JPH04251437A - 磁気ディスク用基板の製造方法 - Google Patents

磁気ディスク用基板の製造方法

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JPH04251437A
JPH04251437A JP14955191A JP14955191A JPH04251437A JP H04251437 A JPH04251437 A JP H04251437A JP 14955191 A JP14955191 A JP 14955191A JP 14955191 A JP14955191 A JP 14955191A JP H04251437 A JPH04251437 A JP H04251437A
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JP
Japan
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shaped glass
glass plate
magnetic disk
disk
manufacturing
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JP14955191A
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Inventor
Tomoya Takigawa
滝川 具也
Shun Kijima
駿 木島
Shigeru Muramoto
村本 滋
Akihiko Tashiro
田代 彰彦
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AGC Inc
Original Assignee
Asahi Glass Co Ltd
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  • Surface Treatment Of Glass (AREA)
  • Manufacturing Of Magnetic Record Carriers (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ディスク状ガラス板の
表面に凹凸を形成する方法に関するものである。特に、
本発明の方法により表面に凹凸を形成したディスク状ガ
ラス板は、磁気ディスク用基板として用いることができ
る。
【0002】
【従来の技術】ディスク状の基板の上に磁性膜と保護膜
を形成した磁気記録媒体(以下、メディアと称する。)
と、記録再生用磁気ヘッド(以下、ヘッドと称する。)
は、ハードディスクドライブ装置の主構成部を成してい
る。操作開始時にはヘッドとメディアは接触状態にあり
、メディアの回転中は空気抵抗によってヘッドがメディ
ア表面から浮上する。操作終了時にはヘッドは再びメデ
ィアに接触する。この方式をコンタクトスタートストッ
プ(CSS)方式と呼んでいる。
【0003】メディアの表面が平滑であると、ヘッドは
メディアに吸着して(この現象をヘッドスティックと称
する。)ヘッドクラッシュを生じる因となる。機械的な
方法等によって予めメディアの表面に微細な凹凸を形成
しておけば、ヘッドとメディア間の摩擦係数が減じて、
ヘッドスティックの発生を防止することができる。
【0004】磁気ディスク基板の材質は、アルミニウム
合金が広く用いられるが、ガラスはアルミニウムに比べ
剛性が高いことから、基板の厚みを減らしてもメディア
に要求される高度な平坦性を損なわずに済み、従ってド
ライブ装置の小型化が期待される。
【0005】基板にガラスを用いた場合も、ヘッドステ
ィックを防止するため、メディアの表面に微細な凹凸を
形成する必要がある。ガラス磁気ディスクは高記録密度
のメディア(例えば磁性膜をスパッタリング法により1
000Å以下の厚みに基板上に形成する薄膜メディア)
の基板に適している。この場合、磁性膜に凹凸を形成す
ることは難しく、基板に凹凸を形成しておく必要がある
【0006】凹凸の形成方法として、機械的な擦傷を基
板表面に与える方法は、基板の材質がガラスの場合には
、アルミニウム合金またはアルミニウム合金上のニッケ
ル燐合金に擦傷を与える場合と比較して、基板表面が塑
性流動する度合が小さく、表面に無数のマイクロクラッ
クを発生させるため、このクラック中に吸蔵された水分
や洗浄液が、磁性膜に悪影響(コロージョン)を及ぼす
恐れがある。
【0007】ガラス表面に凹凸を形成する方法として、
薬品を用いて化学的に処理する方法が広く知られている
。工業的に実用化されている方式のほとんどは、フッ化
水素酸またはフッ素化合物の水溶液中にガラスを浸漬す
る方式である。この方式では、ガラス表面の凹凸の山の
高さが、メディアに必要とされる50〜1000Åの範
囲、さらに好ましくは 100〜400 Åの範囲に揃
えることが難しく、一般にはノングレアやフロストガラ
スに見られるように、Rmax で1000Åを超す凹
凸を形成するのに向いている。
【0008】アルカリまたはアルカリ土類の金属を含む
ガラスの表面に、酸性ガス、例えばCO2 、SO2 
等を接触させると、ガラスの表面にNa2CO3、Na
HCO3、CaSO4 等の微粒子が生成し、ガラス表
面からNa、Ca 等が除去され、内部よりSiO2に
富み、屈折率がわずかに小さな層を形成する。これはヤ
ケと呼ばれる現象で、生成物を酸洗で除去した後のガラ
ス表面の凹凸は、一般にはSiO2の骨格構造が残され
ているため、メディアに必要とされる上記粗さに達しな
い。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、磁気ディス
ク用ガラス基板、特にCSS特性および静止摩擦特性の
改善された磁気ディスク用ガラス基板の製造方法を提供
することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、前述の問題点
を解決すべくなされたものであり、表面に微小な凹凸を
形成したガラスから成る磁気ディスク用基板の前記凹凸
が、最大高さ(Rmax )が50〜1000Åの範囲
にありかつ 0.1〜10μmの範囲のピッチで形成さ
れている磁気ディスク用基板の製造方法であって、単数
あるいは複数のディスク状ガラス板を回転の中心を共有
するように相互に平行かつ離隔し取外し自在に結合しさ
らに回転軸を設けてディスク状ガラス板集合体を形成し
、該ディスク状ガラス板集合体を前記回転軸を中心とし
て回転させながら、前記ディスク状ガラス板集合体の少
くともディスク状ガラス板間に設けられた吐出管から同
伴ガス中にフッ化水素および水を含有する混合ガスを吐
出させて前記ディスク状ガラス板に該混合ガスを接触さ
せることにより、前記ディスク状ガラス板の表面に前記
の凹凸を形成することを特徴とする磁気ディスク用基板
の製造方法を提供するものである。
【0011】本発明の基板に用いるガラスは、骨格成分
としてSiO2を有する珪酸塩ガラスであればよい。こ
こで、表面に凹凸を形成する以前のガラス板を素板と記
すこととし、凹凸を形成してメディアの用に供するガラ
ス板を基板と記して区別することにする。素板としては
、ソーダ石灰珪酸ガラス、アルカリ含有もしくはアルカ
リを含まないホウ珪酸ガラス、またはSiO2を含むガ
ラスであってSiO2を構成酸化物の重量%で概ね40
%以上含有するものであればよい。
【0012】本発明により基板の表面に形成される凹凸
は、磁気ディスクに要求されるCSS特性と静止摩擦特
性を充足するために、前記凹凸からなる表面粗さの最大
高さ(Rmax )が50Å以上であることが必要であ
る。ここに表面粗さは、JIS B 0601(表面粗
さ)に準拠しており、触針式の表面粗さ計で公称半径 
2.5μmの触針を用い、針荷重25mg,走査速度約
50μm/分で、基準長さを50μmとした条件で測定
して得られるものを採用することにする。
【0013】また、本発明において山のピッチとは、上
述の方法で測定して得た粗さ曲線の隣り合う山頂の間隔
をいう。本発明の方法で製造されたガラス基板の凹凸は
、上述の方法で測定した場合に一つ一つの山頂が比較的
独立しており、山頂の肩に小さな山(突起)を形成する
ことが少ない。このような山頂の肩に形成された小さな
山の上端と、それに隣り合う山頂または山との間に形成
された谷の下端とを結んだ距離が、その部分における山
頂と上記山をはさんで存在する谷底とを結んだ距離の2
0%に達しない時は、該山を山頂とはみなさないことに
する(ここに、山頂、山、谷底、谷の用語は、JIS 
B 0601に準拠する)。
【0014】Rmax が50Åに達せぬ基板は、メデ
ィアとして用いた場合には、静止摩擦特性が悪化するた
め磁気ディスク基板として適さない。一方、本発明によ
り基板の表面に形成される凹凸は、磁気ディスクに要求
される磁気特性を充足するために、Rmax が少なく
とも1000Å以下であることを必要とする。ここに磁
気特性とは、モジュレーションエラー、ミッシングビッ
ト、ビットシフト、S/N比等をいうが、これらの磁気
特性は一般に、CSS特性と静止摩擦特性を悪化させな
い範囲で、基板が平滑な方が良好になる。
【0015】したがって基板に適当な凹凸は、前述の表
面粗さの測定方法を用いた場合に、Rmax が50〜
1000Åの範囲であることが必要であるが、より好ま
しくは50〜 700Å、さらに好ましくは100 〜
400 Åの範囲に保つのがよく、山のピッチは 0.
1〜10μmに一山、さらに好ましくは0.5 〜5μ
mに一山のピッチに保つのがよい。
【0016】この粗さをもたらす方法としては、例えば
アルミニウム磁気ディスクの場合は一般に酸化アルミニ
ウムの砥粒等を用いた研磨を施すことによって達成され
ているが、素板がSiO2を含有するガラスの場合には
、フッ化水素を用いた化学的な方法で、面内に方向性を
有しない凹凸を素板の表面に形成することが可能である
。ここに方向性を有しないとは、本発明の方法により基
板表面に形成された凹凸が、表面粗さの基準長さをディ
スク表面の半径方向、円周方向あるいは任意の方向にと
ったとき、粗さ曲線が方向によって格別の特徴を有しな
いことを云う。
【0017】基板表面に凹凸を形成するために用いられ
る混合ガスは、0.01〜10 mol%のフッ化水素
を含有することが望ましい。さらには、0.01〜10
mol %の水(蒸気)を含有することが望ましい。フ
ッ化水素濃度が 0.01mol%未満の場合には、望
ましい凹凸を得るために長時間のエッチングを必要とし
、10 mol%を超える場合には、エッチング速度が
速すぎて凹凸を制御することが困難であり、望ましくな
い。水(蒸気)濃度が0.01 mol%未満の場合に
は、ガラス表面をエッチングすることが困難であり、1
0 mol%を超える場合には、Rmaxが1000Å
を超えるか、ピッチが10μmを超えるため、望ましく
ない。
【0018】フッ化水素および水(蒸気)の濃度を制御
するためには、同伴ガスがこれらのガスを含まないか、
含まれても微量であることが望ましく、具体的には、露
点0℃以下に調節された空気および液体窒素を蒸発させ
ることにより得られる窒素ガスのうちの少くともいずれ
か一種を使用することが望ましい。
【0019】混合ガスと接触させられるときのディスク
状ガラス板の温度は、5℃以上90℃以下であることが
望ましい。ディスク状ガラス板の温度が5℃未満の場合
には、1000Åを超える大きな凹凸が生じ、90℃を
超える場合には、Rmax が50Å未満となり、望ま
しくない。
【0020】また、工業的利用のためには、基板の表面
に形成された凹凸が、面内および面間でほぼ同一である
基板を再現性良く製造する必要がある。本発明による凹
凸の形成方法は、ガラスとフッ酸蒸気の固気反応を利用
しており、面内および面間で凹凸を均一にするためには
、面内および面間で反応を均一に起こす必要があり、面
内および面間での温度と物質移動の均一化に配慮しなけ
ればならないと考えられる。
【0021】本発明の方法は、この考察に基づいて成さ
れたものである。図1に本発明の一実施例を示す。即ち
、単数あるいは複数のディスク状ガラス板31を回転軸
40を共有させ相互に平行かつ離隔し取外し自在に結合
して串刺し状のディスク状ガラス板集合体30を形成し
、該ディスク状ガラス板集合体30をその回転軸40を
中心として回転させながら前記ディスク状ガラス板集合
体30のディスク状ガラス板間および/または両外側端
に設けられた混合ガス吐出管34から、不活性ガス中に
フッ化水素および水(蒸気)を含有する混合ガスを吐出
させる。
【0022】前記混合ガス吐出管34における混合ガス
を吐出させる吐出口は、吐出管34の先端部分に設ける
ことができる。また、前記吐出口を吐出管34の側部に
少くとも1個、好ましくは複数個設けることができる(
図示せず)が、この場合、該吐出口は前記したディスク
状ガラス板の内周および外周の中央の位置より中心側に
のみ設けるとは限らない。前記側部に吐出口を設ける場
合、吐出管34の先端部分の吐出口は設けなくてもよい
が、必要に応じて設けることもできる。
【0023】上記回転は、熱および物質を均一に移動さ
せるために不可欠なことであり、どちらか一方が欠ける
と、凹凸を均一に形成することができない。ディスク状
ガラス板集合体を形成する際、両端のディスク状ガラス
板をダミー板にすれば、両端の混合ガス吐出管を省略す
ることができる。
【0024】ディスク状ガラス板集合体30は、例えば
、図2に示した如く、ディスク状ガラス板31の中心孔
に内孔を有するホルダー42,43,44を嵌合させ、
該ホルダーの内孔に回転軸39を通し、固定具41およ
びナット40を用いてディスク状ガラス板31を前記ホ
ルダーを介して回転軸39に取外し自在に固定すること
により形成できる。
【0025】ディスク状ガラス板集合体30の形成方法
の別の例としては、図3に示した如く、ディスク状ガラ
ス板31を挟み込むようにホルダー45〜48を連結す
る方法が挙げられる。隣り合うホルダーは中心部のねじ
込みにより連結され、同時に全体として回転軸を形成す
【0026】ディスク状ガラス板集合体30は、回転
の中心を共有する回転軸にディスク状ガラス板が相互に
平行かつ離隔し取外し自在に取付けられているものであ
り、上記例示したものの他適切な形成方法を採用するこ
とができる。
【0027】ディスク状ガラス板の間隔は、2mm以上
10mm以下であることが望ましい。2mm未満の場合
には、ディスク状ガラス板集合体の隣接するガラス板間
に、混合ガスの吐出管を設置することが困難であり、1
00mm より大きい場合には、装置容積が大きくなり
経済的でない。
【0028】混合ガスの吐出管は、隣接するディスク状
ガラス板間の中心に、ディスク状ガラス板の表面と平行
に、かつ、ディスク状ガラス板の回転軸に対して垂直に
設置されることが望ましい。吐出管の設置における、隣
接するディスク状ガラス板間の中心からのずれ、ディス
ク状ガラス板の表面との平行度のずれ、あるいは、ディ
スク状ガラス板の回転軸に対しての垂直度のずれが大き
い場合には、吐出管をはさんで対向する2つのディスク
状ガラス板表面への物質の供給が均一に成されない。
【0029】混合ガスの吐出管の先端はディスク状ガラ
ス板の中心から0.25×(ディスクの内径+ディスク
の外径)の距離の位置(内周および外周の中央の位置)
より中心側にあり、かつホルダーに接触していない。前
記先端とホルダーとの隔たりは 0.5mm以上が好ま
しい。0.5mm 未満の場合には、本発明の目的を達
成すべくディスク状ガラス板集合体の支持体と接触させ
ずに吐出管を設置することが困難であり、また吐出管の
先端部分のみに吐出口を設けた場合にガラス板表面に混
合ガスが有効かつ均一に供給され難い。またその場合、
先端の位置が中心から上記の距離の位置より外側にある
と、ディスク状ガラス板の中心孔付近の表面へのガス供
給が不充分となる。
【0030】
【作用】本発明において、フッ化水素および水(蒸気)
の作用機構は必ずしも明確でないが、これらは、ガラス
表面において、ガラスの骨格構造であるSiO2と反応
してSiF4(ガス)を生成し、その結果、骨格を失っ
た残りの成分(ソーダ石灰珪酸塩ガラスであれば、Na
、Ca、Mg、Al等)は珪フッ化物となって、表面に
多孔質の層を形成し、さらに、フッ化水素および水(蒸
気)はこの層を拡散して内部のSiO2を侵蝕するため
に、この多孔質層がマスクとして働き、微細な凹凸を形
成する効果を生じるものと考えられる。
【0031】
【実施例】以下、本発明を実施例とともに説明する。
【0032】実施例1 本実施例のガラス素板は、ソーダ石灰珪酸塩ガラス(S
iO2を40重量%以上含有)であって、外径 130
mmのディスク状で、厚みが1.9 mmになるように
両面を所定の粗摺研磨と艶出し研磨を行なった後、洗浄
乾燥を行なった。
【0033】この様にして準備したガラス素板3枚を、
図2に示した如く、回転軸39を中心にホルダー42、
43、44、固定具41およびナット40を用いて固定
し、ディスク状ガラス板集合体30を形成した。隣り合
うガラス素板の中心間距離は約13mmである。図1に
示したエッチング槽上部35を取り外した後、前記ディ
スク状ガラス板集合体30をモーター32に取り付け、
再びエッチング槽上部35をエッチング槽36に取り付
けた。
【0034】面状発熱体38および配管加熱用ヒーター
16によってエッチング槽上部35、エッチング槽下部
36、混合ガス供給管33および配管(図示せず)を所
定の温度に制御し、混合ガス吐出管34の先端に設けた
吐出口から窒素ガスを 10 リットル/分で吐出させ
、かつモーター32を駆動してディスク状ガラス板集合
体30を200rpmで回転させながら30分間放置し
た後、所定の濃度、流量および温度に調整された混合ガ
ス(フッ化水素、水蒸気および窒素)を混合ガス吐出管
34の前記吐出口から所定の時間吐出させ、エッチング
を行なった。混合ガス吐出管34の前記吐出口とホルダ
ー42、43、44との隔たりは、約7mmであった。
【0035】前記のエッチングを行なった後、混合ガス
吐出管34の前記吐出口から窒素を吹き出してエッチン
グ槽のパージを行なった。エッチング槽上部35を取り
外してディスク状ガラス板集合体30を取出してディス
ク状ガラス板などに分解した。ディスク状ガラス板31
を水洗、乾燥後、触針式表面粗さ計で表面の凹凸を測定
した。測定点は、ディスク状ガラス板の一面について3
点(内周付近、外周付近およびその中央)であった。
【0036】エッチング時の温度、フッ化水素濃度およ
び水(蒸気)濃度を変化した時の結果を表1に示した。 表1から、処理時間を適当に選べば、素板温度と混合ガ
ス中のフッ化水素濃度および水(蒸気)濃度の広い範囲
にわたって、磁気ディスク基板に適する凹凸を形成する
ことが可能である。
【0037】ただし、フッ化水素濃度が低すぎると望ま
しい凹凸を得るためには長時間のエッチングを要するこ
と、フッ化水素濃度が高すぎるとエッチングが極めて速
く進むために凹凸の制御が困難であること、水濃度が低
すぎるとエッチングがほとんど起こらないこと、水濃度
が高すぎると巨大な凹凸が生じること、素板温度が低す
ぎるとRmax が1000Åを超える大きな凹凸が生
じやすいこと、素板温度が高すぎるとRmax が大き
くならずスムースエッチングになる傾向を有すること等
が判明した。 また、表1、例2の18点のRmax 測定値の最大値
と最小値の差は、平均値の9%であり、均一性にも優れ
ていることがわかった。
【0038】実施例2 本実施例は、ガラス素板がソーダアルミノホウ珪酸塩ガ
ラス(SiO2を40重量%以上、アルカリ7重量%含
有)であることを除けば、実施方法は実施例1と同じで
ある。 結果を表2に示した。表2から、磁気ディスク基板に適
する前述の凹凸を得るためには、先の実施例であるソー
ダ石灰珪酸塩ガラスの場合に比べて、同一混合ガス組成
の場合にガラス温度を15℃程度高めれば良いことがわ
かった。
【0039】実施例3 本実施例は、ガラス素板がアルミノホウ珪酸ガラス(S
iO2を40重量%以上含有、アルカリ含有率 0.1
重量%以下)であることを除けば、実施方法は実施例1
と同じである。結果を表3に示した。このガラスに対し
ては、フッ化水素濃度0.03mol%、水濃度0.3
0mol %、ガラス温度60℃の時、処理時間3分で
磁気ディスク基板に適する凹凸が得られた。
【0040】実施例4 吐出口を吐出管の先端部分に設けず側部に設けた混合ガ
ス吐出管を用い、その他は、前記実施例1、実施例2、
実施例3と同じ条件でそれぞれガラス素板に凹凸を形成
した。その結果は前記の対応する実施例とそれぞれ同様
であった。
【0041】実施例5 前掲の表1の例2により形成された凹凸は、山の高さが
Rmax で約 300Å、山のピッチが約3μmであ
った。この基板上に、スパッタ法によりコバルト系磁性
膜を形成し、さらにその上にカーボン保護膜を形成した
後、CSS特性、ヘッドスティック性、S/N比および
ミッシングパルスを評価した。ここにCSS特性とは、
ディスク内の特定の一点に集中的にヘッドを停止・摩耗
させるとき、何回繰り返すと摩擦特性あるいは磁気特性
が劣化するかを測定するものであるが、CSS特性は、
テスト機の静止摩擦係数が0.5 を上回ったとき、あ
るいは、テスト後の出力が90%を下回ったとき不合格
という条件下で、7万回テストを繰り返した後も合格で
あった。
【0042】また、ヘッドとメディアの間に水分を浸透
させ、起動時の磁性膜の損傷程度を観察することによっ
てヘッドスティク性を評価した結果、特に問題はなかっ
た。また、S/N比(シグナル/ノイズ比)は35dB
と良好であった。さらに、ミッシングパルス(メディア
表面の微細な欠陥により、情報を書き込んだ後に読み出
す際に生じる読み出し波形の落込み)は、しきい値0%
のとき、2コ/面以下と良好であった。
【0043】
【表1】
【0044】
【表2】
【0045】
【表3】
【0046】
【発明の効果】以上に示した様に、本発明における凹凸
の形成方法は、前記した方法により珪酸を含むガラスの
表面にフッ化水素および水の蒸気を接触させ、エッチン
グすることによって表面に凹凸を形成する方法であるの
で、方向性を有さない凹凸を均一に形成することが可能
となり、ガス組成、温度により、凹凸形状を容易に制御
でき、磁気ディスク基板に適する表面粗さを有する凹凸
を得ることができるという効果を有するものである。
【0047】この結果、この凹凸の上には磁化と角型比
が大きい薄膜磁気膜を1000Å以下の厚みにスパッタ
リング等の方法で形成することができ、Rmax が面
内で揃っていることから磁気ヘッドの浮上高さを100
0Å以内に下げることが可能となって、ビットシフトや
モジュレーションエラーが小さく、S/N比の高い高密
度磁気ディスクを製造できるという効果をも有するもの
である。さらに、上記実施例1〜4においてはガラス素
板の処理枚数は3枚であるが、処理枚数を増やすことが
容易であることから、磁気ディスク基板に適した凹凸を
表面に有するディスク状ガラス板を製造する際、生産性
に優れるという効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法を実施するために用いる製造装置
の実施例のエッチング槽部分の部分拡大図。
【図2】本発明におけるディスク状ガラス板集合体の形
成方法の実施例の説明図。
【図3】本発明におけるディスク状ガラス板集合体の形
成方法の実施例の説明図。
【符号の説明】
30  ディスク状ガラス板集合体 31  ディスク状ガラス板 32  モーター 33  混合ガス供給管 34  混合ガス吐出管 35  エッチング槽上部 36  エッチング槽下部 37  排気管 38  面状発熱体 39  回転軸 40  ナット 41  固定具 42〜48  ホルダ

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】表面に微小な凹凸を形成したガラスから成
    る磁気ディスク用基板の前記凹凸が、最大高さ(Rma
    x )が50〜1000Åの範囲にありかつ 0.1〜
    10μmの範囲のピッチで形成されている磁気ディスク
    用基板の製造方法であって、単数あるいは複数のディス
    ク状ガラス板を回転の中心を共有するように相互に平行
    かつ離隔し取外し自在に結合しさらに回転軸を設けてデ
    ィスク状ガラス板集合体を形成し、該ディスク状ガラス
    板集合体を前記回転軸を中心として回転させながら、前
    記ディスク状ガラス板集合体の少くともディスク状ガラ
    ス板間に設けられた吐出管から同伴ガス中にフッ化水素
    および水を含有する混合ガスを吐出させて前記ディスク
    状ガラス板に該混合ガスを接触させることにより、前記
    ディスク状ガラス板の表面に前記の凹凸を形成すること
    を特徴とする磁気ディスク用基板の製造方法。
  2. 【請求項2】ガラス板がソーダ石灰珪酸ガラス、アルカ
    リ含有ホウ珪酸ガラス、アルカリを含まないホウ珪酸ガ
    ラスのいずれか一つからなることを特徴とする請求項1
    記載の磁気ディスク用基板の製造方法。
  3. 【請求項3】ガラス板がSiO2を少くとも40重量%
    含むガラスからなることを特徴とする請求項1記載の磁
    気ディスク用基板の製造方法。
  4. 【請求項4】混合ガスが0.01〜10 mol%のフ
    ッ化水素を含有することを特徴とする請求項1記載の磁
    気ディスク用基板の製造方法。
  5. 【請求項5】混合ガスが0.01〜10 mol%の水
    を含有することを特徴とする請求項1記載の磁気ディス
    ク用基板の製造方法。
  6. 【請求項6】混合ガスが同伴ガスとして、露点0℃以下
    に調節された空気および液体窒素を蒸発させることによ
    り得られる窒素ガスのうちの少くともいずれか一種を含
    有することを特徴とする請求項1記載の磁気ディスク用
    基板の製造方法。
  7. 【請求項7】混合ガスと接触させられるときのディスク
    状ガラス板の温度が5℃以上90℃以下であることを特
    徴とする請求項1記載の磁気ディスク用基板の製造方法
  8. 【請求項8】ディスク状ガラス板集合体において、ディ
    スク状ガラス板がその中心孔に嵌合するホルダーを介し
    て前記回転軸に取外し自在に支持されていることを特徴
    とする請求項1記載の磁気ディスク用基板の製造方法。
  9. 【請求項9】ディスク状ガラス板集合体において、隣り
    合うディスク状ガラス板がその中心孔に嵌合するホルダ
    ーによって取外し自在に結合され、かつ該ホルダーによ
    って回転軸が形成されていることを特徴とする請求項1
    記載の磁気ディスク用基板の製造方法。
  10. 【請求項10】ディスク状ガラス板集合体のガラス板間
    隔が、2mm以上100mm以下であることを特徴とす
    る請求項1記載の磁気ディスク用基板の製造方法。
  11. 【請求項11】ディスク状ガラス板集合体において、デ
    ィスク状ガラス板が回転軸に垂直であり、混合ガスの吐
    出管が隣接するディスク状ガラス板間の中心の位置に、
    ディスク状ガラス板の表面と平行にかつディスク状ガラ
    ス板の回転軸に対して垂直に設けられていることを特徴
    とする請求項1記載の磁気ディスク用基板の製造方法。
  12. 【請求項12】混合ガスの吐出管の先端が、ディスク状
    ガラス板の中心から0.25×(ディスクの内径+ディ
    スクの外径)の距離の位置より中心側にあり、かつホル
    ダーに接触していないことを特徴とする請求項1または
    11記載の磁気ディスク用基板の製造方法。
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