JPH04262724A

JPH04262724A - 養殖漁網の塗装方法

Info

Publication number: JPH04262724A
Application number: JP3024652A
Authority: JP
Inventors: Kazuya Ogawa; 小川　量也
Original assignee: Iwaki Kogyo Co Ltd
Current assignee: Iwaki Kogyo Co Ltd
Priority date: 1991-02-19
Filing date: 1991-02-19
Publication date: 1992-09-18

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は養殖漁網の塗装方法に関
する。

【０００２】

【従来の技術】魚類等の養殖に用いるイケス網にアオサ
やホヤやノリといった海中の動植物が多数付着すると、
海水の自然流通が悪化してイケス内の水質が悪化したり
酸素欠乏状態に陥り、そのために魚類等が死亡したり、
成長が遅れたりする。そこで、従来は海中で頻繁に漁網
の清掃を行って付着生物を除去するか、さもなくば短期
間で新しい網と交換しなければならないなど、多大なる
労力と時間及び費用を余儀なくされていた。

【０００３】また、最近は、生物付着防止を目的とした
漁網専用の防汚塗料が開発され、その使用度が急激に延
びている。しかし、この種の防汚塗料は、塗膜から溶出
する防汚剤成分の作用によって海中生物の付着を防止す
るものであって、無機銅化合物や有機錫化合物等を含む
ため、一般に極めて毒性が強い。そのため、海洋が汚染
され、さらには食物連鎖による人体への蓄積の危険性も
あって、大きな社会問題を引き起こしている。

【０００４】一方、従来から原子力発電所の取水口など
に塗る塗料として使用されているシリコン系合成樹脂塗
料（例えば、中国塗料株式会社　　商品名バイオクリン
）は、臨界表面張力が小さいシリコンの特性を利用した
ものであって、海中生物の付着を阻止することができ、
しかも無毒，無公害であることが知られている。また、
シリコン系樹脂塗料はそれ自体被塗面に対する付着性が
良くないことから、下地塗料としてあるいは中塗り塗料
として塩化ゴム系，塩化ビニル系，エポキシ系，タール
系等の各種塗料を被塗面の材質や下塗りの防食塗料の種
類に合わせて使い分けることが行われている。なお、特
公昭５９−４８０６５号公報には、この種シリコン系樹
脂塗料を塗装する際の中塗り塗料の具体的組成例が開示
されている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】上述のように、シリコ
ン系樹脂塗料が海中生物の付着を防止できる無毒，無公
害の塗料であることは知られているが、従来、この種シ
リコン系樹脂塗料は原子力発電所の取水口のような特殊
な海洋構造物に使用される例があるだけであり、理論的
にはその他船舶等に広く用途が考えられるものの、耐久
性，付着力，価格等の点で問題もあり、また、下地塗料
との適合性などが十分に検証されていないこともあって
、他の分野では実際に用いられた例が殆どない。特に、
漁網については、取水口や他の海洋構造物と比較して被
塗装物としての条件が特殊であるため、シリコン系樹脂
塗料を防汚のために用いようという試みがなされること
は少なく、また、そのような試みが行われた場合でも、
やはり十分な効果が得られないという結果に終わってい
た。

【０００６】本発明は、上記問題点に鑑みてなされたも
のであって、無毒，無公害のシリコン系樹脂塗料を養殖
漁網の防汚用塗料として十分に活用できるようにするた
めの塗装方法を得ることを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明者は、シリコン系
合成樹脂塗料が養殖漁網のための無毒，無公害の防汚塗
装として有効であることを検証し、特に、塩化ゴム系の
下地塗料を塗った上にシリコン系合成樹脂塗料を塗るよ
うにした場合に、海中生物付着防止の効果が高くなり、
また、塗膜相互の付着性も十分で耐久性も高いことを見
いだした。そこで、海中生物の付着を防止するため、養
殖漁網に塩化ゴム系の下地塗料を塗り、その上にシリコ
ン系合成樹脂塗料を塗るようにした。下地および上塗り
のそれぞれの塗料ははけ塗りで行える。

【０００８】

【作用】下地として塩化ゴム系の塗料が塗られ、その上
にシリコン系合成樹脂塗料が塗られた養殖漁網は、シリ
コンが臨界表面張力が小さいという特性を有することに
よって、また、この上塗り塗料と塩化ゴム系下地塗料と
が適合することによって、海中生物等が付着しにくくな
り、また、付着しても、海水の揺動によって脱落しやす
いし、揺さぶったり水をかけることによって簡単に除去
できるようになる。また、耐久性があり、長期間使用が
可能である。

【０００９】また、使用する塗料は人体に無害であるた
め、安全に塗装作業が行え、また、海中においても有毒
物質を溶出しないので、海洋環境汚染等の心配がない。

【００１０】

【実施例】以下、本発明の一実施例を具体的に説明する
。

【００１１】この実施例では、まず、ポリエチレン製の
養殖漁網の表面に下地として塩化ゴム樹脂系塗料（例え
ば、中国塗料株式会社　　商品名ラバックス）をはけで
塗る。この下塗りは、はけの一回塗りでよく、塗膜の厚
さは５０〜１００μｍ程度とする。

【００１２】そして、下地塗料が自然乾燥したあと、上
塗りとしてシリコン系合成樹脂塗料（例えば、中国塗料
株式会社　　商品名バイオクリン）をはけで塗る。この
上塗りもまた、はけの一回塗りで行う。ただし、厚さ１
００〜２００μｍ程度となるようにゆっくりと塗り、自
然乾燥させる。なお、下地塗料および上塗り塗料には塗
料間の付着性を高めるための添加剤を混入する。

【００１３】つぎに、上記方法による防汚塗装の効果を
示す試験例を説明する。

【００１４】表１は、ポリエチレン製の漁網の各種塗装
方法を下塗り塗料と上塗り塗料によって区分して示して
いる。上記実施例の方法はこの表の６に該当する。

【００１５】

【表１】

【００１６】上記表１の各種塗装方法によって塗装し塗
装後６時間以上経過した漁網を海中に５カ月浸漬して海
中生物の付着状況を目視観察した結果は表２のとおりで
あった。この表で■〜■は表１の１〜７にそれぞれ対応
する。また、この表で△は付着がわずか、○は付着が少
し多い、また、◎は付着が非常に多いことをそれぞれ示
している。

【００１７】

【表２】

【００１８】上記試験結果から、塩化ゴム系の下地塗料
を塗った上にシリコン樹脂系塗料を塗ったものは、海中
生物等の付着割合（面積比）が２５％程度と小さく、防
汚効果の高いことがわかる。

【００１９】

【発明の効果】本発明の方法によって養殖漁網に防汚塗
装を行うと、海中生物等が付着しにくくなり、また、付
着しても、海水の揺動によって脱落しやすいし、揺さぶ
ったり、水をかけることによって簡単に除去できるよう
になる。また、耐久性があり、長期間使用が可能である
。しかも、使用する塗料は人体に無害であるため、安全
に塗装作業が行え、また、海中においても有毒物質を溶
出しないので、海洋環境汚染等の心配がない。

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】　　養殖漁網に塩化ゴム系の下地塗料を塗
り、その上にシリコン系合成樹脂塗料を塗ることを特徴
とする養殖漁網の塗装方法。