにおいて、前記感
   光材料の膜厚を、再生波長に比例させた形で部分的に変
   化させて成ることを特徴とするリップマン・ホログラム
   。
2. 【請求項２】　　前記感光材料の膜厚を変化させる部分
   が特定のパターンとなるようにすることにより、当該パ
   ターンの部分がそれ以外の部分と異なった色で再生され
   るようにしたことを特徴とする請求項１に記載のリップ
   マン・ホログラム。
3. 【請求項３】　　前記特定のパターンとして、互いに異
   なった膜厚の複数のパターンを描くことにより、多色の
   パターンを持たせるようにしたことを特徴とする請求項
   １に記載のリップマン・ホログラム。