JP2004149198A - 計量可能な安全蓋体と該蓋体を装着した液体容器 - Google Patents
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Abstract
【課題】蓋体と口頸部との間にラチェット機構を設けて不用意に蓋が開かないような安全な蓋体構造にすると共に、該蓋体を計量カップとしても使用できるような構造にする。
【解決手段】内部に溶液を収容可能に形成した中空容器の肩部に連接する円筒状の口頸部1aの外周面に、蓋体2を螺着する螺合ネジ部5と、係合突起3とを形成してなる容器本体1に、前記口頸部1aに螺合するネジ部6と、前記係合突起3に係止する複数のラチェット歯4を蓋体2の内周面に設けると共に、蓋体の天板部2bに前記口頸部1a内に嵌合する中栓状体7を突設して、円筒壁部分2aが押圧変形可能な計量カップ状に形成してなる蓋体2を螺合せしめて液体容器を形成して、前記蓋体のラチェット歯4が容器本体の係合突起3に係止して、蓋体2が開蓋方向に不用意に回動しないように構成すると共に、前記蓋体は内容液を計量可能な構成にする。
【選択図】 図1
【解決手段】内部に溶液を収容可能に形成した中空容器の肩部に連接する円筒状の口頸部1aの外周面に、蓋体2を螺着する螺合ネジ部5と、係合突起3とを形成してなる容器本体1に、前記口頸部1aに螺合するネジ部6と、前記係合突起3に係止する複数のラチェット歯4を蓋体2の内周面に設けると共に、蓋体の天板部2bに前記口頸部1a内に嵌合する中栓状体7を突設して、円筒壁部分2aが押圧変形可能な計量カップ状に形成してなる蓋体2を螺合せしめて液体容器を形成して、前記蓋体のラチェット歯4が容器本体の係合突起3に係止して、蓋体2が開蓋方向に不用意に回動しないように構成すると共に、前記蓋体は内容液を計量可能な構成にする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本願の発明は、内部に薬液や消毒液等の溶液が収容された中空容器の口頸部に螺着して、容器の開口部を密閉するのに適した蓋体を計量可能にすると共に、簡単には開くことがないような形状としたもので、更に詳細には、乳幼児にとっては有害となる各種の薬液等の溶液を収容した中空容器、あるいは、強烈な刺激臭や悪臭その他の有害な溶液が収容された中空容器の口頸部に螺着して、幼児が悪戯して蓋部を回しても簡単には開口されないように、あるいは、不用意に開蓋しないように密閉できるようにした安全蓋体を、計量カップとして使用可能な構造に形成すると共に、該蓋体を装着した液体容器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から用いられている液体を収容した中空容器の開口部を密閉するのには、口頸部内に押し込む密閉栓、または、口頸部に螺着するネジ蓋が一般に広く使用されてきたが、最近は、簡単に密閉することができて、容易に開閉することができるネジ蓋が多用されるようになった。
ネジ蓋を用いた容器は、蓋部を掴んで回すだけで、誰にでも簡単に開封することができて、非常に便利ではあるが、その反面では、乳幼児が容器に触れて、蓋部を手や口でもてあそんでいるうちに、ネジ蓋が外れてしまうことがあって非常に危険であったり、また、実際に外れた蓋や漏れ出た内容物を口に入れたことによる事故も多発している。
【0003】
このようなネジ蓋を設けた容器の問題点をなくすために色々な安全な蓋体を用いたものがあり、例えば、内蓋の栓体を容器の口頸部内に押し込んで密閉した上からネジ蓋からなる外蓋を口頸部に螺着する二重構造にした安全な蓋体を装着して、外蓋を回して外しただけでは内容液を注出できないようにしたもの、あるいは、容器の口頸部に螺合した内蓋の上に外蓋を被せて密閉する二重構造の安全な蓋体を装着して、外蓋を押圧した状態で回動させるか、あるいは、嵌合ピン等の係合手段を係合して回さない限り、内蓋が一緒に回転して開封できないような構造にしたり、その他の簡単には開口することができない構造の蓋体が従来から知られており、また、特開平9−104453号や特開2000−335610号、特開2001−72098号公報等やその他に各種の安全な蓋体に関する提案がなされている。
【0004】
このような従来の安全な蓋体を用いた容器は、幼児の悪戯による開封は防止できるが、しかし、その反面一般の人にとっても開口することが面倒な場合があり、実際に開蓋して使用するに際して不便であるばかりか、通常の蓋体に比べてその構造が非常に複雑であり、製造コストも割高になることから、実際には一般的にあまり使用されることがなかった。
そこで、上記した従来の安全な蓋体に比べて開口操作を容易に行うことができて、また、蓋体の構造をもう少し簡単にして、蓋体を安価に製造することができるようにして、二重構造となした安全な蓋体が、特開平11−278507号や特開2001−341760号公報その他に提案されている。
【0005】
上記した二重構造の安全な蓋体は、図10に示すように、容器本体21の口頸部21aに螺合されるキャップ本体22と、キャップ本体22の外周を囲む円筒形の外装体23とで構成された安全キャップ24で、キャップ本体22の外周面と外装体23の内周面には、外装体23を押圧することにより相互に噛み合う縦縞のギザギザ状の凹凸22a,23aが形成されて、キャップ本体22の外周面と外装体23の内周面との間には、僅かの隙間が形成されている。
そして、キャップ本体22の外周面の下端部には、僅かに外側へ張り出した鍔部22bを有し、該鍔部22bの上縁には鋸歯状の溝22cが多数周設されていて、また、前記外装体23の内周面の下方には、鋸歯状の突起23bが多数周設されていて、鋸歯状の溝22cと鋸歯状の突起23bは噛み合ってラチェット機構として作用するようになっている。
【0006】
上記のような構成にした安全キャップ24を装着した液体容器は、前記容器本体の開口部を密閉する際には、口頸部21aに対して前記外装体3を蓋が閉じる方向へ捻じると、外装体23の鋸歯状の突起23bがキャップ本体22の鋸歯状の溝22cに係合してラチェット機構が働くので、前記キャップ本体22は外装体23と一体になって回転しながら容器の開口部を密閉することができる。
また、開蓋しようとして、口頸部21aに対して蓋部を開く方向へ外装体23を単に捻じるだけでは、外装体23はキャップ本体22の鋸歯状突起22bの斜面に乗り上げて、ラチェット機構が非係合状態になって外装体23が空回りして、前記キャップ本体22が回転することがないので、容器の開口部が開くことがない。
【0007】
従って、上記した安全な蓋体を実際に開くには、蓋部を掴んだ指先に力を加えて外装体23を楕円形に押し潰した状態して、キャップ本体22と外装体23とを噛み合わせて一体にして回転させなければならないので、乳幼児の悪戯による開蓋や誤飲等を防止することができて、また、普通の人にとっては、外装体を指先で潰して回すことにより簡単に開蓋することができて便利である。
しかし、上記した従来の安全蓋体は、ネジ蓋本体を形成するのに、二つ、または、三つ、あるいは、それ以上の部材を組み合わせてなる複数の部材で構成されるものであるから、蓋体の構造が複雑で手間がかかり、その製造コストを引き下げることが困難であり、また、前記蓋体は、注出する内溶液を計る計量カップとして使用することはできないので、もう少し改良の余地がある。
【0008】
そして、中空容器の口頸部を密閉する蓋体を、注出する内容物を計量する計量カップとしても使用できるようにした容器として、実開昭60−50146号や実開平1−51043号公報等に記載されるような中空容器が知られている。
これらの中空容器は、図9(b)に示すように、容器本体51の口頸部52に螺着する蓋体53が、内蓋兼用の内筒面に目盛りを付けて形成した計量筒53aを口頸部52の内面に嵌着せしめると共に、外筒53bの内周面に設けたネジを口頸部52の外周面のネジ部に螺合せしめて密閉するようにしたものである。
【0009】
しかし、上記のような蓋体を装着した中空容器は、蓋体53を容器本体51の口頸部52から外して、図9(a)に示すように、内容液を計量する計量カップとして使用することができて、非常に便利ではあるが、蓋体53を口頸部52から外すには、内蓋の内筒53aを抜かなければならず、やや大きな指先の力を必要とし、また、完全に安全な蓋体とは言えない。
そこで、上記したような従来の計量カップとして使用可能な蓋体を改良して、容器本体の口頸部に螺着された蓋体を、単に回動しようとしても開口することができない構造にした安全な蓋体に形成すると共に、該蓋体を開口する際の回動操作を容易に行うことができる構造に形成して、且つ、前記蓋体の構造を簡単にして安価に製造することができるようにした二重構造の安全な蓋体を、既に出願人は、特開2000−335611号公報その他に提案している。
【0010】
上記した発明の安全蓋体は、図6に示すように、容器本体31の口頸部31aに嵌着する装着筒32と、該装着筒の外周面に螺合する蓋体33と、該蓋体に嵌合する計量カップ34とで構成したものある。
前記装着筒32は、容器本体31の口頸部に回動不能に、且つ、脱落不能に嵌着する円筒壁部に螺合ネジ部35を設けて、該円筒壁部の下端部に円盤状のフランジ部36を周設すると共に、該フランジ部の端縁に段部37aを設けて円筒壁37が容器の肩部31bを覆うように垂設されていて、前記フランジ部には円筒壁部32aに沿って短いスリット状の開孔36aが設けられると共に、該開孔の一端部に連接した割り溝38が前記円筒壁37に設けられて、弾性変形可能な操作部が形成されて、前記フランジ部36の割り溝38の開口端部に三角形状の係合突起36bが設けられている。
【0011】
また、前記蓋体33は、前記装着筒32の円筒壁部32aに螺合可能に形成した筒状蓋部33aと、該筒状蓋部の下端部に周設したフランジ部33bの外周端面に立設した円筒状の外筒33cとからなり、前記円筒状の外筒33cの内周面に前記係合突起36bに係合する係止突起33dが設けられて、前記筒状蓋部分と外筒との間に計量カップ34が着脱自在に嵌合可能に形成されている。
上記のように形成された装着筒32は、各種の内溶液が収容された中空の容器本体31の口頸部31aに嵌着されて、該装着筒に計量カップ34が嵌合された蓋体33が螺着されて液体容器が構成される。
【0012】
このような液体容器を閉蓋するには、計量カップ34が嵌合された蓋体33を装着筒32に被着して閉蓋方向に回動させると、図7に示すように、蓋部が装着筒の螺合ネジ35に螺合すると共に、円筒状の外筒が降下して、内周面に設けた係止突起33dが前記装着筒32の係合突起36bに係合して、該係合突起を内側へ押圧変形させながら、その上を乗り越えて回動するので、蓋体33を単に回動させるだけで螺着することができる。
また、液体容器を開蓋しようとして、蓋体33を単に回動させようとしても、外筒内面の係止突起33dが前記装着筒の係合突起36bに係止して回動することができないが、図6に矢印で示すように、装着筒32の前記円筒壁37の操作部を指先で押圧すると、スリット状の開孔36a部分が弾性変形して前記係合突起36bが内側へ後退して、前記蓋体の係止突起33dに係止しないようになるので、蓋体33を回動させることにより装着筒から外すことができる。
【0013】
上記のように構成した発明の蓋体は、単に蓋体を回すだけでは開蓋しないので、幼児の悪戯による開蓋を防止することができて、また、蓋体自体が単一部材で構成されてはいるが、前記蓋体を安全な状態に螺合するには、容器本体の口頸部に嵌着する特別な装着筒を用いる必要があり、また、計量カップ34は蓋体33とは別体に形成したものであるから、このような安全な蓋体の製造コストを低減することは非常に困難である。
従って、前記した実開昭60−50146号公報に記載される考案の良い点と特開2000−335611号公報に記載される発明の良い点とを組み合わせた構造の蓋体にして、安価に製造することができると共に、計量カップとしても使用可能にした液体容器の口頸部に螺着する安全な蓋体の出現が望まれる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
本願の発明は、各種の溶液が収容された中空容器の開口部を密閉する蓋体を、幼児等による悪戯によっては簡単に開かないような構造にして、不注意による危険性から幼児を守ることができて、また、不用意に開蓋するようなことはないが、一般の大人にとっては開蓋する操作が容易に行うことができて、簡単に開口できるような構造をした安全な蓋体を形成すると共に、該蓋体は内容液の計量を行うのにも適した構造をした蓋体に形成する。
そして、前記安全な蓋体は、簡単な構造をした一つの部材で形成すると共に、合成樹脂の射出成形等により容易に成形することができる構造に形成して、製造コストを低減することができる安全な蓋体にして、また、内容液の計量カップとしても使用できるようにした安全な蓋体に形成すると共に、前記安全な蓋体を装着した液体容器を提供することを目的とする。
【0015】
【課題が解決するための手段】
上記の課題を達成するために、ブロー成形により内部に溶液を収容可能に成形した中空容器の肩部に連接する円筒状の口頸部の外周面に、開口部を密閉する蓋体を螺着する螺合ネジ部を設けると共に、蓋体のラチェット歯と係合する係合突起を設けてなる容器本体を形成する。
また、前記容器本体の円筒状の口頸部に螺着可能な蓋体を形成すると共に、該蓋体を計量カップとして使用可能な形状に形成して、前記蓋体の天板部側の内面には口頸部の螺合ネジ山に螺合するネジ部を設けると共に、蓋体の開口端側の内面に口頸部の係合突起に係止するラチェット歯を設けて、前記係合突起を設けた円筒壁部分を押圧変形可能に形成した蓋体を、熱可塑性合成樹脂の射出成形により成形した安全蓋体を形成する。
そして、内溶液が収容された前記容器本体の口頸部に、前記安全蓋体を螺着して、不用意に蓋体が開くことがないように密閉された液体容器を構成する。
【0016】
【発明の実施の形態】
熱可塑性合成樹脂をブロー成形して、内部に溶液を収容可能な中空の容器本体1を形成すると共に、容器本体1の円筒状をした口頸部1aの外周面に、蓋体2に設けたラチェット歯4と係合する係合突起3と蓋体を螺着する螺合ネジ部5とを形成して、安全蓋体を螺着可能となした中空容器を形成する。
また、上記中空容器の円筒状の口頸部1aに螺着可能すると共に内容液を計量可能にした蓋体2を、熱可塑性合成樹脂の射出成形により成形して、前記蓋体の天板部2b側の内周面に容器本体の口頸部1aに設けた螺合ネジ部5に螺合するネジ部6を設けると共に、蓋体2の開口端側の内面に容器本体の口頸部1aに設けた係合突起3に係止するラチェット歯4を設けた蓋体2に形成して、前記蓋体の円筒壁部2aの押圧部2cを押圧により楕円状に変形可能に形成した安全蓋体を形成する。
【0017】
このように形成された安全蓋体を、内溶液が収容された前記中空容器本体の口頸部1aに被着して、前記蓋体2を閉蓋方向に回転せしめることにより、前記蓋体のラチェット歯4の斜面を口頸部の係合突起3が乗り越えるようにして蓋体2が回動して螺着して、安全蓋体が装着された液体容器が構成される。
上記のように構成された液体容器を開蓋するには、前記蓋体2の押圧変形可能な円筒壁部2aに設けた押圧部2cを指先で押圧すると、蓋体2が楕円形状に変形してラチェット歯4と係合突起3との係合が解除される。
そこで、蓋体2を開蓋方向に回動せしめると、前記蓋体のラチェット歯4の係合端面が口頸部の係合突起3から離れた状態になり、蓋体2は自由に回動させることができて口頸部1aから螺脱して、容器は開口されて注出可能となるので、容器を傾けることにより内溶液を注出して使用することができる。
【0018】
【実施例】
以下に、本願発明の液体容器について、最適な一つの実施例に基づいて、図面を参照しつつ詳細に説明する。
本願発明の液体容器は、図1に示すように、熱可塑性合成樹脂のブロー成形等により成形された中空の容器本体1の口頸部1aに、図2に示すように、計量可能な形状に形成された筒状の蓋体2を螺着したものである。
上記の中空容器は、熱可塑性合成樹脂のブロー成形により内部に各種の溶液が収容可能な中空の容器本体が成形されると同時に、前記中空容器の肩部1bに連接した円筒状の口頸部1aの外周面には、螺着されるカップ状もしくは円筒状をした蓋体2の内面に設けられたラチェット歯4と係合するように対称な位置に設けた複数の係合突起3と、該蓋体2のネジ部6が螺合する螺合ネジ部5とが形成されて、図5に示したような中空の容器本体1に成形されている。
【0019】
また、上記の蓋体は、熱可塑性合成樹脂を射出成形して、図2に示すように、前記容器本体1の口頸部1aに螺着可能なカップ状もしくは円筒状の蓋体2に成形すると共に、蓋体2の天板2bの中央部分を内側へ窪ませて小径の筒状に突設した中栓状体7に形成したものである。
そして、前記蓋体2の内周面には、図3に示すように、開口端部寄りに前記口頸部1aに設けられた係合突起3に係止する複数のラチェット歯(図示したものは3つの歯)4を対称な2箇所の位置に形成すると共に、天板部2b寄りに前記口頸部1aの螺合ネジ部5に螺合するネジ部6を形成して、前記ラチェット歯4が形成された円筒壁部2aを押圧変形可能に成形して安全蓋体を形成する。
【0020】
上記のように形成された本願発明の蓋体2は、容器本体1の口頸部1aに螺着して開口部を密閉する際に、中栓状体7の外周面および天板部2b、ネジ部6と、容器の口頸部1aの接触面とが密に接して密閉するので、従来の安全蓋体よりも密閉性がよくなる。
尚、上記蓋体2の天板2bの中央部を内側へ窪ませた小径の中栓状体7を突設したのは、蓋体2を計量容器として用いる場合に、蓋体2の底部分に溜まる少量の溶液量を嵩上げにして、計る目盛りを見やすくするためである。
また、上記実施例に於ける係合突起3よびラチェット歯4は、それぞれ口頸部と蓋体の対称な位置の2箇所に設けられているが、1箇所または3箇所以上に設けることも可能である。
【0021】
そして、このうよに形成された安全蓋体を、各種の薬液、その他の液体が収容された中空容器に装着して液体容器を形成するには、容器本体1の口頸部1aに前記蓋体2を被着してから、該蓋体2を閉蓋方向へ回動せしめると、蓋体2のネジ部6が口頸部1aの螺合ネジ部5に螺合して前進するが、その際に図4に実線矢印で示したように、前記蓋体2のラチェット歯4は、口頸部1aの係合突起3の斜面に乗り上げて滑るように移動するので、蓋体2は無理なく回転して口頸部1aに螺着されて、開口部を密閉して液体容器が構成される。
このようにして、蓋体2を螺着して密閉された液体容器は、蓋体2が不用意に開蓋方向へ回動されても、前記蓋体2のラチェット歯4が口頸部1aの係合突起3の端面に係合して、回動不能になるように構成されている。
【0022】
上記のように構成された液体容器の安全蓋体を開いて内溶液を注出して使用するには、図4に実線の太い矢印で示す方向に、蓋体2を指先で掴んだまま指先に力を入れて、円筒壁部2aのラチェット歯4が存在しない部分の押圧部分2cを押圧すると、蓋体2は点線の太矢印で示す方向に変形して、図4に仮想線で示したような形状に変形するので、蓋体の円筒壁部2aのラチェット歯4が容器本体の口頸部1aの係合突起3から離れて、蓋体2が回動可能な状態になる。
そこで、図4に点線の矢印で示したように、蓋体2を開蓋方向に捻ると、蓋体2は容易に回動されて容器本体1の口頸部1aから分離することができて、液体容器は注出可能に開口される。
【0023】
上記したように、本願発明の蓋体は、従来の複数の部材から形成された安全蓋体とは異なり、図2に示すように、単一の部材により成形されて余分なものが設けられておらず、計量カップとしても使用することができるので、上記のようにして開口された容器本体を傾けて口頸部から外した蓋体に内溶液を注ぐことにより、必要な量だけを注出して使用することができる。
その際に、本願発明の蓋体2は、前記したように天板2b中央部に内側へ窪ませて小径の筒状をした中栓状体7を設けて、蓋体2の底部分を溶液が嵩上げになるように形成されているので、この部分の容量を最小単位とした目盛りを設けることにより、計量カップの底の部分に注がれる溶液の量を嵩上げにして計ることができるので、目盛りを見て計量するのが容易になり非常に便利である。
【0024】
上記した実施例に於いては、蓋体2が不用意に開蓋されるのを阻止するためのラチェット歯3を、蓋体2の円筒壁部2aの内周面の開口端部寄りに設けたが、本願の発明はこのようなものに限定されるものではない。
例えば、図3および図4に示した構造とは逆に、容器本体1の口頸部1aにラチェット歯を設けておいて、口頸部に螺合する蓋体2の円筒壁部2aの内周面に係合突起を設けると共に、前記円筒壁部を押圧弾性変形が可能に形成して、前記口頸部1aに設けたラチェット歯に蓋体2の円筒壁部2aの係合突起が係合するように構成して、前記蓋体2を容器本体1の口頸部1aに螺着することも可能である。
【0025】
上記のように形成した蓋体2を、内溶液が収容された容器本体1の口頸部1aに螺着しても、先の実施例と同じように、前記蓋体2の係合突起が容器本体1の口頸部1aのラチェット歯に係合されて、蓋体2は開蓋方向へ回動不能に係止された液体容器が形成される。
このように形成された液体容器を使用するには、先の実施例の場合と同じように、手に持った容器の蓋体2の円筒壁部2aの押圧部2cを指先で押圧すると、蓋体2の円筒壁部2aが外向きに変形するので、円筒壁部2aの内面に設けた係合突起が口頸部1aのラチェット歯との間の係合が解かれて、蓋体2は回動可能な状態になるので、液体容器は蓋体が口頸部から螺脱されて開口して注出可能になる。
【0026】
上述したように、本願の発明は、容器の口頸部に螺着して開口部を密閉する安全蓋体を、合成樹脂の射出成形により一体成形した単一部材で形成することができるので、従来の安全蓋体に比べて、蓋体の構造が非常に簡単であり、組み立て工程が必要ないので、製造コストを低減することができて、安価な蓋体を成形することができる。
また、本願発明の蓋体は、蓋の内部にはネジ山と、係合突起またはラチェット歯が設けられただけであり、また、蓋体の天板部を小径の筒状をした中栓状体を内側へ突設せしめて形成したので、蓋体を内容液の計量カップとして使用する際に、非常に計り易いものになっている。
【0027】
【発明の効果】
本願発明の蓋体を用いた液体容器は、蓋体を単に開蓋方向へ回動させようとしても、蓋体に設けられた係合突起またはラチェット歯が、口頸部のラチェット歯または係合突起に係止して、蓋体が回動不能となるので、乳幼児の悪戯による開蓋や不用意な開封が発生するのを防止することができて、また、一般の人にとっては、蓋体の円筒壁部を押圧して回動させることにより、簡単に開蓋することがてきて非常に便利である。
また、本願発明の蓋体は、一体成形の簡単な構造をしていて、射出成形等により簡単に成形することができるので、安全蓋体を安価に製造することができて、また、蓋体の内部には余分な部材がなくて、蓋体を計量カップとして使用するのに便利であり、また、蓋体の天板部を内側へ中栓状に突設したので、少量の溶液の計量が容易にできて、更に、容器の開口部の密閉性もよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の蓋体を装着した液体容器を示す斜視図である。
【図2】本願発明の蓋体を示す斜視図である。
【図3】〔図1〕に示した液体容器の口頸部の縦断面図である。
【図4】〔図3〕に示した液体容器の口頸部の係合部分を示す横断面図である。
【図5】本願発明の第一実施例の蓋体と容器本体を示す斜視図である。
【図6】本発明の先行例を示す計量可能な蓋体と容器の口頸部の分解斜視図である。
【図7】図6に示す先行例の蓋体を被着した容器の断面図である。
【図8】図7に於ける口頸部の横断面図である。
【図9】従来の計量可能な蓋体と、それを用いた容器の断面図である。
【図10】従来の安全蓋体と容器の口頸部を示す分解図である。
【符号の説明】
1. 容器本体
1a.口頸部
1b.肩部
2. 蓋体
2a.円筒壁部
2b.天板部
2c.押圧部分
3. 係合突起
4. ラチェット歯
5. 螺合ネジ部
6. ネジ部
7. 中栓状体
【発明の属する技術分野】
本願の発明は、内部に薬液や消毒液等の溶液が収容された中空容器の口頸部に螺着して、容器の開口部を密閉するのに適した蓋体を計量可能にすると共に、簡単には開くことがないような形状としたもので、更に詳細には、乳幼児にとっては有害となる各種の薬液等の溶液を収容した中空容器、あるいは、強烈な刺激臭や悪臭その他の有害な溶液が収容された中空容器の口頸部に螺着して、幼児が悪戯して蓋部を回しても簡単には開口されないように、あるいは、不用意に開蓋しないように密閉できるようにした安全蓋体を、計量カップとして使用可能な構造に形成すると共に、該蓋体を装着した液体容器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から用いられている液体を収容した中空容器の開口部を密閉するのには、口頸部内に押し込む密閉栓、または、口頸部に螺着するネジ蓋が一般に広く使用されてきたが、最近は、簡単に密閉することができて、容易に開閉することができるネジ蓋が多用されるようになった。
ネジ蓋を用いた容器は、蓋部を掴んで回すだけで、誰にでも簡単に開封することができて、非常に便利ではあるが、その反面では、乳幼児が容器に触れて、蓋部を手や口でもてあそんでいるうちに、ネジ蓋が外れてしまうことがあって非常に危険であったり、また、実際に外れた蓋や漏れ出た内容物を口に入れたことによる事故も多発している。
【0003】
このようなネジ蓋を設けた容器の問題点をなくすために色々な安全な蓋体を用いたものがあり、例えば、内蓋の栓体を容器の口頸部内に押し込んで密閉した上からネジ蓋からなる外蓋を口頸部に螺着する二重構造にした安全な蓋体を装着して、外蓋を回して外しただけでは内容液を注出できないようにしたもの、あるいは、容器の口頸部に螺合した内蓋の上に外蓋を被せて密閉する二重構造の安全な蓋体を装着して、外蓋を押圧した状態で回動させるか、あるいは、嵌合ピン等の係合手段を係合して回さない限り、内蓋が一緒に回転して開封できないような構造にしたり、その他の簡単には開口することができない構造の蓋体が従来から知られており、また、特開平9−104453号や特開2000−335610号、特開2001−72098号公報等やその他に各種の安全な蓋体に関する提案がなされている。
【0004】
このような従来の安全な蓋体を用いた容器は、幼児の悪戯による開封は防止できるが、しかし、その反面一般の人にとっても開口することが面倒な場合があり、実際に開蓋して使用するに際して不便であるばかりか、通常の蓋体に比べてその構造が非常に複雑であり、製造コストも割高になることから、実際には一般的にあまり使用されることがなかった。
そこで、上記した従来の安全な蓋体に比べて開口操作を容易に行うことができて、また、蓋体の構造をもう少し簡単にして、蓋体を安価に製造することができるようにして、二重構造となした安全な蓋体が、特開平11−278507号や特開2001−341760号公報その他に提案されている。
【0005】
上記した二重構造の安全な蓋体は、図10に示すように、容器本体21の口頸部21aに螺合されるキャップ本体22と、キャップ本体22の外周を囲む円筒形の外装体23とで構成された安全キャップ24で、キャップ本体22の外周面と外装体23の内周面には、外装体23を押圧することにより相互に噛み合う縦縞のギザギザ状の凹凸22a,23aが形成されて、キャップ本体22の外周面と外装体23の内周面との間には、僅かの隙間が形成されている。
そして、キャップ本体22の外周面の下端部には、僅かに外側へ張り出した鍔部22bを有し、該鍔部22bの上縁には鋸歯状の溝22cが多数周設されていて、また、前記外装体23の内周面の下方には、鋸歯状の突起23bが多数周設されていて、鋸歯状の溝22cと鋸歯状の突起23bは噛み合ってラチェット機構として作用するようになっている。
【0006】
上記のような構成にした安全キャップ24を装着した液体容器は、前記容器本体の開口部を密閉する際には、口頸部21aに対して前記外装体3を蓋が閉じる方向へ捻じると、外装体23の鋸歯状の突起23bがキャップ本体22の鋸歯状の溝22cに係合してラチェット機構が働くので、前記キャップ本体22は外装体23と一体になって回転しながら容器の開口部を密閉することができる。
また、開蓋しようとして、口頸部21aに対して蓋部を開く方向へ外装体23を単に捻じるだけでは、外装体23はキャップ本体22の鋸歯状突起22bの斜面に乗り上げて、ラチェット機構が非係合状態になって外装体23が空回りして、前記キャップ本体22が回転することがないので、容器の開口部が開くことがない。
【0007】
従って、上記した安全な蓋体を実際に開くには、蓋部を掴んだ指先に力を加えて外装体23を楕円形に押し潰した状態して、キャップ本体22と外装体23とを噛み合わせて一体にして回転させなければならないので、乳幼児の悪戯による開蓋や誤飲等を防止することができて、また、普通の人にとっては、外装体を指先で潰して回すことにより簡単に開蓋することができて便利である。
しかし、上記した従来の安全蓋体は、ネジ蓋本体を形成するのに、二つ、または、三つ、あるいは、それ以上の部材を組み合わせてなる複数の部材で構成されるものであるから、蓋体の構造が複雑で手間がかかり、その製造コストを引き下げることが困難であり、また、前記蓋体は、注出する内溶液を計る計量カップとして使用することはできないので、もう少し改良の余地がある。
【0008】
そして、中空容器の口頸部を密閉する蓋体を、注出する内容物を計量する計量カップとしても使用できるようにした容器として、実開昭60−50146号や実開平1−51043号公報等に記載されるような中空容器が知られている。
これらの中空容器は、図9(b)に示すように、容器本体51の口頸部52に螺着する蓋体53が、内蓋兼用の内筒面に目盛りを付けて形成した計量筒53aを口頸部52の内面に嵌着せしめると共に、外筒53bの内周面に設けたネジを口頸部52の外周面のネジ部に螺合せしめて密閉するようにしたものである。
【0009】
しかし、上記のような蓋体を装着した中空容器は、蓋体53を容器本体51の口頸部52から外して、図9(a)に示すように、内容液を計量する計量カップとして使用することができて、非常に便利ではあるが、蓋体53を口頸部52から外すには、内蓋の内筒53aを抜かなければならず、やや大きな指先の力を必要とし、また、完全に安全な蓋体とは言えない。
そこで、上記したような従来の計量カップとして使用可能な蓋体を改良して、容器本体の口頸部に螺着された蓋体を、単に回動しようとしても開口することができない構造にした安全な蓋体に形成すると共に、該蓋体を開口する際の回動操作を容易に行うことができる構造に形成して、且つ、前記蓋体の構造を簡単にして安価に製造することができるようにした二重構造の安全な蓋体を、既に出願人は、特開2000−335611号公報その他に提案している。
【0010】
上記した発明の安全蓋体は、図6に示すように、容器本体31の口頸部31aに嵌着する装着筒32と、該装着筒の外周面に螺合する蓋体33と、該蓋体に嵌合する計量カップ34とで構成したものある。
前記装着筒32は、容器本体31の口頸部に回動不能に、且つ、脱落不能に嵌着する円筒壁部に螺合ネジ部35を設けて、該円筒壁部の下端部に円盤状のフランジ部36を周設すると共に、該フランジ部の端縁に段部37aを設けて円筒壁37が容器の肩部31bを覆うように垂設されていて、前記フランジ部には円筒壁部32aに沿って短いスリット状の開孔36aが設けられると共に、該開孔の一端部に連接した割り溝38が前記円筒壁37に設けられて、弾性変形可能な操作部が形成されて、前記フランジ部36の割り溝38の開口端部に三角形状の係合突起36bが設けられている。
【0011】
また、前記蓋体33は、前記装着筒32の円筒壁部32aに螺合可能に形成した筒状蓋部33aと、該筒状蓋部の下端部に周設したフランジ部33bの外周端面に立設した円筒状の外筒33cとからなり、前記円筒状の外筒33cの内周面に前記係合突起36bに係合する係止突起33dが設けられて、前記筒状蓋部分と外筒との間に計量カップ34が着脱自在に嵌合可能に形成されている。
上記のように形成された装着筒32は、各種の内溶液が収容された中空の容器本体31の口頸部31aに嵌着されて、該装着筒に計量カップ34が嵌合された蓋体33が螺着されて液体容器が構成される。
【0012】
このような液体容器を閉蓋するには、計量カップ34が嵌合された蓋体33を装着筒32に被着して閉蓋方向に回動させると、図7に示すように、蓋部が装着筒の螺合ネジ35に螺合すると共に、円筒状の外筒が降下して、内周面に設けた係止突起33dが前記装着筒32の係合突起36bに係合して、該係合突起を内側へ押圧変形させながら、その上を乗り越えて回動するので、蓋体33を単に回動させるだけで螺着することができる。
また、液体容器を開蓋しようとして、蓋体33を単に回動させようとしても、外筒内面の係止突起33dが前記装着筒の係合突起36bに係止して回動することができないが、図6に矢印で示すように、装着筒32の前記円筒壁37の操作部を指先で押圧すると、スリット状の開孔36a部分が弾性変形して前記係合突起36bが内側へ後退して、前記蓋体の係止突起33dに係止しないようになるので、蓋体33を回動させることにより装着筒から外すことができる。
【0013】
上記のように構成した発明の蓋体は、単に蓋体を回すだけでは開蓋しないので、幼児の悪戯による開蓋を防止することができて、また、蓋体自体が単一部材で構成されてはいるが、前記蓋体を安全な状態に螺合するには、容器本体の口頸部に嵌着する特別な装着筒を用いる必要があり、また、計量カップ34は蓋体33とは別体に形成したものであるから、このような安全な蓋体の製造コストを低減することは非常に困難である。
従って、前記した実開昭60−50146号公報に記載される考案の良い点と特開2000−335611号公報に記載される発明の良い点とを組み合わせた構造の蓋体にして、安価に製造することができると共に、計量カップとしても使用可能にした液体容器の口頸部に螺着する安全な蓋体の出現が望まれる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
本願の発明は、各種の溶液が収容された中空容器の開口部を密閉する蓋体を、幼児等による悪戯によっては簡単に開かないような構造にして、不注意による危険性から幼児を守ることができて、また、不用意に開蓋するようなことはないが、一般の大人にとっては開蓋する操作が容易に行うことができて、簡単に開口できるような構造をした安全な蓋体を形成すると共に、該蓋体は内容液の計量を行うのにも適した構造をした蓋体に形成する。
そして、前記安全な蓋体は、簡単な構造をした一つの部材で形成すると共に、合成樹脂の射出成形等により容易に成形することができる構造に形成して、製造コストを低減することができる安全な蓋体にして、また、内容液の計量カップとしても使用できるようにした安全な蓋体に形成すると共に、前記安全な蓋体を装着した液体容器を提供することを目的とする。
【0015】
【課題が解決するための手段】
上記の課題を達成するために、ブロー成形により内部に溶液を収容可能に成形した中空容器の肩部に連接する円筒状の口頸部の外周面に、開口部を密閉する蓋体を螺着する螺合ネジ部を設けると共に、蓋体のラチェット歯と係合する係合突起を設けてなる容器本体を形成する。
また、前記容器本体の円筒状の口頸部に螺着可能な蓋体を形成すると共に、該蓋体を計量カップとして使用可能な形状に形成して、前記蓋体の天板部側の内面には口頸部の螺合ネジ山に螺合するネジ部を設けると共に、蓋体の開口端側の内面に口頸部の係合突起に係止するラチェット歯を設けて、前記係合突起を設けた円筒壁部分を押圧変形可能に形成した蓋体を、熱可塑性合成樹脂の射出成形により成形した安全蓋体を形成する。
そして、内溶液が収容された前記容器本体の口頸部に、前記安全蓋体を螺着して、不用意に蓋体が開くことがないように密閉された液体容器を構成する。
【0016】
【発明の実施の形態】
熱可塑性合成樹脂をブロー成形して、内部に溶液を収容可能な中空の容器本体1を形成すると共に、容器本体1の円筒状をした口頸部1aの外周面に、蓋体2に設けたラチェット歯4と係合する係合突起3と蓋体を螺着する螺合ネジ部5とを形成して、安全蓋体を螺着可能となした中空容器を形成する。
また、上記中空容器の円筒状の口頸部1aに螺着可能すると共に内容液を計量可能にした蓋体2を、熱可塑性合成樹脂の射出成形により成形して、前記蓋体の天板部2b側の内周面に容器本体の口頸部1aに設けた螺合ネジ部5に螺合するネジ部6を設けると共に、蓋体2の開口端側の内面に容器本体の口頸部1aに設けた係合突起3に係止するラチェット歯4を設けた蓋体2に形成して、前記蓋体の円筒壁部2aの押圧部2cを押圧により楕円状に変形可能に形成した安全蓋体を形成する。
【0017】
このように形成された安全蓋体を、内溶液が収容された前記中空容器本体の口頸部1aに被着して、前記蓋体2を閉蓋方向に回転せしめることにより、前記蓋体のラチェット歯4の斜面を口頸部の係合突起3が乗り越えるようにして蓋体2が回動して螺着して、安全蓋体が装着された液体容器が構成される。
上記のように構成された液体容器を開蓋するには、前記蓋体2の押圧変形可能な円筒壁部2aに設けた押圧部2cを指先で押圧すると、蓋体2が楕円形状に変形してラチェット歯4と係合突起3との係合が解除される。
そこで、蓋体2を開蓋方向に回動せしめると、前記蓋体のラチェット歯4の係合端面が口頸部の係合突起3から離れた状態になり、蓋体2は自由に回動させることができて口頸部1aから螺脱して、容器は開口されて注出可能となるので、容器を傾けることにより内溶液を注出して使用することができる。
【0018】
【実施例】
以下に、本願発明の液体容器について、最適な一つの実施例に基づいて、図面を参照しつつ詳細に説明する。
本願発明の液体容器は、図1に示すように、熱可塑性合成樹脂のブロー成形等により成形された中空の容器本体1の口頸部1aに、図2に示すように、計量可能な形状に形成された筒状の蓋体2を螺着したものである。
上記の中空容器は、熱可塑性合成樹脂のブロー成形により内部に各種の溶液が収容可能な中空の容器本体が成形されると同時に、前記中空容器の肩部1bに連接した円筒状の口頸部1aの外周面には、螺着されるカップ状もしくは円筒状をした蓋体2の内面に設けられたラチェット歯4と係合するように対称な位置に設けた複数の係合突起3と、該蓋体2のネジ部6が螺合する螺合ネジ部5とが形成されて、図5に示したような中空の容器本体1に成形されている。
【0019】
また、上記の蓋体は、熱可塑性合成樹脂を射出成形して、図2に示すように、前記容器本体1の口頸部1aに螺着可能なカップ状もしくは円筒状の蓋体2に成形すると共に、蓋体2の天板2bの中央部分を内側へ窪ませて小径の筒状に突設した中栓状体7に形成したものである。
そして、前記蓋体2の内周面には、図3に示すように、開口端部寄りに前記口頸部1aに設けられた係合突起3に係止する複数のラチェット歯(図示したものは3つの歯)4を対称な2箇所の位置に形成すると共に、天板部2b寄りに前記口頸部1aの螺合ネジ部5に螺合するネジ部6を形成して、前記ラチェット歯4が形成された円筒壁部2aを押圧変形可能に成形して安全蓋体を形成する。
【0020】
上記のように形成された本願発明の蓋体2は、容器本体1の口頸部1aに螺着して開口部を密閉する際に、中栓状体7の外周面および天板部2b、ネジ部6と、容器の口頸部1aの接触面とが密に接して密閉するので、従来の安全蓋体よりも密閉性がよくなる。
尚、上記蓋体2の天板2bの中央部を内側へ窪ませた小径の中栓状体7を突設したのは、蓋体2を計量容器として用いる場合に、蓋体2の底部分に溜まる少量の溶液量を嵩上げにして、計る目盛りを見やすくするためである。
また、上記実施例に於ける係合突起3よびラチェット歯4は、それぞれ口頸部と蓋体の対称な位置の2箇所に設けられているが、1箇所または3箇所以上に設けることも可能である。
【0021】
そして、このうよに形成された安全蓋体を、各種の薬液、その他の液体が収容された中空容器に装着して液体容器を形成するには、容器本体1の口頸部1aに前記蓋体2を被着してから、該蓋体2を閉蓋方向へ回動せしめると、蓋体2のネジ部6が口頸部1aの螺合ネジ部5に螺合して前進するが、その際に図4に実線矢印で示したように、前記蓋体2のラチェット歯4は、口頸部1aの係合突起3の斜面に乗り上げて滑るように移動するので、蓋体2は無理なく回転して口頸部1aに螺着されて、開口部を密閉して液体容器が構成される。
このようにして、蓋体2を螺着して密閉された液体容器は、蓋体2が不用意に開蓋方向へ回動されても、前記蓋体2のラチェット歯4が口頸部1aの係合突起3の端面に係合して、回動不能になるように構成されている。
【0022】
上記のように構成された液体容器の安全蓋体を開いて内溶液を注出して使用するには、図4に実線の太い矢印で示す方向に、蓋体2を指先で掴んだまま指先に力を入れて、円筒壁部2aのラチェット歯4が存在しない部分の押圧部分2cを押圧すると、蓋体2は点線の太矢印で示す方向に変形して、図4に仮想線で示したような形状に変形するので、蓋体の円筒壁部2aのラチェット歯4が容器本体の口頸部1aの係合突起3から離れて、蓋体2が回動可能な状態になる。
そこで、図4に点線の矢印で示したように、蓋体2を開蓋方向に捻ると、蓋体2は容易に回動されて容器本体1の口頸部1aから分離することができて、液体容器は注出可能に開口される。
【0023】
上記したように、本願発明の蓋体は、従来の複数の部材から形成された安全蓋体とは異なり、図2に示すように、単一の部材により成形されて余分なものが設けられておらず、計量カップとしても使用することができるので、上記のようにして開口された容器本体を傾けて口頸部から外した蓋体に内溶液を注ぐことにより、必要な量だけを注出して使用することができる。
その際に、本願発明の蓋体2は、前記したように天板2b中央部に内側へ窪ませて小径の筒状をした中栓状体7を設けて、蓋体2の底部分を溶液が嵩上げになるように形成されているので、この部分の容量を最小単位とした目盛りを設けることにより、計量カップの底の部分に注がれる溶液の量を嵩上げにして計ることができるので、目盛りを見て計量するのが容易になり非常に便利である。
【0024】
上記した実施例に於いては、蓋体2が不用意に開蓋されるのを阻止するためのラチェット歯3を、蓋体2の円筒壁部2aの内周面の開口端部寄りに設けたが、本願の発明はこのようなものに限定されるものではない。
例えば、図3および図4に示した構造とは逆に、容器本体1の口頸部1aにラチェット歯を設けておいて、口頸部に螺合する蓋体2の円筒壁部2aの内周面に係合突起を設けると共に、前記円筒壁部を押圧弾性変形が可能に形成して、前記口頸部1aに設けたラチェット歯に蓋体2の円筒壁部2aの係合突起が係合するように構成して、前記蓋体2を容器本体1の口頸部1aに螺着することも可能である。
【0025】
上記のように形成した蓋体2を、内溶液が収容された容器本体1の口頸部1aに螺着しても、先の実施例と同じように、前記蓋体2の係合突起が容器本体1の口頸部1aのラチェット歯に係合されて、蓋体2は開蓋方向へ回動不能に係止された液体容器が形成される。
このように形成された液体容器を使用するには、先の実施例の場合と同じように、手に持った容器の蓋体2の円筒壁部2aの押圧部2cを指先で押圧すると、蓋体2の円筒壁部2aが外向きに変形するので、円筒壁部2aの内面に設けた係合突起が口頸部1aのラチェット歯との間の係合が解かれて、蓋体2は回動可能な状態になるので、液体容器は蓋体が口頸部から螺脱されて開口して注出可能になる。
【0026】
上述したように、本願の発明は、容器の口頸部に螺着して開口部を密閉する安全蓋体を、合成樹脂の射出成形により一体成形した単一部材で形成することができるので、従来の安全蓋体に比べて、蓋体の構造が非常に簡単であり、組み立て工程が必要ないので、製造コストを低減することができて、安価な蓋体を成形することができる。
また、本願発明の蓋体は、蓋の内部にはネジ山と、係合突起またはラチェット歯が設けられただけであり、また、蓋体の天板部を小径の筒状をした中栓状体を内側へ突設せしめて形成したので、蓋体を内容液の計量カップとして使用する際に、非常に計り易いものになっている。
【0027】
【発明の効果】
本願発明の蓋体を用いた液体容器は、蓋体を単に開蓋方向へ回動させようとしても、蓋体に設けられた係合突起またはラチェット歯が、口頸部のラチェット歯または係合突起に係止して、蓋体が回動不能となるので、乳幼児の悪戯による開蓋や不用意な開封が発生するのを防止することができて、また、一般の人にとっては、蓋体の円筒壁部を押圧して回動させることにより、簡単に開蓋することがてきて非常に便利である。
また、本願発明の蓋体は、一体成形の簡単な構造をしていて、射出成形等により簡単に成形することができるので、安全蓋体を安価に製造することができて、また、蓋体の内部には余分な部材がなくて、蓋体を計量カップとして使用するのに便利であり、また、蓋体の天板部を内側へ中栓状に突設したので、少量の溶液の計量が容易にできて、更に、容器の開口部の密閉性もよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の蓋体を装着した液体容器を示す斜視図である。
【図2】本願発明の蓋体を示す斜視図である。
【図3】〔図1〕に示した液体容器の口頸部の縦断面図である。
【図4】〔図3〕に示した液体容器の口頸部の係合部分を示す横断面図である。
【図5】本願発明の第一実施例の蓋体と容器本体を示す斜視図である。
【図6】本発明の先行例を示す計量可能な蓋体と容器の口頸部の分解斜視図である。
【図7】図6に示す先行例の蓋体を被着した容器の断面図である。
【図8】図7に於ける口頸部の横断面図である。
【図9】従来の計量可能な蓋体と、それを用いた容器の断面図である。
【図10】従来の安全蓋体と容器の口頸部を示す分解図である。
【符号の説明】
1. 容器本体
1a.口頸部
1b.肩部
2. 蓋体
2a.円筒壁部
2b.天板部
2c.押圧部分
3. 係合突起
4. ラチェット歯
5. 螺合ネジ部
6. ネジ部
7. 中栓状体
Claims (5)
- 内部に溶液を収容する中空容器の肩部に連接した円筒状の口頸部に螺着可能に形成した蓋体であって、蓋体の天板部側の内面に口頸部の螺合ネジ山に螺合するネジ部を設けると共に、蓋体の開口端側の内面に口頸部の係合突起に係止する複数のラチェット歯を設けて蓋体を形成し、更に、該蓋体の天板部を内側へ筒状に突出せしめて形成した中栓状体を容器の口頸部内に嵌合可能となした蓋体を、熱可塑性合成樹脂の射出成形により押圧変形可能に形成してなることを特徴とする計量可能な安全蓋体。
- 内部に溶液を収容する中空容器の肩部に連接した円筒状の口頸部に螺着可能に形成した蓋体であって、蓋体の天板部側の内面に口頸部の螺合ネジ山に螺合するネジ部を設けると共に、蓋体の開口端側の内面に口頸部のラチェット歯に係止する係合突起を設けて蓋体を形成し、更に、該蓋体の天板部を内側へ筒状に突出せしめて形成した中栓状体を容器の口頸部内に嵌合可能となした蓋体を、熱可塑性合成樹脂の射出成形により押圧変形可能に形成してなることを特徴とする計量可能な安全蓋体。
- 前記蓋体は、天板部を内側へ筒状に突出せしめて形成した中栓状体を設けた部分を最小の計量容積とする計量目盛りが円筒壁部分に設けられて、内溶液を計量可能にした蓋体に形成されてなることを特徴とする請求項1または請求項2に記載する計量可能な安全蓋体。
- 内部に溶液を収容可能に形成した中空容器の肩部に連接する円筒状の口頸部の外周面に、蓋体を螺着する螺合ネジ部と、係合突起とを形成してなる容器本体に、前記口頸部に螺合するネジ部と、前記係合突起に係止する複数のラチェット歯を蓋体の内周面に設けると共に、前記口頸部内に嵌合する中栓状体を蓋体の天板部に突設して、円筒壁部分を押圧変形可能に形成してなる蓋体を被着して螺合せしめて、前記蓋体のラチェット歯を前記係合突起に係止せしめて、蓋体が開蓋方向に回動不能に形成されてなることを特徴とする計量可能な安全蓋体を装着した液体容器。
- 内部に溶液を収容可能に形成した中空容器の肩部に連接する円筒状の口頸部の外周面に、蓋体を螺着する螺合ネジ部と、複数のラチェット歯とを形成してなる容器本体に、前記口頸部に螺合するネジ部と、前記ラチェット歯に係止する係合突起とを蓋体の内周面に設けると共に、前記口頸部内に嵌合する中栓状体を蓋体の天板部に突設して、円筒壁部分を押圧変形可能に形成してなる蓋体を被着して螺合せしめて、前記蓋体の係合突起を前記ラチェット歯に係止せしめて、蓋体が開蓋方向に回動不能に形成されてなることを特徴とする計量可能な安全蓋体を装着した液体容器。
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