JPH0426196Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、基準面（加工面）の異なる複数種類
のワークを同一の機械設備で加工する際のワーク
の着座確認装置に関するものである。

〔従来の技術〕

従来、上記ワークの着座確認は、実開昭58−
52050号公報に示すように、ワークごとにこれに
合つた基準金具を設置し、該基準金具に設けた着
座確認用の吹出口から検出系給気を吹き出して前
記基準金具に載置したワークの正常な設置姿勢を
検出することにより行つていた。

また、この種の装置としては、実開昭57−
136631号として、正基準孔が挿入されるノツクピ
ンを移動させる装置と、移動後のノツクピンの位
置をワーク別に確認する機構と、識別部の形状の
差異によりワークの種類を確認する機構とからな
るものが提案されている。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかしながら、上記実開昭58−52050号公報の
考案においては、ワークが異なる毎に別個の基準
金具を設置する必要があるため手数がかかり、能
率の点で問題があると考えられる。

又、後者の実開昭57−136631号のものは、装置
として複雑であるばかりでなく、正基準孔とこれ
に最も近い加工孔との距離及び識別部の形状の相
違によつて異なるワークの位置決めを確認するも
のであつて、加工の基準面の位置の相違によつて
ワークの着座を確認するものではない。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案は上記に鑑み、基準面の異なる複数種類
のワークを同一の着座確認装置により確認するこ
とができるばかりでなく、装置とし比較的簡単な
ものを提供せんとして案出されたものであり、そ
の要旨は、ノブ軸の回転によりその左右に配設し
た一対の回転体を夫々回転させる回動機構と、該
回転体に前後に連通するエアノズルを備え前面を
ワーク基準面との当接面とした長さの異なる複数
種類のロツドを同一円上に夫々取付け、前記エア
ノズルの一つの後部開口端と対応する唯一のエア
通路を外部エア通路と連通したことを特徴とする
ワークの着座確認装置にある。

（作用） 而して、回転体を回転させることにより適正長
さを有するロツドを選択して、この内部のエアノ
ズルと唯一のエア通路とを連通させ、このロツド
前面の当接面とワークの基準面とが当接すること
によるエアの流れの閉鎖を検出スイツチで検出し
てワークの着座を確認することにより、回転体を
回転させることで、しかも唯一のエア通路及びこ
れに取付けた一つの検出スイツチで異なる種類の
ワークの着座を確実に確認するものである。

〔実施例〕

図面は本案装置の一実施例を備えた加工機械の
要部を示すもので、加工機本体１の前方には、こ
のベース２の上方に着座させて加工を施すワーク
Ｗの着座を確認するための確認用治具３が枢軸４
を介して上下方向に回転自在に支承されて配設さ
れているとゝもに、この確認用治具３の内部には
左右一対の本案確認装置５，５が装着されてい
る。

即ち、確認装置５はスリーブ状支持体６と、こ
の支持体６に回転自在に支承された回転体７と、
この回転体７の後面に前部基端を夫々螺合させて
同一円上に取付けた長さの異なる第一，第二及び
第三のロツド８，９及び１０とから主に構成され
ている。この第一、第二及び第三のロツド８，９
及び１０の回転体６の前面からの突出長さは、
夫々L₁，L₂及びL₃（L₁＜L₂＜L₃）となるよう設定
され、その前面８ａ，９ａ及び１０ａはワークＷ
の基準面Ｆとの当接面となるよう構成されている
と共に、内部には前後に連通したエアノズル８
ｂ，９ｂ及び１０ｂが夫々形成され、またこのエ
アノズル８ｂ，９ｂ及び１０ｂの一つの後端開口
部と対応する上記支持体６の内部には唯一のエア
通路６ａが形成され、このエア通路６ａは外部エ
ア通路１１と連通するよう構成されている。

しかして、、エア通路６ａと一つのエアノズル
８ｂ，９ｂ及び１０ｂとを連通させてこの中に外
部エア通路１１からのエアを流通させ、第一、第
二及び第三のロツド８，９又は１０の前面８ａ，
９ａ及び１０ａとワークＷの基準面Ｆとが当接す
ることに伴うエアの閉鎖を検出スイツチ（図示せ
ず）で検出することによりワークＷの着座を確認
し、回転体７を回転させることにより適正長さを
有する第一、第二及び第三のロツド８，９又は１
０を選択して、このエアノズル８ｂ，９ｂ及び１
０ｂと唯一のエア通路６ａとを連通させることに
より、第一、第二及び第三のロツド８，９又は１
０の回転体７からの突出量L₁，L₂又はL₃を任意
に選択して、複数種類のワークＷの着座の確認を
回転体７を回転させることにより簡単に、しかも
唯一のエア通路及びこれに検出スイツチを一つだ
け取付けることにより行えるよう構成されている
のである。

上記確認用治具３の後面に突出してノブ１２が
備えられ、このノブ１２のノブ軸１３には駆動ギ
ア１４が、また上記一対の回転体７，７の後端に
は、この駆動ギア１４と噛み合う被動ギア１５，
１５が夫々固着され、ノブ１２を回転させること
により駆動ギア１４及び被動ギア１５，１５を介
して回転体７，７を同時に内方又は外方に回転さ
せるよう構成されている。

なお、図示されていないが、ノブ軸１３の後端
には凹部が形成されているとゝもに、この凹部に
嵌入自在な剛球が装着され、各回転体７の回転に
伴つて上記エアノズル８ｂ，９ｂ又は１０ｂとエ
ア通路６ａとが対向した位置にある時に、この剛
球が凹部内に嵌入して、この状態でノブ軸１３の
一時係止が行えるよう構成されている。

また、確認用治具３がワークＷの前方にあつて
この着座を確認する時、この確認装置５，５の最
上方にある第一ロツド８，８の前面８ａ，８ａが
夫々ワークＷの基準面Ｆの側部下端に夫々当接す
ることにより、他のロツド９及び１０の誤操作や
これらが邪魔となつてしまうことが防止されてい
る。

而して、ノブ１２を手で回転させることにより
各回転体７を同時に回転させ、ワークＷの種類に
合わせて上記のように第一，第二及び第三のロツ
ド８，９又は１０の回転体７からの突出量L₁，
L₂又はL₃を任意に選択し、この状態で確認用治
具３を枢軸４を介して上方に回転させてベース２
の前方に位置させ、所定のワークＷが所定の位置
にあることを確認した後、ワークＷの基準面Ｆの
カツタＣにより切削加工及び孔明け加工等を施
し、この加工終了後に確認用治具３を下方に回転
させるのである。

〔考案の効果〕

本考案に係るワークの着座確認装置は、上記の
ように、ノブ軸の回転によりその左右に配設した
一対の回転体を夫々回転させる回動機構と、該回
転体に前後に連通するエアノズルを備え前面をワ
ーク基準面との当接面とした長さの異なる複数種
類のロツドを同一円上に夫々取付け、前記エアノ
ズルの一つの後部開口端と対応する唯一のエア通
路を外部エア通路と連通した構成であるので、装
置として比較的簡単であるばかりでなく、単純な
操作によつて異なるワークの着座をその基準面を
基準として確実に確認できるといつた諸効果があ
る。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を備えた加工機械の要
部を示し、第１図は一部切断の側面図、第２図は
平面図、第３図は正面図である。 １……加工機本体、２……同ベース、３……確
認用治具、５……確認装置、６……支持体、６ａ
……同エア通路、７……回転体、８，９，１０…
…ロツド、８ａ，９ａ，１０ａ……同前面（当接
面）、８ｂ，９ｂ，１０ｂ……同エアノズル、１
１……外部エア通路、１２……ノブ、１３……ノ
ブ軸、１４，１５……ギア。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ノブ軸の回転によりその左右に配設した一対の
   回転体を夫々回転させる回動機構と、該回転体に
   前後に連通するエアノズルを備え前面をワーク基
   準面との当接面とした長さの異なる複数種類のロ
   ツドを同一円上に夫々取付け、前記エアノズルの
   一つの後部開口端と対応する唯一のエア通路を外
   部エア通路と連通したことを特徴とするワークの
   着座確認装置。