JPH04251246A - 帯電防止されたハロゲン化銀写真感光材料 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、帯電防止されたハロゲ
ン化銀写真感光材料に関する。

【０００２】

【従来技術】ハロゲン化銀写真感光材料は、支持体とし
てフィルム、紙等が用いられているが、これらは導電性
が低く種々の問題が引き起こされていた。

【０００３】これらの問題点の１つは、フィルム、紙等
にハロゲン化銀を含む塗布液を塗布する場合、高速塗布
するのであるが、ローラで摩擦されこすられている間に
帯電し、これが放電した時にハロゲン化銀をカブラせる
（静電カブリ）という問題である。もしハロゲン化銀を
含む塗液を塗布する前に帯電防止層の塗布を施してあれ
ば静電カブリを防止できる。

【０００４】第２に、ユーザーが感光材料を使用する時
に、これらが帯電してゴミ、ホコリが感光材料に付着し
、露光及び写真処理の過程でピンホール等の好ましくな
い画像を形成することがあるし、感光材料同志がくっつ
いて作業性が悪いという問題点がある。これらの問題で
重要なことは現像、定着、水洗という処理の前でも後で
も帯電防止特性が良好でなくてはならないという点であ
る。

【０００５】これらの問題を解決するために従来から写
真感光材料の支持体や塗布表面の導電性を向上させる方
法が考えられ、種々の吸湿性物質や水溶性無機塩、ある
種の界面活性剤、ポリマー等の利用が試みられてきた。 例えば米国特許第２，８８２，１５７号、同２，９７２
，５３５号、同３，０６２，７８５号、同３，２６２，
８０７号、同３，５１４，２９１号、同３，９３８，９
９９号等に記載されているようなポリマー，米国特許第
２，９８２，６５１号、同３，４２８，４５６号、同３
，５５２，９７２号、同３，６５５，３８７号などに記
載されているような界面活性剤が知られている。しかし
ながらこれらはある特定のフィルム支持体及び写真感光
材料においては有効であるがその他の写真感光材料の写
真性に悪影響を与えたり、写真処理中に帯電防止作用を
失ったり、低湿条件下において全く帯電防止作用が無い
などの場合がある。

【０００６】又、米国特許第３，７５３，７１６号、同
４，２６６，０１５号、同４，８９１，３０６号等には
フッ素含有ポリマーの摩擦係数の低下作用による帯電防
止効果について記載されているが、しかしこの方法で写
真感光材料の表裏両面の帯電防止を得るには表裏両面の
最上層にこのフッ素含有ポリマーを含有させなければな
らず、写真感光材料の感光層の上層にこのフッ素含有ポ
リマーを含有させなければならないことになる。ほとん
どのフッ素含有ポリマーの特徴としては撥水化作用があ
り、このような表裏両面の帯電防止を得る場合において
最上層に設けられたフッ素含有ポリマーを含有させた層
が写真感光材料の現像において撥水化作用における現像
障害を引き起こし写真性に悪影響を及ぼす場合がある。 又、米国特許第４，８９１，３０６号では導電性フッ素
含有ポリマーによる帯電防止方法が記載されている。こ
の場合、このポリマーを含有させた帯電防止層を少なく
とも１層設けることで写真感光材料の帯電防止を行う方
法であり、この方法は比較的良好な帯電防止方法と言え
る。しかしながら低湿条件下で導電性という点で全く効
果がなくなるという欠点がある。又、フッ素含有ポリマ
ーであることからすれば前述の米国特許第３，７５３，
７１６号、同４，２６６，０１５号などと同様の欠点を
持つ。

【０００７】又、湿度依存性の無い帯電防止方法として
は特開昭５６−１４３４３１号、同昭６３−９８６５６
号等に導電性金属酸化物を用いた方法が記載されている
。これらは導電性金属酸化物の微粒子をそれ自身又は繊
維状チタン酸カリウムに被覆させて用いるものである。 これらの共通の欠点としては商品製造過程の塗布時に粒
子同志の凝集を生じ、塗布物を汚したり、塗布物の色合
いが丁度ハロゲン銀がカブッた色合いになり、カブリと
の判別がつきにくい。又、透明性を必要とするフィルム
原稿用写真材料において透明性が損なわれる。この欠点
を補うために使用量を減少させると帯電防止効果も減少
してしまうという欠点を持つ。更に優れた帯電防止効果
をえるためには必要量が多く必要となり、コスト面でか
なりのコストアップにつながる。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、湿度
依存性の無い優れた帯電防止性を有し、且つ、透明性を
有するハロゲン化銀写真感光材料を提供することにある
。

【０００９】

【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、無
機平版状物質の表面に導電性金属酸化物微粒子を被覆さ
せた透明性を有する複合導電性粉末を含む帯電防止層を
少なくとも１層設けることで達成される。

【００１０】導電性粉末材料としては、分散性がよく、
比重が小さく、形状も球状よりもフレーク状が望ましい
。その理由としては、導電性が導電性粉末同志の接触に
よって生じることが公知であり、又導電性が導電性粉末
の体積％に依存するため、導電性が導電性粉末の比重の
小さいことは、含有させる導電性粉末の必要量が少なく
てすむ利点であり、更に特開昭５６−１４３４３１号等
の導電性金属酸化物が球状微粒子で点接触に対して特開
昭６３−９８６５６号の導電性金属酸化物が繊維状で線
接触が導電性に対して好ましいことは公知である。本発
明者らはこれらの点に注目して研究した結果、無機平板
状物質の表面を導電性金属酸化物微粒子で被覆した物が
導電性に対してより好ましいことが判った。本発明の導
電性粉末は無機平版状物質の表面を導電性を付与するた
めに導電性金属酸化物微粒子で被覆した平板状導電性粉
末材料であり、フレーク状で面接触となり、導電性に対
して非常に好ましいものである。

【００１２】本発明に用いる無機平版状物質とは白雲母
、絹雲母、金雲母等に代表されるような雲母等の特有の
へき開性を持ち、薄片状に粉砕することができ、その優
れた表面平滑性及び大きなアスペクト比を有するもので
あり、これをアンチモン固溶酸化錫で被覆した本発明の
平版状導電性粉末材料は、塗膜中において層状に配置さ
れ、粉末相互間の接触面積が増すので導電性の向上に寄
与する。

【００１３】雲母上に沈着された導電性金属酸化物につ
いては公知であり、特開昭６０−５０８１３号、特開昭
６０−２５３１１２号に記載されている。導電性金属酸
化物の中でも酸化錫が好ましく、特に効果的なものとし
ては酸化錫にアンチモンを添加したものである。そこで
この無機平版状物質の分散中に、アンチモン及び錫の化
合物の溶液を添加し、熱加水分解を行ったところ、アン
チモン固溶酸化錫の微粒子が無機平版状物質の表面に均
一に沈着して被覆層を作り、見かけ上酸化錫を極微粒化
した物と同じ効果を示し、優れた導電性を有する平版状
導電性粉末材料を得ることができ、しかも基材の透明性
を保持したままである。本発明の平版状導電性粉末材料
は無機平板状物質である雲母の表面をアンチモン０．１
〜２５重量％を含有し、残りが実質的に酸化錫からなる
被覆層を全体割合で５〜６０重量％含有している平版状
導電性粉末材料であり、例えば特開昭６０−５０８１３
号、同６０−２５３１１２号等に記載された製造方法で
製造されるようなものである。

【００１４】本発明の平版状導電性粉末を用いることで
湿度依存性の無い帯電防止性及び透明性が得られ、更に
必要量が少なくてすむことで低コストで製造が可能であ
ることは予期せぬ事であった。

【００１５】本発明で用いられる支持体としては、例え
ばセルロースナイトレートフィルム、セルロースアセテ
ートフィルム、セルロースアセテートブチレートフィル
ム、セルロースアセテートプロピオネートフィルム、ポ
リスチレンフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィ
ルム、ポリカーボネートフィルム、その他これらの積層
物等がある。更には、バライタまたはα−オレフィンポ
リマー、特にポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン
ブテンコポリマー等の炭素数２〜１０個のα−オレフィ
ンのポリマーを塗布又はラミネートした紙などを挙げる
ことが出来る。

【００１６】本発明においては写真感光材料の保護層又
は他の層に別の帯電防止剤を併用することができ、それ
によって更に好ましい帯電防止性を得ることが出来る。 このような帯電防止剤としては米国特許第２，８８２，
１５７号、同２，９７２，５３５号、同２，９８２，６
５１号、同３，０６２，７８５号、同３，２６２，８０
７号、同３，４２８，４５６号、同３，４５７，０７６
号、同３，４５４，６２５号、同３，５１４，２９１号
、同３，５５２，９７２号、同３，６１５，５３１号、
同３，６５５，３８７号、同３，７５３，７１６号、同
３，９３８，９９９号、同４，０７０，１８９号、同４
，２６６，０１５号、同４，８９１，３０６号等に記載
されているようなものである。

【００１７】本発明にかかわるハロゲン化銀写真材料に
ついて説明する。写真構成層のバインダーとしてはゼラ
チン、ガゼイン等のタンパク質、カルボキシメチルセル
ロース、ヒドロキシエチルセルロース、デキストラン等
のセルロース化合物、寒天、アルギン酸ソ−ダ、でんぷ
ん誘導体等の糖誘導体、合成親水性コロイド例えばポリ
ビニルアルコール、ポリ−Ｎ−ビニルピロリドン、ポリ
アクリル酸共重合体、ポリアクリルアミド、又はこれら
の誘導体及び部分加水分解等を併用することもできる。 ここで述べるゼラチンとは石灰処理ゼラチン、酸処理ゼ
ラチン、酵素処理ゼラチン等を指す。

【００１８】本発明の帯電防止層は、主に上記のバイン
ダーと平版状導電性粉末から構成され、平版状導電性粉
末の使用量はバインダー１ｇに対して０．１ｇ〜１０ｇ
が好ましく、特に１ｇ〜５ｇが好ましい。０．１ｇ以下
では十分な導電性が得られず、１０ｇ以上では平版状物
質の凝集による塗布障害から好ましくない。

【００１９】該帯電防止層は裏塗層、下塗層、カール防
止層、接着層等を兼ねてもよく、更にはその他の当分野
で用いられる各種界面活性剤、硬膜剤、マット剤、分散
剤、接着剤、カブリ防止剤、安定剤等の添加剤などを必
要に応じて用いることが出来る。

【００２０】感光性ハロゲン化銀乳剤層は当分野で公知
のものを全て用いることが出来るが、好ましくは高感度
ハロゲン化銀感光材料、高温迅速処理用ハロゲン化銀感
光材料に用いられる乳剤層等が挙げられる。

【００２１】本発明の写真感光材料における写真用処理
液例えば現像液、現像停止液、定着液等の組成はそれぞ
れの目的や写真材料の種類に応じて当該技術者の知る組
成のものが使用できる。

【００２２】

【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を例証するが本
発明はこれによって限定されるものではない。

【００２３】実施例１ 親水化の目的で特開昭６０−２１３９４２号に示される
エポキシ化合物を含有した下引き組成物で水性下引き加
工されたポリエステルフィルム支持体上に裏塗層を兼ね
た下記のごとく帯電防止層を塗布する。

【００２４】 　　帯電防止用塗液の作成方法 ゼラチン　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　５０ｇ水　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　５００ｍｌ平版状導電性粉末材料であ
るＭＥＣ−２００（ＴＡＹＫＡ社製、カサ密度２８６ｃ
ｃ／１００ｇ）　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　５０ｇ
１０％ＳＮＰ−４Ｎ（日光ケミカルズ社製）　　　　　
　　　　　　　　　　　２０ｍｌ２，４−ジクロロ−５
−ヒドロキシ−Ｓ−トリアジン塩（１０％水溶液）　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　５０ｍｌ水を加えて　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　１０００ｍｌここで使用してい
る平板状導電性粉末材料ＭＥＣ−２００は無機平板状物
質である雲母の表面を導電性金属酸化物微粒子であるア
ンチモン固溶酸化錫で被覆したものである。

【００２５】塗布量は湿分塗布量で５０ｍｌ／ｍ２で塗
布し、試料１を作成した。比較試料として平版状導電性
粉末材料を用いないこと以外同様にして比較ａを作成し
た。その後それぞれのサンプルを４０℃で６日間加温し
た。

【００２６】加温後のサンプルを裁断し、写真用現像処
理を行った。現像液は市販の銀錯塩拡散転写用処理液で
ある三菱製紙株式会社製シルバーマスター用ＡＣを用い
、安定液として同社製シルバーマスター用ＳＴを用いた
。

【００２７】帯電防止能力は処理前、処理後のサンプル
を２５℃２０％ＲＨ（相対湿度）の雰囲気下で２時間放
置し、その表面を三菱油化株式会社製ヒレスタ表面抵抗
計をモデルＨＴ−２１０を用いて測定した。表面抵抗は
抵抗値の低いほど帯電防止性が良好である。

【００２８】透明性はサンプルを５枚重ねあわせて肉眼
で評価した。透明性の優れたものには○、若干劣るもの
には△、劣るものには×とした。更に、サンプルの商品
価値を得るためには膜強度が必要である。膜強度が弱い
と写真処理及びユーザーが取り扱っている際に、膜が剥
がれてプロセッサーのロールに付着してつまらせたり、
処理液などを汚すことがあり商品価値としては実に必要
なものである。その評価方法としてサンプルの表面にナ
イフで５ｍｍ間隔で正方形状に傷をつけ、上記シルバー
マスター用ＡＣ処理液３０℃中に３０秒間浸し、１分間
水洗した後に、ティッシューを用いて表面をこすること
で評価した。全くはがれないものには○、ややはがれる
ものには△、かなりはがれるものには×とした。これら
の結果を表１に示す。

【００２９】

【表１】

【００３０】表１の結果から明らかなように本発明の試
料１は導電性、透明性、膜強度とも良好なレベルであり
、比較ａと比べて非常に表面抵抗値が低く、帯電防止性
がかなり優れているといえる。従って、本発明の実施態
様は帯電防止性に優れ、且つ、透明性に優れたハロゲン
化銀写真感光材料を提供することが明らかになった。

【００３１】実施例２ 実施例１の帯電防止層塗布用の塗液の平版状導電性粉末
材料ＭＥＣ−２００をＭＥＣ−３００（ＴＡＹＣＡ社製
、カサ密度４０２ｃｃ／１００ｇ）５０ｇとすること以
外同様にして試料２を作成した。更に実施例１の同様に
帯電防止層塗布用の塗液の平版状導粉末材料ＭＥＣ−５
００（ＴＡＹＣＡ社製、カサ密度３２４ｃｃ／１００ｇ
）１００ｇにすること以外同様にして試料３を作成した
。同様にＭＥＣ−７００（ＴＡＹＣＡ社製、カサ密度３
９７ｃｃ／１００ｇ）１００ｇにすること以外同様にし
て試料４を作成した。以下、実施例１と同様の評価を行
い、表２の結果を得た。

【００３２】ここで使用している平板状導電性粉末材料
ＭＥＣ−３００、ＭＥＣ−５００、ＭＥＣ−７００は無
機平板状物質である雲母の表面を導電性金属酸化物微粒
子であるアンチモン固溶酸化錫で被覆したものである。

【００３３】

【表２】

【００３４】表２の結果からも明らかなように本発明の
実施態様は帯電防止性に優れ、且つ、透明性の優れたハ
ロゲン化銀写真感光材料を提供することが明らかになっ
た。

【００３５】

【発明の効果】実施例の結果から明らかなように本発明
の実施態様は帯電防止性に優れ、且つ、透明性の優れた
ハロゲン化銀写真材料を提供することが明らかになった
。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】　　帯電防止層を少なくとも１層持つハロ
   ゲン化銀写真感光材料において、該帯電防止層中に透明
   性を有する平版状導電性粉末を含有することを特徴とす
   るハロゲン化銀写真感光材料。