JPH04249161A - ワイヤドット式印字ヘッド - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は複数の印字ワイヤを選択
的に駆動して記録媒体に印字を行うワイヤドット式印字
ヘッドに関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、この種の印字ヘッドは図７に示す
ように構成されている。

【０００３】図において、１は前面（図における左側）
が筒状に形成されたヘッドフレームであり、このヘッド
フレーム１内に複数の印字ワイヤ２が配設されている。 この印字ワイヤ２の先端部分はヘッドフレーム１の先端
に設けられたガイド３によって案内されると共に支持さ
れている。また印字ワイヤ２は後述するように構成され
た磁気回路からなる駆動装置によって駆動されるように
構成されている。

【０００４】印字ワイヤ２を駆動するための磁気回路は
、ヘッドフレーム１の後面（図における右側）に連接し
て設けられた円環状の板バネ４と、個々の印字ワイヤ２
に対応して設けられかつ板バネ４に固定されたアーマチ
ュア５と、これ等のアーマチュア５と対向するコア部に
吸引面６ａを有するヨーク６ｂと、ヨーク６ｂのコア部
に装着された円環状の電磁コイル７と、ヨーク６ｂの外
周部端面に連接して設けられた永久磁石８と、板バネ４
と永久磁石８の間に排泄された円環状のリングヨーク６
ｃによって構成されている。またアーマチュア５にはア
ーム９が固定されており、このアーム９に印字ワイヤ２
の基端部が固定されている。

【０００５】上記の如く構成された印字ヘッドにおいて
、非印字時には、アーマチュア５は永久磁石８の吸引力
によってヨーク６ｂの吸引面６ａに吸引されており、こ
れにより板バネ４は撓んだ状態で保持される。この状態
で電磁コイル７に電流を印加すると、吸引面６ａには永
久磁石８による磁束と逆方向の磁束が発生し、これ等の
磁束が互いに相殺されて吸引面６ａの吸引力が消失する
。このため、アーマチュア５は板バネ４に蓄えられた弾
性歪みエネルギの開放に伴って吸引面６ａから隔離して
印字動作を開始する。すなわち、アーム９を介してアー
マチュア５に固定された印字ワイヤ２がガイド３に案内
されてヘッドフレーム１の先端から突出する。そして印
字ワイヤ２はインクリボン１０および記録媒体となる印
字用紙１１を介してプラテン１２に衝突し、このとき、
インクリボン１０に塗布されたインクが印字用紙１１に
転写されることで印字動作が行われる。尚、図７は印字
動作直後の状態を示すものである。

【０００６】上述の印字動作が終了した後、電磁コイル
７に印加した電流を遮断すると、アーマチュア５は再び
永久磁石８の磁束によってヨーク６ｂの吸引面６ａに吸
引されて復帰動作を行う。上記したアーマチュア５の吸
引面６ａからの開放動作および吸引動作によって一連の
印字動作が終了する。

【０００７】近年、印字ヘッドに対し印字の高品質化、
高速化が要求されており、この要求に対応するために種
々の提案がなされている。

【０００８】これ等の提案には、たとえば印字ワイヤ２
の移動ストロークを長くし、印字力を高めることで印字
の高品質化をはかる方法、或いは板バネ４の剛性を上げ
て固有振動数を高めることでアーマチュア５の開放速度
を向上させ、これにより高速化をはかる方法等がある。

【０００９】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の印字ヘッドでは、複数の印字ワイヤ２がガイド３に
より縦方向（図７における上下方向）に千鳥状に配列さ
れており、また印字ワイヤ２が印字時に衝突するプラテ
ン１２は印字ヘッドの中心線Ｃの延長上に中心を有し、
かつ所定の曲率を有する形状に形成されている。このた
め、印字ワイヤ２の先端とプラテン１２との距離（以下
「プラテンギャップ」という）は、印字ワイヤ２の縦方
向の位置に応じて変化する。すなわち、中心線Ｃの近傍
に位置する印字ワイヤ２のプラテンギャップは小さく、
中心線Ｃから上方或いは下方に隔離するに従ってプラテ
ンギャップが大きくなる。

【００１０】一方、電磁コイル７に電流を印加して永久
磁石８による磁束と逆方向の磁束を発生させてアーマチ
ュア５を開放するのに要する時間は、永久磁石８による
磁束が多く吸引力が大きい程長くなり、また永久磁石８
による磁束が少なく吸引力が小さい程短くなる。

【００１１】従って、プラテンギャップが大きい場合、
図５に示すように、吸引力が大きいと正規の電流の印加
時間では印字ワイヤ２の先端がプラテン１２に到達せず
に印字がかすれるおそれがある。またプラテンギャップ
が小さい場合、図６に示すように吸引力が小さいと正規
の電流の印加時間では早い時期にワイヤ２の先端がプラ
テン１２に到達するために、二度打ちや印字ワイヤ２に
よるインクリボン１０の引っ掛けが発生するおそれがあ
る。このように、複数の印字ワイヤ２におけるプラテン
ギャップが異なる場合、個々の印字ワイヤ２にそれぞれ
最適な印字動作を与える吸引力の大きさが異なる。この
ため、従来の印字ヘッドではプラテンギャップの大きい
部分と小さい部分とでは、印字品質が異なるという問題
があった。

【００１２】また印字の高速化に当たって、板バネ４の
剛性を上げて固有振動数を高めることによりアーマチュ
ア５の開放速度を向上させた場合、板バネ４の撓みに対
抗する永久磁石８の吸引力が不十分となってアーマチュ
ア５の復帰速度が低下するという問題があった。

【００１３】本発明の目的は、プラテンギャップが異な
ることにより生じる印字品質の差を改良し、かつアーマ
チュアの開放速度および復帰速度を速くすることによっ
て、高品質印字および高速印字を可能にしたワイヤドッ
ト式印字ヘッドを提供することにある。

【００１４】

【課題を解決するための手段】本発明のワイヤドット式
印字ヘッドは、弾性部材と、この弾性部材に支持された
印字ワイヤ駆動用のアーマチュアと、このアーマチュア
と対向した吸引面を有するヨークと、このヨークに取付
けた永久磁石および電磁石とからなる円環上の磁気回路
を有し、前記永久磁石により前記アーマチュアを吸引す
ると共に前記電磁石への通電によりアーマチュアを吸引
面から開放させるように構成したワイヤドット式印字ヘ
ッドにおいて、個々の印字ワイヤを駆動する磁気回路に
応じて前記磁気回路の磁路断面積が異なるものである。

【００１５】また前記ワイヤドット式印字ヘッドにおい
て、前記弾性部材の前記ヨークが設けられた面とは反対
面側に対向させると共にスペーサを介して位置により厚
さが異なるバイパスプレートを備えている。

【００１６】

【実施例】次に本発明の実施例について図面を参照して
説明する。

【００１７】図１，図２および図３は本発明の一実施例
にかかるワイヤドット式印字ヘッド（以下「印字ヘッド
」という）の縦断面図、図４はバイパスプレートの説明
図である。

【００１８】印字ヘッドには複数の印字ワイヤ２が配設
されており、それぞれの印字ワイヤ２に対応した磁気回
路が構成されている。そして印字情報に応じて所定の磁
気回路に選択的に通電して印字ワイヤ２を駆動すること
によって印字を実施し得るように構成している。以下、
本実施例では代表的な印字ワイヤ２に対して説明するが
、この説明は印字ヘッドを構成する全ての印字ワイヤ２
に対して適用されるものである。

【００１９】ヘッドフレーム１の先端に設けられたガイ
ド３によって案内されると共に支持される印字ワイヤ２
は、磁気回路からなる駆動装置によって駆動されるよう
に構成されている。

【００２０】磁気回路は、ヘッドフレーム１の後面に連
接して設けられた円環状の板バネ４と、この板バネ４に
固定されたアーマチュア５と、このアーマチュア５に対
向して配置される中央のコア部に吸引面６ａを有するヨ
ーク６ｂと、このヨーク６ｂに装着された電磁コイル７
と、ヨーク６ｂの外周部端面に連接して設けられた永久
磁石８と、板バネ４と永久磁石８との間に配置されたリ
ングヨーク６ｃと、板バネ４に連接するスペーサ１３と
、ヘッドフレーム１とスペーサ１３とに挟持されて固定
されたバイパスプレート１４とを具備して構成されてい
る。

【００２１】バイパスプレート１４は図４に示すように
鉄等の磁性体を用いて円環状に形成されており、内径は
板バネ４の内径と略等しい寸法を有している。またバイ
パスプレート１４の円周方向に所定範囲の厚肉部１４ａ
と薄肉部１４ｂとが交互に形成されている。従って、印
字ヘッドを構成する際にバイパスプレート１４を適宜回
転させることによって、厚肉部１４ａ或いは薄肉部１４
ｂをアーマチュア５と対向する位置に配置することが可
能である。

【００２２】スペーサ１３は、バイパスプレート１４が
ヨーク６ｂの吸引面６ａによるアーマチュア５の開放お
よび吸引動作に支障のない間隙を保持するのに充分な厚
さを持って形成されている。

【００２３】次に、本実施例の印字ヘッドの動作につい
て説明する。

【００２４】図１は印字動作に入る以前の状態を示して
おり、バイパスプレート１４の厚肉部１４ａがアーマチ
ュア５と対向する位置に配置されている。この状態では
、電磁コイル７に電流は印加されず、従って、アーマチ
ュア５は永久磁石８の吸引力によってヨーク６ｂの吸引
面６ａに吸着され、板バネ４には撓みが生じている。 この状態から電磁コイル７に電流が印加されると、永久
磁石８による磁束と電磁コイル７による逆方向の磁束と
が相殺され、アーマチュア５は板バネ４の弾性歪みエネ
ルギの開放に伴って吸引面６ａから開放される。そして
この開放動作により印字ワイヤ２がヘッドフレーム１か
ら突出し、インクリボン１０および記録媒体となる印字
用紙１１を介してプラテン１２と衝突し、これによりイ
ンクリボン１０に塗布されたインクが印字用紙１１に転
写されて所定の印字が行われる。

【００２５】図２は印字ワイヤ２が印字用紙１１に到達
した直後の状態を示している。この状態で電磁コイル７
に印加された電流が遮断されると、アーマチュア５は回
復した永久磁石８の吸引力により速やかにヨーク６ｂの
吸引面６ａに吸着されて元の状態に復帰する。そしてこ
の復帰動作により一連の印字動作が終了する。

【００２６】本実施例の印字ヘッドでは、バイパスプレ
ート１４が板バネ４のヨーク６ｂが設けられた面とは反
対側に配置されているため、永久磁石８により生じる磁
束は、図１に実線の矢印で示すようにヨーク６ｂ，アー
マチュア５，板バネ４を貫通し、かつ同図に破線の矢印
で示すようにヨーク６ｂ，アーマチュア５，バイパスプ
レート１４を貫通する。このため、永久磁石８によるア
ーマチュア５の吸引力が増大する。

【００２７】従って、バイパスプレート１４の円環の位
置を適宜設定することにより、アーマチュア５と対向す
る位置に厚肉部１４ａ或いは薄肉部１４ｂを配置して厚
さを変えて磁路断面積を変えることで、個々の磁気回路
における吸引力を設定することが可能である。すなわち
、図１における中心線Ｃの近傍に当たるプラテンギャッ
プの小さい部分に位置する磁気回路にはバイパスプレー
ト１４の厚肉部１４ａを配置し、また中心線Ｃから上方
或いは下方に隔離した位置に当たるプラテンギャップの
大きい部分に位置する磁気回路には図３に示すように薄
肉部１４ｂを配置することによって、個々の磁気回路に
それぞれ適当な吸引力を付与することが可能である。

【００２８】尚、図１および図２は、プラテンギャップ
の少ない印字ワイヤ２に対してバイパスプレート１４の
厚肉部１４ａを配置した状態の印字ヘッドの断面図であ
り、図３はプラテンギャップの大きい印字ワイヤ２に対
してバイパスプレート１４の薄肉部１４ｂを配置した状
態の印字ヘッドの断面図である。

【００２９】上記の如く構成した印字ヘッドでは、バイ
パスプレート１４により全磁気回路における吸引力が一
様に増大する。このため、本実施例では板バネ４の剛性
を上げて固有振動数を高めることによって、アーマチュ
ア５の開放速度と復帰速度を向上させている。従って、
印字速度の高速化をはかることができる。

【００３０】

【発明の効果】以上説明したように本発明の印字ヘッド
によれば、個々の印字ワイヤを駆動するための磁気回路
の磁路断面積を異ならせることによって、各々の磁気回
路に最適な吸引力を付与することができる。このため、
プラテンが曲率を有することにより生じるプラテンギャ
ップの差に応じて、複数の印字ワイヤをそれぞれ一様に
駆動することができ、印字品質を向上させることができ
る。

【００３１】またアーマチュアを支持する弾性部材のヨ
ークが設けられた面とは反対側に、弾性部材に対向させ
て位置により厚さが異なる円環状のバイパスプレートを
設けたので、このバイパスプレートの位置を適宜設定す
ることによって、個々の磁気回路に対し最適な吸引力を
設定することができる。このため、印字品質を向上させ
ることができる。

【００３２】さらに、バイパスプレートを設けたことに
より、永久磁石の起磁力を大きくすることなく吸引力を
強めることができる。従って、弾性部材の剛性を上げて
固有振動数を高めることによってアーマチュアの開放速
度と復帰速度を向上させることができるという効果を有
する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例にかかる印字ヘッドの縦断面
図である。

【図２】本発明の一実施例にかかる印字ヘッドの縦断面
図である。

【図３】本発明の一実施例にかかる印字ヘッドの縦断面
図である。

【図４】バイパスプレートの説明図である。

【図５】プラテンギャップが大きい場合の電流波形と印
字ワイヤ動作の関係を示す説明図である。

【図６】プラテンギャップが小さい場合の電流波形と印
字ワイヤ動作の関係を示す説明図である。

【図７】従来技術の説明図である。

【符号の説明】

１　　ヘッドフレーム ２　　印字ワイヤ ３　　ガイド ４　　板バネ ５　　アーマチュア ６ａ　　吸引面 ６ｂ　　ヨーク ６ｃ　　リングヨーク ７　　電磁コイル ８　　永久磁石 ９　　アーム １０　　インクリボン １１　　印字用紙 １２　　プラテン １３　　スペーサ １４　　バイパスプレート １４ａ　　厚肉部 １４ｂ　　薄肉部

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】弾性部材と、この弾性部材に支持された印
   字ワイヤ駆動用のアーマチュアと、このアーマチュアと
   対向した吸引面を有するヨークと、このヨークに取付け
   た永久磁石および電磁石とからなる円環上の磁気回路を
   有し、前記永久磁石により前記アーマチュアを吸引する
   と共に前記電磁石への通電によりアーマチュアを吸引面
   から開放させるように構成したワイヤドット式印字ヘッ
   ドにおいて、個々の印字ワイヤを駆動する磁気回路に応
   じて前記磁気回路の磁路断面積が異なることを特徴とす
   るワイヤドット式印字ヘッド。
2. 【請求項２】前記弾性部材の前記ヨークが設けられた面
   とは反対面側に対向させると共にスペーサを介して位置
   により厚さが異なるバイパスプレートを備えることを特
   徴とする請求項１記載のワイヤドット式印字ヘッド。