JPH04262924A - ダブルピストン型油圧式差動制限機構 - Google Patents

ダブルピストン型油圧式差動制限機構

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JPH04262924A
JPH04262924A JP4619691A JP4619691A JPH04262924A JP H04262924 A JPH04262924 A JP H04262924A JP 4619691 A JP4619691 A JP 4619691A JP 4619691 A JP4619691 A JP 4619691A JP H04262924 A JPH04262924 A JP H04262924A
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centrifugal
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chamber
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、センタデフの差動制限
機構として用いて好適の油圧式差動制限機構に関し、特
に、互いに直列に配設された2つのピストンを通じて油
圧により差動制限機構の差動を制限する、ダブルピスト
ン型油圧式差動制限機構に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車をはじめとした車両では、そのエ
ンジンの出力を車両の駆動輪へ伝達する駆動トルク伝達
系に、その伝達状態を調整するためにの機構を設けたも
のがある。このような機構は、一般に差動装置に付設さ
れて、各輪間の差動を制限することで駆動トルクの伝達
状態を調整するようにしている。
【0003】このようなトルク配分を調整する差動制限
機構には、前後輪間の差動装置(所謂、センタデフ)に
付設されているビスカスカップリングユニット(VCU
)やハイドロリックカップリングユニット(HCU)が
知られているが、この他に、油圧多板クラッチ機構を用
いたものも提案されている。これらの差動制限機構は、
いずれも左右輪間のトルク配分の調整にも適用できる。
【0004】油圧多板クラッチを用いた差動制限機構は
、駆動トルク伝達系の回転軸間に介装された多板クラッ
チと、この多板クラッチを押圧するピストンと、このピ
ストンを通じて多板クラッチに油圧を加えるための油圧
室と、ピストンを油圧に抗して復帰させ多板クラッチの
押圧を解くリターンスプリングとをそなえる。
【0005】ところが、この多板クラッチへの押圧力を
十分に得るには、ピストンの受圧面を大きくする必要が
あるが、このためには、ピストンの径を大きくすること
が考えられるが、この場合、機構全体が大型化してしま
う。そこで、機構全体の大型化を招来しないで受圧面を
大きくする手段として、2つのピストンを直列に設けて
これらのピストンの受圧面に加わる合力によって多板ク
ラッチを駆動する、所謂ダブルピストン型油圧式差動制
限機構が考えられている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、油圧室が回
転系に設けられていると、油圧室の外周部分には、遠心
油圧が生じてその分だけピストンの受圧面に加わる油圧
は大きくなる。したがって、遠心油圧分だけリターンス
プリングの剛性も強く設定する必要がある。
【0007】そして、上述のようなダブルピストン型油
圧式差動制限機構では、2つのピストンの受圧面にそれ
ぞれこの遠心油圧が作用するので、遠心油圧による油圧
の増加は極めて大きくなる。したがって、リターンスプ
リングの剛性も一層強く設定する必要がある。
【0008】しかしながら、リターンスプリングの剛性
を強く設定すると、リターンスプリングの大型化のため
に内部スペース(リターンスプリング設置スペース)を
増大させる必要が生じたり、これに伴ってコストの増大
を招いたり、ピストンの有効範囲が減少するようになる
等の不具合がある。
【0009】本発明は、上述の課題に鑑み創案されたも
ので、油圧室に生じる遠心油圧のピストンへの影響を低
減できるようにしてリターンスプリングに要する剛性を
低減できるようにした、ダブルピストン型油圧式差動制
限機構を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】このため、本発明のダブ
ルピストン型油圧式差動制限機構は、車両の差動装置に
設けられて油圧駆動される油圧式差動制限機構において
、この油圧式差動制限機構を油圧駆動する油圧駆動系が
、油圧式差動制限機構に当接して押圧しうるように配設
された第1のピストンと、この第1のピストンを介して
該多板クラッチを押圧しうるように該第1のピストンの
後方に配設された第2のピストンと、該第1のピストン
の後側に設けられた第1の油圧室と、該第2のピストン
の後側に設けられた第2の油圧室と、上記2つのピスト
ンを油圧に抗して復帰させるリターンスプリングとをそ
なえて構成され、上記第1のピストン又は上記第2のピ
ストンに加わって上記第1の油圧室又は上記第2の油圧
室の内部に生じる遠心油圧に抗するようにはたらく遠心
油圧キャンセル圧を発生しうる遠心油圧キャンセル用油
室が設けられていることを特徴としている。
【0011】
【作用】上述の本発明のダブルピストン型油圧式差動制
限機構では、遠心油圧キャンセル用油室に発生する遠心
油圧キャンセル圧が、第1のピストン又は第2のピスト
ンに加わって第1又は第2の油圧室の内部に生じる遠心
油圧に抗するようにはたらいてこの遠心油圧を相殺する
ように作用し、これにより、上記の第1のピストン又は
第2のピストンへ加わる遠心油圧が低減される。
【0012】
【実施例】以下、図面により、本発明の一実施例として
のダブルピストン型油圧式差動制限機構について説明す
ると、図1はその縦断面図、図2はその差動制限機構を
そなえた車両の駆動トルク伝達系の全体構成図である。
【0013】まず、図2を参照してこのダブルピストン
型油圧式差動制限機構をそなえた車両の駆動系の全体構
成を説明すると、図2において、符号2はエンジンであ
って、このエンジン2の出力はトルクコンバータ4及び
自動変速機6を介して出力軸8に伝達される。出力軸8
の出力は、中間ギヤ10を介して前輪と後輪とのエンジ
ントルクを所要の状態に配分する作動装置としての遊星
歯車式差動装置12に伝達される。この遊星歯車式差動
装置12の出力は、一方において減速歯車機構19,前
輪用の差動歯車装置14を介して車軸17L,17Rか
ら左右の前輪16、18に伝達され、他方においてベベ
ルギヤ機構15,プロペラシャフト20及びベベルギヤ
機構21,後輪用の差動歯車装置(リヤディファレンシ
ャル)22を介して車軸25L,25Rから左右の後輪
24,26に伝達されるようになっている。そして、ダ
ブルピストン型油圧式差動制限機構としての油圧多板ク
ラッチ機構28は、遊星歯車式差動装置12に付設さて
いる。
【0014】遊星歯車式差動装置12は、従来周知のも
のと同様にサンギヤ121と、同サンギヤ121の外方
に配置されたプラネタリギヤ122と、同プラネタリギ
ヤ122の外方に配置されたリングギヤ123とを備え
、プラネタリギヤ122を支持するキャリア125に自
動変速機6の出力軸8の出力が入力され、サンギヤ12
1は前輪用出力軸27および減速歯車機構19を介して
前輪用差動歯車装置14に連動され、リングギヤ123
は後輪用出力軸29およびベベルギヤ機構15を介して
プロペラシャフト20に連動されている。
【0015】また、油圧多板クラッチ機構28は、サン
ギヤ121(又はリングギヤ123)とキャリア125
との間に介装されており、自身の油圧室に作用される制
御圧力によって摩擦力が変わり、サンギヤ121(又は
リングギヤ123)とキャリヤ125との差動を拘束す
るようになっている。
【0016】この遊星歯車式差動装置12は、油圧多板
クラッチ機構28を完全フリーの状態からロックさせた
状態まで適宜制御することにより、前輪側及び後輪側へ
伝達されるトルクを、前輪:後輪が約32:68程度か
ら50:50の間で制御することができるようになって
いる。なお、完全フリー状態での前輪:後輪の値:約3
2:68は、遊星歯車の前輪側及び後輪側の入力歯車の
歯数比等の設定により規定されるが、ここでは、油圧多
板クラッチ機構28の油圧室内の圧力がゼロで完全フリ
ーの状態のときには約32:68となるように設定され
ている。
【0017】このように、後輪をベースとしたトルク配
分から前後輪均一のトルク配分までの範囲でトルク制御
を行なうのは、車両の操縦性と走行安定性とを兼ね備え
るように考慮したものであり、例えば、旋回初期には気
持ち良く曲がり始めるようにしながら、旋回後半では車
両の挙動を安定させながら旋回を完了できるようにめる
ようにしたい。このためには、通常時は、後輪寄りのト
ルク配分として旋回の応答性を確保しながら、そのまま
では走行安定性が損なわれるような場合に、その度合い
に応じて前輪へのトルク配分を増加させるようにすれば
よい。後輪をベースとしたトルク配分から前後輪均一の
トルク配分までの範囲でトルク制御を行な得るようにし
ているのである。
【0018】また、この完全フリー状態での比(約32
:68)は、前輪系と後輪系との負荷バランス等によっ
て変化するが通常はこのような値となる。また、油圧室
内の圧力が設定圧(9kg/cm2)とされて油圧多板
クラッチ機構28がロック状態にあって、差動制限が実
質的にゼロとなると、前輪と後輪とのトルク配分は、5
0:50となって直結状態となる。
【0019】符号30はステアリングホイール32の中
立位置からの回転角度、即ちハンドル角θを検出するハ
ンドル角センサ、34a,34bはそれぞれ車体の前部
および後部に作用する横方向の加速度Gyf,Gyrを
検出する横加速度センサであり、この例では、2つの検
出データGyf,Gyrを平均して横加速度データとし
ているが、車体の重心部付近に横加速度センサ34を1
つだけ設けて、この検出値を横加速度データとしてもよ
い。36は車体に作用する前後方向の加速度Gxを検出
する前後加速度センサ、38はエンジン2のスロットル
開度θtを検出するスロットルポジションセンサ、39
はエンジン2のエンジンキースイッチ、40、42、4
4、46はそれぞれ左前輪16、右前輪18、左後輪2
4、右後輪26の回転速度を検出する車輪速センサであ
り、これらスイッチ及び各センサの出力はコントローラ
48に入力されている。
【0020】符号50はアンチロックブレーキ装置であ
り、このアンチロックブレーキ装置50はブレーキスイ
ッチ50Aと連動して作動する。つまり、ブレーキペダ
ル51の踏込時にブレーキスイッチ50Aがオンとなる
と、これに連動してアンチロックブレーキの作動信号が
出力されて、アンチロックブレーキ装置50が作動する
。また、アンチロックブレーキの作動信号が出力される
ときには同時にその状態を示す信号がコントローラ48
に入力されるように構成されている。また、52はコン
トローラ48の制御信号に基づき点灯する警告灯である
【0021】符号54は油圧源、56は圧力制御弁系(
以下、圧力制御弁と略す)であり、この圧力制御弁56
は、油圧源54と油圧多板クラッチ機構28の油圧室(
この油圧室については後述する)147,148との間
に介装されてており、コントローラ48からの制御信号
により制御される。
【0022】また、この自動車には自動変速機がそなえ
られており、符合160は自動変速機のシフトレバー1
60Aの選択シフトレンジを検出するシフトレバー位置
センサ(シフトレンジ検出手段)であり、この検出情報
もコントローラ48に送られる。さらに、エンジン回転
数センサ(エンジン回転速度センサ)170で検出され
たエンジン回転数Neやトランスミッション回転数セン
サ(トランスミッション回転速度センサ)180で検出
されたトランスミッション回転数Ntもコントローラ4
8に送られる。
【0023】なお、コントローラ48は、図示しないが
後述する制御に必要なCPU、ROM、RAM、インタ
フェイス等を備えており、上述の各センサからの情報に
基づいて、警告灯52や圧力制御弁56やリヤディファ
レンシャル22を制御するようになっている。
【0024】センタデフ12は、遊星歯車式センタデフ
であって、この遊星歯車機構は、サンギヤ121と、こ
のサンギヤ121の周囲に設置された複数のプラネタリ
ピニオン(プラネタリギヤ)122と、プラネタリピニ
オン122の周囲に設置されたリングギヤ123と、プ
ラネタリピニオン122を回転支持するプラネットキャ
リヤ125とをそなえいる。
【0025】サンギヤ121は、中空軸27aに一体に
設けられており、この中空軸27aは前輪用出力軸27
とともに中空軸145とセレーション結合しており、前
輪用出力軸27は、この中空軸145を介してサンギヤ
121及び中空軸27aと一体回転するようになってい
る。
【0026】また、リングギヤ123は、連結部材13
0に一体に結合され、さらに、この連結部材130が後
輪用出力軸29とセレーション結合せれており、後輪用
出力軸29は、この中空軸145を介してリングギヤ1
23と一体回転するようになっている。
【0027】プラネットキャリヤ125は、トランスミ
ッション6,カウンタギヤ10及び入力ギヤ113を介
してエンジンから出力された駆動力を受ける入力ケース
124に、これと一体回転するように接続されている。 そして、このキャリヤ125には、それぞれピニオンシ
ャフト126を介して複数のプラネタリピニオン122
が回転自在に装着されている。
【0028】したがって、エンジンから出力された駆動
力は、入力ケース124からプラネットキャリヤ125
に入って、プラネタリピニオン122の公転及び自転を
通じて、サンギヤ121から前輪用出力軸27へ、及び
、リングギヤ123から後輪用出力軸29へと配分され
るようになっている。
【0029】油圧多板クラッチ機構28は、センタデフ
12の入力側であるキャリヤ125と、前輪への出力側
である前輪用出力軸27との間に設けられており、キャ
リヤ125に装着された多数のディスクプレート28b
と、前輪用出力軸27側のクラッチケース146に装着
された多数のディスクプレート28aとが、交互に並設
され、これらのディスクプレート28a,28bからな
る多板クラッチが、その係合状態を油圧により調整され
るようになっている。
【0030】このため、油圧多板クラッチ機構28には
、油圧駆動機構140が付設されている。この油圧駆動
機構140は、多板クラッチ28a,28bを押圧しう
るように設けられた環状の2つの油圧ピストン(第1の
ピストンと第2のピストン)141,142と、これら
のピストン141,142を押圧するように各ピストン
141,142に隣接して設けられた環状の2つの油圧
室(第1の油圧室と第2の油圧室)147,148とを
そなえている。
【0031】そして、第1のピストン141及び第2の
ピストン142は、クラッチケース146内に装着され
たピストンケース145aの内部に摺接して設けられて
おり、第1のピストン141は、多板クラッチ28a,
28bに当接して配設され、第2のピストン142は、
第1のピストン141に当接して第1のピストン141
を介して多板クラッチ28a,28bを押圧できるよう
に配設されている。なお、ピストンケース145aは中
空軸145の外周に突出するようにして形成されている
【0032】また、これらの第1のピストン141と第
2のピストン142との間には、環状の仕切り壁143
が介設されている。この仕切り壁143は、その内周部
を中空軸145の外周に回転自在に摺接した環状の部材
であり、ピストンケース145aの基部と中空軸145
の外周に装着されたワッシャ143aとによってその内
周部の両端を当接され軸方向への移動を拘束されている
【0033】そして、第1のピストン141と仕切り壁
143との間には、第1のピストン141の後面,第2
のピストン142の内周面,仕切り壁143の前面及び
中空軸145の外周面とに囲まれて、第1の油圧室14
7が形成されており、第2のピストン142とピストン
ケース145aとの間には、第2のピストン142の後
面及びピストンケース145aの内壁面とに囲まれて、
第2の油圧室148が形成されている。
【0034】第2の油圧室148には、ブラケット11
6に穿設された油通路117が導かれており、また、第
1の油圧室147及び第2の油圧室148は、第2のピ
ストン142に形成された通路144によって連通して
いる。これにより、圧力制御弁56の状態に応じて、油
圧源54からの圧油が、油通路117を通じて第2の油
圧室148へ供給又は排出され、更に、通路144を通
じて第1の油圧室147にも供給又は排出されうるよう
になっている。
【0035】また、仕切り壁143と第2のピストン1
42との間には、油圧室内に生じる遠心油圧を相殺しう
る遠心油圧キャンセル用油室149が形成されている。 この油室149は、外周を閉塞された環状油室として構
成され、中空軸145から後輪用出力軸29に渡って形
成された通路149a,149b,149c,149d
,29aを通じて外気と連通しており、油室149内に
内蔵された油が油室149の内周部分でほぼ大気圧にな
るように設定されている。
【0036】さらに、第1のピストン141と、中空軸
145の外周に装着されたリテーナ150aとの間には
、リターンスプリング150が介装されており、第1の
ピストン141及び第2のピストン142を後退方向に
付勢している。したがって、第1の油圧室147及び第
2の油圧室148内の油圧が低下すると、このリターン
スプリング150の付勢力によって、第1のピストン1
41及び第2のピストン142が後退するようになって
いる。
【0037】なお、符号113は入力ギヤ、114a,
114b,114dは軸受、131は支持部材、133
はOリングである。
【0038】本発明の一実施例としてのダブルピストン
型油圧式差動制限機構は上述のように構成されているの
で、例えば、油圧多板クラッチ機構28を完全に結合し
て直結4輪駆動の状態にする場合には、コントローラ4
8からの制御信号により圧力制御弁56が油圧供給状態
に制御され、第1の油圧室147及び第2の油圧室14
8内へ油圧が供給される。これにより、第1のピストン
141及び第2のピストン142は、リターンスプリン
グ150の付勢力に抗して油圧駆動され、ディスクプレ
ート28a,28bが互いに結合される。
【0039】一方、クラッチ機構28を完全フリーにし
て後輪主体の4輪駆動状態にする場合には、コントロー
ラ48からの制御信号により圧力制御弁56が、油圧排
出状態に制御され、第1の油圧室147及び第2の油圧
室148内の油圧が排出される。これにより、第1のピ
ストン141及び第2のピストン142は、リターンス
プリング150の付勢力によって駆動され、ディスクプ
レート28a,28bが互いに完全に離隔する。
【0040】また、油圧多板クラッチ機構28を半結合
状態にして前輪と後輪とへのトルク配分を上述の2つの
例の中間的なものにするには、コントローラ48からの
制御信号により圧力制御弁56が、適当な時間だけ油圧
供給状態又は油圧排出状態に制御され、第1の油圧室1
47及び第2の油圧室148内の油圧が所定の大きさに
調整される。これにより、第1のピストン141及び第
2のピストン142は、第1の油圧室147及び第2の
油圧室148内の油圧とリターンスプリング150の付
勢力とが均衡する状態に保持されて、ディスクプレート
28a,28bが適当な半結合状態になる。
【0041】このようにして、第1の油圧室147及び
第2の油圧室148内の油圧を調整することにより、前
輪及び後輪へのトルク配分が調整されるが、第1の油圧
室147及び第2の油圧室148はともに回転している
ので、これらの油圧室147,148内の外周部分には
遠心油圧が生じるが、第1の油圧室147及び第2の油
圧室148の間に設けられた油室149内の外周部分に
も遠心油圧が生じ、この遠心油圧が、第1の油圧室14
7及び第2の油圧室148内の遠心油圧に対抗してこれ
らを相殺するように遠心油圧キャンセル圧としてはたら
く。
【0042】つまり、第1の油圧室147及び第2の油
圧室148の内部に生じる遠心油圧は、第1のピストン
141及び第2のピストン142の後退を妨げるように
、即ち、リターンスプリング150の付勢力に対抗する
側に作用するのに対して、油室149の内部に生じる遠
心油圧(遠心油圧キャンセル圧)は、第1のピストン1
41及び第2のピストン142を後退させるように、即
ち、リターンスプリング150の付勢力を助成するよう
に作用する。
【0043】この例では、遠心油圧キャンセル用油室1
49内のキャンセル圧が第2のピストン142の前面に
加わり、第2のピストン142を通じて第1のピストン
141及び第2のピストン142に加わって、第1の油
圧室147及び第2の油圧室148の遠心油圧をほぼ半
減させるように作用する。
【0044】したがって、リターンスプリング150に
要求される剛性もそれだけ小さなものになり、リターン
スプリング150を小型化でき、装置自体の小型化及び
軽量化やコストの低減に寄与しうる利点や、ピストンの
有効範囲を増大させることができる利点がある。
【0045】なお、遠心油圧キャンセル用油室149を
第1のピストン141の前面に設けて、遠心油圧キャン
セル圧が第1のピストン141の前面に加わって、これ
により、第1の油圧室147及び第2の油圧室148の
遠心油圧を減少させるようにしてもよい。
【発明の効果】以上詳述したように、本発明のダブルピ
ストン型油圧式差動制限機構によれば、車両の差動装置
に設けられて油圧駆動される油圧式差動制限機構におい
て、この油圧式差動制限機構を油圧駆動する油圧駆動系
が、油圧式差動制限機構に当接して押圧しうるように配
設された第1のピストンと、この第1のピストンを介し
て該多板クラッチを押圧しうるように該第1のピストン
の後方に配設された第2のピストンと、該第1のピスト
ンの後側に設けられた第1の油圧室と、該第2のピスト
ンの後側に設けられた第2の油圧室と、上記2つのピス
トンを油圧に抗して復帰させるリターンスプリングとを
そなえて構成され、上記第1のピストン又は上記第2の
ピストンに加わって上記第1の油圧室又は上記第2の油
圧室の内部に生じる遠心油圧に抗するようにはたらく遠
心油圧キャンセル圧を発生しうる遠心油圧キャンセル用
油室が設けられるという構成により、第1の油圧室又は
第2の油圧室に生じる遠心油圧が低減されるようになり
、リターンスプリングを小型化できることにより、装置
自体の小型化及び軽量化やコストの低減に寄与しうる利
点や、ピストンの有効範囲を増大させることができる利
点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例としてのダブルピストン型油
圧式差動制限機構を示す縦断面図である。
【図2】本実施例のダブルピストン型油圧式差動制限機
構をそなえた車両の駆動トルク伝達系の全体構成図であ
る。
【符号の説明】
2  エンジン 4  トルクコンバータ 6  自動変速機 8  出力軸 10  中間ギヤ(トランスファーアイドラギヤ)12
  センタディファレンシャル(センタデフ)14  
前輪用の差動歯車装置 15  ベベルギヤ機構 15A  ベベルギヤ軸 15a  ベベルギヤ 16,18  前輪 17L,17R  前輪側車軸 19  減速歯車機構 19a  出力歯車 20  プロペラシャフト 21  ベベルギヤ機構 22  後輪用の差動歯車装置としてのリヤディファレ
ンシャル(EMCD) 23  差動制限装置 24  左側後輪 26  右側後輪 25L,25R  後輪用車軸 27  前輪用出力軸 27a  中空軸部材 28  差動制限機構 28a,28b  クラッチディスク 29  後輪用出力軸 30,30a,30b,30c  ハンドル角センサ3
2  ステアリングホイール 34,34a,34b  横加速度センサ36  前後
加速度センサ 38  スロットルセンサ 39  エンジンキースイッチ 40,42,44,46  車輪速センサ48  コン
トローラ 48a  リヤデフ制御部 50  アンチロックブレーキ装置 50A  ブレーキスイッチ 113  入力ギヤ 114a,114b,114d  軸受116  ブラ
ケット 117  油通路 121  サンギヤ 122  プラネタリピニオン(プラネタリギヤ)12
3  リングギヤ 125  プラネットキャリア 126  ピニオンシャフト 130  連結部材 131  支持部材 133  Oリング 140  油圧駆動機構 141  第1のピストン 142  第2のピストン 143  仕切り壁 143a  ワッシャ 144  通路 145  中空軸 145a  ピストンケース 146  クラッチケース 147  第1の油圧室 148  第2の油圧室 149  遠心油圧キャンセル用油室 149a,149b,149c,149d  通路15
0  リターンスプリング 150a  リテーナ 160  シフトレバー位置センサ(シフトレンジ検出
手段) 160A  自動変速機のシフトレバー162  アク
セルペダル 170  エンジン回転数センサ 172  エンジン負荷センサ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】車両の差動装置に設けられて油圧駆動され
    る油圧式差動制限機構において、この油圧式差動制限機
    構を油圧駆動する油圧駆動系が、油圧式差動制限機構に
    当接して押圧しうるように配設された第1のピストンと
    、この第1のピストンを介して該多板クラッチを押圧し
    うるように該第1のピストンの後方に配設された第2の
    ピストンと、該第1のピストンの後側に設けられた第1
    の油圧室と、該第2のピストンの後側に設けられた第2
    の油圧室と、上記2つのピストンを油圧に抗して復帰さ
    せるリターンスプリングとをそなえて構成され、上記第
    1のピストン又は上記第2のピストンに加わって上記第
    1の油圧室又は上記第2の油圧室の内部に生じる遠心油
    圧に抗するようにはたらく遠心油圧キャンセル圧を発生
    しうる遠心油圧キャンセル用油室が設けられていること
    を特徴とする、ダブルピストン型油圧式差動制限機構。
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