JPH0424813Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は化粧品等を収容する角瓶あるいは偏平
瓶などの特殊な形状の容器において、容器本体と
同一形状の蓋を容器本体の形状に合致させて被嵌
する位置合わせ容器に関する。

〔従来の技術〕

近年、化粧品等を収容する容器は、角瓶あるい
は偏平瓶などのように、デザイン性に優れた種々
の形状の容器が使用され、容器本体と同一形状の
蓋を被嵌することが行われている。

しかしながら、この種の角瓶あるいは偏平瓶な
どの様々な形状の容器において、容器本体と同一
形状の蓋を容器本体の形状に合致させて被嵌しよ
うとすると、蓋と容器本体の位置合わせを行わな
ければならない。

そこで、このような特殊な形状の容器において
は、従来から蓋と容器本体との位置合わせが行わ
れており、たとえば、容器口の口顎部下部外周に
傾斜面を有する掛合周縁を設け、この掛合周縁の
膨出した傾斜面に設けた掛合凹部に、キヤツプの
内周面に設けた凸部を掛合させて、蓋を所定の位
置で被嵌する位置あわせ容器が提案されている。
（実公昭53−2212号） 〔考案が解決しようとする問題点〕 ところが、この種の位置合わせ容器は、キヤツ
プの内周面に設けた凸部を、容器口口顎部掛合周
縁の膨出した傾斜面に沿つて案内し、掛合凹部と
掛合させて蓋を所定の位置に係止させているた
め、掛合周縁の傾斜面やキヤツプ内周面の凸部が
これらの滑り摩擦によつて摩耗されやすく、長期
間使用すると摩耗して位置合わせ効果が低下する
という難点がある。また摩耗により容器を構成す
る樹脂の微粉末が発生して飛び散つたり、ひげ状
の変形片が生じたりする場合があり、化粧品等を
収容する容器としては不衛生で、安全な容器とし
て使用できない。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案は、かかる現状に鑑み種々検討を行つた
結果されたもので、容器本体の中央部に立設した
容器口の外周面に螺条を形成するとともに容器口
下端外周壁に係止突起または係止突起と補助係止
突起とを設け、容器口外周面の螺条と螺合する螺
条を内周面に設けて容器口に螺着する中蓋の周壁
下端に、容器口下端外周壁に設けた係止突起と補
助係止突起との間に掛合する回転リングを回転可
能に枢着するかまたは容器口下端外周壁に設けた
係止突起に掛合する凸部と回転リングを突設およ
び回転可能に枢着し、中蓋に外蓋を一体的に連結
することによつて、蓋と容器本体との位置合わせ
が、蓋や容器本体を摩耗することなく容易に行
え、たとえ長期間使用しても位置合わせ効果が減
殺されないようにし、また樹脂の微粉末などが生
じたりして衛生上の支障をきたさないようにした
ものである。

〔実施例〕

以下、本考案の実施例を示す図面に基づいて説
明する。

図において、１は外形が四角形の容器本体であ
り、２は容器本体１の中央部上端に立設して外周
面に螺条３を設けた容器口である。４はこの容器
口２の下端外周壁の対称位置に突設した一対の係
止突起であり、５はこの一対の係止突起に近接し
て突設された一対の補助係止突起である。

６は容器口２に嵌着固定した中栓であり、中央
部に容器内の液状収容物などを少量づつ取り出す
取り出し口７を設けている。

８は中栓６上から容器口２に被嵌する中蓋で、
内周面に螺条９を螺設して容器口２の螺条３に螺
着している。またこの中蓋８は下端部に段部１０
を設け、段部１０の下端壁対称位置に一対の凹所
を設けて、この一対の凹所に枢支軸１１を垂設
し、この枢支軸１１に回転リング１２を回転可能
に枢着して、回転リング１２の外周面が段部１０
の下端内周面より内方に突出するようにしてい
る。１３はこの段部１０の下端をさらに外周方向
に屈曲して延設し、延設端をさらに上方に屈曲し
て形成した方形の周壁である。また１４はこの周
壁１３に下方から被嵌して一体的に接合した方形
の下蓋であり、この下蓋１４で段部１０下端壁の
枢支軸１１に枢着した回転リング１２を下方から
支持している。この下蓋１４は、さらに容器本体
１と同じ四角形の外蓋１５の内周面に一体的に接
合されている。

第３図は、中蓋８をさかさまにして示したもの
で、１６は枢支軸１１に枢着する回転リング１２
に近接して、中蓋８の段部１０下端内周面に突設
した凸部である。

〔作用〕

本考案位置合わせ容器はこのようにして構成さ
れ、外蓋１５を回動すると、外蓋１５と一体的に
連結した下蓋１４を介して中蓋８が一体的に回動
され、中蓋８下端の枢支軸１１に枢着した回転リ
ング１２が、回転しながら係止突起４を乗り越え
て補助係止突起５に当接し、係止突起４と補助係
止突起５との間に掛合される。同時に中蓋８の段
部１０下端壁内周面に突設した凸部１６が係止突
起４に当接し、係止突起４に凸部１６と回転リン
グ１２が掛合される。従つて、中蓋８と一体的に
回動する外蓋１５は、常に所定の位置で係止さ
れ、外蓋１５と容器本体１との位置合わせが行わ
れる。また、回転リング１２は、回転しながら転
がり摩擦によつて係止突起４を乗り越えるため、
摩擦抵抗が極めて小さく、回転リング１２や係止
突起４が摩耗することもない。

なお、この際、回転リング１２が係止突起４を
乗り越えて補助係止突起５に当接するだけでも、
係止突起４と補助係止突起５との間に回転リング
１２が掛合されて、中蓋８と一体的に回動する外
蓋１５を所定の位置に係止することができるた
め、中蓋８の段部１０下端壁内周面に突設した凸
部１６は必ずしも必要でなく、また逆に中蓋８の
段部１０下端壁内周面の凸部１６が突設されてい
る場合は、この凸部１６と回転リング１２とで係
止突起４を挟んで掛合し、外蓋１５を所定の位置
に係止することができるため、補助係止突起５は
必ずしも必要でない。また回転リング１２、係止
突起４、補助係止突起５および凸部１６は、一対
以上あると中蓋８と一体の外蓋１５を正確に所定
の位置に係止することができるため好ましいが、
これらは単一に設けられていても、中蓋８と一体
の外蓋１５を所定の位置に係止することができ
る。さらに段部１０下端壁の枢支軸１１に回転リ
ング１２を枢着しているが、この回転リングは図
に示すようなドーナツ状のものに限定されず、第
４図に示すような球状であつてもよい。また、回
転リング１２は段部１０下端壁の枢支軸１１に抜
けないように枢着してもよく、この場合は回転リ
ング１２を下蓋１４で支持しなくてもよい。

〔考案の効果〕

以上説明したように、本考案にあつては、容器
口の下端外周壁に係止突起または係止突起と補助
係止突起とを設け、容器口外周面の螺条と螺合す
る螺条を内周面に設けて容器口に螺着する中蓋の
周壁下端に、容器口下端外周壁に設けた係止突起
と補助係止突起との間に掛合する回転リングを回
転可能に枢着するかまたは容器口下端外周壁に設
けた係止突起に掛合する凸部と回転リングを突設
および回転可能に枢着し、中蓋に外蓋を一体的に
連結しているため、中蓋と一体的に連結した外蓋
を回動すると、中蓋が回動し、回動リングが係止
突起と補助係止突起との間に掛合するか、または
係止突起に凸部と回転リングが掛合して係止され
る。従つて、蓋は常に所定の位置で係止されて蓋
と容器本体との位置合わせが容易に行える。また
回転リングは、回転しながら転がり摩擦によつて
係止突起を乗り越えるため、摩擦抵抗が従来のよ
うな滑り摩擦によるものに比し極めて小さくな
り、長期間使用されても回転リングや係止突起が
摩耗したりせず、位置合わせ効果が長期間にわた
つて良好に持続される。さらに樹脂の微粉末を生
じるということもないため、衛生に適し化粧品等
を収容する容器として安全に使用することができ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案位置合わせ容器の分解斜視図、
第２図は同断面図、第３図は中蓋をさかさまにし
て示した分解斜視図、第４図は回転リングの他の
実施例を示す斜視図である。 １……容器本体、２……容器口、３，９……螺
条、４……係止突起、５……補助係止突起、８…
…中蓋、１１……枢支軸、１２……回転リング、
１４……下蓋、１５……外蓋。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 容器本体の中央部に立設した容器口の外周面に
   螺条を形成するとともに容器口下端外周壁に係止
   突起または係止突起と補助係止突起とを設け、容
   器口外周面の螺条と螺合する螺条を内周面に設け
   て容器口に螺着する中蓋の周壁下端に、容器口下
   端外周壁に設けた係止突起と補助係止突起との間
   に掛合する回転リングを回転可能に枢着するかま
   たは容器口下端外周壁に設けた係止突起に掛合す
   る凸部と回転リングを突設および回転可能に枢着
   し、中蓋に外蓋を一体的に連結した位置合わせ容
   器。